JPH04129302U - 自動車の軽合金製ホイール用スペーサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤホィールを車輌に装着するときに１人
作業でできるように、又、ラグナット４とホィールのボ
ルト孔６とのかじりを無くす。 【構成】 スペーサ２はホィール１のディスク取付面１
ｂに締着され、リム中心線Ｙ−Ｙからのホィール１のオ
フセットＡを定める。スペーサ２はハブボルト５を通す
段付き形状の下穴部分２ｄを有し、この下穴部分は大径
Ｃのばか穴２ｃと、ハブボルト５の径に近い径Ｂの小径
部２ｂとからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の軽合金製のホィールを車軸に装着する場合に使用するスペ ーサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車の軽合金製ディスクホィール（以下単にホィールという）１を車軸に装 着する場合、車種に合わせてホィール１のオフセットＡ（図５参照）を変えるた め、図４に示すようにホィール用スペーサ（以下単にスペーサという）３を用い ている。

【０００３】 こうすることで、同じ寸法のホィール１をオフセットＡが異なる車種に兼用し ている。 なおＸ−Ｘはホィールの軸心である。

【０００４】 スペーサ３は、車種に適合した所定の厚みｔを有する円盤形状となっており、 ホィール１とスペーサ３とのセンタリングの目的で、ホィール１の直径Ｅの嵌合 部１ａに嵌入される直径Ｄの嵌合部３ａがスペーサ３に形成され、ホイール１に 締結されている。

【０００５】 ４はラグナット、５はハブボルト、６はホィール１に明けたボルト穴、７はラ グナット４の側面、３ｂはスペーサ３に明けた、ホィール取付用ボルトナットの 下穴部分で通常ばか穴と呼ばれ、ボルト穴６より大きな径Ｃに形成されている。

【０００６】 ハブボルト５はＭ１２のボルトが使われ、ボルト穴６の径はφ１７．５、ラグ ナット４の左端部の径はφ１７が用いられている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 前記従来技術では、スペーサ３のばか穴３ｂの径Ｃが、ホィール１のボルト穴 ６より大径になっているため、スペーサ３を締結したホィール１を車輌に装着す る場合、ホィール１の重量によって、ばか穴３ｂとハブボルト５とが図４（ａ） （ｂ）のように偏心する。そうするとラグナット４をハブボルト５に締付けるこ とができないため、両手でタイヤホイールを支持し、ハブボルト５とばか穴３ｂ を同軸に合わせて、且つハブボルト５にラグナット４を締付けることになるが、 この作業は１人では困難で２人作業を余儀なくされるという問題があった。

【０００８】 又、ハブボルト５とばか穴３ｂとの同軸合わせが不十分なままでラグナット４ を締付けると、ラグナット４の先端部側面７とホィール１のボルト穴６の部分と でかじりが発生し、締付けが困難になるという問題があった。

【０００９】 そこで、本考案はこのような問題点を解消できる軽合金製ホィール用スペーサ を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における自動車の軽合金製ホィール用スペ ーサは、ホィール（１）のリム中心線（Ｙ−Ｙ）からのオフセット（Ａ）を変え るために、ホィール（１）のディスク取付面（１ｂ）に固着するスペーサ（２） において、ハブボルト（５）を通す下穴部分（２ｄ）を段付き形状とし、この下 穴部分（２ｄ）におけるホィール（１）のディスク取付面（１ｂ）に近い側を大 径（Ｃ）のばか穴（２ｃ）とし、ディスク取付面（１ｂ）から遠い側をハブボル ト（５）の径に近い径（Ｂ）の小径部（２ｂ）としたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

タイヤホィールを車輌に装着するときに、スペーサの段付き形状の下穴部分の 小径部が、少ない隙間でハブボルトに嵌合するため、ハブボルトとばか穴の同軸 合わせが必然的にできる。

【００１２】

【実施例】

図１〜図３の実施例で、１は軽合金製ホィールで、その中央にスペーサ２との センタリングの目的で形成された環状嵌合部１ａを備えている。

【００１３】 ２は軽合金製のスペーサで、前記環状嵌合部１ａに嵌入される直径Ｄの嵌合部 ２ａと、ハブボルト５を通す段付き形状の下穴部分２ｄを備えている。下穴部分 ２ｄは、ホィール１のディスク取付面１ｂに近い側を大径Ｃのばか穴２ｃとし、 ディスク取付面１ｂから遠い側をＭ１２のハブボルト５の径に近い径Ｂ（例えば φ１３）の小径部２ｂとしてある。

【００１４】 スペーサ２は、その嵌合部２ａをホィール１の嵌合部１ａに圧入するか、ディ スク取付面１ｂに接着するか、又はビス止め等の方法で図１又は図２に示すよう に、ホイール１のボルト孔６とスペーサ２の下穴部分２ｄが同芯になるように締 着される。

【００１５】 従ってタイヤホィールを車輌に装着するときに、ハブボルト５が下穴部分２ｄ の小径部２ｂに案内され、ばか穴２ｃと少ない偏心量で嵌合するため、ラグナッ ト４をハブボルト５に締付けるのに、タイヤホィールを持ち上げる必要もなく、 又、ラグナット４の先端部側面７とボルト穴６の部分とでかじる虞れもない。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の軽合金製ホィール用スペーサは上述のように構成されているので、タ イヤホィール装着時に、ハブボルトがスペーサの下穴部分の小径部に案内されて 、ホィールのボルト穴とハブボルトとが必然的に同軸合わせされる。従って、同 軸合わせが不十分なままでラグナットを締め付けることによるラグナットの側面 とボルト穴とのかじりの発生が防止できるとともに、１人作業でもタイヤホイー ルの車輌への装着を容易に、安全に、精度良く行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本考案のスペーサを締着したホィール
を車輌に取付ける様子を説明する縦断面図、（ｂ）は
（ａ）の一部拡大図でラグナットを締めつけた態様、
（ｃ）は（ａ）のＢ−Ｂ断面図。

【図２】本考案のスペーサの実施例の縦断面図。

【図３】図２のスペーサをホィールに締着した状態の縦
断面図。

【図４】従来技術を示す図で、（ａ）はホィールにスペ
ーサを締着したものを、ハブボルトに嵌合しハブナット
で締め付ける有様を説明する縦断面図、（ｂ）は（ａ）
のＢ−Ｂ断面図。

【図５】ホィールの縦断面図。

【符号の説明】

１ ホィール １ｂ ディスク取付面 ２ スペーサ ２ｂ 小径部 ２ｃ ばか穴 ２ｄ 下穴部分 ５ ハブボルト Ａ オフセット Ｂ 径 Ｃ 大径

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホィール（１）のリム中心線（Ｙ−Ｙ）
   からのオフセット（Ａ）を変えるために、ホィール
   （１）のディスク取付面（１ｂ）に固着するスペーサ
   （２）において、ハブボルト（５）を通す下穴部分（２
   ｄ）を段付き形状とし、この下穴部分（２ｄ）における
   ホィール（１）のディスク取付面（１ｂ）に近い側を大
   径（Ｃ）のばか穴（２ｃ）とし、ディスク取付面（１
   ｂ）から遠い側をハブボルト（５）の径に近い径（Ｂ）
   の小径部（２ｂ）としたことを特徴とする自動車の軽合
   金製ホィール用スペーサ。