JPH04135177U - 温度ヒユーズ付プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部のモールド体の溶融温度より低い設定温
度であって、プラグの発熱発火を未然に防ぐ能力が高
く、実用性のある温度ヒューズ付プラグを提供する。 【構成】 栓刃１と、栓刃１に接続されるコード４と、
栓刃１とコード４の接続部に介在する温度ヒューズ２
と、温度ヒューズ２を含む前記接続部を収納する２つ割
り成形体５と、この成形体５の一部又は全部を覆うモー
ルド体６とから成る温度ヒューズ付プラグであって、温
度ヒューズ２を、モールド体６を溶融成形する温度に耐
え得る硬質樹脂で予め成形された２つ割り成形体５で保
護しておいてから、モールド体６を製造する金型に入
れ、成形中のモールド体６の熱が直接温度ヒューズ２に
伝わらないようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気製品に備え付けられる差し込みプラグの改良に関するものであ り、更に詳しくは接触不良等によりプラグ内の温度が上昇しプラグが発熱発火す る事故を、プラグ内に設けられた温度ヒューズの溶断により防止する温度ヒュー ズ付プラグに関する。

【０００２】

【従来の技術】

電気製品に備え付けられる差し込みプラグは、プラグと電源コンセント又は栓 刃とコードの接続部の接触不良や、プラグをコンセントから抜く時に加わる力に よる導線及び栓刃の伸延変形などにより、接続部や導線の抵抗が大きくなり高温 を発し、場合によっては発火に至る恐れがある。そこで、温度ヒューズを接続部 に介在させ、プラグ内の異常高温を防止することも考えられる。しかし、一体成 形で温度ヒューズを介在させたプラグを製造する場合、製造工程において、栓刃 、温度ヒューズ、コードの接続部を金型に嵌め込んでから、溶融状態のＰＶＣ等 の軟質合成樹脂を射出成形することで外部を覆うモールド体を成形する。そのた め、射出成形時に温度ヒューズが作動しないように、温度ヒューズの設定温度は 溶融樹脂の温度で決まるモールド体成形温度より上に設定されなければならない 。例えば、モールド体が軟質ＰＶＣの場合は溶融樹脂の温度が１８０°Ｃ前後で あるので、温度ヒューズの設定温度は１８０°Ｃ以上になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した温度ヒューズ付プラグにおいては、プラグ内の異常高温を感知する温 度ヒューズの設定温度が、モールド体の溶融成形温度で左右されている。そのた め、万一、プラグ内部が異常な高温を持ち、外部のモールド体が溶解し燃焼する 事故が起こっても、温度ヒューズの設定温度が外部のモールド体が溶解する温度 より上に設定されているために、燃焼を起こす温度と設定温度が接近する。その ため、検知能力が低くなり、実用性に乏しいという問題点を有している。

【０００４】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、外部のモールド体の溶融温度より低い設定温度であ って、プラグの発熱発火を未然に防ぐ能力が高く、実用性のある温度ヒューズ付 プラグを提供せんとすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の温度ヒューズ付プラグは、栓刃と、栓刃 に接続されるコードと、栓刃とコードの接続部に介在する温度ヒューズと、温度 ヒューズを含む前記接続部を収納する２つ割り成形体と、この成形体の一部又は 全部を覆うモールド体とから成るものである。

【０００６】

【作用】

温度ヒューズを、モールド体を溶融成形する温度に耐え得る硬質樹脂で予め成 形された２つ割り成形体で保護しておいてから、モールド体を製造する金型に入 れ、成形中のモールド体の熱が直接温度ヒューズに伝わらないようにした。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。図１は本考案の温度ヒュ ーズ付プラグの一部切り欠き平面図であり、図２は２つ割り成形体と温度ヒュー ズを含む接続部の構成及び収納状態を示している。

【０００８】 まず、図１により全体の構成を説明する。図１において、１は栓刃、２は温度 ヒューズ、３は中継端子、４はコード、５は２つ割り成形体、６はモールド体、 ７はネジである。

【０００９】 次に、図２により２つ割り成形体と温度ヒューズを含む接続部の構成及び収納 状態を説明する。図２において、栓刃１はプラグを電源コンセントに差し込み固 定するもので、切り欠き部１ａを有し、その一端１ｂは温度ヒューズ２の端末を かしめている。温度ヒューズ２は、温度上昇で内導体が溶断し、電流を遮断する ものである。この温度ヒューズ２の端末とコード４の末端４ａは、中継端子３に よってかしめられている。そして、栓刃１と温度ヒューズ２のかしめ部分と、温 度ヒューズ２とコード４の末端４ａの中継端子３によるかしめ部分が接続部を形 成している。この接続部は、上下で一対をなす２つ割り成形体５内に収納されて いる。この２つ割り成形体５の上下の各々は、溝部５ａ、端孔部５ｂ、Ｕ字型空 洞部５ｃ、ネジ孔５ｄを有している。溝部５ａに栓刃１の一端１ｂを噛まし、端 孔部５ｂにコード４の末端４ａを隙間のないように嵌め合わせ、Ｕ字型空洞部５ ｃに温度ヒューズ２を含む接続部を収納し、ネジ７で止めて一体化してる。そし て、この２つ割り成形体５は、モールド体を形成する樹脂の溶融温度で形がくず れない硬質樹脂、例えば、ナイロン等を用いて予め射出成形で成形される。

【００１０】 さらに、図１により、モールド体６の説明をする。モールド体６は、上述した ２つ割り成形体５の被覆部６ａと、コード４の端を覆う屈曲部６ｂからなり、抜 いたり差し込んだりする時の力に耐えるように２つ割り成形体５とコード４とを 一体化成形する。例えば軟質ＰＶＣを射出成形により成形される。なお、図１で は、２つ割り成形体５の栓刃側端面は露出しているが、この端面もモールド体６ で覆うこともできる。

【００１１】 次に、上述した本考案の温度ヒューズ付プラグの作動を図１により説明する。 本考案の温度ヒューズ付プラグは、例えば、２つ割り成形体５にナイロンを用い て成形し、軟質ＰＶＣを射出成形してモールド体６を成形した場合、外部のモー ルド体６の溶融温度は１８０°Ｃ前後となるも、２つ割り成形体５の内部に収納 された温度ヒューズ２に伝達される熱量は少なく、大部分は射出成形後の冷却に より放熱される。その結果、温度ヒューズ２の設定温度は、７０°Ｃにまで下げ ることが可能である。このような温度ヒューズ付プラグを電気製品に備え付ける と、万一、プラグ内部が接続不良等により異常な高温を持った場合、外部のモー ルド体６の溶融温度１８０°Ｃよりもかなり低い７０°Ｃで温度ヒューズ２が溶 断し、電流が遮断されるに至る。即ち、温度ヒューズの設定温度が低くなり、検 知能力が向上する。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の温度ヒューズ付プラグは、温度ヒューズを、モールド体を溶融成形す る温度に耐え得る硬質樹脂で予め製造された２つ割り成形体で保護しておいてか ら、モールド体を製造する金型に入れるようにし、成形中のモールド体の熱が直 接温度ヒューズに伝わらないようにしたものであり、モールド体の溶融温度より 下の温度で作動する温度ヒューズを、製造工程中に溶断させることなく内蔵させ ることができる。そこで、万一、プラグ内部が異常な高温を持っても、外部のモ ールド体が溶融する温度よりかなり低い温度で、温度ヒューズが溶断し、電流を 遮断することにより、検知能力を高くできる。すなわち、プラグの発熱発火を実 用的な温度レベルで未然に防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の温度ヒューズ付プラグの一部切
り欠き平面図である。

【図２】図２は２つ割り成形体と温度ヒューズを含む接
続部の構成及び収納状態を示す斜視分解図である。

【符号の説明】

１ 栓刃 ２ 温度ヒューズ ４ コード ５ ２つ割り成形体 ６ モールド ７ ネジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 栓刃と、栓刃に接続されるコードと、栓
   刃とコードとの接続部に介在する温度ヒューズと、温度
   ヒューズを含む前記接続部を収納する２つ割り成形体
   と、この成形体の一部又は全部を覆うモールド体とから
   成る温度ヒューズ付プラグ。