JPH04131722U - 潤滑油流れ検出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油の透明度・不純物に影響されず、目視
によらない高精度な流速計測に用いられる潤滑油流れ検
出器を提供する。 【構成】 潤滑油流れ検出器は、潤滑油供給管路中に接
続され得る筒体１、外周面に軸線方向の螺旋溝７が形成
され、発磁体９が固着され、且つ筒体中に回転自在に支
承嵌装されている略円柱状の回転体２、及び回転体の発
磁体に対向し得るように筒体に取付けられた磁気検出器
10から構成されている。機器の潤滑油供給管路中に筒体
の両端が接続され、潤滑油が供給管路中を流れると、潤
滑油流れ検出器において筒体中の回転体の螺旋溝を潤滑
油が流れる。その際、螺旋溝中の流れにより回転体は回
転され、回転体の回転は、発磁体の旋回となって、発磁
体の通過が磁気検出器に検出されるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、機器への潤滑油供給管路中に設けられる潤滑油流れ検出器に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術における流れ検出器には、例えば実公昭５０−２４７７２号公報に 記載されているようなものがある。 上記のものは、外周面にねじれ溝が数条形成され、且つ外周面及び溝面又はそ のいずれか一方に彩色が施されてねじれ状色分けがされ、両端が円錐状の円柱状 表示体が透明筒体の内部に回転自在に嵌装されて構成されている。流れ検出に際 しては、その透明筒体を管路中に接続し、管路を流れる流体により回転する円柱 状表示体のねじれ状色分けを透明筒体の外から目視で観察するのである。 ねじれ状色分けの回転状態から流れの方向及び流量を知るのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来の技術における流れ検出器は、円柱状表示体のねじれ状色分けの回 転状態を透明筒体の外から目視で観察する方法がとられているので、機器、例え ば工作機械の潤滑油供給管路中に用いて潤滑油の流れを検出すると、作業者の目 視によるために観察判断に過誤が生じることがある。特に潤滑油のように透明度 が低い流体の場合は観察判断の過誤が生じ易い。そのため、ポンプの故障や管路 の漏洩等による機器の潤滑油供給の支障に起因する機器の故障を防止できない。 この考案は、そのような欠点がない潤滑油流れ検出器を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案による潤滑油流れ検出器は、潤滑油供給管路中に接続され得る筒体、 外周面に軸線方向の螺旋溝が形成され、外周面に発磁体が固着され、且つ筒体中 に回転自在に支承嵌装されている略円柱状の回転体、及び回転体の発磁体に対向 し得るように筒体に取付けられた磁気検出器から構成されている。

【０００５】

【作用】

上記の潤滑油流れ検出器の使用に際しては、機器の潤滑油供給管路中に筒体の 両端を接続する。そして、潤滑油の供給時に潤滑油が供給管路中を流れると、潤 滑油流れ検出器において筒体中の回転体の螺旋溝を潤滑油が流れる。その際、螺 旋溝中の流れにより回転体は回転され、その回転速度は潤滑油の流速の関数とな る。

【０００６】 回転体の回転は、発磁体の旋回となって、発磁体の通過が磁気検出器に検出さ れる。その検出信号の周期は回転体の回転速度に反比例しているので、検出信号 の周期に基づいて流速、即ち流量が計測され得る。

【０００７】

【実施例】

この考案の実施例における潤滑油流れ検出器を図面に従って説明する。 図１において、円筒体１の中には、円筒体１に内径より適宜小径である略円柱 状の回転体２が回転自在に支承されて嵌装されている。即ち、両端部近くにおい て円筒体１内には、中心に軸受穴３が形成され、且つ円周等配に流通孔４，４‥ が形成されてが嵌着されており、回転体２の両端面中心から突出した軸部６，６ が軸受穴３，３に回転自在に支承されている。

【０００８】 回転体２の外周面には、軸線方向に数条の螺旋溝７，７‥が形成され、各山部 ８の軸線方向の中央に発磁体９が固着されている。 回転体２の発磁体９に対応する軸線方向位置において円筒体１には、外側から 内周面に突出し、外部の適宜の表示器(図示しない)に接続された例えばホール素 子のような磁気検出器10が取付けられている。 円筒体１の両端開口には、潤滑油供給管路中に接続するためのねじ管接手11， 11が固着されている。

【０００９】 上記の潤滑油流れ検出器の使用に際しては、機器の潤滑油供給管の接続端部を ねじ管接手11，11に結合し、潤滑油流れ検出器を潤滑油供給管路中に介在させる 。 潤滑油の供給時に潤滑油が供給管路中を流れると、潤滑油流れ検出器において ねじ管接手11、軸受板５の流通孔４，４‥、円筒体１及び回転体２の螺旋溝７， ７‥、軸受板５の流通孔４，４‥並びにねじ管接手11を潤滑油が流れる。 その際、螺旋溝７，７‥中の流れにより回転体２は回転され、その回転速度は 潤滑油の流速の関数となる。

【００１０】 回転体２の回転は、発磁体９，９‥の旋回となって、各発磁体９の通過が磁気 検出器10に検出され、検出信号が表示器に入力される。表示器においては、検出 信号が回転体２の回転速度に反比例した周期で入力されるので、検出信号の周期 により流速、即ち流量が算出されて表示される。 発磁体９の通過周期の検出は、潤滑油中の鉄粉等の不純物に影響されないし、 潤滑油の透明度と関係しない。

【００１１】 上記の実施例においては、回転体２に発磁体９が取り付けられた構成がとられ ているが、図１に示す中心線Ｌを含む平面で回転体２が二分割され、半体がＳ極 、他の半体がＮ極となる磁性が与えられ、回転体２の回転によるこの２つの磁性 の変化が磁気検出器10により検出される構成がとられてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

この考案の潤滑油流れ検出器によれば、流速（流量）に応じた磁気的信号の周 期として検出されるので、光学的な検出のように潤滑油の透明度に影響されず、 特に作業者の目視によるような観察判断の過誤が生じない。更に潤滑油中の不純 物にも影響されない。そして磁気的検出信号は、目視と異なり自動的高精度な流 速（流量）計測に供せられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例における潤滑油流れ検出器の
断面図である。

【符号の説明】 １ 円筒体 ２ 回転体 ３ 軸受穴 ４ 流通孔 ５ 軸受板 ６ 軸部 ７ 螺旋溝 ８ 山部 ９ 発磁体 10 磁気検出器 11 ねじ管接手

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 潤滑油供給管路中に接続され得る筒体、
   外周面に軸線方向の螺旋溝が形成され、外周面に発磁体
   が固着され、且つ筒体中に回転自在に支承嵌装されてい
   る略円柱状の回転体、及び回転体の発磁体に対向し得る
   ように筒体に取付けられた磁気検出器から構成された潤
   滑油流れ検出器。