JPH0416362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は機器の電源として機器のハウジング
などに乾電池を取り付ける場合における乾電池ケ
ースに関する。

［従来の技術］ 機器のハウジングに乾電池を取り付ける場合、
該ハウジングに固着した樹脂など電気絶縁性の外
箱に、樹脂など電気絶縁性で内部に所定数の乾電
池を嵌め込んだ引出状内箱を着脱自在に取り付け
ると、電池の交換などに便利である。

この内箱は内部に電気接触子を兼ねた乾電池の
保持手段を備えるとともに外壁面に該電気接触子
に接続する端子金具を設けられる。また外箱は、
内壁面に前記端子金具に接触するための接触面部
を有し、前記外箱の外壁面に前記接触面部に連結
されているリード線接続部が配された接続金具を
取り付けられる。

この場合、外箱と内箱とは、前記接触面部と端
子金具とが常に圧接されている必要があり、かつ
内箱の着脱時には、弾性変形により圧接力を軽減
することがスムーズな着脱のため望ましく、ただ
し、接続金具はリード線を接続する必要があり、
弾性変形が大きいとリード線が接続金具より離脱
する恐れがあり、したがつて弾性変形を小さくし
て肉厚を厚くすることが望ましい。

［考案が解決しようとする問題点］ しかるに、この弾性変形は従来、その大部分が
前記接続金具の接触面部の変形により得られてい
たため、該接続金具が肉薄となり、外力により変
形しやすいなど耐久性に乏しく、リード線が接続
金具より離脱する恐れがあつた。また、接続金具
を肉厚の厚いものにした場合には内箱の着脱がス
ムーズに行えなかつた。

本案の目的は、前記接触端子の接触面部の肉厚
を厚くしても内箱の着脱がスムーズにでき、耐久
性に優れた乾電池ケースの提供にある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的達成のため本考案の乾電池ケースは、
内部に電気接触子を兼ねた乾電池の保持手段が配
された電気絶縁性の引出状内箱と、前記内箱が収
納される電気絶縁性の外箱と、前記内箱の外壁面
に前記電気接触子に接続する端子部が配された端
子金具と、前記外箱の内壁面に前記端子金具に接
触するための接触面部が配され、前記外箱の外壁
面に前記接触面部に連結されているリード線接続
部が配された接続金具とからなる乾電池ケースに
おいて、前記内箱または外箱の少なくとも一方の
壁面に肉薄部を設け、該肉薄部に臨んで前記端子
金具の端子部または接続金具の接触面部を配設す
る構成を採用した。

［作用および考案の効果］ 本考案の乾電池ケースは、前記内箱または外箱
の少なくとも一方の壁面に肉薄部を設け、該肉薄
部に臨んで前記端子金具の端子部または接続金具
の接触面部を配設しているので、前記端子部また
は接触面部に内箱の押圧力が加わると、外箱また
は内箱の肉薄部も弾性変形する。これにより前記
接触面部を含む接続金具の肉厚を厚くでき、外力
に対する耐久性が向上すると共に内箱の着脱もス
ムーズとなる。

［実施例］ つぎに本考案を第１図〜第３図に示す一実施例
に基づき説明する。

本実施例の乾電池ケースは、前面１１が開口し
た立方体状を呈し、機器のハウジング（図示せ
ず）の所定位置に取り付けられる電気絶縁性の樹
脂製外箱１と、内部に比べて２本の乾電池が電気
的に並列状態で嵌め込まれ、前記開口１１から外
箱１内へ差し込まれる引出状内箱２とからなる。

内箱２は、電気絶縁性の樹脂で一体成型され、
開口した前面２１、底板２２、左右（第１図にお
いて）側板２３，２４、背板２５、前面２１に底
板２２から斜め上向きに突設された取つ手板２６
ａ、および底板２２の中間に設けられた前後仕切
り板２６ｂからなる内箱本体２０を有し、左右側
板２３，２４には乾電池の中心に対応する位置に
小孔２３ａ，２３ｂ，２４ａ，２４ｂが形成さ
れ、さらに左側板２３と底板２２との稜には小孔
２３ａ，２３ｂの下方にスリツト２２ａ，２２ｂ
が形成され、右側板２４と底板２２との稜には小
孔２４ａの下方にスリツト２２ｃが形成されてい
る。

また、底板２２は、外壁がわが削られて肉薄と
され、さらに両側に溝を有する凹所（肉薄部）２
７，２８，２９が形成され、この凹所２７，２
８，２９は前記スリツト２２ａ，２２ｂ，２２ｃ
に連なつている。

またこの部分には一対の左側端子金具３，４お
よび右側端子金具５が取り付けられている。

この左側端子金具３，４は、前記本体２０の左
側板２３の内壁２３ｃに前記小孔２３ａ，２３ｂ
を貫通して取り付けられ、鳩目３１，４１により
固定された電気接触子である電池接続板部３２，
４２と、これらから前記スリツト２２ａ，２２ｂ
を介して底板２２の下面に延設された端子板部３
３，４３とからなる。

さらに、右側端子金具５は、本体の右側板２４
の内壁２４ｃに前記小孔２４ａ，２４ｂに取り付
けられた鳩目５１ａ，５１ｂにより固定された電
気接触子である電池接続板部５２と、これから前
記スリツト２２ｃを介して底板２２の下面に延長
された端子板部５３とからなる。さらに鳩目３１
および５１ｂには乾電池の保持手段であると共に
着脱を容易にするための電気接触子を兼ねたテー
パードマイルスプリング６１，６２が固着されて
いる。

外箱１は、天板１２、底板１３、左右（第１図
において）側板１４，１５、背板１６からなる。

左右側板１４，１５の内壁には対向して水平方
向のガイド用突起１４ａ，１５ａが突設されてい
る。また、前記内箱２の凹所２７，２８，２９の
端子金具３，４，５の端子板部３３，４３，５３
に対応した部分の底板１３は、内壁がわが削られ
て肉薄とされ、さらに両側に溝１７ａ，１７ｂ，
１８ａ，１８ｂ，１９ａ，１９ｂを有する凹所
（肉薄部）１７，１８，１９が形成され、この凹
所１７，１８，１９は左右側板１４，１５と底板
１３の稜に形成されたスリツト１３ａ，１３ｂ，
１３ｃに連なつている。

またこの部分には前記端子金具３，４，５と同
じ厚さの接続金具７，８，９が取り付けられてい
る。該接続金具７，８，９は、前記凹所１７，１
８，１９に嵌め込まれて前記端子板部３３，４
３，５３に圧接する中央部が畔形状の接触面部７
ａ，８ａ，９ａが設けられ、これらからスリツト
１３ａ，１３ｂ，１３ｃを介して連結され、左右
側板１４，１５の外壁に、左右側板１４，１５に
乾電池の中心に対応する位置に小孔７１ａ，８１
ａ，９１ａを貫通して取り付けられた鳩目７１，
８１，９１に固定された接続板部７ｂ，８ｂ，９
ｂが設けられ、および電源または電気機器に接続
するためのリード線接続部７ｃ，８ｃ，９ｃが設
けられた。

また接続金具７，８，９を凹所１７，１８，１
９に嵌め込む時には、外箱１の横方向よりスリツ
ト１３ａ，１３ｂ，１３ｃを介して接触面部７
ａ，８ａ，９ａの稜を窄めながら差し込み、該接
触面部７ａ，８ａ，９ａを凹所１７，１８，１９
に嵌め込むと、接触面部７ａ，８ａ，９ａの両端
が凹所１７，１８，１９の溝１７ａ，１７ｂ，１
８ａ，１８ｂ，１９ａ，１９ｂに嵌まり込む方向
に付勢するため確実に固定され、容易に脱落せず
電気接続部材としては最適な接続金具である。

本実施例の内箱２の脱着方法を図に基づき説明
する。

乾電池２個（図示せず）を内箱２の内部に前後
仕切り板２６ｂを挟んでに並べて嵌め込むと、第
１図において、前側（前面２１がわ）の乾電池の
＋側は、左側端子金具４の電池接続板部４２に接
触し、前側の乾電池の−側は、右側端子金具５の
電池接続板部５のテーパードマイルスプリング６
２に接触し、後側（背板２５がわ）の乾電池の＋
側は、右側端子金具５の電池接続板部５２に接触
し、後側の乾電池の−側は、左側端子金具３の電
池接続板部３２のテーパードマイルスプリング６
１に接触する。

そして第３図に示すごとく、内箱２の左右側板
２３，２４の上端と外箱１のガイド用突起１４
ａ，１５ａの下端とを合致させて内箱２を外箱１
に差し込む。

すると内箱２の接触面部である端子金具３の端
子板部３３が外箱１の接触面部である凹所１７に
嵌め込まれた接続金具７の接触面部７ａを通過す
る際には、凹所１７に内箱２の底板２２から押圧
力が加わる間は、凹所１７は肉薄のため、該凹所
１７が第３図の一点鎖線に示すごとく、下方に湾
曲して弾性変形するので、接触面部７ａは略元の
形状のまま下方に移動し、内箱２の底板２２との
圧接力を弱める。

さらに、内箱２の凹所２８，２９に内箱１の底
板１３から押圧力が加わる間は、凹所２８，２９
は肉薄のため、該凹所２８，２９が第３図におい
て上方に湾曲して弾性変形するので、端子金具
３，５の端子板部３３，５３は略元の形状のまま
上方に移動し、内箱１の底板１３との圧接力を弱
める。

このため、外箱１と内箱２との接触面間の圧接
力を軽減してスムーズに内箱２の端子板部３３，
５３が、外箱１の凹所１７を通過できる。

つぎに内箱２の接触面部である端子金具３，
４，５の端子板部３３，４３，５３が外箱１の接
触面部である凹所１７，１８，１９に嵌め込まれ
た接続金具７，８，９の接触面部７ａ，８ａ，９
ａに到達するまでは、凹所１７，１８，１９に内
箱２の底板２２から押圧力が加わる間は、凹所１
７，１８，１９は肉薄のため、該凹所１７，１
８，１９が第３図の一点鎖線に示すごとく、下方
に湾曲して弾性変形するので、接触面部７ａ，８
ａ，９ａは略元の形状のまま下方に移動し、内箱
２の底板２２との圧接力を弱める。

さらに、内箱２の凹所２７，２８，２９に内箱
１の底板１３から押圧力が加わる間は、凹所２
７，２８，２９は肉薄のため、該凹所２７，２
８，２９が第３図において上方に湾曲して弾性変
形するので、端子金具３，４，５の端子板部３
３，４３，５３は略元の形状のまま上方に移動
し、内箱１の底板１３との圧接力を弱める。

このため、外箱１と内箱２との接触面間の圧接
力を軽減してスムーズに内箱２の端子板部３３，
４３，５３が、外箱１の凹所１７，１８，１９の
所定の位置に到達できる。

内箱２が外箱１の所定の位置に嵌め込まれると
今まで下方に湾曲していた接触面部７ａ，８ａ，
９ａは元の状態に戻るよう、つまり、第３図にお
いて接触面部７ａ，８ａ，９ａと凹所１７，１
８，１９とは上方に押圧力が加わるように作用す
ると共に、上方に湾曲していた凹所２７，２８，
２９が元の状態に戻るよう、つまり、第３図にお
いて凹所２７，２８，２９と端子板部３３，４
３，５３とは下方に押圧力が加わるように作用す
るため、内箱２の端子金具３，４，５の端子板部
３３，４３，５３と、外箱１の凹所１７，１８，
１９に嵌め込まれた接続金具７，８，９の接触面
部７ａ，８ａ，９ａとは、常に圧接された状態と
なり、確実に接続される。

しかし、この圧接力は、使用者の引き出す力よ
りもかなり弱いため、内箱２を抜き取り電池を交
換する際には、取つ手板２６ａを引つぱれば着装
時と同様にスムーズに引き出せる。

このように外箱１の凹所１７，１８，１９に内
箱２の押圧力が加わると、外箱１の凹所１７，１
８，１９も弾性変形する。これにより外力に対す
る耐久性の向上が望まれる内箱２の底板２２の接
触面部を含む端子金具３，４，５および外箱１の
接続金具７，８，９の肉薄を厚くでき、外力に対
する耐久性が向上できると共に内箱２の着脱もス
ムーズに達成できる。

本実施例では、２個入りの乾電池ケースを示し
たが１個入りでも３個以上入る乾電池ケースでも
接続金具の接触面部が外箱の肉薄部に配設されて
いる形式のものであれば良い。

本実施例では、端子金具と同じ厚さの接続金具
が取り付けられた例を示したが端子金具を接続金
具より肉薄のものにして前記内箱２の凹所２７，
２８，２９を省略して、端子金具を弾性変形が大
きなものとしても良い。これは端子金具がリード
線を接続するものではないため、弾性変形が大き
くなつても何ら差し使えないからである。

つまり、肉薄部を外箱または内箱の壁面の少な
くとも一方に設けるものの他に、肉薄部を外箱ま
たは内箱の壁面に設けると共に内箱の外壁面に配
される端子金具も肉薄にするものも考えられる。

また、内箱２の凹所２７，２８，２９は、それ
ぞれ左側板２３から右側板２４まで一体的に形成
されていても良いが、強度上ではやはり、本実施
例のものが優れる。

本実施例では、２本の乾電池が電気的に並列状
態で嵌め込まれた乾電池ケースを示したが右側端
子金具５の端子板部５３および接続金具９を設け
ず、２本の乾電池が電気的に直列状態で嵌め込ま
れた乾電池ケースでも良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の乾電池ケースの上部斜視図、
第２図は本考案の乾電池ケースの下部斜視図、第
３図は本考案の乾電池ケースの側面断面図であ
る。 図中、１……外箱、２……内箱、３，４，５…
…端子金具、７，８，９……接続金具、７ａ，８
ａ，９ａ……接触面部、１７，１８，１９，２
７，２８，２９……凹所（肉薄部）、３３，４３，
５３……端子板部、６１，６２……テーパードマ
イルスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部に電気接触子を兼ねた乾電池の保持手段が
   配された電気絶縁性の引出状内箱と、前記内箱が
   収納される電気絶縁性の外箱と、前記内箱の外壁
   面に前記電気接触子に接続する端子部が配された
   端子金具と、前記外箱の内壁面に前記端子金具に
   接触するための接触面部が配され、前記外箱の外
   壁面に前記接触面部に連結されているリード線接
   続部が配された接続金具とからなる乾電池ケース
   において、 前記内箱または外箱の少なくとも一方の壁面に
   肉薄部を設け、該肉薄部に臨んで前記端子金具の
   端子部または接続金具の接触面部を配設したこと
   を特徴とする乾電池ケース。