JPH04137714U - 旋回式連続ストレーナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のストレーナーは装置全体の分解及び組
立てを必要とする濾過体の洗浄や交換を頻繁に行わなけ
ればならず、本来の濾過作業以上に労力とコストを要し
ていた。本考案は濾過すべき固形不純物が殆ど濾過体に
付着することがなく従って濾過体の洗浄や交換を殆ど行
うことなく長期に亘って濾過作業を継続し得るようにし
たストレーナーを提供することを目的とする。 【構成】 濾過体４に接線方向から固形不純物を含む流
体を供給し、該濾過体４内で前記流体を旋回させ、前記
不純物を前記濾過体の中心部に集めながら下降させ、流
体は濾過体４のメッシュを通って濾過体外に移行させ、
これにより固形不純物を前記流体から除去し、清澄にな
った流体を流体取出口３から取り出す。前記固形不純物
は濾過体４下方に連設した貯留タンク７に導き、該不純
物が大量に蓄積した際に不純物取出口８を開いて装置外
に取り出す。このように本考案では従来は不可能であっ
た流体を供給しながら濾過された不純物を装置外に取り
出すことを可能にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、設置した濾過体の洗浄を殆ど行うことなく連続して不純物の濾過を 継続できるようにした旋回式連続ストレーナーに関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

従来のストレーナーは１個の円筒状の濾過体をストレーナー本体に収容し、不 純物を含む流体をこのストレーナーを通過させ、不純物を濾過体表面に付着させ て、不純物を除去する方式のものであった。しかしこのタイプのストレーナーで は濾過される固形不純物が蓄積して濾過体に目詰まりがしやすく、洗浄回数が増 加して操作効率が低下するという欠点があった。

【０００３】 この１個のみの濾過体を使用するストレーナーにおける該濾過体の目詰まりを 最小限に抑えるために、複数のメッシュの異なる濾過体を同心円状に配置して不 純物を含む流体を前記複数の濾過体を通過させて不純物の濾過を行うタイプのス トレーナーが提案されている（実公平２−33851 号）。このストレーナーでは各 メッシュに合った径の不純物がそれぞれの濾過体で好適に濾過され濾過体の目詰 まりは最小限に抑えられるが、長期間濾過操作を継続すると前述の通り固形不純 物が蓄積して濾過体の目詰まりが不可避であり、運転を停止して濾過体の洗浄や 交換を行わなければ濾過効率の大幅な低下を招かざるをえず、更に不純物の取り 出しも運転を停止した際に行う必要がある。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、従来技術のこのような欠点を解消し濾過体の目詰まりを殆ど生じさ せることなく運転を停止することなく流体中の不純物除去を連続して行えるよう にした旋回式連続ストレーナーを提供することを目的とする。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】 本考案は、不純物の取出口を有する貯留タンクを下部に連設した円筒形のメッ シュ状濾過体を円筒形の濾過本体と同心状に配置し前記濾過体内に該濾過体の接 線方向から不純物を含有する流体を供給して濾過を行うことを特徴とする旋回式 連続ストレーナーである。

【０００６】 以下本考案を説明する。 本考案の旋回式連続ストレーナーを使用して流体中の不純物除去を行う場合に は、該流体を円筒状の濾過本体内に設置された円筒形のメッシュ状濾過体内にそ の接線方向から供給する。ここで接線方向とは該濾過体への流体の供給方向が該 濾過体の中心から外れ供給された流体が螺旋状の流れを形成する方向を意味する 。そして螺旋状の流れ及び中心に渦ガ形成された流体中の不純物には求心力が働 いて前記渦に巻き込まれ中心に集まりながら濾過体内を下降する。一方不純物が 除去され清浄化された流体は前記メッシュ状の濾過体のメッシュを通って外側の 濾過本体内に移動し、適宜外部へ取り出される。

【０００７】 濾過操作を継続すると濾過体の中心に集まった不純物が蓄積する。例えば濾過 体の下部を中心を向くテーパー状としておくと、前記不純物が該テーパー内に蓄 積する。本考案の旋回式連続ストレーナーではこの濾過体下部に貯留タンクを連 設してあり、蓄積する不純物は貯留タンクに移行しこの貯留タンク内に蓄積する 。そして該貯留タンクの開閉可能な不純物取出口を開いて前記不純物を取り出す ことにより流体の濾過操作を停止することなく前記不純物を系外に取り出すこと ができる。

【０００８】 次に本考案に係わる旋回式連続ストレーナーを添付図面に示す実施例に基づい て詳細に説明するが、該実施例は本考案を限定するものではない。 図１は本考案に係わる旋回式連続ストレーナーの一実施例を示す縦断正面図、 図２は図１のストレーナーのＡ−Ａ線横断面図である。 １は円筒状の濾過本体で、該濾過本体１の右上側部には接線方向に流体供給口 ２が連設され、かつ左下側部には流体取出口３が連設されている。該濾過本体１ 内には円筒メッシュ状の濾過体４が前記濾過本体１と同心状に内設され、該濾過 体４の下端にはテーパー体５が接続され、該テーパー体５の下端にはバルブやコ ック等の通常は開状態にある開閉体６を介して好ましくは透明な材料で構成され る貯留タンク７が連結され、該貯留タンク７の下端には不純物取出口８が設置さ れている。

【０００９】 上端が開口する前記濾過体４の該開口部には周縁部が前記濾過本体１の内壁に 接しているドーナツ状の閉塞体９が溶接等により固定され、該閉塞体９の内周側 の２点間には折り曲げられた帯状の弾性体例えば鉄等から成る押えバンド10が溶 接等により固定されかつ架設されている。前記濾過本体１の上端に形成されたフ ランジ11には周囲が整合するように分解用蓋体12が載置され、前記フランジ11及 び該分解用蓋体12はその周縁をクランプ13で締着されて相互に保持され、これに より前記蓋体12が前記押えバンド10を下方向に付勢して閉塞体９と一体となった 前記濾過体４を定位置に保持している。なおなお14は貯留タンク７の開閉体６の やや下方に設置した通常は閉状態にある空気抜き弁である。 このような構成から成るストレーナーの流体供給口２から固形の不純物を含有 する流体を供給すると該流体は図２に示すように閉塞体９の内縁から濾過体４内 に入り、該濾過体４に当たって螺旋状に濾過体４内を下降する。下降する流体内 の固形不純物は求心力により図２の実線の矢印で示すように中心方向に移動し、 濾過体４のテーパー部５に集まる。そして流体は徐々に濾過体４のメッシュを通 して該濾過体４と濾過本体１内壁間に移行し、固形不純物が除去された清澄な流 体として流体取出口３から系外に取り出される。

【００１０】 一方テーパー部５内方に集まった固形不純物は前記開閉体６を通して貯留タン ク７内に導かれ、長期間の流体の供給により濾過された固形不純物が順次貯留タ ンク７内に蓄積する。該不純物は濾過体４内に蓄積することがないため該濾過体 ４の目詰まりは殆ど生ずることがない。そして貯留タンク７内の大量の不純物が 蓄積した場合には前記開閉体６を閉じ、前記空気抜き弁14を開きかつ不純物取出 口８を開くことにより前記不純物を系外に取り出すことができる。 このように図示のストレーナーによると流体供給口２から流体の供給を継続し ながら濾過体の洗浄や交換を行うことなく長期間濾過操作を連続して行うことが できる。前記濾過体４に不純物が付着した際には前記クランプ13をの締着を解除 して前記蓋体12を取り除き、前記押えバンド10を上向きに持ち上げると濾過体４ を濾過本体１から取り出すことができ、容易に交換あるいは洗浄することができ る。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は不純物取出口を有する貯留タンクを下部に連設した円筒形のメッシュ 状濾過体を円筒形の濾過本体と同心状に配置し前記濾過体内に該濾過体の接線方 向から不純物を含有する流体を供給して濾過を行うことを特徴とする旋回式連続 ストレーナー（請求項１）である。 このストレーナーは、接線方向から供給される固形不純物を含む流体が濾過体 内で旋回し固形不純物は該濾過体内の中心部に集まりながら下降し、流体は濾過 体のメッシュを通って濾過体外に移行して固形不純物が前記流体から除去され清 澄な流体を得ることができる。そして前記固形不純物が殆ど濾過体と接触するこ とが殆どないため濾過体の目詰まりが生ずる頻度も従来のストレーナーと比較し て格段に少ない。そして濾過体内の不純物は貯留タンクに導かれて蓄積し濾過操 作を継続しながら濾過された固形不純物を濾過体内から取り出すことができ、該 不純物が大量に蓄積した際には貯留タンクの不純物取出口を開いて運転を停止す ることなく濾過された不純物を系外に取り出すことができる。 このように本考案のストレーナーにより流体の濾過を行うと、装置全体の分解 及び組立てを必要とする濾過体の洗浄や交換の頻度を遙に少なくすることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる旋回式連続ストレーナーの一実
施例を示す縦断正面図。

【図２】図１のストレーナーのＡ−Ａ線横断面図。

【符号の説明】

１・・・濾過本体 ２・・・流体供給口 ３・・・流体
取出口 ４・・・濾過体５・・・テーパー体 ６・・・
開閉体 ７・・・貯留タンク ８・・・不純物取出口
９・・・閉塞体 10・・・押えバンド 11・・・フラン
ジ 12・・・分解用蓋体 13・・・クランプ 14・・・
空気抜き弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 46/24 Ｂ 7059−4Ｄ Ｂ０４Ｃ 3/00 Ｚ 6953−4Ｄ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不純物の取出口を有する貯留タンクを下
   部に連設した円筒形のメッシュ状濾過体を円筒形の濾過
   本体と同心状に配置し前記濾過体内に該濾過体の接線方
   向から不純物を含有する流体を供給して連続的に濾過を
   行うことを特徴とする旋回式連続ストレーナー。