JPH04129509U - 移載台車を搭載した搬送台車による重量物搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、親台車の上に子台車が、子台車の
上に更に孫台車が搭載された重量物品の搬送台車におい
て、孫台車を小型化するとともに孫台車の走行距離の制
約を除去したものである。 【構成】 孫台車に集電子を取付け、孫台車の走行レー
ルに付設した給電線および信号線から集電子を介して電
力の供給を受け、孫台車の走行駆動および走行制御を電
力で行うことにより、孫台車を自走化して走行距離の制
約を排除し、孫台車に設けた物品移載台の昇降のみを油
圧で行うことにより、油圧装置を小型化したものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば製鉄所におけるコイルの如き重量物を貯留場所に搬出入す るのに好適な搬送装置である。

【０００２】

【従来の技術】

製鉄所等において、コイルを貯留場所に搬出入する装置としては、特開平 1-7 8624号公報に開示されているように、搬送台車に搬出入台車を走行自在に搭載し 、搬出入台車上にさらに移載台車を走行自在に搭載し、搬出入台車は搬送台車に 直交して走行し移載台車は搬出入台車に直交して走行することによって、コイル 搬入の際には、搬出入台車上に支承されたコイルは搬送台車とともに貯留場所に 搬送され、貯留場所において搬出入台車は移載台車を搭載したまま搬送台車より 離れて所定の貯留位置まで走行し、貯留位置においては移載台車が搬出入台車よ りコイルを受け取り搬出入台車より離れて貯留位置にあるコイル貯留受台位置に 走行し、移載台車上のコイルを貯留受台上に移載し、空荷になった移載台車は再 び搬出入台車上に戻り、搬出入台車は空荷の移載台車を搭載したまま、搬送台車 上に復帰する。 貯留位置の貯留受台上のコイルを搬出する際は上述の動作を逆に行えばよい。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述した従来のコイル搬出入装置においては、移載台車の走行並びに移載台車 に設けられた物品移載台の昇降のための動力および、これらの制御信号は、搬出 入台車に搭載された動力源から複数のケーブル又はホース等によって供給されて いるため、移載台車が搬出入台車から離れて走行する距離はケーブル又はホース などの長さによって制約を受け、また、搬出入台車と移載台車との間を複数のケ ーブル又はホース等で結ぶことは、ケーブル又はホース等の伸長、屈撓の繰り返 しによるケーブル、ホース等の損傷、亀裂、そして信号線の断線等の事故発生の 原因の一つにもなり、さらに、搬出入台車と移載台車との動力供給手段を複雑に するという欠点を有していた。 また、移載台車の走行駆動および物品移載台の昇降駆動は、すべてケーブル又 はホース等によって搬出入台車から供給される油圧によって行っていたため、移 載台車に設けた油圧装置は大型にならざるを得なかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、移載台車の走行駆動力および移載台車に設けられた物品移載 台の昇降駆動力をケーブル又はホース等により搬出入台車から供給されるのでは なく、移載台車に集電子を取付け、搬出入台車上に設けた移載用短レール並びに 移載用レールに付設した給電線から動力を得て、移載台車の単独走行および物品 受台の昇降を行うことにより、移載台車の可動範囲の制約を除去し、更に、移載 台車の走行を電動にすることにより物品移載台の昇降のみを油圧駆動にして油圧 装置の小型化を図ったものである。

【０００５】

【作用】

移載台車に取付けた集電子は、給電線から動力および制御信号を受け、移載台 車による重量物の搬入移載、搬出移載の作業範囲を大巾に拡大できる。

【０００６】

【実施例】

図１は、移載台車１を搭載した搬出入台車２を、さらに搭載した搬送台車３の 斜視図、図２は搬送台車３から離れた搬出入台車２より、移載台車１が離れよう としている状態の斜視図、図３は貯留ヤードにおける台車走行路線の概略平面図 であって、搬送台車３の搬送レールＲ３と直角方向に立体交差した複列の搬出入 台車２の搬出入用レールＲ２の夫々には、該搬出入用レールＲ２と直角方向に立 体交差する多数の移載用レールＲ１が配設され、該移載用レールＲ１の夫々には 一対の物品貯留受台４が対立して立設されている。

【０００７】 そこで、コイル等の重量大なる物品Ｗを物品受台５上に積載して搬出入台車２ を搭載した搬送台車３が、図１に示す如く搬入レールＲ３上を走行して所望の搬 出入レールＲ２の立体交差位置で停止すると、図２で示す如く、搬送台車３上の 搬出入用短レールＲ２’に搭載されていた搬出入台車２が搬出入用レールＲ２に 乗り移り、所望の移載レールＲ１の立体交差位置まで走行して停止し、移載台車 １の物品移載台６が上昇して前記物品受台５上の物品Ｗを受け取り、移載台車１ は搬出入台車２上の移載用短レールＲ１’から移載用レールＲ１に乗り移り、移 載用レールＲ１を挾んで立設した一対の物品貯留受台４の間に進入して停止し、 物品移載台６を降下させることにより、物品移載台６上の物品Ｗを物品貯留受台 ４上に移載して、物品Ｗの搬入貯留作業を完了する。

【０００８】 搬入作業完了後の空荷の移載台車１は再び搬出入台車２上に戻り、移載台車２ を搭載した搬出入台車２は搬送台車３上に戻り、搬送台車３は次の場所へ走行移 動する。 また、物品貯留受台４上の物Ｗを搬出する際には搬入作業の順序を逆に行えば よい。

【０００９】 そして、移載台車１には集電子が取付けられ、移載用レールＲ１および移載用 短レールＲ１’には夫々給電線および信号線８が付設され、移載台車１の走行動 力および移載台車に設けた物品移載台６の昇降駆動をする小型油圧装置７の動力 は、前記集電子が給電線を摺接することによって得られ、また、走行制御および 昇降制御は集電子が信号線を摺接することにより得られるものであり、搬送台車 ３および搬出入台車２についても同様である。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、移載台車の走行駆動および走行制御、そして移載台車の物品移載台 を昇降作動する小形油圧装置の駆動および制御を、搬出入台車からケーブルまた はホース等を通じて移載台車に供給される油圧によって行うのではなく、移載台 車自体が集電子を介してレールに付設した給電線並びに信号線から得られる動力 によって行えるものであるから、移載台車はケーブル又はホースの長さに制約さ れることなく、自由に移載レール上を走行することができ、物品貯留受台の配設 範囲を大巾に拡大でき、物品貯留位置のレイアウトをきわめて容易にすることが できるものである。

【００１１】 また、移載台車の走行、制御駆動は集電子を介して供給される電力に依存し、 物品移載台の昇降、制御駆動のみを油圧に依存するので、油圧装置を小形化する ことができ、移載台車が小型化されるから、移載用レールの配設間隔も縮小し一 定の貯留ヤードに配置される物品貯留受台の増設も可能になって、物品の貯留数 の増大を図ることができる等、その実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】移載台車を搭載した搬送台車の斜視図である。

【図２】移載台車、搬出入台車および搬送台車の作動説
明斜視図である。

【図３】物品貯留ヤードにおける台車走行路線の概略平
面図である。

【符号の説明】

１ 移載用レール台車 ２ 搬出入台車 ３ 搬送台車 ４ 物品貯留受台 ５ 物品受台 ６ 物品移載台 ７ 油圧装置 ８ 給電線および信号線 Ｒ１ 移載用レール Ｒ１’ 移載用短レール Ｒ２ 搬出入用レール Ｒ２’ 移載用短レール Ｒ３ 搬送用レール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送レール上を自走する搬送台車と、搬
   送台車上に前記搬送レールと直角の方向に設けた搬出入
   用短レールに搭載し離間対向した一対の物品受台を立設
   した搬出入台車と、搬出入台車上に前記搬出入用短レー
   ルと直角の方向に設けた移載用短レールに搭載し前記一
   対の物品受台の間で昇降する物品移載台を有する移載台
   車と、前記搬送レールに立体交差して前記搬出入用短レ
   ールに接続する複列の搬出入用レールと、夫々の搬出入
   用レールに立体交差して前記移載用短レールに接続する
   多数の移載用レールと、夫々の移載用レールを挾んで対
   立して立設した一対の物品貯留受台と、を有し、移載台
   車には移載用短レール並びに移載用レールに付設した給
   電線に摺接する集電子を設けるとともに、該集電子より
   の電力を動力源とした走行用並びに物品移載台昇降用原
   動機を搭載した、ことを特徴とする移載台車を搭載した
   搬送台車による重量物搬送装置。