JPH0418387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、包餡機のような食品成形切断機の
駆動装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えば実開昭60−085178号公報に示され
ているように、正六角形の開口を形成した絞り片
ガイドを食品成形機本体の枠体とし、前記ガイド
の開口に６つの台形状の絞り片を、前記開口周囲
の各辺に沿い直線往復動可能にそれぞれ支持する
と共に、互いに摺動可能に支持し、前記絞り片ガ
イドの開口と相似形の開閉可能な穴を形成し、こ
の穴の開時に所定速度で下降する棒状の食品材料
を入れ、駆動装置によつて絞り片を摺動させるこ
とで、穴を閉じることにより、各々の絞り片によ
つて食品材料を球形に近い形状に成形して切断す
る食品成形切断機が知られている。

また、この食品成形切断機の駆動装置は、正逆
回転する電動機を、回転を直線往復動に変換する
運動変換機構を介して絞り片に伝達し、絞り片を
水平方向に開閉するものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前述した従来の食品成形切断機の駆動
装置は、食品材料の下降速度に合せて成形切断機
本体を昇降させることが困難であり、また、成形
切断機本体を両側部で支持させると、この本体を
洗浄時などに脱着する作業が面倒であると共に、
成形切断機本体の下方に成形切断した食品材料を
受ける搬出用コンベヤなどを設置すると、このコ
ンベヤの清掃が困難になり、清掃を用意にできる
ようにするには、成形切断機本体と搬出用コンベ
ヤの上下方向間隔を拡げる必要があるなど、食品
成形切断機が大形になるという問題点があつた。

この考案は、前述した問題点を解決するために
なされたもので、成形切断機本体の開閉と昇降と
を同期して行うことができ、しかも成形切断機本
体の脱着が容易であり、この本体の交換および洗
浄が容易にでき、さらに搬出用コンベヤなどの清
掃が容易でありながら、食品成形切断機を小形化
することができるその駆動装置を提供することを
目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る食品成形切断機の駆動装置は、
電動機によつて駆動される主軸を装置枠に垂直に
軸支し、前記主軸に昇降用カムを設け、前記装置
枠に昇降可能に昇降台を支持させ、この昇降台に
設けた昇降腕をカムフオロアを介して前記昇降用
カムに係合させ、前記主軸にこの主軸から回転力
が伝達される開閉用カムを係合させ、前記昇降台
に水平方向往復動可能に開閉用軸を支持し、この
開閉用軸に設けた腕をカムフオロアを介して前記
開閉用カムに係合させると共に、前記昇降台の装
置枠一側外方に突出した支持部に食品成形切断機
本体の枠体を着脱可能に固定し、前記成形切断機
本体を開閉する操作杆を前記枠体に往復動可能に
挿通し、昇降台の前記支持部内に設けた動力伝達
機構によつて前記操作杆を取外し可能に前記開閉
腕に連繋させたものである。

〔作用〕

この考案による食品成形切断機の駆動装置は電
動機によつて主軸を回転させることで、昇降用カ
ムと開閉用カムが同期駆動され、昇降用カムによ
つて昇降台が下降することで、食品成形切断機本
体を所定速度で下降する棒状の食品材料の速度に
合せて下降させつつ、開閉用カムによつて開閉用
軸を進退させ、動力伝達機構を介して操作杆を移
動させ、前記成形切断機本体を閉動作させること
により、棒状の食品材料を成形切断し、その後、
成形切断機本体の上昇復帰と開動作とを行うこと
ができるので、食品材料の成形切断がきれいにで
き、しかも、昇降台の装置枠一側外方に突出した
支持部に成形切断機本体の枠体を着脱可能に固定
したので、この枠体が装置枠に片持支持されてい
ることにより、枠体の昇降台に対する脱着作業が
容易にでき、成形切断機本体の交換が容易にでき
ると共に、この本体を取外して洗浄でき、洗浄が
十分にできて衛生的であり、さらに、成形切断機
本体を取外した状態で、この本体に下方に成形切
断した食品材料を受けるために設置された搬出用
コンベヤなどの部材の清掃も容易にでき、この部
材を成形切断機本体に近づけることができ、食品
成形切断機の小形化が可能になる。

〔実施例〕 以下、この考案の一実施例につき第１図、第２
図を参照して説明する。

第１図、第２図において、１は装置枠であり、
この装置枠１は、ベース２上にハウジング３が固
定され、ベース２とハウジング３で囲まれた内部
に、複数のガイド軸４と、減速機５と一体化した
電動機６が前記ベース２に固定されて設けられ、
ガイド軸４の上端部がベアリング受７に固定され
ている。減速機５の下方に突出した出力軸５ａと
後述する主軸８の下端部にはプーリ９とプーリ１
０がそれぞれ固定され、これらのプーリ９，１０
に無端状のタイミングベルト１１が掛け渡されて
いる。主軸８は上、下端部がベアリング１２，１
３を介してベアリング受７、ベース２に回転可能
に軸方向移動を拘束されて垂直に軸支されてい
る。主軸８の下部には昇降台カム１４が嵌合固定
され、このカム１４の外周面にはカム溝１４ａが
形成されている。前記ガイド軸４には昇降台１５
が昇降可能に水平方向移動を拘束されて嵌合支持
され、昇降台１５に昇降腕１６の上端部が固定さ
れ、昇降腕１６の下端部に枢着したカムフオロア
１７が昇降用カム１４のカム溝１４ａに転動可能
に係合されている。主軸８の上部にはスプライン
８ａが形成され、このスプライン８ａに開閉用カ
ム１８の内周面に形成されたスプライン１８ａが
係合され、開閉用カム１８の上端部にはカム溝１
８ｂが無端状に形成されている。開閉用カム１８
は上、下端部がベアリング１９，２０を介して昇
降台１５に回転可能に軸方向移動を拘束されて支
持されている。昇降台１５には開閉用軸２１が左
右方向に水平往復動可能に軸支され、開閉用軸２
１に腕２２の一端部が固定され、腕２２の他端部
に枢着したカムフオロア２３が開閉用カム１８の
カム溝１８ｂに転動可能に係合されている。昇降
台１５の左側には装置枠１の左側外方に突出する
支持部２４が設けられ、支持部２４は、ケース２
５と、ケース２５上に固定した蓋２６と、ケース
２５上に摘み付きねじ３９によつて着脱可能に固
定したカバー２７とからほぼ箱状に構成されてい
る。支持部２４内に開閉用軸２１の先端部が延
び、開閉用軸２１は、後述する動力伝達機構２８
を介して食品成形切断機本体３０の操作杆３１と
着脱可能に連繋されている。すなわち、動力伝達
機構２８は、開閉用軸２１の先端部に設けた駆動
側ラツク２９が中間ギヤ３２に噛合され、中間ギ
ア３２に駆動側ラツク２９と軸方向が直交する被
動側ラツク３３が噛合され、被動側ラツク３３が
固定された連結軸３４と前記操作杆３１の軸方向
が互いに直交し、操作杆３１の末端部は連結軸３
４に嵌合され、連結軸３４に螺挿した摘み付きね
じ４０によつて押付け固定されている。中間ギヤ
３２は枢支ピン２５６によつてケース２５に枢着
され、連結軸３４は両端部がケース２５に軸方向
に往復動可能に支持されている。前記成形切断機
本体３０は、枠体３５の右端突起部３５ａがケー
ス２５の左端部に形成したコ字状溝２５ａに着脱
可能に嵌合支持され、ケース２５の左端部に螺挿
した摘み付きねじ３６によつて前記突起部３５ａ
がコ字状溝２５ａの下側壁に押付けられている。
枠体３５の内周面上部には平面正六角形状に開口
３５ｂが形成され、開口３５ｂには６つの平面台
形の絞り片３７が嵌合され、これらの絞り片３７
は、開口３５ｂ周囲の各辺に沿い一方の斜辺が直
線往復動可能にそれぞれ枠体３５に支持されてい
ると共に、他方の斜辺が隣接する絞り片３７の長
底辺に摺動可能に支持され、絞り片３７の長底辺
で囲まれた中心側に開閉可能な正六角形の穴が形
成されていることは、前述した実開昭60−85178
号公報に示されたものと同様である。また連結軸
３４と並行な斜辺が開口３５ｂの辺に支持された
絞り片３７に操作杆３１の先端部が嵌合固定さ
れ、操作杆３１は、枠体３５に設けた挿通穴３５
ｃに操作杆３１の軸方向と直交する方向に往復動
可能に挿通されている。さらに、絞り片３７の
上・下面には凹部３７ａ，３７ｂがそれぞれ形成
されている。なお、第１図において、３８は図示
しない押出機のノズルから２重に押出される丸棒
状の食品材料であり、食品材料３８は、餡のよう
な芯材３８ａとこれの外周を包囲する外皮材３８
ｂとからなるものであり、食品材料３８は、これ
にの軸心と絞り片３７によつて形成される穴の中
心とが一致して下降するようにされ、成形切断機
本体３０の下方には図示しない搬出用コンベヤが
配設されている。

次に、以上のように構成された実施例の動作に
ついて説明する。図示しない押出機のノズルから
押出される丸棒状の食品材料３８が所定速度で下
降し、食品材料３８の下端が成形切断機本体３０
の絞り片３７が全開した状態でこれらの下端部に
到着する。この時、電動機６の駆動によつて減速
機５、プーリ９、タイミングベルト１１、プーリ
１０を介して主軸８が回転し、昇降用カム１４も
回転しているので、昇降用カム１４のカム溝１４
ａに係合しているカムフオロア１７がカム溝１４
ａの形状に従つて下降し、昇降腕１６を介して昇
降台１５が上昇限から下降を開始し、昇降台１５
と共に成形切断機本体３０が食品材料３８と同じ
速度で下降する。主軸８の回転に伴い、昇降用カ
ム１４と同期して開閉用カム１８が回転し、開閉
用カム１８のカム溝１８ｂに係合しているカムフ
オロア２３がカム溝１８ｂの形状に従つて移動
し、腕２２を介し開閉用軸２１が左方向に前進
し、動力伝達機構２８を介して操作杆３１が絞り
片３７の閉方向に移動する。すなわち、開閉用軸
２１の左方向への前進によつて駆動側ラツク２９
を介し中間ギヤ３２が回動し、被動側ラツク３３
が第２図下方に移動し、連結軸３４を介して操作
杆３１も第２図下方に移動する。このため、操作
杆３１に固定された絞り片３７の移動によつて他
の絞り片３７も移動し、これらによつて形成され
る穴を全開から徐々に小さくすることで、食品材
料３８を絞り片３７下面の凹部３７ｂで絞つて成
形し、成形切断機本体３０が下降限に達した時に
絞り片３７の穴が第１図に示すように全閉し、食
品材料３８を切断し、成形切断された食品材料は
搬出用コンベヤ上に落下し、このコンベヤで搬出
される。また、食品材料３８の切断された部分の
上方部分は絞り片３７上面の凹部３７ａによつて
下部が成形される。成形切断機本体３０が下降限
に達し、絞り片３７の穴が全閉した後、前記昇降
用カム１４および開閉用カム１８のカム溝１４ａ
およびカム溝１８ｂの形状によつて、昇降台１５
を介して成形切断機本体３０が上昇すると共に、
動力伝達機構２８を介して絞り片３７が開方向に
移動し、動作前の状態に戻るが、丸棒状の食品材
料３８は所定速度で下降しているので、成形切断
機本体３０が上昇限に達する前に、絞り片３７が
全開した状態に戻るようにし、以下前述した動作
を繰返す。なお、この戻り動作は、カム１４，１
８のカム溝１４ａ，１８ｂの形状により、急速に
行われるようにすることが好ましい。

また、成形切断機本体３０を洗浄する場合に
は、電動機６を停止させた状態で、摘み付きねじ
３９を外し、カバー２７を外して支持部２４のケ
ース２５上面の一部を開口させ、この開口から摘
み付きねじ４０による操作杆３１の連結軸３４へ
の押付けを緩め、さらに、摘み付きねじ３６によ
る枠体３５の突起部３５ａのケース２５への押付
けを緩め、成形切断機本体３０を第１図の左側に
引張ることにより、枠体３５を支持部２４のケー
ス２５から取外すと共に、操作杆３１を連結軸３
４から抜出す。したがつて、この状態で、成形切
断機本体３０を適当な場所に運び、絞り片３７を
枠体３５から外して、これらを洗浄し、また、装
着時の成形切断機本体３０下方に位置していた搬
出用コンベヤを清掃する。その後、絞り片３７を
枠体３５に組付け、前述した取外し操作と逆の手
順で、枠体３５をケース２５に固定し、操作杆３
１を連結軸３４に固定し、ケース２５にカバー２
７を固定する。そして、成形切断機本体３０は洗
浄時と同様な操作で交換することができる。

なお、この考案において、動力伝達機構は、開
閉用軸と連繋し、出力端の部材と操作杆を取外し
可能に連結したものであれば、例えばリンク機構
を用いたものなど、適宜変更できるが、実施例の
構成にすると小形化できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、電動
機によつて主軸を回転させることで、昇降用カム
と開閉用カムが同期駆動され、昇降用カムによつ
て昇降台が下降することで、食品成形切断機本体
を所定速度で下降する棒状の食品材料の速度に合
せて下降させつつ、開閉用カムによつて開閉用軸
を進退させ、動力伝達機構を介して操作杆を移動
させることで、前記成形切断機本体を閉動作させ
ることにより、棒状の食品材料を成形切断し、そ
の後、成形切断機本体の上昇復帰と開動作とを行
うことができるので、食品材料の成形切断がきれ
いにでき、しかも、昇降台の装置枠一側外方に突
出した支持部に成形切断機本体の枠体を着脱可能
に固定したので、この枠体が装置枠に片持支持さ
れていることにより、枠体の昇降台に対する脱着
作業が容易にでき、成形切断機本体の交換が容易
にできると共に、この本体を取外して洗浄でき、
洗浄が十分にできて衛生的であり、さらに成形切
断機本体を取外した状態で、この本体の下方に成
形切断した食品材料を受けるために設置された部
材の清掃も容易にでき、この部材を成形切断機本
体に近づけることができ、食品成形切断機の小形
化が可能になるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による食品成形切
断機の駆動装置を示す断面正面図、第２図は同要
部の一部を断面した平面図である。 １……装置枠、８……主軸、１４……昇降用カ
ム、１５……昇降台、１６……昇降腕、１７……
カムフオロア、１８……開閉用カム、２１……開
閉用軸、２２……腕、２３……カムフオロア、２
４……支持部、２８……動力伝達機構、２９，３
３……駆動側、被動側ラツク、３０……食品成形
切断機本体、３１……操作杆、３２……中間ギ
ヤ、３４……連結軸、３５……枠体、３６……ね
じ、３７……絞り片、３８……食品材料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動機によつて駆動される主軸を装置枠に垂直
   に軸支し、前記主軸に昇降用カムを設け、前記装
   置枠に昇降可能に昇降台を支持させ、この昇降台
   に設けた昇降腕をカムフオロアを介して前記昇降
   用カムに係合させ、前記主軸にこの主軸から回転
   力が伝達される開閉用カムを係合させ、前記昇降
   台に水平方向往復動可能に開閉用軸を支持し、こ
   の開閉用軸に設けた腕をカムフオロアを介して前
   記開閉用カムに係合させると共に、前記昇降台の
   装置枠一側外方に突出した支持部に食品成形切断
   機本体の枠体を着脱可能に固定し、前記成形切断
   機本体を開閉する操作杆を前記枠体に往復動可能
   に挿通し、昇降台の前記支持部内に設けた動力伝
   達機構によつて前記操作杆を取外し可能に前記開
   閉腕に連繋させたことを特徴とする食品成形切断
   機の駆動装置。