JPH04132374U - 空気調和機の冷媒回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デフロスト時間を短縮し、圧縮機内の冷凍機
油の油上りを防止する信頼性の大きい空気調和機の冷媒
回路を提供する。 【構成】 圧縮機１，四方弁２，室内熱交換器３，絞り
機構４，室外熱交換器７及びアキュムレーター８をこの
順に接続してヒートポンプ回路を形成してなりデフロス
ト時に上記圧縮機からの吐出ガスの一部を室外熱交換器
へ導入するようにしたデフロスト用バイパス回路を有す
るヒートポンプ式空気調和機において、上記圧縮機１か
らの吐出冷媒の一部を上記四方弁２をバイパスしバイパ
ス弁を介して上記室内熱交換器３に導入するバイパス管
１２と、同バイパス管１２に付設され上記アキュムレー
ター８からの冷媒を上記圧縮機１に導入する冷媒戻し管
と熱交換する吐出ガス熱交換器１０とを具えたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機の冷媒回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

空気調和機は、従来、図２に示すように、圧縮機１，四方弁２，室内熱交換器 ３，毛細管４，逆止弁５，毛細管６，室内熱交換器７，アキュムレーター８、ア キュムレーター８のＵ字管８ａ，油戻し孔８ｂ，開閉弁９よりなる。ここで、暖 房運転時は圧縮機１から吐出された高温高圧の冷媒ガスは四方弁２を経て室内熱 交換器３に入り、凝縮し高温の液冷媒となり、毛細管４で減圧され毛細管６でさ らに減圧されて、低圧の冷媒となったのち室外熱交換器７で蒸発し、四方弁２を 経てアキュムレーター８に入る。ここで、液状の未蒸発冷媒は下部に溜まり分離 された気体冷媒が圧縮機１に吸込まれ圧縮される。圧縮機１の潤滑に必要な冷凍 機油は液冷媒に溶けて循環しており、アキュムレーター８の油戻し孔８ｂから冷 凍機油を含んだ液冷媒として圧縮機１に戻される。 デフロスト時は開閉弁９を開として圧縮機１から吐出される高温高圧のガス冷 媒の一部を着霜している室外熱交換器７に入れて霜を溶かし、冷媒は凝縮して四 方弁２を経てアキュムレーター８を通り圧縮機１に戻るので、デフロスト中でも 室内熱交換器３は放熱し凝縮器として使われるから暖房運転が継続できる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような空調機では、室外熱交換器７が着霜してくると、室 外熱交換器７（蒸発器）での未蒸発冷媒が多くなり、吸熱量が減るため圧縮機１ の吸入圧力，吐出圧力が低下する。一方、アキュムレーター８内の液冷媒の増加 により油戻し孔８ｂからの液もどり量も増加し、液冷媒を多く吸込むため圧縮機 １の吐出ガス温度は低下してくるので、デフロスト時はこの吐出ガスで霜を溶か すため吐出ガス温度の低下によりデフロスト時間が長くなる問題がある。

【０００４】 本考案はこのような事情に鑑みて提案されたもので、デフロスト時間を短縮 し、圧縮機内の冷凍機油の油上りを防止する信頼性の大きい空気調和機の冷媒回 路を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そのために本考案は、圧縮機，四方弁，室内熱交換器，絞り機構，室外熱交換 器及びアキュムレーターをこの順に接続してヒートポンプ回路を形成してなりデ フロスト時に上記圧縮機からの吐出ガスの一部を室外熱交換器へ導入するように したデフロスト用バイパス回路を有するヒートポンプ式空気調和機において、上 記圧縮機からの吐出冷媒の一部を上記四方弁をバイパスしバイパス弁を介して上 記室内熱交換器に導入するバイパス管と、同バイパス管に付設され上記アキュム レーターからの冷媒を上記圧縮機に導入する冷媒戻し管と熱交換する吐出ガス熱 交換器とを具えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

このような構成によれば、デフロスト開始前に圧縮機１の吐出側から分岐した バイパス回路中の開閉弁１１を開とすることで、吐出ガス熱交換器１０に高温の 吐出ガス冷媒を流し、吐出ガス熱交換器１０でアキュムレーター８と圧縮機１の 間の配管を熱交換させ、圧縮機１に吸込まれる冷媒ガスを過熱し、これにより圧 縮機１内の温度は上昇し、吐出ガス温度も上昇することができる。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、図１はその全体系統図であり、 同図において、図２の符号と同一の符号はそれぞれ同図と同一の部材を示し、本 考案構造が図２のそれと大きく異なるところは、四方弁２を開閉弁１１を介して バイパスするバイパス管１２を設けると共に、同バイパス管１２に吐出ガス熱交 換器１０を設けてアキュムレーター８の下流冷媒と熱交換を行うようにしたこと にある。 このような構造において、暖房運転により、蒸発器である室外熱交換器７が着 霜してデフロストが必要となったとき、開閉弁１１を開として、圧縮機１から吐 出された高温高圧のガス冷媒の一部を吐出ガス熱交換器１０に流入し、ここでア キュムレーター８と圧縮機１との間の低温の配管と熱交換する。放熱したガス冷 媒は開閉弁１１を通り、四方弁２と室内熱交換器３の間で、四方弁２からの圧縮 機の高温高圧冷媒と合流し、室内熱交換器３に流れる。 その際、アキュムレーター８を出た低温の冷媒すなわちアキュムレーター８の 油戻し孔８ｂからの液冷媒を含む冷媒は吐出ガス熱交換器１０で圧縮機１の高温 のガス冷媒により加熱され、過熱ガスとなって圧縮機１に吸込まれ、圧縮される 。そして、圧縮機１内の温度が上昇し、吐出ガス温度も上昇することができる。

【０００８】

【考案の効果】

このような装置によれば、下記の効果が奏せられる。 (1) 圧縮機の吸入配管と最も高温である吐出配管を熱交換することにより、デ フロスト開始前に短時間で圧縮機１内の温度及び吐出ガス温度を上昇することが できる。これによりデフロスト時の吐出ガス温度を十分高く設定することが可能 となり、デフロスト時間を短くすることができる。 (2) デフロスト中の圧縮機の温度が規定以下になることが防止することで、圧 縮機内の冷凍機油の油上りが防止され、空調機の信頼性が向上する。

【０００９】 要するに本考案によれば、圧縮機，四方弁，室内熱交換器，絞り機構，室外熱 交換器及びアキュムレーターをこの順に接続してヒートポンプ回路を形成してな りデフロスト時に上記圧縮機からの吐出ガスの一部を室外熱交換器へ導入するよ うにしたデフロスト用バイパス回路を有するヒートポンプ式空気調和機において 、上記圧縮機からの吐出冷媒の一部を上記四方弁をバイパスしバイパス弁を介し て上記室内熱交換器に導入するバイパス管と、同バイパス管に付設され上記アキ ュムレーターからの冷媒を上記圧縮機に導入する冷媒戻し管と熱交換する吐出ガ ス熱交換器とを具えたことにより、デフロスト時間を短縮し、圧縮機内の冷凍機 油の油上りを防止する信頼性の大きい空気調和機の冷媒回路を得るから、本考案 は産業上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す空気調和機の冷媒回路
図である。

【図２】公知の空気調和機を示す冷媒回路図である。

【符号の説明】

１ 圧縮機 ２ 四方弁 ３ 室内熱交換器 ４ 毛細管 ５ 逆止弁 ６ 毛細管 ７ 室外熱交換器 ８ アキュムレーター ８ａ Ｕ字管 ８ｂ 油戻し孔 ９ 開閉弁 １０ 吐出ガス熱交換路 １１ 開閉弁 １２ バイパス管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機，四方弁，室内熱交換器，絞り機
   構，室外熱交換器及びアキュムレーターをこの順に接続
   してヒートポンプ回路を形成してなりデフロスト時に上
   記圧縮機からの吐出ガスの一部を室外熱交換器へ導入す
   るようにしたデフロスト用バイパス回路を有するヒート
   ポンプ式空気調和機において、上記圧縮機からの吐出冷
   媒の一部を上記四方弁をバイパスしバイパス弁を介して
   上記室内熱交換器に導入するバイパス管と、同バイパス
   管に付設され上記アキュムレーターからの冷媒を上記圧
   縮機に導入する冷媒戻し管と熱交換する吐出ガス熱交換
   器とを具えたことを特徴とする空気調和機の冷媒回路。