JPH0416279B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 給電エレメントを有するボデイーおよび２個
の作用電極と点弧電極とを収容している放電チヤ
ンバーを含んでなる金属の磁気パルス加工および
溶接用の放電装置であつて、前記電極は同心状に
配置され、絶縁スリーブがこれら作用電極の間に
置かれ、該作用電極のひとつはコンデンサー列の
陽極ターミナルに電気的に接続され、かつ他方の
作用電極は前記コンデンサー列の陰極に誘導子を
介して接続されている該放電装置において、放電
チヤンバー１，２５はボデイー１６，４０に取付
けられており、コンデンサー列１９の陰極ターミ
ナルに給電エレメントを介して接続された第１作
用電極３は断面でＴ字型である作用部分７と、こ
れに接続された通電部分とからなり、第２作用電
極４，２７は前記第１作用電極３から絶縁スリー
ブ１２によつて隔てられかつ該第１作用電極３と
同心状に配置されているスリーブであり、前記第
１作用電極３の前記作用部分７に面している該第
２作用電極スリーブの端部が外側へおよび内側へ
の突出部９，１０を有して該第２作用電極４，２
７の作用部分１１を構成し、そして、点弧電極
５，２８は前記第１および第２作用電極３，４，
２７の前記作用部分７，１１の間に配置されかつ
前記放電チヤンバー１，２５のカバー２に絶縁状
態で取りつけられている貫通穴付きリング１４で
あることを特徴とする金属の磁気パルス加工およ
び溶接用の放電装置。

２ 前記第１作用電極３の前記通電部分は円筒ス
リーブ６であつて、その両端部の内側にテーパー
表面を有し、該テーパー表面のひとつに前記作用
電極の作用部分７が接触し、そして、前記円筒ス
リーブ６に接する前記作用電極３の作用部分の直
径は前記円筒スリーブ６の直径よりも小さいこと
を特徴とする請求の範囲第１項記載の放電装置。

３ 前記第２作用電極２７の内側への突出部は前
記第１作用電極３の前記作用部分７に面する円環
状突起２９であり、絶縁スリーブ３０が前記突出
部とは反対側に配置されており、該絶縁スリーブ
３０の前記第１作用電極３の前記作用部分７に隣
接している端部には適切にテーパーがつけられ、
このテーパー表面には少なくともひとつの環状溝
３１が設けられ、そして、前記第２作用電極２７
は前記放電チヤンバー２５のボデイーに取り付け
られていることを特徴とする請求の範囲第１項記
載の放電装置。

４ 前記点弧電極２８のリングは２つの対称的な
半リング３２，３３からなり、これら半リングは
リング中心へ向かつて移動可能に配置されている
ことを特徴とする請求の範囲第１項記載の放電装
置。

５ 前記給電エレメントはフラツトバス４２，４
３を含んでなり、これらは適切な誘電体４４によ
つて隔てられかつ前記放電装置のボデイー４０に
堅く取り付けられていることを特徴とする請求の
範囲第１項記載の放電装置。

６ 前記放電チヤンバー１，２５の前記カバー２
は、プラズマ作用が最大のところに空気を送りか
つそこから空気を除くのに適するダクト１５を有
していることを特徴とする請求の範囲第１項記載
の放電装置。

技術分野 本発明は、強磁界による金属の加工および溶接
に関し、より詳しくは、金属の磁気パルス加工お
よび溶接用の放電装置に関する。

背景技術 高電流スイツチング装置の分野における重大な
問題は、空気制御高電流低インダクタンス
（15nH以下）スパーク放電装置が600000Aまでの
電流をスイツチングしかつ少なくとも10⁵回のス
イツチングに耐えうる作用電極を有するようにす
ることである。

このような問題の重要性は、空気制御送電装置
が磁気パルス加工装置に真空放電装置よりも広範
に使用され始めていることにあり、それは空気制
御送電装置の方が構造簡単で、高価でなく、作用
電極寿命が長くかつ内部インダクタンスが低いこ
とによる。また、真空放電装置（例えば、ソビエ
ト連邦、発明者証ダイヤモンド第534004号、C1.
HO1T5／00，1974、参照）は真空ポンプを含む
複雑な設備を必要とし、その用途が、通例、高容
量装置に限定されつつある。

金属の磁気パルス加工および溶接用の放電装置
で知られたものがあり（ソビエト連邦発明者証第
524267号、C1.HOIT １／00，1973、参照）、こ
の装置はカバーを有しかつ２つの作用電極と点弧
電極とを収容している放電チヤンバーを含んでお
り、これら電極は同心状に配置され、絶縁ライナ
ーが作用電極の間に置かれ、作用電極のひとつが
コンデンサー列の陽極ターミナルに接続されかつ
他方の作用電極が該コンデンサー列の陰極ターミ
ナルに誘導子を介して接続されている。

しかしながら、上述した装置では作用電極およ
び点弧電極が誘導体表面の一方側に配置され、そ
して逆電流リードが該誘電体の他方側に配置され
ている。

プラズマ放電を局地化する絶縁された給電スク
リーンが逆電流リードと誘電体との間に配置され
ている。

しかしながら、誘電体の表面上に作用電極を配
置すると、そこでプラズマの高い温度およびダイ
ナミツクな作用を誘電体が受けることになり、誘
電体材料が急速に無能にされかつ放電チヤンネル
の適切な安定性が確保されない。したがつて、公
知装置の内部インダクタンスは不安定であり、す
なわち、放電回路のパラメータは変動して限定要
因となつている。上述した装置は信頼できる絶縁
手段を含んでいないだけ、作用電極は耐久性がな
いであろう。上述とは別に、放電装置構成は連続
生産あるいは大量生産に適していない。

発明の開示 本発明の目的は、作用電極および点弧電極の新
しい態様および配置が少なくとも10⁵回のスイツ
チングに耐えるのに適する作用電極で600000A以
上での電流スイツチングを可能にしかつプラズマ
放電チヤンネルを安定化する点弧電極の信頼でき
て安定な作動を確実にするような金属の磁気パル
ス加工および溶接用の放電装置を創ることであ
る。

提供する金属の磁気パルス加工および溶接用の
放電装置は、カバーを有しかつ２個の作用電極と
点弧電極とを収容している放電チヤンバーを含ん
でなる放電装置であつて、絶縁ライナーがこれら
作用電極の間に置かれ、作用電極のひとつはコン
デンサー列の陽極ターミナルに電気的に接続さ
れ、かつ他方の作用電極はコンデンサー列の陰極
に誘導子を介して接続されている該放電装置にお
いて、本発明によれば、放電チヤンバーはボデイ
ーに取付けられており、コンデンサー列の陰極タ
ーミナルに給電エレメントを介して接続された第
１作用電極は断面でＴ字型である作用部分と、こ
れに接続された通電部分とからなり、第２作用電
極は第１作用電極から絶縁スリーブによつて隔て
られかつ該第１作用電極と同心状に配置されてい
るスリーブであり、第１作用電極の作用部分に面
している該第２作用スリーブの端部が外側へおよ
び内側への突出部を有して該第２作用電極の作用
部分を構成し、そして、点弧電極は第１および第
２作用電極の作用部分の間に配置されかつ放電チ
ヤンバーのカバーに絶縁状態で取りつけられてい
る貫通穴付きリングとして作られている。

第１作用電極の通電部分が円筒スリーブであつ
て、その両端部の内側にテーパー表面を有し、該
テーパー表面のひとつに第１作用電極の作用部分
が接触し、そして、この円筒スリーブに接する該
作用電極の作用部分の直径がこの円筒スリーブの
直径よりも小さいことは好ましい。

作用電極および点弧電極の好ましい態様および
配置は、作用電極の大表面にわたつてのプラズマ
分布を確実にして、浸食を減らすことで作用電極
の表面寿命を伸ばしかつ内部インダクタンスを
15nHまで減らし、600000Aを越える電流のスイ
ツチングを可能にする特徴がある。

第２作用電極の内側にある突出部は第１作用電
極の作用部分に面する円環状突起であり、絶縁ス
リーブが突出部とは反対側に配置されており、該
絶縁スリーブの第１作用電極の作用部分に隣接し
ている端部は円錐状に作られ、この円錐表面には
少なくともひとつの環状溝が設けられ、そして、
第２作用電極は放電チヤンバーのボデイーに取り
付けられていることは好都合である。

使用寿命を延ばすために、点弧電極のリングを
２つの対称的な半リングで構成し、これら半リン
グをリング中心へ向かつて移動可能に配置するこ
とはさらに好都合である。

放電装置内のバス（母線）インダクタンスを減
らすために、本発明にしたがつて、給電エレメン
トを適切な誘電体で隔てられたフラツトバス集成
体にし、このエレメントを放電装置のボデイーに
堅く取り付けることは好ましい。

第２作用電極での環状（ドーナツ形）突起は絶
縁スリーブへのプラズマ温度作用をかなり減ら
し、そして、スリーブに前述の環状溝を設けるこ
とは作用電極へ与えられるエネルギーを増やすこ
とが可能になる。

提案した放電装置に上述のフラツトバス集成体
を用いることは給電エレメントのインダクタンス
を1/2減らし、放電装置の電気的特性を認められ
るほど向上させる利点がある。

本発明の主題を形成する放電装置において、
（気体）放電チヤンバーのカバーに、プラズマ作
用が最大の領域に空気を送りそしてそこから空気
を除くためのダクトを設けることは好ましい。

放電チヤンバー内にプラズマ作用が最大のとこ
ろにて空気を吹き込めることによつてさらに作用
電極の間での点弧電極の配列によつて、提案した
放電装置は信頼性良く作動する。

【図面の簡単な説明】

添付図面に関連した特定実施態様例を参照して
本発明を説明する。

第１図は本発明に係る金属の磁気パルス加工お
よび溶接用の放電装置の概略図であり、および 第２図は本発明に係る別の態様の放電装置の概
略図である。

発明を実施するための最良の形態 本発明の主題である金属の磁気パルス加工およ
び溶接用の放電装置が金属カバー２の付いた放電
チヤンバー１を含んでなり、該チヤンバーは２個
の作用電極３，４および点弧電極５を収容してお
り、これら電極は同心状に配置されている。

第１作用電極３は、堅く相互接続されたエレメ
ントである円筒スリーブ６と、作用部分７とから
なり、円筒スリーブ６の内側にテーパ表面があ
り、該テーパ表面のひとつに隣接して電極３の作
用部分７がある。電極３の作用部分７は断面でＴ
字型であつて、デイスク（円板）に円柱（第１図
および第２図では、リングに円筒状スリーブ）を
同心的に取りつけたような形状である。円筒スリ
ーブ６に隣接する作用電極３の作用部分７の直径
は円筒スリーブ６の直径よりも小さい、そして、
作用電極３の円筒スリーブ６と作用部分７とはテ
ーパ表面で接合されている。円筒スリーブ６は作
用電極３の通電部として働く。

作用電極３の作用部分７の使用および交換での
容易性のために、作用部分７と円筒スリーブ６と
はカツプリングボルト８によつて接続されてい
る。

放電装置チヤンバー１に取り付けられた第２作
用電極４はスリーブ状であり、第１電極の作用部
分７に面する第２作用電極の端部はスリーブでの
外側へおよび内側への突出部９および１０を備え
ており、このことによつて作用電極４の作用部分
１１を形成している。

絶縁スリーブ１２が作用電極４を作用電極３か
ら隔てている。

作用電極３および４はお互いに対して同心状に
配列され、作用電極３，４の作用部分７，１１は
適切ギヤツプで電極面を平行状態にして配置され
ている。

点弧電極５は作用電極３および４の間のギヤツ
プ内に配置され、該点弧電極は絶縁体１３を介し
て放電チヤンバー１のカバー２に固定されてい
る。

点弧電極５は作用電極３および４の間のギヤツ
プ内に設置され、該点弧電極は絶縁体１３を介し
て放電チヤンバー１のカバー２に固定されてい
る。

点弧電極５は貫通穴付きリング１４として作ら
れており、作用電極３および４の作用部分にプラ
ズマが生じる時間を短くする。点弧電極をリング
としたのは、作用電極の平行面間での広範囲にわ
たる放電を起こし易くする電極間エアギヤツプの
イオン化をもたらすためであり、そして、点弧電
極の貫通穴は放電による加熱影響を低減するため
に設けられている。

放電チヤンバー１のカバー２はダクト１５を有
しており、このダクトを通して空気が送られ、作
用電極３および４の作用部分７および１１を冷却
しかつ放電チヤンバー１内ガスを追い出す。

作用電極３の円筒スリーブ６はその下部にて絶
縁スリーブ１２を介して放電装置のボデイー１６
に取り付けられており、該ボデイーは放電チヤン
バー１と接触している複合電極１７を備え、該複
合電極は作用電極４に電気的に接続されている。

複合電極１７は同軸ケーブル１８によつてコン
デンサー列１９の陽極ターミナルに接続されてお
り、該コンデンサー列の陰極ターミナルは放電装
置のボデイー１６に接続されている。該ボデイー
は円筒部分２０を有しそこに集電板２１が取り付
けられている。絶縁ライナー２２が集電板２１を
作用電極３に取り付けられた第２集電板２３から
隔てている。

誘導子２４が集電板２１および２３に接続され
ている。

本発明に係る金属の磁気パルス加工および溶接
用の放電装置は次のように作動する。

コンデンサー列１９の陰極ターミナルを放電装
置のボデイー１６に同軸ケーブル１８で接続し、
一方、その陽極ターミナルを複合電極１７と作用
電極４の取り付けられた放電チヤンバーとに接続
する。コンデンサー列１９を所定作動電圧までチ
ヤージした後で、プラス電圧およびマイナス電圧
のパルスを交互に点弧電極５印加して作用電極３
および４の作用部分７および１１の間のエアーギ
ヤツプをイオン化し、これによつて電流スイツチ
ングを起こす。作用電極３および４、円筒スリー
ブ６、放電装置のボデイー１６そしてその円筒部
分２０を通つて流れるスイツチング電流は集電板
２１および２３に来て、そこから誘導子２４へ達
する。

このように、作用電極３，４および点弧電極５
の新規な態様および配置が作用電極３，４のより
大きな表面にわたつてのプラズマ分布を確実にし
て、このことにより内部インダクタンスを15nH
に減らし、600000A以上の電流スイツチングを可
能にする特徴がある。

作用電極３および４の作用部分７および１１の
大きな面積および環状点弧システムによつて、作
用部分７および１１の浸食が最小に減らせる。そ
の結果として、作用電極３および４の使用寿命が
600000A以上のスイツチング電流で10⁵回の放電
回数を越える。

環状点弧システムは作用電極３および４の作用
部分７および１１の浸食を実質的に均一し、この
ことにより放電装置の作動が安定する。

放電装置の作動安定性は、放電チヤンバー１に
カバー２でのダクト１５でもつて空気を吹き込む
ようにしてあることによつても確保され、空気は
作用電極を冷却しかつ電流パルスの適用での放電
チヤンバー１のガスを除くのにも使用される。

本発明の好ましい実施態様例を以下に説明す
る。

本発明に係る金属の磁気パルス加工および溶接
用の放電装置は金属カバー２付き放電チヤンバー
２５（第２図）を有しており、該カバーはボルト
２６によつて放電チヤンバーに取り付けられてい
る。

放電チヤンバー２５は第１および第２作用電極
３，２７および点弧電極２８を収容している。

好ましい実施態様での放電装置において、第１
作用電極３の作用部分７に面する第２作用電極２
７の突出部は円環状突起２９で示されている。第
２作用電極２７の該突出部の反対側には絶縁スリ
ーブ３０が配置され、該スリーブでの第１作用電
極３の作用部分７に隣接する端部はテーパーが施
され、そのテーパー表面上に環状溝３１が設けら
れている。

第２作用電極２７の突出部を構成している円環
状突起２９の使用によつて絶縁スリーブ３０への
プラズマの熱影響をかなり低減することができ
る。さらに、絶縁スリーブ３０のテーパー表面に
環状溝３１を設けることはチヤージ広がりに対す
る表面抵抗を高めて、放電装置がより高電圧でも
使用できるようになる。

点弧電極２８の使用寿命を延ばすために、この
電極リングは２つ対称的な半リング（リングを半
分に切断したもの）３２および３３からなり、こ
れら半リング３２および３３は内側が浸食される
のに応じてリング中央へ動かせるようになつてい
る。

多数の穴が点弧電極２８を構成するリングの円
周にそつて形成されている。

点弧電極２８はボデイー２５のカバー２に、半
径方向スロツト３５を有するベース板３４によつ
て取り付けられている。支持スリーブ３７にはめ
こまれたネジ３６が点弧電極２８の上記穴内およ
びベース板３４の半径方向スロツト３５内に固定
され、該ネジは作用電極３，２７と点弧電極２８
との間のギヤツプを調節するのに使用される。さ
らに、スロツト３５内で可動なネジ３６によつて
点弧電極２８の半リング３２および３３を移動さ
せることができる。

放電チヤンバー２５の下部には円周突出部３８
があり、そこにしつかりした絶縁デイスク３９が
装着され、該デイスクには円周に沿つた穴が形成
されている。

放電チヤンバー２５はフランジ４１によつて放
電装置のボデイー４０に取り付けられている。ボ
デイー４０の上側壁に、フラツトバス（平板母
線）４２，４３として形成された供電エレメント
が堅く取り付けられ、これらフラツトバスは誘電
体４４によつて隔てられている。バス４２のひと
つがコンデンサー列１９の陽極ターミナルに接続
され、一方、他方のバス４３がコンデンサー列１
９の陰極ターミナルに接続されている。

フラツトバス４２，４３、誘電体４４、ボデイ
ー４０およびフランジ４１は、しつかりした絶縁
デイスク３９内の穴と同心状の穴を有しており、
これら穴を絶縁ライナー４６，４７および４８を
供なつたカツプリングネジ４５が通されている。
絶縁ライナー４６および４７はカツプリングネジ
４５をフランジ４１から隔てるのに使用され、ま
た、絶縁ライナー４８は該カツプリングネジをフ
ラツトバス４３から隔てる。

このようにカツプリングネジ４５は放電チヤン
バー２５を放電装置のボデイーに堅く取り付けか
つフラツトバス４２，４３と放電装置のエレメン
トとの間の信頼できる接触を確実にする。

第２図に図示した放電装置はその他の点では第
１図での放電装置と同様である。第２図の放電装
置は第１図に示した場合とほぼ同じに作動する。

本発明の記載から明らかなように、提案した放
電装置は動的に安定なかつ信頼できる構造を特徴
としており、このことは背景技術の重大問題を本
質的に解決する。

産業上の利用可能性 本発明は、磁気パルス装置の製造での機械製作
および高電流回路のスイツチングでの電気工学に
も使用されるであろう。