JPH041518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、原子力施設の高温雰囲気の中で使用
される放射性物質を含む流体の濾過機におけるＯ
リング取付装置に関する。

従来技術 原子力施設で発生する空気、液体等の放射性物
質を含む流体の濾過機は、該流体の取入口及び排
出口を有し、内部に濾過用のフイルター装置を収
納した筒状容器形状の本体と、この本体の開口部
を密封する蓋体とから構成されている。そして、
蓋体には本体の開口縁に密接するＯリングが装着
されているが、このＯリングは高温及び放射能汚
染により比較的早く疲労し、しばしば取替えるこ
とが必要となる。しかるに、この濾過機は原子力
施設の高温雰囲気の中に設置されているから、人
間が直接Ｏリングに手を触れて交換することがで
きない。

したがつて、Ｏリングの交換はマニブレータ等
による遠隔操作に頼らざるを得ないのであるが、
このマニブレータを用いて蓋体の端縁の溝に密嵌
着したＯリングを脱嵌し、また新しいＯリングを
嵌着する操作は非常に困難であつた。

つまり、マニブレータに専用の工具等を装着し
て作業すれば、蓋体の溝からＯリングをなんとか
取外すことはできるが、逆に新しいＯリングの嵌
着（特に大径のＯリング）はなかなかできないと
いうのが実情である。

考案の目的 本考案は上記の欠点を改良したもので、濾過機
本体と蓋体の間を密封するＯリングをマニブレー
タ等による遠隔操作により容易、確実に交換でき
る放射性物質を含む流体の濾過機を提供すること
を目的とする。

考案の概要 上記目的を達成するため、本考案は濾過機本体
とこれの開口部をＯリング介装して密封する蓋体
とからなる放射性物質を含む流体の濾過機におい
て、環状に構成したＯリング取付板本体の上下端
面に設けた溝にＯリングを嵌着し、該Ｏリング取
付板本体を濾過機本体と蓋体の間に着脱自在に介
装するようにしたことを特徴とするものである。

実施例 以下本考案の実施例を図を参照して説明する。

図において、１０は容器状の濾過機本体、１１
は該本体１０の開口部を開閉する蓋体である。上
記濾過機本体１０内には略図的に示すフイルター
エレメントを取付けたバケツト１２が収納されて
おり、該バケツト１２には処理すべき放射性物質
を含む空気が液体等の流体を濾過する濾過材が収
納されている。

そして、濾過機本体１の上部に設けた流体取入
口１３から放射性物質を含んだ流体を吸込み、下
部の排出口１４から排出する過程において、バケ
ツト１２に収容した濾過材で流体中の放射性物質
をこれに吸着させ流体を濾過して除染している。

濾過機本体１０と蓋体１１の間はＯリング介装
して密封され、上記流体が、該濾過機本体１０と
蓋体１１の隙間から外部に漏れることがないよう
にしている。しかして、本考案はこのＯリングを
従来のように蓋体１１又は本体１０の接合端縁に
削設した環状溝に埋設するのではなく、独立部品
としてのＯリング取付板に取付けてあり、濾過機
本体１０及び蓋体１１のいずれからも独立した一
つのＯリング取付部品として構成してある。

すなわち、図において１が環状のＯリング取付
板本体で、上下端面にはいわゆる蟻溝状に底部が
拡がつたＯリング嵌合溝８，８を形成し、この各
嵌合溝に環状のＯリング２，２を嵌着している。
Ｏリング取付板本体１の一側には先端が下方に折
曲つている鉤形のマニブレータ用取手７を設けて
おり、また、これとは別に先端が外側に拡がつて
いるガイド脚３，３……を下方に向けて複数本所
定の間隔に設けてある。さらに取付板本体１には
支持板９を設け、これにハンガー６の両端を枢支
している。支持板９にはハンガー６の回動範囲を
規制する２つのストツパーピン１５，１５を設け
ている。４は濾過機本体１０の上端に設ける位置
決めピン用のリーマ穴である。

上記取付板本体１は、第１図のように蓋体１１
と本体１０の間に介装して使用される。しかし
て、その装着に際しては、まず蓋体１１を鎖線の
ように開いておき、マニブレータ等による遠隔操
作で取付板本体１を水平状態を保ちつつ下方に降
し、濾過機本体１０の先端縁に載置する。このと
き、取付板本体１の水平方向の若干の位置ずれは
ガイド脚３，３……によつて修正され、下側のＯ
リング２を濾過機本体１０の上端面と確実に接触
させることができる。つぎに、ハンガー６を水平
に倒し、上方から蓋体１１を閉じると、該蓋体１
１の端面がパツキン２と密接し、以て蓋体１１と
濾過機本体１０との間のシールは確実に行なわれ
るのである。

しかして、上記Ｏリング２，２を新しいものと
交換する際には、ハンガー６を上に引起しクレー
ンでハンガー部を掛けて吊上げることにより、取
付板本体１ごと廃棄処分とし、新しいものと交換
する。なお、本考案は、上記のようにＯリング取
付板本体ごと廃棄処分とすることを目的として考
案したものであるが、取付板本体１を再使用する
ことは勿論可能であつて、その場合は、Ｏリング
取付板本体１を適切な場所に運び特殊工具を用い
てＯリング２を取外し、Ｏリング嵌着溝８をジエ
ツト噴水等で洗浄・除染後人間が直接Ｏリング溝
に嵌め込むことが可能である。

考案の効果 以上の通りであり、本考案によると、濾過機本
体と蓋体との間を気密に密閉するＯリングを、従
来のように蓋体の溝に埋設するのではなく、Ｏリ
ング取付板に取付けて、それ自体を蓋体及び濾過
機本体にいずれからも独立した部材として構成し
たので、Ｏリング取替に際しては、Ｏリング取付
板ごと取替えることができ、またはＯリング取付
板を適当な場所に運びそこで人間が手で交換する
こともでき、いずれの場合もマニブレータ等によ
る遠隔操作に適し、核燃料施設の高温雰囲気中に
設置される放射性物質を含んだ流体の濾過機に用
いてきわめて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る濾過機の正面
図、第２図は平面図、第３図はＯリング取付板の
正面図、第４図は第２図Ａ−Ａ線の断面拡大図で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器形状の濾過機本体と、これの開口部をＯ
   リング介装をして密封する蓋体とからなる濾過
   機において、Ｏリング２，２を、環状に構成し
   たＯリング取付板本体１の上下端面に設けた溝
   ８，８に嵌着し、該Ｏリング取付板本体１を濾
   過機本体１０と蓋体１１の間に介装することを
   特徴とする放射性物質を含む流体の濾過機にお
   けるＯリング取付装置。 (2) Ｏリング取付板本体１にはガイド用脚３，
   ３、バンガー６、マニブレータ用取手７等を設
   けてある実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の放射性物質を含む流体の濾過機におけるＯリ
   ング取付装置。