JPH0418486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、マスカラ等の液状化粧料を収納する
容器に関するものである。

〔従来の技術〕

マスカラ等の液状化粧料を収納する容器は、一
般に、この化粧料を収納する容器本体と、それに
組付けられる操作体とから構成されている。

操作体の先端部にはブラシ片が植設されてい
て、このブラシ片に容器本体内の化粧料を付着さ
せ、まつ毛等に塗布することになつている。

しかしながら、上記したブラシ片は容器本体内
の液状化粧料中に収納されて化粧料が必要以上に
付着しているので、使用時に容器本体の開口部分
等でしごいて付着量を適量にしなければならない
手間のかかるものであると共に、しごかれた化粧
料が容器外にたれ落ちたりする不便なものであつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この点を解消するべく、容器本体内に、液状化
粧料を適量にしごくことのできるしごき部分を設
けた構成も考えられている。

この容器本体内に設けられたしごき部分は、操
作体を適当にしごいて、そのブラシ片に付着して
いる化粧料の量を適量にすることができるのであ
るが、使用後に操作体を容器本体内に挿入する際
に、前記したしごき部分が操作体のブラシ片をし
ごくことになり、このしごきによつてしごき部分
の上位に化粧料がたまるものとなつていた。

このしごき部分の上位に位置した化粧料は、操
作体の把手部分近くに位置することになるので、
その把手部分や指を汚したり、又、容器外に流れ
落ちて他の物品を汚す等の問題を生じていた。

本考案は、上記した従来の問題点を解消すべく
考案された液状化粧料収納容器に関するものであ
つて、化粧料のしごきを簡単かつ確実に達成する
と共に、液状化粧料の容器外への流出を防止する
ことによつて、容器、指、あるいは他の物品を汚
すことのないようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成する本考案を、図を参照しなが
ら説明する。

本考案による化粧料収納容器は、容器本体１と
操作体２とから構成されている。

容器本体１は、細長有頂円筒体の筒壁８外周面
上端部に螺条を周設すると共に、筒壁８内周面上
端部から垂下設された内筒１０の下端から、内方
に下降傾斜する弾性材製のしごき片５を設けてい
る。

操作体２は、細長有頂円筒体の内部に、前記し
ごき片４の開口周面に、周面が密に弾接する太さ
で、下部周面にブラシ片６を植設した棒体３の上
部を抜け出し不能に組付け、棒体３の上部にその
棒体３を弾圧する弾材５を組付けると共に、内周
面が棒体３の周面に摺接し、外周面下端部が前記
内筒１０の内周面に弾接する径の弾接片９を設
け、さらに内周面下部に前記容器本体１の螺条に
螺合する螺条を周設している。

そして、前記棒体３の長さを、前記容器本体１
と前記操作体２とが組付きを完了する以前に、そ
の棒体３下端が容器本体１底壁に当接する程度に
設定し、さらに、前記棒体４周面に、前記操作体
２と前記容器本体１とが組付きを完了した状態に
おいて、前記しごき片４が弾接する箇所の直上に
縦長の凹溝７を形成している。

凹溝７の縦方向の長さは、容器本体１と操作体
２との組付きが完了する以前に、凹溝７が、しご
き片４の前記棒体３を弾接する部分であるしごき
部２１に隣接位置して、開口部を形成し、かつ、
組付き完了時においては、凹溝７がしごき部２１
より上位に位置して、その開口部を閉鎖すること
が出来る程に設定される。

〔作用〕

本考案による化粧料収納容器の作用を、以下、
図を参照しながら説明する。

容器本体１に操作体２が組付いている状態か
ら、操作体２を取り外すには、まず操作体２を反
螺合方向に回転させて、螺合組付きをとく。螺合
組付きがとかれたら、操作体２を上方へ引き上げ
る。この時、容器本体１内の液状化粧料中に位置
している棒体３は引き上げられ、棒体３周面に付
着している液状化粧料１２は、しごき片４によつ
てしごき落とされる。

このしごき片４は弾性材製であり、弾性変形し
て密に棒体３の周面に弾接するので、棒体３周面
に付着した液状化粧料１２を、確実にしごき落と
すことが出来る。

棒体３下端のブラシ片６に付着している液状化
粧料１２も、操作体２を容器本体１より引き抜く
ことによりしごき落とされ、適量に調節される。

又、しごき片４は内方へ向かつて下降傾斜して
いるので、上記の如くしごいた液状化粧料１２を
確実に下方に落下させることが出来る。

化粧終了後、操作体２を容器本体１に再び組付
けるには、まず棒体３を容器本体１内に入れる。
この時、ブラシ片６がしごき片４にあたり、この
ブラシ片６には残存して付着していた液状化粧料
１２はしごかれて、しごき部２１の上方にたま
る。

このしごき部２１の上方にたまる液状化粧料１
２は、しごき片４あるいは内筒１０と棒体３との
間に形成される空間に収納されることになるの
で、容器本体１より外にあふれ出ることはない。

この状態から、さらに棒体３を下降変位させる
と、弾接片９が容器本体１内に侵入して内筒１０
内周面に摺接し、これによつて、しごき部２１上
方にたまつた液状化粧料１２を下方に押しやる。
下方に押しやられた液状化粧料１２は、棒体３周
面に形成された凹溝７を通つて、しごき片４より
下方の容器本体１内の液状化粧料１２中に戻され
ることになる。

上記の状態中、あるいはそれにやや前後して、
棒体３下端が容器本体１の底壁に当接する。

さらに容器本体１の操作体２との組付きを進め
ると、下端が容器本体１底壁に当接した棒体３
は、それ以上の下降変位を阻止される。これに対
して弾接片９は、棒体３の周面を摺接しながら下
降する。この作用は、棒体３上部に組付けられた
弾材５によつて可能になつている。

そして、容器本体１と操作体２との組付きが完
了した状態においては、凹溝７は、しごき部２１
の直上に位置し、凹溝７によつて形成されていた
開口を閉鎖する。従つて、容器本体１内の液状化
粧料１２は、いかなる姿勢のもとでも外に漏れる
ことがない。

〔実施例〕

本考案による一実施例を、図を参照しながら説
明する。

操作体２は、有頂円筒形状のキヤツプ体１５に
より、その胴筒１４が嵌合されている。操作体２
の頂壁１３は、胴筒１４の上部に設けている。

弾接片９は、胴筒１４と棒体３の間に組付く嵌
合筒１８の下端から、垂下設され、その外周面下
端部には、内筒１０との弾接を確実に行う突条１
１が突設されている。上記嵌合筒１８の下部に
は、段部１９が形成され、棒体３に形成された凸
部２０が当接することによつて、棒体３の下降限
位置を設定している。

弾材５は、棒体３の周面上部に嵌装するつる巻
式のばねを使用している。

容器本体１上部の螺条は、上部外周面に螺条を
設けた円筒条の螺筒１７を、筒壁８に嵌め込むこ
とによつて形成している。

内筒１０としごき片４の一体物は、螺筒１７に
嵌入して組付く外筒１６の上端から垂下設してい
る。

凹溝７の縦方向の長さは、ここでは、棒体３が
下降限位置まで達している状態、すなわち容器本
体１と操作体２との組付きがとかれている状態に
おいて、凹溝７のほぼ上端部にしごき片４が位置
する程度に設定しているが、それより多少長くて
も、又、短くても良い。要は、前記したように、
容器本体１と操作体２との組付きが完了する以前
に、凹溝７がしごき片４に隣接して、しごき片４
の上方にある液状化粧料１２を容器本体１内に落
下させることの出来る開口部を提供し、かつ、組
付き完了時においては、その開口部を完全に閉鎖
することが出来れば良い。

〔考案の効果〕

このように、本考案による液状化粧料収納容器
は、操作体２を容器本体１より取り外す操作のみ
で、棒体３に付着している液状化粧料１２を確実
にしごき落とすことが出来ると共に、ブラシ片６
に付着している液状化粧料１２を、適量に調節す
ることが出来るので、使用時に液状化粧料１２を
容器外へたれ落としたりすることがない。

又、操作体２を容器本体１に組付ける際、しご
き片４の上位にたまり易い液状化粧料１２は、弾
接片９によつて下方に押しやられ、凹溝７を通つ
て容器本体１内に落下するので、操作体２や容器
本体１、さらには指や他の物品を汚すことがな
い。

又、さらに、容器本体１と操作体２との組付き
が完了した状態においては、しごき片４が棒体３
に弾接することによつて、容器本体１内部を閉鎖
するので、容器をいかなる姿勢にしても液状化粧
料１２が漏れることがない等、化粧料収納容器と
しての優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示す半縦断面図、第２図は
要部拡大断面図である。 符号の説明、１……容器本体、２……操作体、
３……棒体、４……しごき片、５……弾材、６…
…ブラシ片、７……凹溝、８……筒壁、９……弾
接片、１０……内筒、１１……突条、１２……液
状化粧料、１３……頂壁、１４……胴筒、１５…
…キヤツプ体、１６……外筒、１７……螺筒、１
８……嵌合筒、１９……段部、２０……凸部、２
１……しごき部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細長有底円筒体の筒壁８外周面上端部に螺条を
   周設すると共に、該筒壁８内周面上端部から垂下
   設された内筒１０下端から内方に下降傾斜する弾
   性材製のしごき片４を周設した容器本体１と、細
   長有頂円筒体の内部に、前記しごき片４の開口周
   面に周面が密に弾接する太さで、下部周面にブラ
   シ片６を植設した棒体３の上部を抜け出し不能に
   組付け、該棒体３の上部に該棒体３を弾圧する弾
   材５を組付けると共に、内周面が該棒体３の周面
   に摺接し、外周面下端部が前記内筒１０の内周面
   に弾接する径の弾接片９を設け、さらに内周面下
   部に前記容器本体１の螺条に螺合する螺条を周設
   した操作体２とから成り、前記棒体３を、前記容
   器本体１と前記操作体２とが組付きを完了する以
   前に、該棒体３下端が容器本体１底壁に当接する
   長さに設定すると共に、前記容器本体１と前記操
   作体２とが組付きを完了した状態において、前記
   しごき片４が弾接する箇所の直上に縦長の凹溝７
   を形成して成る化粧料収納容器。