JPH04129650U - 燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 給湯器等の燃焼装置の排気ガスの温度を下げ
て結露しない温度に保ち、一酸化炭素ガスの濃度等を安
定に検出して装置の安全運転を図る。 【構成】 給湯器１の排気側通路に排気ガス採取口12を
設けたガス分流管路６を設け、この分流管路６にＣＯセ
ンサ８を設けるとともに、分流管路６の任意の配管領域
に水分結露を防止する加熱手段を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば屋内設置型給湯器の燃焼装置にかかわり、特に、排気側通路 に排気ガス採取口を設け分流排気ガス管路の水分結露の防止手段を設けた燃焼装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２は一般的なガス燃焼式給湯器の模式図を示したもので、この種の給湯器１ はガスバーナ２を含む燃焼室３と、この燃焼室３の給排気を行う燃焼ファン11と 、熱交換器５と、排気筒４と、排気ガス中の一酸化炭素ガスの濃度を検出するＣ Ｏセンサ８と、燃焼運転を制御する制御装置（図示せず）とを有している。この 制御装置は、給水、燃焼、給湯等の動作を制御し、台所や浴室あるいは洗面台等 所望の場所に湯水を供給制御する。

【０００３】 屋内設置型のこの種のガス燃焼式の給湯器では、従来から設備の設置不良等に よって排気中の一酸化炭素が異常増加し、これが室内に漏れる等して一酸化炭素 中毒事故の恐れもあって問題視されている。このため最近では一酸化炭素濃度の 検出センサ（ＣＯセンサ８）を燃焼装置の排気通路４に設けて、このＣＯセンサ ８によって一酸化炭素の濃度を測定して異常を検知する方式がとられている。

【０００４】 しかるにこの種のＣＯセンサは一酸化炭素ガスの濃度の変化のみならず、排気 ガスの温度の変化に対しても、センサの出力特性が大きく変化し、排気ガスの温 度によってはセンサとしての機能を十分に発揮できない等の問題がある。すなわ ち、この種の燃焼装置の排気ガス温度は200 ℃以上の高温となり、給湯器の機種 の相違や、ガス種の相違等により、排気ガスの温度の変動が広範囲におよび例え ば使用する湯量に応じてガス量を無段あるいは何段かに切り換えができる能力切 換式が設置されている場合、最小、最大のガス量を燃焼したとき、それによって 生成する排気ガスの温度には大きな差を生ずる。そのため排気ガスの温度を常温 付近にまで冷却する手段を講じることが考えられる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、排気ガスを冷却する方式は例えば排気ガスの温度を常温近辺、 例えば50℃以下に下げ過ぎると、排気ガスの管路やＣＯセンサに水分結露が生じ てＣＯセンサの機能が十分に発揮されず、センサ出力にバラツキを生ずる。その ため一酸化炭素ガスの異常濃度を正確に検出できない恐れがあった。

【０００６】 本考案は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、 排気ガスの温度を下げた場合にも水分結露が生ずるということがなく、一酸化炭 素ガスの濃度を正確に検出できるようにして安全な燃焼を行うことができる燃焼 装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、 本考案は燃焼装置の排気側通路に排気ガスの採取口を設けて排気ガスを分流させ る分流管路を形成し、この分流管路に排気ガスの一酸化炭素ガスの濃度を検出す るＣＯセンサ又は酸素濃度を検出するＯ₂ センサを設けるとともに、前記分流管 路の任意の配管領域には分流する排気ガスの水分結露を防止する加熱手段が配置 されていることを特徴として構成されている。

【０００８】

【作用】

燃焼装置が燃焼している状態で、排気ガスは採取口を通って分流管路に流れて 行き、そのとき、分流管路に設けられている例えばＣＯセンサによって一酸化炭 素ガスの濃度が検出される。分流管路に流れた排気ガスは周りから冷却されて温 度が下がるが、加熱手段による加熱によって水分結露が防止される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお本実施例の説明におい て、従来例と同一の部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。

【００１０】 図１に本考案の一実施例の給湯器の模式図が示されている。本実施例の給湯器 １の主要構成部分は、排気側通路に排気ガスの採取口12を備えた排気ガス分流管 路６（以下パイプ６と称す。）と、このパイプ６の途中に一酸化炭素ガスの濃度 を検出するＣＯセンサ８とを有している。パイプ６は採取口12から熱交換器５の 近傍を通り、さらにガスバーナ燃焼部９の近傍を通って燃焼ファン11の吸気口10 に接続されている。前記熱交換器５とガスバーナ燃焼部はパイプ６を通る排気ガ スの加熱手段として機能している。採取口12より採取された排気ガスは燃焼室の 排気圧力と、燃焼ファン11の吸込口10の負圧によって矢印13の方向に流れＣＯセ ンサ８で排気ガス中の一酸化炭素濃度を検出できるように構成されている。また ＣＯセンサ８はチャンバ７内に配設されている。

【００１１】 本考案の実施例では排気側通路で採取された排気ガスは分流パイプ６内を矢印 13の方向へ流れ、ＣＯセンサ８およびバーナ燃焼部９を経て吸気口10へ流れる。 このとき採取された排気ガスは熱交換器５の上面の部分６′で吸熱し、さらにバ ーナ燃焼部９で吸熱して、パイプ６内の排気ガスの温度をＣＯセンサ８の出力特 性が不安定にならないほぼ60℃〜100 ℃に保ち、パイプ６およびＣＯセンサへの 水分結露を防止する構成を有している。

【００１２】 このように排気ガスの温度をＣＯセンサ８が不安定化せず、かつ、水分結露が 生じない適切な温度に保つようにすることにより、ＣＯセンサの一酸化炭素ガス の濃度の検出機能は万全となり、排気ガス中の一酸化炭素の濃度は正確に検出さ れて安全な燃焼運転が確保される。

【００１３】 また、本実施例によれば、給湯器の熱交換器５とバーナ燃焼部９がパイプ６の 加熱手段を兼用しているので、パイプ６を加熱する別個独立の加熱手段を設ける 必要がなく、装置構成の簡易化と装置コストの大幅な低減化を図ることができる 。

【００１４】 なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り 得る。例えば、上記実施例ではパイプ６のチャンバ７にＣＯセンサ８を設けてい るが、このＣＯセンサ８の代わりに排気ガス中の酸素濃度を検出するＯ₂ センサ を設けるようにしてもよい。この場合にはＯ₂ センサの酸素検出濃度を利用して 燃焼装置の安全な燃焼動作を前記ＣＯセンサの場合と同様に行うことになる。

【００１５】 また、上記実施例ではガスの分流管路（パイプ６）の加熱手段として、熱交換 器による吸熱あるいはガスバーナ燃焼部９での吸熱方式を述べたが、例えばパイ プ６をヒーターで加熱してもよい。さらにパイプ６を保温材で保護し、冷却効果 を緩和してもよい。さらに、パイプ６の出口をファン11の吸気口に接続せずに、 戸外等に排出するようにしてもよい。

【００１６】 また、上記実施例では燃焼装置をガス燃焼式の給湯器を例にして説明したが、 本考案は石油燃焼式の燃焼装置にも適用されるものである。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は燃焼装置の排気側通路に排気ガス採取口を設けた排気ガス分流パイプ を形成し、この分流パイプにＣＯセンサを設けるとともに、この分流パイプの任 意の配管領域に加熱手段を設けて水分結露の防止手段を構成したから、ＣＯセン サが水分結露によって悪影響を受けることがなく、一酸化炭素ガス濃度は正確に 検出され、燃焼装置を安全に運転させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を構成する給湯器の機械的構
造の模式図である。

【図２】従来の給湯器の機械的構造の模式図である。

【符号の説明】

１ 給湯器 ２ ガスバーナ ３ 燃焼室 ５ 熱交換器 ６ 排気ガス分流管路 ８ ＣＯセンサ 12 排気ガス採取口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼装置の排気側通路に排気ガスの採取
   口を設けて排気ガスを分流させる分流管路を形成し、こ
   の分流管路に排気ガスの一酸化炭素ガスの濃度を検出す
   るＣＯセンサ又は酸素濃度を検出するＯ₂ センサを設け
   るとともに、前記分流管路の任意の配管領域には分流す
   る排気ガスの水分結露を防止する加熱手段が配置されて
   いる燃焼装置。