JPH04153591A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、たとえば車両空調用冷媒圧縮機として使用す
るのに適したベーン型の気体圧縮機に関するものである
。

〔従来の技術〕

第４図及び第５図に、従来のベーン型圧縮機の一つが例
示されている。−船釣なベーン型圧縮機は、シリンダ開
口（必ずしも真円筒とは限らない）■が穿孔されたシリ
ンダブロック２と、その前後に固定されてシリンダ開口
１を閉しるエンドプレート３及び４と、シリンダ開口１
の中の偏心位置において回転するように、エンドプレー
ト３．４に形成された軸受５及び６によって支持される
円形のロータ７と、ロータフの溝８に摺動可能に挿入さ
れた所定枚数のベーン９とを有する。１ｏ及び１１はロ
ータ７の回転軸を示す。

図示の従来例では、第５図に示すように、フロント側の
エンドプレート３にフロントヘッド１２が取付けられて
内部に吸入室１３を形成し、吸入室１３は吸入ポート１
４によってシリンダ開口１に通じており、ロータ７の回
転軸１０の周りにはシール１５が設けられている。

また、シリンダロック２の上には蓋１６が取付けられて
吐出室１７が形成され、吐出室１７はシリンダ開口１に
通じる吐出ポート１８と、それを閉じるリード弁形の吐
出弁１９を備えている。

更に、第５図の右側に見られるように、エンドプレート
４にはりャヘッド２０が取付けられ、その内部空間は消
音器２１を形成し、通路２２によって吐出室１７と通じ
るとともに、通路２３によって圧縮した気体を外部へ送
出するようになっている。

ロータ７の一部は、シリンダ開口１に対してアキシャル
シール部（軸方向のシール線）２４を形成するように僅
かの間隙（例えば、２０〜５０廊）をおいて接しており
、シリンダ開口ｌとロータフの間の三日月形の空間が、
互いに隣接するベーン９の対によってベーンの数だけの
容積の変化する空間として区画されることによって形成
されたポンプ室２５は、それがアキシャルシール部２４
を通過するときに低圧部２６と高圧部２７に分割される
。それによって、アキシャルシール部２４は高圧部の圧
力が低圧部に漏れるのを防いでいる。

回転軸１０が図示されないモータ等によって駆動されて
回転すると、ロータ７が回転することによりベーン９が
遠心力等の作用で溝８の中を外方へ摺動し、シリンダ開
口１の内周面に押し付けられて、エンドプレート３．４
との間に区画されたポンプ室２５を形成する。回転軸１
０が第４図に示した矢印Ｒの方向に駆動回転されるとき
、ポンプ室２５が吸入ボート１４を含む位置にある状態
ではポンプ室２５の容積が増大しつつあるのでポンプ室
２５内は減圧状態になり、吸入室１３の気体はポンプ室
２５内へ吸入される。

ロータ７が更に回転してポンプ室２５が吐出ポート１８
を含む位置に来た状態では、ポンプ室２５の容積が縮少
しつつあるので、ポンプ室２５内の気体は圧縮されてお
り、その圧力が所定値を越えると、圧縮された気体は吐
出弁１９を押し開いて吐出室１７へ流出する。

吐出室１７へ脈動的に吐出される圧縮された気体は、通
路２２から消音器２１の大きな空間へ流入することによ
って脈動が平滑化され、通路２３から略−定の圧力を有
する圧縮気体となって、空調装置の場合ならば凝縮器へ
送られることになる。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のベーン型圧縮機では、ポンプ室２５が吐出ポート
１８に近づいた状態でその容積が減少し、ポンプ室２５
内の気体が圧縮されると、ポンプ室２５を区画するシリ
ンダ開口ｌやロータフの壁面、ベーン９の表面には圧縮
された気体の圧力が加わるため、回転軸１０．１１には
矢印Ｆとして示したような力が作用する。そのため、回
転軸１０　、１１を支持している軸受５．６が僅かに変
形し、アキシャルシール部２４におけるシリンダ開ロエ
とロータ７の間の微小な間隙が拡大して、高圧部２７か
ら低圧部２６への圧縮気体の漏れが増大し、圧縮機の効
率を低下させる。

また、気体の圧縮熱により、吐出ポート１８に近い部分
が高温となり、ポンプ室２５内が減圧傾向を帯びる反対
側の低温部との間にかなりの温度差を生しるため、エン
ドプレート３及び４は、吐出ボート１８付近の高温部に
おいて熱膨張するのに対し、低温部では膨張しないとい
う不均一な温度分布となって、軸受５，６の中心の位置
が僅かに移動し、これもアキシャルシール部２４０間隙
を拡大させる一因となり、圧縮気体の漏れを増大させる
。

本発明は、従来のベーン型圧縮機におけるこのような圧
力や熱膨張によるアキシャルシール部における漏洩の増
大の問題を解決して、圧縮機の効率を向上させることを
発明が解決しようとする課題とするものである。

〔課題を解決するための手段］ 本発明者等は、従来のベーン型圧縮機における前述のよ
うな問題は、ロータ７を支持する軸受５６がシリンダブ
ロック２に対して固定されるエンドプレート３．４に取
付けられていて、シリンダ開口１とロータフの表面の間
は作動状態において自由度がない状態にあることから生
じるものと考え、シリンダブロック２をエンドプレート
３．４に固定せずに、成る程度浮動的に支持することに
よって問題を解決する手段を案出した。

即ち、本発明によるベーン型圧縮機は、シリンダ開口を
備えるシリンダブコックと、前記シリンダ開口内の偏心
した位置で回転し前記シリンダ開口の内面に摺接するベ
ーンを備えると共に前記シリンダ開口の一部と接する個
所にアキシャルシール部を形成するロータと、前記ロー
タの回転軸を支持する軸受が設けられたサイドハウジン
グとを有し、前記シリンダブコックは前記サイドハウジ
ングに対して固定されておらず、相対的に変位すること
ができるように支持されていると共に、前記シリンダブ
ロックを前記サイドハウジングに対して相対的に変位さ
せて前記アキシャルシール部におけるクリアランスを縮
小させる押圧手段を設けていることを特徴とする。

〔作　用〕

本発明のベーン型圧縮機においては、ロータが内接する
シリンダ開口を有するシリンダブロックは、サイドハウ
ジングに対して固定されておらず、相対的に変位可能で
あるから、押圧手段によってシリンダブロックを押圧す
ることにより、ロータとシリンダ開口との接点に形成さ
れるアキシャルシール部のクリアランスが縮小し、圧縮
すべき気体の漏洩が少なく、且つロータの摺動抵抗の少
ない最適のクリアランスに調整することができる。

〔実施例〕

図示の実施例において、既に説明した第４図及び第５図
の従来例と実質的に同し部分については、同じ参照符号
（数字）をつけて説明を省略する。

第１図及び第２図に示した本発明の第１実施例である圧
縮機では、シリンダブロック３１の外周を取り囲む別体
のセンターハウジング３２を設け、第５図に示す従来例
におけるエンドプレート３．４と類似の形状のサイドハ
ウジング３３　、３４をセンターハウジング３２に対し
て図示しないボルト等を用いて固定している。

センターハウジング３２の中には、その内面の幅より前
後、左右方向に僅かに（約５　Ｏｎ＝　）狭く作られた
ノリンダブロンク３１が、上下方向に移動（摺動）可能
に取付けられている。このため、シリンダブロック３１
のシリンダ開口１と、ロータフの接点に相当するアキシ
ャルシール部３５のクリアランス（間隙）の大きさは変
動可能になっている。

センターハウジング３２とシリンダブロック３１の上部
との間には高圧室３７が形成されており、吐出ポート１
８、吐出弁１９を介して吐出される高圧ガスは、高圧室
３７からリヤサイドハウジング３４の通路２２を通過し
、リヤヘッド２０内に設けられた消音器２１に導ひかれ
る。

高圧室３７のガスが他へ洩れないように、シリンダブコ
ック３１とセンターハウジング３２、あるいはサイドハ
ウジング３３　’、　３４との間にはシールが設けられ
ている。このシールは隙間が５０ｔｎｎ程度のため、Ｏ
リングで充分である。図示の場合、シリンダブコック３
１の下部にはセンターハウジング３２の下部壁面との間
に低圧室３６が形成され、その中には、アキシャルシー
ル部３６が接触しないように、シリンダブロック３１の
可動限界となるストッパ３８が設けられている。

またシリンダブロック２の下部の低圧室３６は吸入室１
３と連通しており可動のシリンダブロック３１の上下に
圧力差が生しるようになっている。更にシリンダブロッ
ク３１の上部には、高低圧が均圧した場合、アキシャル
シール部３５が閉しる方向にシリンダブロック３１を付
勢する手段（たとえばスプリング３９）が設けられてい
る。

本発明の第１実施例による圧縮機では前述のような構造
によって、シリンダ開口１とロータフの中心の偏心量は
変化することができるようになっている。第３図に示す
ように、圧縮機の定常運転時、高圧室には吐出圧力ＰＨ
の気体が満たされている。一方シリンダ開口ｌ内では、
はぼシリンダ半径に対応する面積Ｓ、に対し、高圧ＰＭ
がアキシャルシール部３５を拡げる方向へ作用している
。

ここで高圧室３７において、シリンダブロック３１の上
面の面積ＳＨが前記の面積Ｓｃより大きければ圧縮ガス
の圧力ＰＭにより、シリンダブロック３１はアキシャル
シール部３５のクリアランスが小さくなる方向に、ロー
タに向って押しつけられる。従って、もし、シリンダ開
口１とロータフの接触を許すような運転条件であれば、
アキシャルシールクリアランスはゼロに保たれ、従来の
圧縮機において生じたような圧力あるいは熱によるアキ
シャルシール部２４（第４図）からの洩れを防くことが
できる。

吸入ガスに潤滑油を霧散させて運転する圧縮機の場合、
ポンプ室２５へ吸入された潤滑油の一部は吐出ボート１
８から吐出されるものの、残りはアキシャルシール部３
５へ流入して、一種の流体軸受を形成し、アキシャルシ
ール部３５の焼付を防止することが可能、である。

もし、アキシャルシール部３５での摩擦損失を減少させ
たい場合は、第１図〜第３図に示したようにセンターハ
ウジング３２の低圧側、すなわち低温部にストッパ３８
を設け、組付時にアキシャルシール部３５のクリアラン
スが適切な値（たとえば２ｆ）ａｍ）になるようストッ
パ３８の高さを調整しておく。この場合ストッパ３８は
サイドハウジング３３　、３４の低温部の位置にあるた
め、ストッパ３８と軸受５，６との距離は変化しない。

従ってサイド／Ｓウジフグ３３　、３４の上部が高温に
なって熱膨張しても、その寸法変化はシリンダ開口１の
中心位置には影響せず、アキシャルシール部３５のクリ
アランスは初期の設定値に保たれる。またポンプ室２５
内の圧力については、より大きな力で高圧室３７から押
圧されているため、アキシャルシール部３５のクリアラ
ンスに影響しない。このようにして、本発明の第１実施
例による圧縮機では、圧力、熱の影響を受けずに初期の
アキシャルシールクリアランスを恒に維持しながら圧縮
機を運転することが可能となる。

また、従来の圧縮機では、吸入ガスに液体が混入して液
圧縮状態になった場合、ポンプ室２５内に異常高圧が発
生し、エンドプレート３．４とシリンダブロック２との
間にズレを生してアキシャルシール部２４のクリアラン
スが拡大したり、圧縮機自身が破損する場合があった。

しかし本発明の第１実施例による圧縮機では、ポンプ室
２５内に異常高圧が生じた場合、この圧力はポンプ室２
５の圧力よりも高いため、スプリング３９の力や高圧室
３７の圧力に抗してシリンダブロック３１が移動し、ア
キシャルシール部３５のクリアランスが拡大して高圧と
なったポンプ室２５の液体を低圧側へ逃がすため、圧縮
機の故障を未然に防止することができる。

このためにはアキシャルシール部３５のクリアランスは
０．３ｍ＋程度まで拡大することができるように、シリ
ンダブロック３１の移動量に余裕をもたせることが望ま
しい。

前記第１実施例では、アキシャルシール部３５のクリア
ランスと直角方向にシリンダブロック３１をスライド可
能な構成としたが、本発明においては、アキシャルシー
ルクリアランスの調整が可能であれば、シリンダブロッ
クの移動方向はアキシャルシールクリアランスに対して
垂直でなくてもよい。

また前述の説明から明らかなように、実際の圧縮機では
圧力、熱により軸受５，６を変形させようとする力Ｆは
、アキシャルシールクリアランスＧこ対し約４５°傾い
た方向へ作用する。そこで第６図に示す第２の実施例で
は、センターハウジングを４０　、４１の上下２つの部
分に分けて構成し、それらを図示しない前後のサイドハ
ウジングによって連結している。シリンダブロック４２
は、ビン４３によって前後のサイドハウジングに対し、
微小角度回動可能に支持されている。前後のサイドハウ
ジングは、シリンダブロック４２のシリンダ開口１の両
端を塞ぐと共に、交差する２枚のベーン４４　、４５の
軸方向端と微小な間隙をおいて摺接している。

前後のサイドハウジングを連結する４本のボルト４Ｂは
、シリンダブロック４２に設けられた同数の孔４７に挿
通される。上下のセンターハウジング４０゜４Ｉ及び前
後のサイドハウジングに対するピン４３を中心とするシ
リンダブロック４２の回動を許すために、挿通孔４７の
内径は連結ボルト４６の外径よりも若干大きく形成され
ており、また、センターハウジング４０　、４１とシリ
ンダブロック４２との当接個所には僅かの間隙が設けら
れていて、必要な場合は０リング４９のような可撓性の
あるシールを設けて、その間隙からの流体の漏洩を防止
する。

また、シリンダブロック４２の回動を制限するために、
下方のセンターハウジング部分４１にストッパ４８を設
けている。センターハウジング部分４０の中には高圧室
５０が形成され、吐出弁１９から高圧室５０内へ吐出さ
れる圧縮された気体の圧力が、シリンダブロック４２に
対しピン４３のまわりの回動を起こさせ、ロータ７とシ
リンダ開口１との接点であるアキシャルシール部５１に
吐出圧に応じた接触状態を実現する。

第２実施例では、センターハウジング４０　、４１に、
シリンダブロック４２との摺動部を設ける必要がなく、
圧縮機の製作が、前記第１実施例にくらべ著しく容易に
なる。また実際の熱変形、圧力変形の方向に対し、アキ
シャルクリアランスの調整方向が同一になるため、前記
の作動もより確実に行なうことができる利点がある。

〔発明の効果〕

本発明を実施することにより、従来例のようにアキシャ
ルシール部のクリアランスが、圧縮された気体の圧力や
熱によって拡大するような場合であっても、押圧手段に
よりシリンダブロックを押圧してアキシャルシール部の
クリアランスを減少させるので、クリアランスの大きさ
が適正値に維持されて、圧縮された気体の漏洩が増加す
ることがな（、また、予めアキシャルシール部の接触面
圧を高めた場合のような、摩擦損失の増大による動力の
増加や摩耗を避けることができる。

また、シリンダ開口とロータのベーンの間に形成される
ポンプ室内に液体が溜って、液圧縮状態になったような
異常な場合でも、その時にポンプ室内に発生する異常な
高圧が押圧手段の付勢に打ち勝ってシリンダブロックを
移動させ、アキシャルシール部のクリアランスを拡大し
て、異常な高圧を低圧部へ釈放し、圧縮機の破損を未然
に防止することができる安全性をもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示すもので、第
１図は縦断正面図、第２図は縦断側面図、第３図は作用
説明図、第４図〜第５図は従来例を示すもので、第４図
は縦断正面図、第５図は縦断側面図、第６図は本発明の
第２実施例を示す縦断正面図である。 １・・・シリンダ開口、　　２・・・シリンダブロック
、３．４・・・エンドプレート、 ５．６・・・軸受、　　　　７−・・ロータ、８・・・
溝、　　　　　　　９・・・ベーン、１０．１１・・・
回転軸、　　１２・・・フロントヘッド、１３・・・吸
入室、　　　　　１４・・・吸入ポート、１５・・・シ
ール、　　　　　１６・・・蓋、１７・・・吐出室、　
　　　１８・・・吐出ボート、１９・・・吐出弁、　　
　　２０・・・リヤへ・ノド、２１・・・消音器、　　
　　２２　、２３・・・通路、２４・・・アキシャルシ
ール部、 ２５・・・ポンプ室、　　　２６・・・低圧部、２７・
・・高圧部、　　　　３１・・・シリンダプロ・ンク、
３２・・・センターハウジング、 ３３　、３４・・・サイドハウジング、３５・・・アキ
シャルソール部、 ３６・・・低圧室、　　　　３７・・・高圧室、３８・
・・ストッパ、　　　　３９・・・スプリング、４０　
、４１・・・センターハウジング部分、４２・・・シリ
ンダブロック、 ４３・・・ビン、　　　　　　４４　、４５・・・ベー
ン、４６・・・連結ボルト、　　４７・・・挿通孔、４
８・・・ストッパ、　　　　４９・・・０リング、５０
・・・高圧室、　　　　５１・・・アキシャルシール部
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　シリンダ開口を備えるシリンダブロックと、前記シリ
   ンダ開口内の偏心した位置で回転し前記シリンダ開口の
   内面に摺接するベーンを備えると共に前記シリンダ開口
   の一部と接する個所にアキシャルシール部を形成するロ
   ータと、前記ロータの回転軸を支持する軸受が設けられ
   たサイドハウジングとを有し、前記シリンダブロックは
   前記サイドハウジングに対して固定されておらず、相対
   的に変位することができるように支持されていると共に
   、前記シリンダブロックを前記サイドハウジングに対し
   て相対的に変位させて前記アキシャルシール部における
   クリアランスを縮小させる押圧手段を設けていることを
   特徴とするベーン型圧縮機。