JPH04128518U - 合成樹脂ボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂ボルトの引張り強度を増強する。 【構成】 合成樹脂ボルトの頭部１から軸部３にかけて
軸方向の中心孔４を設け、成型時の金型からの熱を内外
両面から吸収できるようにして、合成樹脂材料の結晶化
を完全にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、合成樹脂材料を成型して造られる合成樹脂ボルトに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来において、合成樹脂材料を成型して作られた合成樹脂ボルトは広く使用さ れているが、形状的には通常の金属製ボルトと同様に、丸棒状軸部の周囲に雄ね じを有し、該軸部の一端部に六角形の頭部を形成したものが一般的である。

【０００３】 この種の合成樹脂ボルトは量産性が良く、電気絶縁性に優れ、カラー付きの製 品も簡便に製造することができ、かつ軽量である等の優れた長所を有しており、 その用途は益々拡大する傾向にある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この種の合成樹脂ボルトは成型時に金型からの熱が肉厚部の中心まで 伝達し難いため、その中心部は合成樹脂材料の結晶化が未反応に終って固化が悪 く、その結果引張り強度が弱いという大きな欠点を有している。特に、頭部は肉 厚が大きいためその内部は未反応の合成樹脂が大部分を占め、軸方向に引張力が 加わると、頭部が軸部から容易にちぎれてしまうという問題がある。

【０００５】 本考案の目的は、上述の問題点を解消し、成型時の金型からの熱が内部まで良 好に伝達するようにして、合成樹脂材料の結晶化を促進し、引張り強度が大きな 合成樹脂ボルトを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するための本考案に係る合成樹脂ボルトは、頭部から軸部に かけて軸方向に中心孔を設けるように成型したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

上述の構成を有する合成樹脂ボルトは、成型時に金型からの熱を外表面と中心 孔の内面との内外両面から吸収して、全体的に合成樹脂材料の結晶化が促進され る。

【０００８】

【実施例】

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は本考案に係る合成樹脂ボルトの一実施例を示し、例えば六角形をなす頭 部１と外周に雄ねじ２を有する軸部３とが合成樹脂材料によって一体に成型され 、かつ頭部１から軸部３にかけて軸方向の中心孔４が設けられている。

【０００９】 このように中心孔４を設けることにより、図２の矢印で示すように成型時に金 型からの熱を頭部１及び軸部３の外表面と中心孔４の内面との内外両面から吸収 できるため、合成樹脂材料の結晶化が内部まで全般的に進行し、その結果全体的 に良好な固化が得られる。このために、機械的強度が向上し、特に合成樹脂ボル トの最大欠点とされる引張り強度を改善することができる。

【００１０】 実験によると、同じ合成樹脂材料で同一寸法に成型した従来の合成樹脂ボルト と実施例の合成樹脂ボルトとの引張り強度を比較した場合に、実施例のものは従 来のものより約２５〜６０％程度引張り強度が改善された。

【００１１】 図３は他の実施例を示し、この場合に中心孔４をテーパ孔とされ、頭部１側の 内径は先端の内径よりも大きくされている。この実施例では、肉厚の大きい頭部 １の結晶化をより一層促進することが可能となる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る合成樹脂ボルトは、成型時における金型から の熱を内外両面から吸収して合成樹脂材料の結晶化が全体的に完全に行われるた め、機械的強度特に引張り強度を増強することができる。その結果、合成樹脂ボ ルトの用途をより一層拡大することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】合成樹脂ボルトの断面図である。

【図２】作用の説明図である。

【図３】他の実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ 頭部 ２ 雄ねじ ３ 軸部 ４ 中心孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部から軸部にかけて軸方向に中心孔を
   設けるように成型したことを特徴とする合成樹脂ボル
   ト。