JPH0415840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は大口径管のハンドリング装置に関す
る。

［従来技術］ 大口径管例えば工事中のトンネル内の送排気管
や排水管等のハンドリングには、多くの人員と時
間を要するため、多大の費用を要し、かつ危険で
もあつた。これらを解決するため、種々提案がな
されているが、いまだ好適なものは見当らない。

［考案の目的］ 従つて本考案の目的は大口径管の取付け取外し
を最小限の費用で安全に行いうる大口径管のハン
ドリング装置を提供するにある。

［考案の構成］ 本考案による大口径管のハンドリング装置は台
車に立設した一対の支柱にそれぞれ平行な垂直面
内において第１および第２の油圧シリンダにより
回動と収縮が自在な腕体を設け、それら腕体の端
部を回転自在に貫通して両腕体を接続する回転軸
を設け、その回転軸上の原動機の出力軸に固設し
た小歯車を一方の腕体に固設した大歯車に噛合
せ、回転軸の両端にそれぞれ第３の油圧シリンダ
を設け、それら第３の油圧シリンダの端部にそれ
ぞれ第４の油圧シリンダにより開閉自在な一対の
爪を設けるとともに、台車に第５の油圧シリンダ
により回転軸と平行に起伏自在なリフターを設
け、そのリフターに油圧モータで駆動される偏心
ローラを設けている。

［考案の作用効果］ 従つて、取付け時はリフター上に載置した大口
径管を腕体の爪で挟持し、腕体を回動伸縮して所
定位置に位置決めして支持し、順次取付ける。取
外し時は、大口径管を腕体の爪で挟持して支持
し、支持部材と連結部材とを取外したのちリフタ
ー上に移し、リフターを所要高さまでリフトして
偏心ローラにより台車後方に送り出す。この結
果、安全性を向上し、人力と時間を節約して費用
を最小限にすることができる。

［好ましい実施の態様］ 本考案の実施に際し、第１ないし第５の油圧シ
リンダおよび偏心ローラ駆動用油圧モータをそれ
ぞれ台車の一部に設けた操作台に接続し、操作台
で集中操作できるように構成するのが好ましい。
本考案の実施に際し、第２および第４の油圧シリ
ンダには戻り防止用のパイロツトチエツクバルブ
を設けるが好ましい。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図ないし第４図において、軌条Ｒ，Ｒ上を
図示されない牽引車に牽引されて走行する台車１
上には、前後に一対の支柱２，２が立設されてい
る。それらの支柱２，２には、それぞれ軌道に直
交して平行な垂直面内において、第１の油圧シリ
ンダすなわち上下用シリンダ３および第２のシリ
ンダすなわち伸縮用シリンダ４により回動および
伸縮が自在な腕体すなわち作業アーム５がピン６
により枢着されている。その作業アーム５は固定
側の外筒７に伸縮側の内筒８が挿嵌されており、
その内筒８の端部には前記垂直面に直交して軸受
９が設けられている。これら軸受９，９の内輪に
は、回転軸１０が挿嵌され、作業アーム５はこの
回転軸１０により連結されている。その回転軸１
０上に設けられた原動機すなわちギヤードモータ
１１の出力軸には小歯車１２が固設されており、
その小歯車１２は一方の作業アーム５の内筒８に
固設された大歯車１３に噛合されており、従つて
ギヤードモータ１１を回転すると、小歯車１２は
固設された大歯車１３の回りを回転し、それによ
り回転軸１０が回転するようになつている。ま
た、回転軸１０の両端には、それぞれ第３の油圧
シリンダすなわち引抜き用シリンダ１４が回転軸
１０に対して同じ位相で固設されている。その引
抜き用シリンダ１４のロツド１５の先端には第４
の油圧シリンダすなわち爪用シリンダ１６により
開閉され大口径管Ｐを挟持しうる一対の爪１７，
１７が取付けられている。

一方、台車１上には、回転軸１０と平行リフタ
ー１８が設けられており、このリフター１８は第
５の油圧シリンダすなわちリフター用シリンダ１
９の伸作動時にクランク２０、アーム２１ａない
し２１ｃにより水平にリフトされるようになつて
いる。このリフター１８には、略中央と後端に偏
心ローラ２２ａ，２２ｂが設けられており、これ
らローラは油圧モータ２３ａ，２３ｂにより回転
駆動され、大口径管Ｐを移送しうるようになつて
いる。なおリフター１８には、大口径管Ｐの回り
防止用の90度開度のガイド１８ａが設けられてい
る。そして前記各油圧シリンダ３，４，１４，１
６，１９および油圧モータ２３ａ，２３ｂはそれ
ぞれ回路２４ａないし２４ｇにより台車１の後部
に設けられた操作台２５に接続され、操作ハンド
ル２６ａないし２６ｇにより集中的に操作される
ようになつている。なお、図示されてはいない
が、上下用シリンダ３と爪用シリンダ１６とには
戻り防止用のパイロツトチエツクバルブが設けら
れている。

次に主として第４図を参照して作動を説明す
る。

大口径管を取付ける際は、第４図右半図に鎖線
で示すように、リフター１８上に載置された大口
径管Ｐ０を爪１７，１７で挟持し、次いで上下用
シリンダ３と引抜き用シリンダ１４とを伸作動さ
せながらギヤードモータ１１を作動して回転軸１
０を反時計方向に回動する。そして実線で示す位
置を経て２点鎖線で示すようにトンネルＴ内の所
定位置に位置したのち、大口径管Ｐ１を図示され
ない支持部材でトンネル周壁に支持し、隣接する
大口径管と連結部材で連結する。

大口径管を取外す際は第４図左半図に実線で示
すように、引抜き用シリンダ１４を伸作動させて
爪１７，１７で大口径管Ｐ２を挟持して支持し、
支持部材と連結部材を取外す。次いで引抜き用シ
リンダ１４と収縮用シリンダ４とを収縮作動させ
ながらギヤードモータ１１を作動して回転軸１０
を反時計方向に回動する。そして鎖線で示すよう
にリフター１８のガイド１８ａ（右半図）上に載
置したら、爪１７，１７を開いたのち作業アーム
５を上方に例えば実線の位置に移動し、必要によ
りリフター用シリンダ１９を伸作動させて大口径
管Ｐ０をリフトし、油圧モータ２３ａ，２３ｂを
作動し偏心ローラ２２ａ，２２ｂを回転して大口
径管Ｐ０を後方に台車に移送する。

［まとめ］ 以上説明したように本考案によれば、大口径管
を腕体の爪で挟持し、第１ないし第４の油圧モー
タと原動機を作動して所定位置に位置決めし、取
付け、あるいは取外してリフター上に載置するこ
とができ、リフター上の大口径管の偏心ローラを
回転して移送することができる。この結果、安全
性を向上し、人力と時間を節約して費用を最小限
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は第１図の正面図、第３図は第１図の上面図、
第４図は作業状態を示し、右半図は大口径管の取
付時の正面図、左半図は取外し時の正面図であ
る。 １……台車、２……支柱、３……上下用シリン
ダ、４……伸縮用シリンダ、５……作業アーム、
１０……回転軸、１１……ギヤードモータ、１２
……小歯車、１３……大歯車、１４……引抜き用
シリンダ、１６……爪用シリンダ、１７……爪、
１８……リフター、１９……リフター用シリン
ダ、２２……偏心ローラ、２３……油圧モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車に立設した一対の支柱にそれぞれ平行な垂
   直面内において第１および第２の油圧シリンダに
   より回動と収縮が自在な腕体を設け、それら腕体
   の端部を回転自在に貫通して両腕体を接続する回
   転軸を設け、その回転軸上の原動機の出力軸に固
   設した小歯車を一方の腕体に固設した大歯車に噛
   合せ、回転軸の両端にそれぞれ第３の油圧シリン
   ダを設け、それら第３の油圧シリンダの端部にそ
   れぞれ第４の油圧シリンダにより開閉自在な一対
   の爪を設けるとともに、台車に第５の油圧シリン
   ダにより回転軸と平行に起伏自在なリフター設
   け、そのリフターに油圧モータで駆動される偏心
   ローラを設けたことを特徴とするパイプハンドリ
   ング装置。