JPH04133517U - 電線処理機におけるカツターの取付け用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カッター相互の芯出しと取付け作業がきわめ
て容易に行われるようにした電線処理機におけるカッタ
ーの取付け用治具を提供する。 【構成】 上側刃体２および下側刃体３からなる電線切
断用のカッター４を、電線処理機に取付けるために用い
る治具であって、治具本体５と、この治具本体５に収容
されて各刃体２、３の吸着固定をなすための磁石６Ａ、
６Ｂとからなり、この治具本体５は、基準壁７、８の中
央部に磁石６Ａ、６Ｂを着脱可能に収納するための凹所
９、１０が設けられる一方、左右両側に各刃体２、３を
摺動可能に保持するための案内壁１１、１２が設けられ
ていることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電線の端末加工がなされる電線処理機の技術分野で利用され、特 に、電線の切断や、被覆端部をはぎ取るためのカッターの取付け用治具に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

電線処理機では、長尺の電線が鋸歯状に形成された一対のカッターで所望長さ に切断され、再び、このカッターの浅い切り込みで被覆端部がはぎ取られたのち 、このはぎ取り部分に端子が圧着されている。

【０００３】 このはぎ取り加工に用いられるカッターは、多数種の電線の太さに適応できる ように数多く準備されており、電線処理機で取り扱われる電線の太さが変わるた びごとに、カッターが取り替えられていた。

【０００４】 このカッターの取付け構造は、通常、上下方向に互いに向かい合って昇降動作 をする上側フレームおよび下側フレームに、それぞれカッターが止めねじで固定 されている。この両カッターの芯出しの目安は、図４に示すように上側カッター ａの刃部ｂと下側カッターｃの刃部ｄで形成される空隙部ｅが正方形になってい るか否かを肉眼で確かめながら調整されていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のような目測による両カッターａ、ｃの芯出しは、微少な狂いが あっても発見することがきわめて難しいだけでなく、両カッターａ、ｃの先端部 （刃部）を固定しないまま、両カッターａ、ｃの基端部が止めねじで強く締め付 けられると、両カッターａ、ｃが位置ずれをおこしやすいために、空隙部ｅが図 ５に示すような矩形になっているのを見逃す場合が多い。

【０００６】 このことは、電線の切断や被覆部はぎ取り加工が正常に進行しないため、両カ ッターａ、ｃの取り付け調整を再三やり直さなければならないという不具合があ った。

【０００７】 この考案は、このような従来の事情から見て、カッターの芯出しと取付け作業 がきわめて容易に行われるようにした電線処理機におけるカッターの取付け用治 具を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案の電線処理機におけるカッターの取付け用治具は、上側刃体および下 側刃体からなる電線切断用のカッターを、電線処理機に取付けるために用いる治 具であって、治具本体と、この治具本体に収容されて各刃体の吸着固定をなすた めの磁石とからなり、この治具本体は、基準壁の中央部に磁石を着脱可能に収容 するための凹所が設けられる一方、左右両側に各刃体を摺動可能に保持するため の案内壁が設けられているものである。

【０００９】

【作用】

取付け用治具に保持された上側刃体および下側刃体からなるカッターは、背面 が基準壁の磁石で吸着固定をされるとともに、各刃体の左右両側が各案内壁によ り摺動可能に保持されるから、各刃体相互の芯出しが自動的に行われる。

【００１０】 また、調整のために外力を加えても芯出しの乱れがおこらない。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の一実施例につき図面を参照して説明する。

【００１２】 図１および図２に示す取付け用治具１は、後述の電線処理機（全体の図示省略 ）の切断装置２１（図３参照）に対し、上側刃体２および下側刃体３からなる電 線切断用のカッター４を取付けるために用いる治具であって、治具本体５と、こ の治具本体５に収容されて各刃体２、３の磁気吸着をなすための磁石６Ａ、６Ｂ とからなっている。

【００１３】 治具本体５は、上側基準壁７および下側基準壁８の中央部にそれぞれ磁石６Ａ 、６Ｂを収容するための上側凹所９および下側凹所１０が設けられる一方、左右 両側に各刃体２、３を摺動可能に保持するための上側案内壁１１および下側案内 壁１２が設けられている。

【００１４】 この上側案内壁１１および下側案内壁１２と、前記上側基準壁７および下側基 準壁８とで溝形断面に形成されている。

【００１５】 上側基準壁７と下側基準壁８との間に段差があり、この段差は、上側基準壁７ が下側基準壁８に対して、上側刃体２の厚さに匹敵して深くなるように形成され ている。１３はバイト逃げ溝である。

【００１６】 前記、上側刃体２および下側刃体３には、それぞれ二個のボルト孔１４、１５ があけられている。

【００１７】 図３に示す切断装置２１は、基盤２２上に二本の案内柱体２３が立設され、こ の各案内柱体２３間に上側昇降フレーム２４および下側昇降フレーム２５が昇降 可能に架設されたもので、この各昇降フレーム２４、２５が駆動手段（図示省略 ）により互いに向かい合って昇降するようになされている。

【００１８】 次に、上記実施例の作用について説明する。

【００１９】 予め、取付け用治具１の上側凹所９および下側凹所１０に、それぞれ磁石６Ａ 、６Ｂを収容しておく。

【００２０】 まず、取付け用治具１の上半部に上側刃体２を、刃部２ａの裏面が前向きにな るように挿入すると、上側刃体２は、背面が磁石６Ａに吸着されて上側基準面７ に固定されるとともに、左右両側面が上側案内壁１１で位置ずれを阻止される。

【００２１】 また、取付け用治具１の下半部に下側刃体３を、刃部３ａの表面が前向きにな るように挿入すると、下側刃体３は、上側刃体２の場合と同様に、下側基準面８ に吸着固定がなされるとともに、左右両側面が下側案内壁１２で位置ずれを阻止 されることにより、各刃体２、３が互いに正しく向き合った芯出しが自動的にな される。

【００２２】 次に、上側刃体２および下側刃体３を取付け用治具１ごと切断装置２１に搬入 して各ボルト孔１４、１５に六角穴付きボルトＢを挿入する。そして、この各六 角穴付きボルトＢの締め付けにより上側刃体２を上側昇降フレーム２４に下側刃 体３を下側昇降フレーム２５に固定したのち、取付け用治具１を各刃体２、３か ら引き離すことによって、カッター４の取付けを完了する。

【００２３】 この場合、各刃体２、３に挿入した六角穴付きボルトＢを各昇降フレーム２４ 、２５のねじ孔（図示省略）に適合させるために、各刃体２、３を上下方向に移 動させても、各刃体２、３は、左右両側が各案内壁１１、１２で正しく案内され るから、各刃体２、３の芯出しを乱すおそれがない。

【００２４】 なお、本例では治具本体５の中央部に、二個の磁石６Ａ、６Ｂが上下に分かれ て設けられたものについて述べたが、必要により一個の磁石で各刃体２、３を保 持するようにしてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

この考案の電線処理機におけるカッターの取付け用治具は、上側刃体および下 側刃体が、基準壁に収容した磁石で吸着固定をされるとともに、各刃体の左右両 側が各案内壁で摺動可能に保持されるようになされたものであるから、各刃体相 互の芯出しが容易に行われるばかりでなく、調整のために外力を加えても芯出し の乱れがおこらない。

【００２６】 したがって、カッターの取付けおよび取替を短時間で容易に行うことができる ので、電線処理機の稼働率が著しく向上するという優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】カッターを保持した状態の取付け用治具の外形
斜視図である。

【図２】取付け用治具の正面図である。

【図３】カッターが取付け用治具ごと取付けられた切断
装置の正面図である。

【図４】正常な芯出しがなれさたカッターの正面図であ
る。

【図５】芯出しが良くないカッターの正面図である。

【符号の説明】

１ 取付け用治具 ２ 上側刃体 ３ 下側刃体 ４ カッター ５ 治具本体 ６Ａ、６Ｂ 磁石 ７ 上側基準壁 ８ 下側基準壁 ９ 上側凹所 １０ 下側凹所 １１ 上側案内壁 １２ 下側案内壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上側刃体および下側刃体からなる電線切
   断用のカッターを、電線処理機に取付けるために用いる
   治具であって、治具本体と、この治具本体に収容されて
   各刃体の吸着固定をなすための磁石とからなり、この治
   具本体は、基準壁の中央部に磁石を着脱可能に収容する
   ための凹所が設けられる一方、左右両側に各刃体を摺動
   可能に保持するための案内壁が設けられていることを特
   徴とする電線処理機におけるカッターの取付け用治具。