JPH04176750A - エアーバッグ用基布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はエアーバ・ラグ周基布に関するものであり、詳
しくは軽量かつ柔軟で収納性４こ優れ、機械的特性の優
れたエアーノ＜・ソゲ用基布番こ関するものである。

［従来の技術］ 自動車の乗員保護用安全装置としてエアーノくラグの装
着が急速に進みつつある。

このエアーバッグは、通常その袋状のエアーバッグ本体
がステアリングホイールの中心部（こ折畳んで収納され
ており、自動車の事故の際、衝突のショックをセンサー
が検知すると共（こ、インフレータ−から発生するガス
により、膨張展開され、衝突時の乗員の移動を阻止して
安全を図るようにしている。

そのため、エアーバッグの要求機能としてＣｔ、エアー
バッグを瞬間的に膨張させるために基布の通気性が小さ
いこと、瞬間的な膨張に耐えられるよう基布の強度、特
に引張り強度、引裂き強度破裂強度等が高いこと、膨張
したエアー〕くラグが乗員に当った後の衝撃を吸収する
エネルギーが大きいこと、およびインフレータ−から発
生する高温ガスに対する耐熱性を有すること等である。

前記エアーバッグの通気性を小さく制御し、かつ耐熱性
を付与する目的で、基布の表面にポリクロロプレンゴム
やシリコーン系ゴム等でコーティングする方法が一般的
である。また、最近は高密度織物等、織物構造で通気性
を制御したり、低温インフレータ−の採用することによ
り、基布に高度の耐熱性を要求しないエアーバッグも実
用化されつつある。

エアバッグは通常ステアリングホイールやインストルメ
ントパネルなどの狭い場所に収納されるため、収納容積
をより小さくすることが強く求められている。そこでエ
アーバッグ基布は機械的特性を満足する範囲で可能な限
り折畳み性がよく、収納容積を最少にする努力がなされ
ている。

例えば、ゴムコート基布ではポリクロロプレンゴムから
シリコーン系ゴムへの移行が進みつつあるが、これはシ
リコーン系ゴムを用いた方がゴムコートの塗布量が少な
くて済み、かつ柔軟なゴムコート基布にでき上がるから
である。

また、ノンコート基布は折畳み性、収納性の点からは更
に有利であると云える。

また、基布用原糸も従来８４０デニールか主体であった
が、最近は柔軟で折畳み性にすぐれ、収納容積の点で有
利な４２０デニールへと、細繊度糸の高密度織物化が好
まれて移行しつつある。

エアーバッグ基布として、優れた機械的特性を有しなが
ら柔軟で、折畳み特性に優れ、かつ収納容積を小さくで
きる原糸についての提案もなされている。例えば特開昭
６４−４１４３８号公報には強度８．５ｇ／ｄ以上であ
り、かつ単糸デニールが３デニール以下の繊維からなる
糸条で構成されたエアーバッグ用基布について開示され
ている。

［発明が解決しようとする課題］ 前記特開昭６４−４１４３８号公報で開示された技術は
、エアバッグ用基布が柔軟で、折畳み性が良く、収納容
積を小さくする目的で、単糸デニールが３デニール以下
の原糸を用いるものである。確かに該技術によれば前記
のエアバッグ用基布性能については一応満足するが、例
えば該公報実施例に示されているナイロン６６の８４０
デニール糸を単糸３デニール以下で製糸した場合、延伸
時の糸切れや毛羽の発生が多く、その結果、延伸収率が
劣り、また整経および製織効率等も劣り、得られたエア
バッグ用基布の品位も満足できないという課題がある。

エアバッグ基布の品位とは原糸中の毛羽が織込まれた部
分が、例えばゴムコーティングした後にも凸凹部として
残ることであり、製品としての価値を低下させることは
勿論、該凹凸部によって、エアバッグ全体の機械的特性
が低下し、破損し易くなるという課題を有する。

単糸デニールか細く、フィラメント数が多くなると紡糸
工程での単糸衝突が生じ易いこと、また単糸−本当りの
強力が低いため延伸工程で単糸が切断し、毛羽が発生し
易いという課題を有する。

本発明の目的は、前記の従来技術の課題を解決し、エア
バッグの機械的特性を損うことなく、柔軟なエアバッグ
基布を提供するものであり、収納容積の小さいエアバッ
グを実現せしめるものである。

［課題を解決するための手段および作用］本発明の構成
は、 （１）へキサメレンアジバミド成分が９５〜８０重量％
とカプラミド成分が５〜２０重量％からなる共重合ポリ
アミドからなり、原糸強度が９ｇ／ｄ以上、伸度１８％
以上で単糸繊度が３．５デニール以上のポリアミド繊維
糸条を経糸および／または緯糸として用いたことを特徴
とするエアーバッグ用基布。

（２）前記（１）項に記載のエアバッグ用基布であって
、下記の機械的特性および柔軟性を有することを特徴と
するエアバッグ用基布。

引張り強力≧１８０ｋｇ／３ｃｍ 引裂き強力≧１８ｋｇ７２．４５ｃｍ 破裂強度　≧４５　ｋ　ｇ　／　ｃ　ｍ　２柔軟性（カ
ンチレバー法）５６０ｍｍ からなる。

本発明にかかるポリアミド繊維はヘキサメチレンアジパ
ミド成分が９５〜８０重量％とカブラミド成分５ｙ２０
重量％からなる共重合ポリマである。従来のエアバッグ
用基布はナイロン６６ホモポリマが好ましいとして主に
用いられてきたが、５ナイロン６６ホモポリマまたは５
重量％未満しか共重合成分を含まない場合は本発明の目
的とする効果、即ち柔軟性、収納容積の小さなエアバッ
グ基布は得られない。

一方、カブラミド成分を２０重量％よりも多く含む共重
合ポリマは、融点が約３０℃以上も低下するため耐熱性
が劣り、また結晶性が著しく低下するため、熱寸法安定
性が劣る等、ナイロン６６繊維を用いたエアバッグ用基
布としての特徴を失ってしまう。

また、本発明に係る共重合ポリアミド繊維の硫酸相対粘
度は３．０以上の高重合度である。

３．０未満では本発明の目的とする機械的特性、即ち瞬
間的な膨張に耐えられるよう基布の強度、特に衝撃強度
、破裂強度、引裂き強度等が高いこと、膨張したエアー
バッグが乗員に当った後の衝撃を吸収するエネルギー等
を満足しない。

本発明繊維の単糸デニールは３．５デニール以上、好ま
しくは３．５〜１０デニールである。

単糸デニールが３．５デニール以下であると、柔軟で収
納性のよいエアバッグ基布は得られるものの、原糸製造
工程における糸切れ、毛羽が増え、その結果として整経
および製織効率が低下し、エアバッグ基布の品位が低下
し易く不利である。

本発明のエアバッグ用基布に係るポリアミド繊維糸条は
好ましくは１５０〜１０００デニール、より好ましくは
２１０〜８４０デニールである。繊維糸条の強度は９．
５ｇ／ｄ以上、好ましくは９．０〜１２．０ｇ／ｄと高
強度で、かつ伸度が１８％以上、好ましくは２０％以上
である。

エアバッグ用基布として要求される機械的特性、特に衝
撃強度、引裂き強度、破裂強度および吸収エネルギーを
満足させるために上記繊維糸条の強伸度特性が必要であ
る。

本発明のエアバッグ基布は、例えば織物、編み物および
その積層体や、シート状物等のものがあるが、エアバッ
グ基布としての総合性能は等方性織物が好ましい。

エアバッグ基布の組織は通常はタフタが用いられ、その
織物構成密度は、繊維糸条繊度の平方根の積から下記式
によって求められるカバーファクター（Ｋ）が１５００
以上の高密度織物が好ましい。

Ｋ　＝　Ｎ、Ｘ　ｌ）　”／”＋　Ｎ　、Ｘ　ｌ）　”
／２ＮＷ　　：縦糸密度（本／インチ） Ｄ１／ｌ　、縦糸デニール Ｎ、　　：緯糸密度（本／インチ） １）１／ｌ　、緯糸デニール また、本発明エアバッグ用基布は、本発明に係る前記ポ
リアミド繊維の特徴を基布性能として有効に発現させる
ため、基布単独でエアバッグを構成することが最も好ま
しいが、例えば、通気性の制御、耐熱性の付与、および
縫製部を補強するため等の目的で、エラストマーを副次
的に全面或いは部分的にコーティングして用いることも
できる。エラストマーとしては例えばクロロブレンゴム
、シリコーンゴム、ウレタン樹脂等が用いられる。

次に本発明エアバッグ用基布の原糸として用いる繊維糸
条の製造方法について詳述する。

本発明に係るポリアミド繊維のポリマとして用いる共重
合ポリアミドはヘキサメレンアジパミド成分が９５〜８
０重量％とカブラミド成分が５〜２０重量％からなる共
重合ポリアミドである。該共重合ポリマの硫酸相対粘度
は３．０以上とする。

また本発明エアバッグ用基布は原糸製造中の熱履歴、基
布製造中の熱履歴および製品とじて保管、使用される間
の熱、光および酸化劣化を防ぐ目的で酸化劣化防止剤と
して銅塩、およびその他の有機、無機化合物を含有させ
ることが好ましい。通常、銅塩として沃化鋼、塩化銅、
臭化銅、酢酸銅、ステアリン酸銅等の無機及び有機酸銅
を銅として３０〜３００ｐｐｍ、好ましくは３０〜１５
０ｐｐｍ添加し、沃化カリウム、臭化カリウム、塩化カ
リウム、沃化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、沃化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム等の
ハロゲン化アルカリ金属、またはハロゲン化土類金属、
或いは第４級ハロゲン化アンモニウム塩等を０．０５〜
０．５重量％併用添加する。更に必要に応じて有機、無
機の燐化合物を燐として１０〜５００ｐｐｍ併用添加さ
せる。

上記共重合ポリマは水分率０．２重量％以下、好ましく
は０．１重量％以下となるよう乾燥して紡糸する。紡糸
機はエクストルーダー型、プレシャーメルター型、溶融
格子型等を用いることができるが、本発明で用いる共重
合ポリマは高重合度でポリマ粘性が高いのでエクストル
ーダー型紡糸機を用いることが好ましい。溶融温度は２
６０〜３１０℃、好ましくは２７０〜３００℃である。

溶融ポリマは紡糸パック中でフィルターを通して濾過さ
れた後、紡糸口金の細孔を通して紡出する。紡糸口金直
下には１０ｃｍ以上、１ｍ以内に亙って１５０℃以上、
好ましくは２００〜３００℃の高温雰囲気をつくるため
保温筒または加熱筒を設置する。紡出糸条は上記高温雰
囲気中を通過した後冷風で冷却固化され、次いで油剤を
付与された後、紡糸速度を制御する引取ロールで引取ら
れる。

紡糸速度は３０００ｍ／分以下、好ましくは３００〜２
０００ｍ／分である。３０００ｍ／分を越えると９　ｇ
　／　ｄ以上の原糸強度を安定して製糸することが困難
であり、一方３００ｍ／分では生産効率が劣り不利であ
る。

前記口金直下の高温雰囲気の制御は特に糸条を構成する
各単糸間の均一性を高めるために必要であり、これによ
って毛羽の少ない原糸が製造でき、品位の優れたエアバ
ッグ基布が得られる。

引取られた未延伸糸条は通常連続して延伸するが、−旦
巻き取った後、別工程で延伸することもできる。未延伸
糸の物性は引取ロール上を通過した糸条をサンプリング
して評価するが、該未延伸糸の複屈折は４０Ｘ１０−”
以下、好ましくは３Ｘ１０−”〜３０Ｘ１０−”である
。

次に上記引取られた未延伸糸条は１８０℃以上、好まし
くは２００〜２４０℃の温度をかけて熱延伸される。延
伸は２段以上の多段延伸が好ましく、延伸倍率は未延伸
糸の複屈折、および延伸温度、多段延伸時の延伸配分等
によって変化させるが、２．０〜７．０倍、好ましくは
３．０〜６．０倍である。

以上の方法によって強度９．０ｇ／ｄ以上、伸度１８％
以上を有する共重合ポリマからなるポリアミド繊維が得
られ、該ポリアミド繊維を用いたエアバッグ用基布は引
張り強力が１８０ｋｇ７３ｃｍ、引裂き強力が１８ｋｇ
／２．４５ｃｍ、破裂強度が４５　ｋ　ｇ　／　ｃ　ｍ
　”であり、かつカンチレバー法で測定した柔軟性は６
０ｍｍ以下であり、収納性に優れたエアバッグが得られ
る。

次に実施例に基づいて説明するが、本発明明細書本文、
及び実施例中に記載した繊維特性の定義、及び測定法は
次の通りである （イ）原糸の強度、伸度： ＪＩＳ　　Ｌ１０１７に準拠した。

（ロ）基布の引張り強カニ ＪＩＳ　　Ｋ６３２８（ストリップ法）に準拠し、試料
巾３ｃｍで測定した。

（ハ）基布の引裂き強カニ ＪＩＳ　　Ｋ６３２８（トラベゾイド法）に準拠し、試
料巾２．５４ｃｍで測定した。

（ニ）基布の破裂強度： ＪＩＳ　　Ｋ６３２８（ミューシン法）に準拠した。

（ホ）柔軟性： ＪＩＳ　　Ｌ−１０９６（４５°カンチレバー法）に準
拠し、試料中２ｃｍで測定した。

（へ）折畳み性： 基布２０Ｘ２０ｃｍを４つ織した時の嵩高さ（ｃｍ）を
測定し、収納性のパラメーターとした。

［実施例］ ヘキサメチレンアジパミド成分が９０重量％、カプラミ
ド成分が１０重量％からなり、硫酸相対粘度（１重量％
濃度、２５℃測定）が３．５の共重合ポリアミドであっ
て、酢酸第２銅を０゜０１５重量％、沃化カリウムを０
．１重量％、臭化カリウムを０１１重量％含むポリマを
エクストルーダー型紡糸機で溶融紡糸した。２８０℃で
溶融したポリマを紡糸バック中で平均１０μの孔径を有
するフィルターを通過させた後、孔径０．３ｍｍで７２
ホールまたは４８ホールの口金を通して紡出した。口金
直下には２０ｃｍの長さの加熱筒を取り付け、筒内雰囲
気温度を２８０℃となるよう加熱した。加熱筒の下には
長さ１２０ｃｍの横型ユニフローチムニ−を取り付け、
糸条に直角方向から２０℃の冷風を３０ｍ／分の速度で
吹きつけ、冷却固化させた。

ついで油剤を付与した後、引取りロールで糸条速度を８
００ｍ／分に制御した後、−旦巻取ることなく連続して
延伸した。延伸はネルソン型ロールによって２段延伸し
た後、９％の弛緩を与えながら熱処理して巻取った。延
伸条件は引取ロールを５０℃、第１延伸ロールを１４０
℃、第２延伸ロールを２３０℃とした。延伸ロールの後
に非加熱の張力調整ロールを用いて第２延伸ロールとの
間で弛緩熱処理を行った。１段延伸倍率は全延伸倍率の
６５％に設定し、全延伸倍率を変化させて延伸した。延
伸糸の繊度は４２０デニールおよび３１５デニールとな
るよう吐出量を変化させて調整した。

得られた原糸は一部を整経して縦糸とし、−部を緯糸と
してエアージェットルームで製織した。緯糸打込み速度
は８００ｒｐｍで行なった。

整経時の毛羽の個数、およびエアジェツトルームが原糸
の毛羽のために停機した回数を測定した。

次に製織した生機にシリコーン系ゴム溶剤溶液を、固型
分換算で約７０ｇ／ｍ２となるよう塗布し、加硫処理し
て得られたコーティング基布の特性を測定した。

原糸の製造条件、原糸特性、整経毛羽の数、織機の停機
回数およびコーティング基布特性等について表に示した
。

本発明に係るエアバッグ基布は目的とする機械的特性お
よび柔軟性、収納性を兼備していることがわかる。

［比較例］ 実施例と類似の製糸条件で、本発明で特定したポリマ種
、単糸デニールおよび強伸度特性の異なる原糸をそれぞ
れ作製し、実施例と同様に基布を作製した。それらの製
造条件および原糸特性、整経毛羽の数、織機の停機回数
およびコーティング基布特性等について実施例と比較し
て表に示した。

［発明の効果コ 本発明に係るエアバッグ用基布を用いて得られたエアバ
ッグは、機械的特性が改良され、かつ柔軟で収納容積の
小さなエアバッグであり、収納装置の小型化、軽量化が
可能となる。

また本発明に係るエアバッグ用基布は、原糸の毛羽等の
混入によって生ずる凹凸が著しく少ない、品位に優れた
エアバッグ用基布である。

本発明に係るエアバッグ用基布は柔軟で機械的特性に優
れているので、エアバッグ以外の種々のコーテッド織物
用基布として広く利用することができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ヘキサメレンアジパミド成分が９５〜８０重量％
   とカプラミド成分が５〜２０重量％からなる共重合ポリ
   アミドからなり、原糸強度が９ｇ／ｄ以上、伸度１８％
   以上で単糸繊度が３．５デニール以上のポリアミド繊維
   糸条を経糸および／または緯糸として用いたことを特徴
   とするエアーバッグ用基布。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載のエアバッグ用基布で
   あって、下記の機械的特性および柔軟性を有することを
   特徴とするエアバッグ用基布。 引張り強力≧１８０ｋｇ／３ｃｍ 引裂き強力≧１８ｋｇ／２．４５ｃｍ 破裂強度　≧４５ｋｇ／ｃｍ＾２ 柔軟性（カンチレバー法）≦６０ｍｍ