JPH04130801U - 切断角度可変丸鋸装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断角度可変丸鋸装置の回転テーブルに内装
された中間ロッドをベースから離隔させる弾性部材とイ
ンデックス機構を単品部材としてまとめ、構造の簡素化
と操作機能を向上した。 【構成】 ハンドル４を揺動自在に設け、ハンドル４の
基端に中間ロッド５を押動するカム７を設け、中間ロッ
ド５を軸方向外方へ付勢する弾性部材６の垂下片部６ｂ
に、ベース１の側面１ｂに刻設したインデックス溝１ｃ
に離脱可能に係合する隆起部６ｅを設けた。ハンドル４
を所要方向へ揺動すると、カム７が中間ロッド５の押動
を解除し、中間ロッド５が弾性部材６の付勢により側面
１ａより離れ、回転テーブル３が回動フリーとなる。回
転テーブル３をハンドル４を所望のマイター角に合わせ
ると、隆起部６ｅがインデックス溝１ｃに弛く嵌合しイ
ンデックス位置決めが行われる。ハンドル４を反対揺動
すると、カム７が中間ロッド５を押動し、隆起部６ｅが
インデックス溝１ｃに強く嵌合するとともに、中間ロッ
ド５が側面１ａに当接固定し、正確なインデックスロッ
クができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、いわゆるマイターソーまたはコンパウンドマイターソーと称する切 断角度可変丸鋸装置に関し、特に、回転テーブルに内装され該回転テーブルをベ ースへ位置決めロックする中間ロッドを回転テーブルの回転時にベースから離隔 させる機能と、回転テーブルのベースに対するインデックス位置決めする機能と を単品部材において備えるとともに、回転テーブルを回転させるハンドルをワン タッチ操作として連係させ、該ハンドルをワンタッチ操作するだけで、回転テー ブルのベースへのロック及びロック解除ができる切断角度可変丸鋸装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

本願発明者らは、切断角度可変丸鋸装置について、回転テーブルを回動させる ハンドルと一体のロッドの内端をベースの側面に締め付けロックする構造では、 正確な位置決めが出来ないので、回転テーブルに内装され該回転テーブルをベー スへ位置決めロックする中間ロッドを回転テーブルの回転時にベースから離隔さ せるようにしてベースの側面が中間ロッドで擦れて傷が付くことを回避するとと もに回転テーブルの円滑な回転を保障し正確な位置決めができるように改善を行 い、実用新案登録出願（実願平１ー第１２６１０６号）を行った。他方、回転テ ーブルのベースに対するインデックス位置決めするインデックス機構を別途に内 装していた。該インデックス機構には、外部操作によってロックが行われるもの と、ロック機能を有しない外部操作が不要なものとがあり、外部操作ロック式イ ンデックス機構を採用したものでは、インデックス機構をロックする操作を行っ た後、中間ロッドをベースに当接ロックする操作を行っている。

【０００３】 しかるに、上記従来の切断角度可変丸鋸装置によれば、回転テーブルに内装さ れ該回転テーブルをベースへ位置決めロックする中間ロッドを回転テーブルの回 転時にベースから離隔させる構成部分と、回転テーブルのベースに対するインデ ックス位置決めを行う構成部分とが分離しており、インデックス機構を別途内装 していたので組付工数がそれだけ多くなっているとともに部品点数が多くなって いた。他方、外部操作によりロックするインデックス機構ではインデックス操作 とロック操作を二重に行う煩わしさが有り、またはロック機能を有さないものは インデックス位置決めが確実に行われているかどうか不安であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述した点に鑑み案出したもので、回転テーブルに内装され該回転 テーブルをベースへ位置決めロックする中間ロッドを回転テーブルの回転時にベ ースから離隔させるとともに回転テーブルのベースに対するインデックス位置決 めを単品部材を備えることにより達成でき、しかも外部操作力が単品部材に作用 してインデックス位置決めが確実に達成でき、また回転テーブルを回転させるハ ンドルをインデックスのロック及びロック解除とワンタッチ操作するだけで回転 テーブルのベースへのロック及びロック解除ができる切断角度可変丸鋸装置を提 供すること目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を解決するための手段として、ベース１上に、丸鋸２を 昇降可能に支持する回転テーブル３が回動可能に設けられ、該回転テーブル３に 備えられた該回転テーブル３を回動させるためのハンドル４を操作することによ り、該回転テーブル３に内装した中間ロッド５が軸方向内方に押動されベース１ の側面１ａを当接固定し得るようになっているとともに、該中間ロッド５が前記 ハンドル４の反対操作により軸方向内方への押動を解除されるとき、該中間ロッ ド５をベース１の側面１ａから離れるように付勢する弾性部材６が該回転テーブ ル３に内装されている切断角度可変丸鋸装置において、前記ハンドル４は、前記 回転テーブル３のマイター角が０度の位置の前側下部に基端が枢着されて前方に 張り出して設けられ、該ハンドル４の基端には該ハンドル４の操作に連動し前記 中間ロッド５がベース１の側面１ａを当接固定するまで同中間ロッド５を前記弾 性部材６の付勢に抗して軸方向内方へ押動してロック状態になる所要のカム７が 設けられ、前記弾性部材６は、上辺部６ａがベース１の下面に固定され、板ばね 作用を生起する垂下片部６ｂが前記中間ロッド５に設けられた突起部５ａを介し て前記中間ロッド５を軸方向外方へ押圧しているとともに、該垂下片部６ｂに形 成した隆起部６ｅが前記ベース１の側面１ｂに刻設したインデックス溝１ｃに離 脱可能に係合するように設けられていることを特徴とする切断角度可変丸鋸装置 を提供するものである。

【０００６】

【作用】

ハンドル４を所要方向へ揺動してカム７の中間ロッド５に対する押動を解除す る。すると、中間ロッド５が弾性部材６の付勢により軸方向外方へ移動しベース １の側面１ａより離れ、回転テーブル３が回動フリーとなる。引続きハンドル４ を掴んで回転テーブル３を右または左へ回動しハンドル４をベース１の側面１ａ に刻設したマイター角目盛りの所望のマイター角に概略合わせたところで左右に 小さく往復回動させれば、弾性部材６の垂下片部６ｂに形成した隆起部６ｅがベ ース１の側面１ｂに刻設したインデックス溝１ｃに弛く嵌合し所望のインデック スが行われ、インデックス状態がハンドル４を掴む手に感触として伝わる。イン デックスが行われたら、ハンドル４を上記と反対方向へ揺動する。すると、ハン ドル４の揺動にカム７が連動し該カム７が中間ロッド５を弾性部材６の付勢に抗 して軸方向内方へ押動し、隆起部６ｅが中間ロッド５により突起部材８を介して インデックス溝１ｂに強く嵌合されて正確なインデックスロックができる。さら にハンドルを操作すると、中間ロッド５がベース１の側面１ａに当接固定し、回 転テーブル３のロックができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の切断角度可変丸鋸装置の実施例を図１ないし図４を参照して説 明する。この実施例の切断角度可変丸鋸装置は、図１に示すように、木材等の被 削材ｗを横長に載置し得るベース１の略中央部に、回転テーブル３が回動可能に 設けられ、該回転テーブル１の後部より立ち上がるヒンジ８に主アーム９ａと副 アーム９ｂを有してなる四節平行リンクアーム９を介してブラケット１０が前記 回転テーブル３の上方に位置するように取り付けられ、該ブラケット１０にモー ターと減速機からなる図示しない動力手段、該動力手段によって回転される丸鋸 ２及び該丸鋸２の上側部分を隠蔽する外カバー１１が取り付けられ、該丸鋸１１ を適宜の姿勢にしかつ点線に示す位置の装置前寄りに位置させてからモーターを 駆動して丸鋸２を回転し実線の位置まで下降させ装置後方へ押動することにより 、ベース１上に横方向に載置され該ベース１に設けられた図示しないフェンスと クランプとで固定される木材等の被削材ｗを所要のマイター角切断ができるよう になっている。詳述すると、回転テーブル３には、上下に揺動自在なハンドル４ と、該ハンドル４の揺動に連動して偏芯回転するカム７と、該カム７によって軸 方向内方へ押動される中間ロッド５と、該中間ロッド５をベース１の側面１ａか ら離れるように付勢する弾性部材６が内装されている。ハンドル４は、回転テー ブル３のマイター角が０度の位置の前側下部に基端がピン軸１２に串挿されて前 方に張り出した張出端にグリップ４ａが設けられ上下に揺動自在となっている。 カム７は、偏芯円板よりなりピン軸１４に串挿されかつハンドル４の基端に固定 されており、ハンドル４を約４５度の傾斜となるように持ち上げるときは、カム の回転中心から中間ロッド５へ向かうカム面に至る半径が最小となって弾性部材 ６で付勢された中間ロッド５の端面に当接し、ハンドル４を下降させていくと、 カムの回転中心から中間ロッド５へ向かうカム面に至る半径が漸次大きくなって 中間ロッド５を軸方向内方へ押動し、ハンドル４を略水平にした状態では中間ロ ッド５がベース１の側面１ａを極めて強く当接するようになっていて、しかもハ ンドル４から手を離しても該ハンドル４が中間ロッド５に対する押圧反力及び弾 性部材６の付勢によって持ち上がらないようにカム面の滑り角が小さくなってい る。図４に示すように、中間ロッド５は、回転テーブル３のマイター角が０度の 位置の前側下部に、ロッド前端部及び内端部が摺動可能に支持され、ロッド外端 面がカム７に対向しているとともにロッド内端面がベース１の側面１ａに対向し ている。弾性部材６は、二股状の上辺部６ａと垂下片部６ｂとがばね作用生起部 ６ｅによって一体に連結された概略アングル形に形成されており、上辺部６ａが ビスネジによりベース１の下面に固定され、垂下片部６ｂが板ばね作用を生起す るようになっている。垂下片部６ｂの上部に形成した小孔６ｄに中間ロッド５が 貫挿され、中間ロッド５に設けた突起部５ａが垂下片部６ｂに外方側から当接し 、垂下片部６ｂの下部に形成した隆起部６ｅがベース１の側面１ｂに刻設したイ ンデックス溝１ｃに離脱可能に係合するように設けられている。図３に示すよう に、インデックス溝１ｃは、マイター角が０度及び左右にそれぞれ１５度，２０ 度，３０度，４５度，６０度となる位置に刻設されている。なお、ベース１の側 面１ｂを側面１ａに一致させるように設けて下部にインデックス溝１ｃを刻設し 弾性部材６の垂下片部６ｂを側面１ａの下部に摺接するように所要に屈曲形成し ても良い。

【０００８】 今、回転テーブル３がマイター角が０度の位置にロックされた状態から右４５ 度の位置にインデックスロックするには、ハンドル４を持ち上げてロック解除し 、回転テーブル３を右へ回動しマイター角が右４５度になったところでハンドル ４を下げるだけで達成できる。以下詳述する。先ず、ハンドル４を持ち上げると きは、カム７が連動し該カム７の中間ロッド５を押動する面が中間ロッド５から 離れる方向へ変位する。これに伴い、弾性部材６の付勢により中間ロッド５がカ ム７から離れることなく軸方向外方へ移動する一方、中間ロッド５がベース１の 側面１ａから離れるので、回転テーブル３がマイター角が０度の位置にベース１ に対しロックされた状態が解除される。また、中間ロッド５が軸方向外方へ移動 すると、弾性部材６の垂下片部６ｂに形成した隆起部６ｅは、ベース１の側面１ ｂのマイター角０度に刻設したインデックス溝１ｃとの嵌合が弛み、回転テーブ ル３の回動に伴い該マイター角０度のインデックス溝１ｃから容易に離脱し得る 嵌合状態になる。次いで、ハンドル４を所要方向へ揺動し回転テーブル３を右へ 回動すると、弾性部材６の隆起部６ｅがインデックス溝１ｃから離脱して側面１ ｂを摺動する。この場合、ベース１の側面１ｂにマイター角が１５度，２０度， ３０度，４５度，６０度の角度ピッチでインデックス溝１ｃが刻設されているの で、ハンドル４が１５度，２０度，３０度の各マイター角に一致したところで、 弾性部材６の隆起部６ｅがインデックス溝１ｂに弛く嵌合する離脱通過する感触 がハンドル４を握る手に伝わる。そして、ハンドル４が４５度マイター角に一致 させると、弾性部材６の隆起部６ｅがインデックス溝１ｃに弛く嵌合する感触が ハンドル４を握る手に伝わるので、マイター角が右４５度にインデックスされた ことが確認できる。そうしたら、ハンドル４を下げる。すると、ハンドル４の揺 動にカム７が連動し該カム７が中間ロッド５を弾性部材６の付勢に抗して軸方向 内方へ押動するので、弾性部材６の垂下片部６ｂに形成した隆起部６ｅとベース １の側面１ｂのマイター角右４５度に刻設したインデックス溝１ｃとの嵌合が一 層強く行われ正確なインデックスロックができる。さらにハンドルを操作すると 、中間ロッド５がベース１の側面１ａに当接固定し、回転テーブル３のロックが できる。なお、回転テーブル３をインデックス溝１ｃがないところ、たとえば、 ４０度のところで位置決めロックする場合には隆起部６ｅとインデックス溝１ｃ との嵌合はなく、隆起部６ｅがベース１の側面１ｂに摺接して回転テーブル３を 停止させるから、この場合にもハンドル４の揺動に際して回転テーブル３が微小 回動してしまうことがなく、正確なマイター角設定ができる。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案の切断角度可変丸鋸装置によれば、ハンドル を揺動自在にして該ハンドルの揺動にカムを連動するように設け、該カムによっ て中間ロッドを押動し該中間ロッドがベースの側面から離れるように設け、弾性 部材によって中間ロッドをベースの側面から離れるように付勢するとともに、弾 性部材に設けた隆起部をベースの側面に刻設したインデックス溝に離脱可能に嵌 合するようにしたので、回転テーブルに内装され該回転テーブルをベースへ位置 決めロックする中間ロッドを回転テーブルの回転時にベースから離隔させる機能 と、回転テーブルのベースに対するインデックス位置決めする機能とを単品であ る弾性部材を備えることにより達成でき、しかもハンドルをワンタッチ操作する だけでインデックスのロック及びロック解除と回転テーブルのベースへのロック 及びロック解除ができ、ハンドルを揺動する外部操作力が弾性部材の隆起部に伝 達され該隆起部のインデックス溝に対する嵌合を弛めたり固くしたりすることが できるともに、該隆起部と該インデックス溝との嵌合がハンドルを掴む手に感触 として伝わりインデックス位置決めが確実に達成できる。本考案の切断角度可変 丸鋸装置によれば、回転テーブルに内装され該回転テーブルをベースへ位置決め ロックする中間ロッドを回転テーブルの回転時にベースから離隔させる機能と、 回転テーブルのベースに対するインデックス位置決めする機能とを単品である弾 性部材を備えることにより達成できるから、部品点数がつくなくなるとともに、 構造が簡素化し、組付工数が少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る切断角度可変丸鋸装置に
係りインデックスによるマイター角設定が行われロック
され切断が行われている状態を示す概略縦断正面図。

【図２】上記実施例の切断角度可変丸鋸装置のインデッ
クスによらないでマイター角設定が行われロックされて
いる状態を示す要部縦断面図。

【図３】図２におけるIII ー III矢視図。

【図４】上記実施例の切断角度可変丸鋸装置の一構成要
素である弾性部材の斜視図。

【符号の説明】

１ ベース １ａ ベースの側面 １ｂ ベースの側面 １ｃ インデックス溝 ２ 丸鋸 ３ 回転テーブル ４ ハンドル ５ 中間ロッド ５ａ 中間ロッドの突起部 ６ 弾性部材 ６ａ 弾性部材の上辺部 ６ｂ 弾性部材の垂下片部 ６ｅ 弾性部材の隆起部 ７ カム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベース上に、丸鋸を昇降可能に支持する
   回転テーブルが回動可能に設けられ、該回転テーブルに
   備えられた該回転テーブルを回動させるためのハンドル
   を操作することにより、該回転テーブルに内装した中間
   ロッドが軸方向内方に押動されベースの側面を当接固定
   し得るようになっているとともに、該中間ロッドが前記
   ハンドルの反対操作により軸方向内方への押動を解除さ
   れるとき、該中間ロッドをベースの側面から離れるよう
   に付勢する弾性部材が該回転テーブルに内装されている
   切断角度可変丸鋸装置において、前記ハンドルは、前記
   回転テーブルのマイター角が０度の位置の前側下部に基
   端が枢着されて前方に張り出して設けられ、該ハンドル
   の基端には該ハンドルの操作に連動し前記中間ロッドが
   ベースの側面を当接固定するまで同中間ロッドを前記弾
   性部材の付勢に抗して軸方向内方へ押動してロック状態
   になる所要のカムが設けられ、前記弾性部材は、上辺部
   がベースの下面に固定され、板ばね作用を生起する垂下
   片部が前記中間ロッドに設けられた突起部を介して前記
   中間ロッドを軸方向外方へ押圧しているとともに、該垂
   下片部に形成した隆起部が前記ベースの側面に刻設した
   インデックス溝に離脱可能に係合するように設けられて
   いることを特徴とする切断角度可変丸鋸装置。