JPH04127818U - 2サイクルエンジンのオイル給送装置 - Google Patents
2サイクルエンジンのオイル給送装置Info
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- JPH04127818U JPH04127818U JP2518991U JP2518991U JPH04127818U JP H04127818 U JPH04127818 U JP H04127818U JP 2518991 U JP2518991 U JP 2518991U JP 2518991 U JP2518991 U JP 2518991U JP H04127818 U JPH04127818 U JP H04127818U
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- oil
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Landscapes
- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 クランクケース底部滞溜オイルを回収して吸
気に再供給するとともに冷間始動時における排気白煙の
発生を有効に防止できる2サイクルエンジンのオイル給
送装置を提供する。 【構成】 エンジン1のクランクケース2底部と吸気通
路14との間に、管路25,オイル回収室27,通路部分29お
よび管路26から成るオイル回収通路24を設け、通路部分
29に形成した管路29aを開閉する感温弁33を設ける。感
温弁33は管路29aを低温時に閉鎖し、高温時に開放す
る。
気に再供給するとともに冷間始動時における排気白煙の
発生を有効に防止できる2サイクルエンジンのオイル給
送装置を提供する。 【構成】 エンジン1のクランクケース2底部と吸気通
路14との間に、管路25,オイル回収室27,通路部分29お
よび管路26から成るオイル回収通路24を設け、通路部分
29に形成した管路29aを開閉する感温弁33を設ける。感
温弁33は管路29aを低温時に閉鎖し、高温時に開放す
る。
Description
【0001】
本考案は、2サイクルエンジンのオイル給送装置に関し、特に、クランクケー
ス底部の滞溜オイルを吸気通路に回収するオイル回収装置に関するものである。
【0002】
2サイクルエンジンにおいては吸気中にオイルが混合され、該オイルにより要
部の潤滑が行われる。このオイルは最終的にシリンダにおいて燃料とともに燃焼
するが、一部はクランクケース底部に滞溜する。
【0003】
実開平2−61108 号公報に、クランクケースの底部を気化器の絞り弁摺動面に
連結する連結パイプを設け、この連結パイプの途中に一方向弁を配置し、クラン
クケースの内圧が所定圧を越えた時に、クランクケース底部の滞溜オイルを気化
器を通じて吸気通路に回収するようにしたエンジンが示されている。このエンジ
ンにおいては、クランクケース底部の滞溜オイルが、エンジン運転中に常時回収
されて吸気通路に再供給される。
【0004】
しかし、上記のようなエンジンには次のような不具合がある。すなわち、冷間
始動時等には、エンジンの温度が低いためエンジン各部の要求オイルが少ないに
もかかわらず、滞溜オイル回収による再供給分だけ多いオイルが供給されるので
、シリンダ内のオイル量が通常運転時より多くなり、排気に白煙が生ずる。
【0005】
従って本考案は、滞溜オイルを回収するとともに冷間始動時における白煙の発
生を有効に防止できる2サイクルエンジンのオイル給送装置を提供しようとする
ものである。
【0006】
このため、本考案においては、クランクケース底部と吸気通路を結ぶオイル回
収通路を備えた2サイクルエンジンのオイル供給装置において、前記オイル回収
通路に所定温度で開閉する感温弁を設ける。
【0007】
本考案によれば、低温時には感温弁が閉じ、クランク底部から吸気通路への滞
溜オイルの給送が停止し、従ってシリンダへは回収給送されたオイルを含まない
適量のオイルが導入され良好に燃焼されるので、排気に白煙を生ずることがない
。エンジン温度が上昇し回収オイルを含むオイルを白煙を生ずることなく燃焼処
理できるようになったところで、感温弁が開き、滞溜オイルが吸気通路に回収給
送される。
【0008】
図1は本考案の一実施例の構成を示す断面図で、図2は同実施例におけるエン
ジンの構成を図1と直角な断面で示した断面図である。
【0009】
図中、1は2サイクルエンジン、2はそのクランクケース、3はシリンダブロ
ック、4はシリンダヘッドである。クランクケース2内にクランク軸5が主軸受
6を介して回転自在に支承され、クランクウエブ7に連接棒8の大端部がクラン
クピン9を介して枢着されている。連接棒8の小端部はピストンピン10を介して
ピストン11に枢着され、ピストン11がシリンダ12内を上昇、下降することにより
クランク軸5が回転駆動される。
【0010】
クランクケース2の内部はリード弁13を通じて吸気通路14に連通しており、ピ
ストン11の上昇行程時にクランクケース2内に生ずる負圧によりリード弁13が開
き、吸気(混合気)が吸気通路14からクランクケース2内に吸入される。15は気
化器である。クランクケース2に吸入された混合気はピストン11の下降行程時に
予備圧縮され、掃気通路16,掃気口17を経てシリンダ12内に送入された後、ピス
トン11の上昇によりさらに圧縮されて、点火栓18により点火される。19は排気通
路である。
【0011】
吸気管20から吸入された空気に気化器15で燃料を加えて生成された上記混合気
中には、さらに吸気通路14においてオイル供給管21を通じてオイルが噴射供給さ
れる。22は該オイルを加圧するオイルポンプ、23は該オイルを貯蔵しておくオイ
ルタンクである。このようにして供給されたオイルは混合気中に分散してクラン
クケース2に吸入され、クランク軸5やピストン11まわりの所要部を潤滑し、さ
らに混合気に搬送されてシリンダ12内に入り、ここで燃焼して排気通路19から排
出されるが、一部のオイルが混合気の流れから滴状に分離し、クランクケース2
の底部に滞溜し易い。
【0012】
この滞溜オイルを回収して吸入混合気に再供給するために、クランクケース2
の底部と吸気通路14を結ぶオイル回収通路24が設けられている。このオイル回収
通路24は、クランクケース2の底部に連通しクランクケース2から下方へ延出す
る管路25と、吸気通路14に連通する管路26とを有し、管路25の下端は適当な容積
を有するオイル回収室27に連通し、管路26には、回収オイルを吸気通路14側へ向
ってのみ流通させる一方弁28が介挿されている。そして前記オイル回収室27と管
路26とを接続する通路部分29にサーモスタット機能を有する感温弁33が設けられ
ている。すなわち感温弁33は感温部を内蔵し該感温部によって検知される温度が
設定値に達すると作動して開閉動作を行う。しかしてこの感温弁33により通路部
分29の管路29aが開閉される。感温弁33は例えば60°Cで閉動作を行い、80°C
で開動作を行うように設定されている。感温弁33はバッテリ34により給電され、
イグニッションスイッチ35が閉成された時に作動可能な状態となる。
【0013】
エンジン1の運転休止時には、クランクケース2内の滞溜オイルは管路25を経
てオイル回収室27に落下し、ここに貯溜されているので、クランクケース2内に
は滞溜オイルはほとんど存在しない。この状態からイグニッションスイッチ35を
入れてエンジン1を始動する時、運転休止期間が長くエンジン1が充分に冷却し
ている場合には、感温弁33近傍の温度は設定値(例えば60°C)以下になってい
るので、感温弁33が管路29aを閉じる。従ってオイル回収室27内のオイル30は管
路26側へ流れない。すなわちオイル回収通路24による吸気通路14へのクランクケ
ース底部滞溜オイルの再供給は行われない。従ってエンジン1にはオイル供給管
21を通ずる規定量のオイルしか供給されないので、シリンダ12内で燃焼するオイ
ルの量も比較的少なく、始動時の排気白煙が減少する。
【0014】
運転によりエンジン温度が上昇し、感温弁33の近傍の温度が第2の設定値(例
えば80°C)に達すると、感温弁33が動作して、今まで閉じられていた管路29a
が開き、オイル回収室27内の貯溜オイルが管路26側へ流通し、該管路26を経て吸
気通路14に再供給される。この時にはシリンダ温度も充分上昇しているので、再
供給オイルを含む比較的多量のオイルがシリンダ12に導入されても良好に燃焼し
、白煙を生ずることはない。
【0015】
このようにして、本実施例によれば、クランクケース底部滞溜オイルを回収し
て吸気に再供給するとともに、冷間始動時における排気白煙の発生を有効に防止
することができる。
【0016】
図3は本考案の他の実施例を示す。なお図3において図1と同様な部分には同
じ参照符号を付してある。本実施例においては通路部分29の構成が前記実施例の
ものとは相違している。すなわち、通路部分29に、オイル回収室27に貯溜される
オイル30の油面より下の液相部を管路26に連通させる液体通路31と、オイル30の
上方の気相部を管路26に連通させる気体通路32が形成されている。そして気体通
路32が感温弁33により開閉されるようになっている。感温弁33は例えば60°Cで
開動作を行ない、80°Cで閉動作を行なうように設定されている。
【0017】
冷間始動時には感温弁33近傍の温度が設定値(例えば60°C)以下になってい
るので、感温弁33が気体通路32を開く。この状態では、ピストン運動によりクラ
ンクケース2を経てオイル回収室27が加圧されても、貯溜オイル30の上方の気体
が開かれた気体通路32を通って管路26側へ流れることにより、液体通路31の両端
が均一化するので、オイル回収室27内のオイル30は管路26側へ流れない。感温弁
33の近傍の温度が第2の設定値(例えば80°C)に達すると、感温弁33が動作し
て、今まで開かれていた気体通路32が閉じ、液体通路31両端の均圧状態が解除さ
れるので、液体通路31を通じてオイル回収室内の貯溜オイルが管路26側へ流通す
る。
【0018】
クランクケースに滞溜するオイルの量は、主として、クランクウエブ7の外周
面とクランクケース2の内周面との隙間量Cによって支配される。この隙間量C
を狭くすると、滞溜オイル量は少なくなるが、高い加工精度を必要とするのでコ
ストが増大し、また粘性抵抗の影響で滞溜オイルの回収が困難になる。隙間量C
を広くすると、滞溜オイルの回収は容易になるが、滞溜オイル量が増加し、また
クランクケース内における混合気予備圧縮比が低下して出力性能が低下する。
【0019】
そこで、図3および図4に示す本考案のさらに他の実施例では、上記隙間量は
一般的な値から変更しないで、コストの増大、出力性能の低下を回避し、滞溜オ
イル量を適度に保つとともに、該オイルの回収を容易にするために、クランクケ
ース2の底部の滞溜オイル回収口36の近傍のクランクケース2内周面に凸部37を
設けてある。この凸部37は図3に矢印aで示してあるクランクウエブ7の回転方
向に関して滞溜オイル回収口36の下流側に設けられており、かつ凸部37とクラン
クウエブ7の外周面との隙間はほとんど無くしてある。隙間C内の滞溜オイルは
、クランクウエブ7の回転にひきずられて、クランクケース2の内周面に沿って
矢印a方向に移動し、凸部37に当ってその直前に開口している滞溜オイル回収口
36に捕捉され、管路25を経てオイル回収室27に落下する。かくして滞溜オイルの
回収が極めて容易に効率よく行なわれる。本実施例の上記以外の部分は前記実施
例と全く同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0020】
本考案によれば、ケース底部滞溜オイルを回収して吸気に再供給する2サイク
ルエンジンにおいて、冷間始動時における排気白煙の発生を有効に防止すること
ができる。
【提出日】平成4年5月15日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の詳細な説明
【補正方法】変更
【0001】
本考案は、2サイクルエンジンのオイル給送装置に関し、特に、クランクケー
ス底部の滞溜オイルを吸気通路に回収するオイル回収装置に関するものである。
【0002】
2サイクルエンジンにおいては吸気中にオイルが混合され、該オイルにより要
部の潤滑が行われる。このオイルは最終的にシリンダにおいて燃料とともに燃焼
するが、一部はクランクケース底部に滞溜する。
【0003】
実開平2−61108号公報に、クランクケースの底部を気化器の絞り弁摺動
面に連結する連結パイプを設け、この連結パイプの途中に一方向弁を配置し、ク
ランクケースの内圧が所定圧を越えた時に、クランクケース底部の滞溜オイルを
気化器を通じて吸気通路に回収するようにしたエンジンが示されている。このエ
ンジンにおいては、クランクケース底部の滞溜オイルが、エンジン運転中に常時
回収されて吸気通路に再供給される。
【0004】
しかし、上記のようなエンジンには次のような不具合がある。すなわち、冷間
始動時等には、エンジンの温度が低いためエンジン各部の要求オイルが少ないに
もかかわらず、滞溜オイル回収による再供給分だけ多いオイルが供給されるので
、シリンダ内のオイル量が通常運転時より多くなり、排気に白煙が生ずる。
【0005】
従って本考案は、滞溜オイルを回収するとともに冷間始動時における白煙の発
生を有効に防止できる2サイクルエンジンのオイル給送装置を提供しようとする
ものである。
【0006】
このため、本考案においては、クランクケース底部と吸気通路を結ぶオイル回
収通路を備えた2サイクルエンジンのオイル供給装置において、前記オイル回収
通路に所定温度で開閉する感温弁を設ける。
【0007】
本考案によれば、低温時には感温弁が閉じ、クランク底部から吸気通路への滞
溜オイルの給送が停止し、従ってシリンダへは回収給送されたオイルを含まない
適量のオイルが導入され良好に燃焼されるので、排気に白煙を生ずることがない
。エンジン温度が上昇し回収オイルを含むオイルを白煙を生ずることなく燃焼処
理できるようになったところで、感温弁が開き、滞溜オイルが吸気通路に回収給
送される。
【0008】
図1は本考案の一実施例の構成を示す断面図で、図2は同実施例におけるエン
ジンの構成を図1と直角な断面で示した断面図である。
【0009】
図中、1は2サイクルエンジン、2はそのクランクケース、3はシリンダブロ
ック、4はシリンダヘッドである。クランクケース2内にクランク軸5が主軸受
6を介して回転自在に支承され、クランクウエブ7に連接棒8の大端部がクラン
クピン9を介して枢着されている。連接棒8の小端部はピストンピン10を介し
てピストン11に枢着され、ピストン11がシリンダ12内を上昇、下降するこ
とによりクランク軸5が回転駆動される。
【0010】
クランクケース2の内部はリード弁13を通じて吸気通路14に連通しており
、ピストン11の上昇行程時にクランクケース2内に生ずる負圧によりリード弁
13が開き、吸気(混合気)が吸気通路14からクランクケース2内に吸入され
る。15は気化器である。クランクケース2に吸入された混合気はピストン11
の下降行程時に予備圧縮され、掃気通路16,掃気口17を経てシリンダ12内
に送入された後、ピストン11の上昇によりさらに圧縮されて、点火栓18によ
り点火される。19は排気通路である。
【0011】
吸気管20から吸入された空気に気化器15で燃料を加えて生成された上記混
合気中には、さらに吸気通路14においてオイル供給管21を通じてオイルが噴
射供給される。22は該オイルを加圧するオイルポンプ、23は該オイルを貯蔵
しておくオイルタンクである。このようにして供給されたオイルは混合気中に分
散してクランクケース2に吸入され、クランク軸5やピストン11まわりの所要
部を潤滑し、さらに混合気に搬送されてシリンダ12内に入り、ここで燃焼して
排気通路19から排出されるが、一部のオイルが混合気の流れから滴状に分離し
、クランクケース2の底部に滞溜し易い。
【0012】
この滞溜オイルを回収して吸入混合気に再供給するために、クランクケース2
の底部と吸気通路14を結ぶオイル回収通路24が設けられている。このオイル
回収通路24は、クランクケース2の底部に連通しクランクケース2から下方へ
延出する管路25と、吸気通路14に連通する管路26とを有し、管路25の下
端は適当な容積を有するオイル回収室27に連通し、管路26には、回収オイル
を吸気通路14側へ向ってのみ流通させる一方弁28が介挿されている。そして
前記オイル回収室27と管路26とを接続する通路部分29にサーモスタット機
能を有する感温弁33が設けられている。すなわち感温弁33は感温部を内蔵し
該感温部によって検知される温度が設定値に達すると作動して開閉動作を行う。
しかしてこの感温弁33により通路部分29の管路29aが開閉される。感温弁
33は例えば60°Cで閉動作を行い、80°Cで開動作を行うように設定され
ている。感温弁33はバッテリ34により給電され、イグニッションスイッチ3
5が閉成された時に作動可能な状態となる。
【0013】
エンジン1の運転休止時には、クランクケース2内の滞溜オイルは管路25を
経てオイル回収室27に落下し、ここに貯溜されているので、クランクケース2
内には滞溜オイルはほとんど存在しない。この状態からイグニッションスイッチ
35を入れてエンジン1を始動する時、運転休止期間が長くエンジン1が充分に
冷却している場合には、感温弁33近傍の温度は設定値(例えば60°C)以下
になっているので、感温弁33が管路29aを閉じる。従ってオイル回収室27
内のオイル30は管路26側へ流れない。すなわちオイル回収通路24による吸
気通路14へのクランクケース底部滞溜オイルの再供給は行われない。従ってエ
ンジン1にはオイル供給管21を通ずる規定量のオイルしか供給されないので、
シリンダ12内で燃焼するオイルの量も比較的少なく、始動時の排気白煙が減少
する。
【0014】
運転によりエンジン温度が上昇し、感温弁33の近傍の温度が第2の設定値(
例えば80°C)に達すると、感温弁33が動作して、今まで閉じられていた管
路29aが開き、オイル回収室27内の貯溜オイルが管路26側へ流通し、該管
路26を経て吸気通路14に再供給される。この時にはシリンダ温度も充分上昇
しているので、再供給オイルを含む比較的多量のオイルがシリンダ12に導入さ
れても良好に燃焼し、白煙を生ずることはない。
【0015】
このようにして、本実施例によれば、クランクケース底部滞溜オイルを回収し
て吸気に再供給するとともに、冷間始動時における排気白煙の発生を有効に防止
することができる。
【0016】
図3は本考案の他の実施例を示す。なお図3において図1と同様な部分には同
じ参照符号を付してある。本実施例においては通路部分29の構成が前記実施例
のものとは相違している。すなわち、通路部分29に、オイル回収室27に貯溜
されるオイル30の油面より下の液相部を管路26に連通させる液体通路31と
、オイル30の上方の気相部を管路26に連通させる気体通路32が形成されて
いる。そして気体通路32が感温弁33により開閉されるようになっている。感
温弁33は例えば60°Cで開動作を行ない、80°Cで閉動作を行なうように
設定されている。
【0017】
冷間始動時には感温弁33近傍の温度が設定値(例えば60°C)以下になっ
ているので、感温弁33が気体通路32を開く。この状態では、ピストン運動に
よりクランクケース2を経てオイル回収室27が加圧されても、貯溜オイル30
の上方の気体が開かれた気体通路32を通って管路26側へ流れることにより、
液体通路31の両端が均一化するので、オイル回収室27内のオイル30は管路
26側へ流れない。感温弁33の近傍の温度が第2の設定値(例えば80゜C)
に達すると、感温弁33が動作して、今まで開かれていた気体通路32が閉じ、
液体通路31両端の均圧状態が解除されるので、液体通路31を通じてオイル回
収室内の貯溜オイルが管路26側へ流通する。
【0018】
クランクケースに滞溜するオイルの量は、主として、クランクウエブ7の外周
面とクランクケース2の内周面との隙間量Cによって支配される。この隙間量C
を狭くすると、滞溜オイル量は少なくなるが、高い加工精度を必要とするのでコ
ストが増大し、また粘性抵抗の影響で滞溜オイルの回収が困難になる。隙間量C
を広くすると、滞溜オイルの回収は容易になるが、滞溜オイル量が増加し、また
クランクケース内における混合気予備圧縮比が低下して出力性能が低下する。
【0019】
そこで、図3および図4に示す本考案のさらに他の実施例では、上記隙間量は
一般的な値から変更しないで、コストの増大、出力性能の低下を回避し、滞溜オ
イル量を適度に保つとともに、該オイルの回収を容易にするために、クランクケ
ース2の底部の滞溜オイル回収口36の近傍のクランクケース2内周面に凸部3
7を設けてある。この凸部37は図3に矢印aで示してあるクランクウエブ7の
回転方向に関して滞溜オイル回収口36の下流側に設けられており、かつ凸部3
7とクランクウエブ7の外周面との隙間はほとんど無くしてある。隙間C内の滞
溜オイルは、クランクウエブ7の回転にひきずられて、クランクケース2の内周
面に沿って矢印a方向に移動し、凸部37に当ってその直前に開口している滞溜
オイル回収口36に捕捉され、管路25を経てオイル回収室27に落下する。か
くして滞溜オイルの回収が極めて容易に効率よく行なわれる。本実施例の上記以
外の部分は前記実施例と全く同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0020】
本考案によれば、ケース底部滞溜オイルを回収して吸気に再供給する2サイク
ルエンジンにおいて、冷間始動時における排気白煙の発生を有効に防止すること
ができる。
【図1】本考案の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】同実施例におけるエンジンの構成を図1と直角
な断面で示した断面図である。
な断面で示した断面図である。
【図3】本考案の他の実施例の構成を示す断面図であ
る。
る。
【図4】本考案のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図5】図4のV−V線に沿う部分的断面図である。
1…エンジン、2…クランクケース、3…シリンダブロ
ック、4…シリンダヘッド、5…クランク軸、6…主軸
受、7…クランクウエブ、8…連接棒、9…クランクピ
ン、10…ピストンピン、11…ピストン、12…シリンダ、
13…リード弁、14…吸気通路、15…気化器、16…掃気通
路、17…掃気口、18…点火栓、19…排気通路、20…吸気
管、21…オイル供給口、22…オイルポンプ、23…オイル
タンク、24…オイル回収通路、25,26…管路、27…オイ
ル回収室、28…一方弁、29…通路部分、30…オイル、31
…液体通路、32…気体通路、33…感温弁、34…バッテ
リ、35…イグニッションスイッチ、36…滞溜オイル回収
口、37…凸部。
ック、4…シリンダヘッド、5…クランク軸、6…主軸
受、7…クランクウエブ、8…連接棒、9…クランクピ
ン、10…ピストンピン、11…ピストン、12…シリンダ、
13…リード弁、14…吸気通路、15…気化器、16…掃気通
路、17…掃気口、18…点火栓、19…排気通路、20…吸気
管、21…オイル供給口、22…オイルポンプ、23…オイル
タンク、24…オイル回収通路、25,26…管路、27…オイ
ル回収室、28…一方弁、29…通路部分、30…オイル、31
…液体通路、32…気体通路、33…感温弁、34…バッテ
リ、35…イグニッションスイッチ、36…滞溜オイル回収
口、37…凸部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【考案の名称】 2サイクルエンジンのオイル給送
装置
装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【実用新案登録請求の範囲】
Claims (1)
- 【請求項1】 クランクケース底部と吸気通路を結ぶオ
イル回収通路を備えた2サイクルエンジンのオイル給送
装置において、前記オイル回収通路に所定温度で開閉す
る感温弁を設けることを特徴とする2サイクルエンジン
のオイル給送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991025189U JP2565251Y2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 2サイクルエンジンのオイル給送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991025189U JP2565251Y2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 2サイクルエンジンのオイル給送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04127818U true JPH04127818U (ja) | 1992-11-20 |
JP2565251Y2 JP2565251Y2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=31909971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991025189U Expired - Lifetime JP2565251Y2 (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 2サイクルエンジンのオイル給送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2565251Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017186927A (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-12 | 株式会社山田製作所 | 感温式弁機構及びその使用方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4817530U (ja) * | 1971-07-13 | 1973-02-27 | ||
JPS4875013U (ja) * | 1971-12-21 | 1973-09-18 | ||
JPS5236906U (ja) * | 1975-09-08 | 1977-03-16 |
-
1991
- 1991-03-25 JP JP1991025189U patent/JP2565251Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4817530U (ja) * | 1971-07-13 | 1973-02-27 | ||
JPS4875013U (ja) * | 1971-12-21 | 1973-09-18 | ||
JPS5236906U (ja) * | 1975-09-08 | 1977-03-16 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017186927A (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-12 | 株式会社山田製作所 | 感温式弁機構及びその使用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2565251Y2 (ja) | 1998-03-18 |
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