JPH0414256B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はループ形ヒートパイプ作用とヒートポ
ンプモード作用とを合わせ持つ太陽熱温水器に関
する。

従来例の構成とその問題点 従の太陽熱温水器は日射量が不足する場合や雨
天、夜間には昇温しない。そのため、このような
場合にはヒートポンプ運転に切替える温水器が考
案されているが、この種の太陽熱温水器は、第１
図および第２図に示すように、集熱板１の内部に
配設され、かつ内部に潜熱媒体の作動液が封入さ
れた冷媒管２が集熱板１の上方に設置された貯湯
槽３の内部を作動液が自然に集熱板１内の冷媒管
２に流下してくるような勾配で貫通して閉ループ
状に接続され、貯湯槽３から集熱板１へ戻る冷媒
管２の途中には、膨張弁４と電磁弁５が並列に組
み込まれ、さらに、集熱板１から貯湯槽３への冷
媒管２の途中には、コンプレツサー６が設けら
れ、集熱板１とコンプレツサー６との途中には、
三方弁７、膨張弁８、フインチユーブ９、アキユ
ムレーター１０が直列に接続され、三方弁７の他
の接続口はコンプレツサー６をバイパスし貯湯槽
３内の冷媒管２に接続している。また、電磁弁１
１が三方弁７と膨張弁８をバイパスして、フイン
チユーブ９と集熱板１の冷媒管２を短絡するよう
に設けられていた。

上記構成において、日射量がある設定値以上の
場合は、第１図に示すように、三方弁７を管路
Ａ，Ｂを連絡するように切替え、電磁弁１１を閉
じ、電磁弁５を開いて、第１図の矢印で示すルー
プ形ヒートパイプモードで運転させ、また、日射
量がある設定値にみたない場合は、第２図に示す
ように、三方弁７を管路Ｂ，Ｃを連絡するように
切替え、電磁弁５を閉じ、コンプレツサー６を駆
動してまず集熱板１内の冷媒管２に溜つている作
動液を膨張弁８に導入してガス化し、集熱板１内
の冷媒管２内の作動液がなくなつた時点で電磁弁
１１を開いて第２図の矢印で示すヒートポンプモ
ードで運転させていた。

このような従来の構成では、ループ形ヒートパ
イプモード運転とヒートポンプモード運転との切
替えを、日射量がある設定値により多いか少ない
かで行つているため、日射量が設定値以上でも貯
湯槽３内の水温が高くループ形ヒートパイプモー
ドでは運転できない場合もあり、また、日射量が
設定値より小さくとも外気温が高く、水温が低い
時にはループ形ヒートパイプモードで運転可能な
場合もある。さらに日射量が変動する場合には、
両モードの切替えが頻繁になり、実際、太陽熱を
寄与させるループ形ヒートパイプモードの運転時
間が短くなる。したがつて、日射量を検知手段と
した切替え制御では、十分昇温性能を得られる確
実な手段ではないという問題を有していた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
ループ形ヒートパイプモードとヒートポンプモー
ドのどちらの蒸発部でもある集熱器を兼用した太
陽熱温水器の両モードの切替えを簡易な装置で確
実に行い、太陽熱の寄与率を向上および昇温性能
の向上を目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、潜熱媒体
の作動液を蒸発させる集熱フインを備えた蒸発部
を有する集熱器と、集熱器の上方に位置し、凝縮
用の熱交換器を２個内設する貯湯槽と、集熱器か
ら各々の熱交換器への往管と戻管で閉回路を構成
し、一方の熱交換器への往管途中には圧縮機を設
け、その熱交換器の戻管には膨張弁を設けてルー
プ形ヒートパイプモード回路とヒートポンプモー
ド回路を構成し、両回路の蒸発部である集熱器を
兼用した構成を基本としている。さらに集熱器内
に集熱フインを備えた蒸発部を有し貯湯槽内に凝
縮部を設けた、両モードの閉回路とは独立したヒ
ートパイプを設け、ヒートパイプの蒸発部と凝縮
部との差温検知器と、差温検知によりモードの切
替えを決める制御器を設けたものである。

この構成によつて、集熱器内の蒸発部が貯湯槽
内の凝縮部より温度が高くなりループ形ヒートパ
イプモードで運転可能な条件では、ヒートパイプ
も作動した状態となり、ヒートパイプの蒸発部が
凝縮部より温度が高くなるため、この差温を検知
することにより、圧縮機を停止させループ形ヒー
トパイプモードで運転させ、逆に、ヒートパイプ
の蒸発部が凝縮部より温度が低い場合には、圧縮
機を稼動させヒートポンプモードで運転させるこ
とができる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第３図を用いて説明
する。第３図において、１は集熱フイン２を備え
た蒸発部３を有する集熱器であり、４は集熱器１
の上方に位置し、ヒートポンプモード用の凝縮用
の熱交換器５ａおよび、ループ形ヒートパイプモ
ード用の凝縮用の熱交換器５ｂを内設する貯湯槽
である。熱交換器５ａおよび熱交換器５ｂは集熱
器１と往管６および戻管７とで閉回路が構成され
ており、往管６は途中で分岐し、一方は熱交換器
５ａに圧縮機８を介して接続され、他方は熱交換
器５ｂに接続されている。さらに熱交換器５ａは
膨張弁９を、熱交換器５ｂは逆止弁１０を介して
戻管７と接続されている。また、集熱器１内に、
集熱フイン２を備えた蒸発部を有し、貯湯槽４内
に凝縮部を設けた、前記閉回路とは独立したヒー
トパイプ１１が設けられており、ヒートパイプの
蒸発部と凝縮部との差温検知器１２ａ，１２ｂお
よび差温検知により圧縮機８の発停を決める制御
器１３が設けられている。

上記構成において、ヒートパイプ１１の作動条
件である集熱器１内のヒートパイプ１１の蒸発部
が貯湯槽４内のヒートパイプ１１の凝縮部より温
度が高くなつたことを差温検知器１ａ，１２ｂで
検知し、制御器１３により圧縮機８を停止させる
ことにより、集熱器１内の集熱フイン２の温度は
上昇し、回路内の作動液は蒸発部３から往管６を
通り、凝縮用の熱交換器５ｂを通り、戻管７を経
て、また、集熱器１内の蒸発部３に戻るという循
環をくり返すループ形ヒートパイプモード運転に
より貯湯槽４内の水温は太陽熱により昇温する。
逆に、ヒートパイプ１１が作動しない条件である
集熱器１内のヒートパイプ１１の蒸発部が貯湯槽
４内のヒートパイプ１１の凝縮部より温度が低く
なつたことを差温検知器１２ａ，１２ｂで検知
し、制御器１３により圧縮機８を稼動させ、回路
内の作動液は蒸発部３から往管６を通り、圧縮機
８にて断熱圧縮し、凝縮用の熱交換器５ａを通
り、膨張弁９、戻管７を経て、また、集熱器１内
の蒸発部３に戻るという循環をくり返すヒートポ
ンプモード運転により貯湯槽４内の水温は、主に
大気熱により昇温する。なお逆止弁１０はヒート
ポンプモード運転時に熱交換器５ｂに逆流し回路
が短絡することを防ぐために設けられている。

このように、上記構成では、主に太陽熱を利用
するループ形ヒートパイプモードと主に大気熱を
利用するヒートポンプモードとを、どちらのモー
ドで運転させた方が有利か的確に行え、もつとも
省エネルギーの運転形態で、貯湯槽水温の昇温が
得られるという効果がある。

発明の効果 以上のように本発明の太陽熱温水器によれば、
ループ形ヒートパイプモードとヒートポンプモー
ドの蒸発部を一つの集熱器で兼用し、モードの切
替えの条件検知を両モードの回路とは独立したヒ
ートパイプを設け、このヒートパイプの蒸発部と
凝縮部の差温により行つているので、動力を要す
るヒートポンプモードより省エネルギーな運転形
態であるループ形ヒートパイプモードの運転条件
が、貯湯槽水温や日射量の大小にかかわらず的確
に選択でき、また日射量が変動してもヒートパイ
プの応答遅れがあるためモードの切替えが頻繁に
あることが少なく安定した運転ができ、貯湯槽水
温の昇温を太陽熱および大気熱を利用して効率良
く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の太陽熱温水器の構
成図、第３図は本発明の一実施例を示す太陽熱温
水器の構成図である。 １……集熱器、２……集熱フイン、３……蒸発
部、４……貯湯槽、５ａ，５ｂ……熱交換器、６
……往管、７……戻管、８……圧縮機、９……膨
張弁、１１……ヒートパイプ、１２ａ，１２ｂ…
…差温検知器、１３……制御器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 潜熱媒体の作動液を蒸発させる集熱フインを
   備えた蒸発部を有する集熱器と、前記集熱器の上
   方に位置し、凝縮用の熱交換器を２個内設する貯
   湯槽と、前記集熱器から各々の前記熱交換器への
   往管と戻管で閉回路を構成し、一方の前記熱交換
   器への往管途中には圧縮機を設け、前記熱交換器
   の戻管には膨張弁を設けて、ループ形ヒートパイ
   プモード回路と前記圧縮機および膨張弁を介する
   ヒートポンプモード回路を構成し、両方のモード
   回路の蒸発部を前記集熱器で兼用し、モードの切
   替えを決める構成は、前記閉回路とは独立して、
   前記集熱器内に集熱フインを備えた蒸発部を有
   し、前記貯湯槽内に凝縮部を有するヒートパイプ
   を設け、前記ヒートパイプの蒸発部と凝縮部との
   差温検知器と、前記差温検知によりモード切替え
   を決める制御器とからなる太陽熱温水器。