JPH0413808A - 超音波による焼き入れ法

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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この発明は金属の焼き入れ初期に金属品の周囲に形成さ
れる焼き入れ冷却液の蒸気膜を速やかに除去して冷却効
率を向上させる方法に関する。

（ロ）従来の技術金属を焼き入れ硬化させるためには、冷却の途中で発生
しやすい軟らかな変態生成組織の出現を抑制するため、
できるだけ速やかに冷却しなければならない。

焼き入れ初期には金属の温度が高いため、その周囲に蒸
気膜が形成され、その後蒸気膜が破れて沸騰段階に達す
る。蒸気膜段階では冷却が遅いため、いつ沸騰段階に移
行するかによって焼き入れの効果は大きく左右される。

蒸気膜を破壊するために多種多様な方法が実用されてい
るが、主としてパルセータあるいはアジテータによる撹
拌法と噴流あるいはジェット流による撹拌法とに分れる
。

（ハ）発明が解決しようとする問題点蒸気膜は極めて安定であるため、従来の方法は金属の温
度がかなり下がってからでないと実質的な効果を発揮す
ることができない。また、一般に装置が大型になり、冷
却槽への適用に技術的な問題を生じやすい。

（ニ）問題点を解決するための手段この発明は冷却槽の内部に超音波振動子を設置し、焼き
入れの際に８〜６００ＫＨｚの範囲の超音波振動を与え
ることにより蒸気膜を破壊する。

（ホ）作用超音波振動は、キャビテーションの作用により蒸気膜に
１０００気圧のオーダの引っ張り圧縮応力を及ぼすため
、瞬時に蒸気膜を破壊して冷却を沸騰段階に導くことが
できる。また、この発明は単に振動子を冷却槽に沈める
だけでもよく、簡単で装置への適用が容易である。

（へ）実施例第１図は、炭素鋼８５５Ｃ（０，５５％Ｃ）の直径２０
ｍｍの丸棒を水中に焼き入れした場合の断面硬さ分布を
示す。水量は約０　、０２ｍ３、水温は２００Ｃであっ
た。

この鋼の焼き入れ硬化層深さは表面から聞５２０の硬さ
までの位置に相当し、静止水への焼き入れでは３．１ｍ
ｍ、強く撹拌した場合は４．６ｍｍであるのに対し、超
音波撹拌では６．０ｍｍに達している。

（と）発明の効果この発明は以上説明したように、超音波振動という従来
と全く異なる撹拌法によって蒸気膜を破壊し、冷却液の
冷却効果を著しく向上させる。

このため、例えば従来法では焼き入れ性の良い合金鋼を
使わなければならない場合でも、安価な炭素鋼で十分な
焼き入れ硬化を期待することができる。また、炭素鋼の
焼き入れでは、気泡の付着によりいわゆる軟点を生じや
すいが、超音波振動を与えることにより気泡の付着が阻
止され、均一な硬化を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、炭素鋼８５５Ｃ（０，５５％Ｃ）の２０ｍｍ
九棒を静止した水中、強く撹拌した水中、および超音波
撹拌した水中にそれぞれ焼き入れした場合の断面の硬さ
分布を示した図である。

【特許請求の範囲】