JPH04126913A - 高含水燃料燃焼炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高含水燃料燃焼炉に関する。

ここに、高含水燃料とは、木材を炭化させ粉砕したもの
を水によりスラリー化したいわゆる木炭・水スラリーや
ペイント等の高分子廃棄物等であって燃料中の水分が４
０〜６０％と高く、低位発熱量が２５００〜３５００Ｋ
ｃａｌ／ｋｇ程度の低位の燃料をいう。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕石油系
液体燃料や木炭・油混合燃料を焚く工業炉においては、
燃焼用空気を直接燃料の噴霧用流体とするか、或いは、
圧縮空気、スチーム等で燃料の噴霧を行い噴霧された燃
料を包み込むように燃焼用空気に旋回流を与えて炉内に
吹き込む方式のものが大部分である。

しかしながら、水分が４０〜６０％も占める高含水燃料
の場合には、このような燃焼方法では水の蒸発により空
気と燃料が冷却されて着火に至らず、また、着火したと
しても火炎が息をついたりして安定炎にならない。

かかる高含水燃料は一般に単独に燃焼させることが困難
であり、重油等を主燃料とする工業炉において補助的に
側面にて燃焼させるか、或いは、高含水燃料を主燃料と
するときには発熱量の高い石油系燃料やアルコール類を
補助燃料として高含水燃料に添加するか、これらを燃料
とする補助バーナーを主バーナーの近傍に設置する等の
方策が必要であった。

しかしながら、助燃剤等を必要とせずに、高含水燃料を
自己燃焼させることができれば、その効果は大きく、こ
れらを燃料とする運転コストの低い燃焼炉の提供が可能
になる。

従って、本発明の目的は、助燃剤等を必要とすることな
しに、高含水燃料を自己燃焼させることができる燃焼炉
を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

高含水燃料を自己燃焼させるには燃料・噴霧流体混合物
中の水を早く蒸発させ、かつ、混合物の温度を常温以上
に加温することである。このための方法として、燃焼用
空気や燃料等を炉の外部で外熱により加熱するか又は燃
焼排ガスで加熱する方法と、炉内で直接に燃焼熱を利用
して加熱する方法とが考えられる。本発明では、高級な
材料を使う熱交換器を使わないですむ等の理由で後者の
方法を採用した。

噴霧流体により噴霧された燃料混合物を炉内で加熱する
には炉の熱的密閉度を高めて火炎及び炉壁温度を出来る
だけ高め、火炎や炉壁により水や水蒸気に輻射熱を与え
るのが良く、また、水の蒸発、水蒸気の加温が進行して
いる間は、混合物は出来るだけ冷たい空気に触れないこ
とが好ましい。

かかる考え方から、燃料の噴霧は予蒸発炉において行い
、燃焼用空気は、燃料噴霧流の円筒容器内における逆流
現象を利用して予蒸発炉の外周より徐々に加温しながら
燃料噴霧流と混合・拡散させる方式とした。

本発明により、予蒸発炉と燃焼室本体とを有し、予蒸発
炉は、一端が閉鎖し他端が開放した円筒形状のものであ
り、閉鎖端には予蒸発炉のほぼ中心軸線上に高含水燃料
の圧力噴霧ノズルが設けられ、開放端は燃焼室本体に連
結されており、予蒸発炉にはさらに、閉鎖端に隣接して
パイロットバーナーが、開放端に隣接して燃焼用空気供
給手段がそれぞれ設けられており、該燃焼用空気供給手
段は燃焼用空気が高含水燃料と同じ方向に流入するよう
になっている高含水燃料燃焼炉において、予蒸発炉は、
長さと内径の比が２．５〜１．５の範囲にあるように寸
法決めされ、かつ、バーナー容量換算で２ｘ１０７〜ｌ
Ｘ１０’〜１×１０７Ｋｃａｌ／ｍ３ｈの火炉負荷を有
することを特徴とする燃焼炉が提供される。

〔実施例〕

次に、図面を参照して実施例について説明する。

本発明の高含水燃料燃焼炉は、第１図に示されているよ
うに、鋼製の予蒸発炉１０を含んでいる。

予蒸発炉１０は、一端が閉鎖し他端が開放した円筒形状
のものであり、開放端の方が燃焼室本体２０に連結され
ており、閉鎖端には子蒸発炉１０のほぼ中心軸線上に燃
料の圧力噴霧ノズル１１が設けられている。また、予蒸
発炉１０には、閉鎖端の近くに、パイロットバーナー１
２が設けられており、開放端の近くに、燃焼用°空気入
口管１３、燃焼用空気ヘッダー１４及び燃焼用空気供給
枝管１５が取り付けられている。燃焼用空気供給枝管１
５は、燃焼用空気が高含水燃料と同じ方向に流入するよ
うな構造になっている。

次に、第２図を参照すると、炉の長さ（Ｌ）／炉の内径
（Ｄ）と火炎安定性との関係が示されている。図から分
かるように、Ｌ／Ｄが１．５〜２、５の範囲にある場合
に燃料噴霧流が逆流して火炎が安定するが、Ｌ／Ｄが１
．５以下の場合には火炎が吹き飛んだりブラック・ゾー
ンが形成されたりする可能性があり、Ｌ／Ｄか２．５以
上の場合には空気不足により火炎が消えてしまうおそれ
がある。従って、予蒸発炉１０は、火炉負荷範囲内にお
いて燃料噴霧流の逆流現象が起こるように、Ｌ（長さ）
／Ｄ（内径）が２．５〜１．５の範囲になるように寸法
決めされている。

予蒸発炉１０には耐火断熱材１６が張られておリ、炉の
外表面で火傷をしないような配慮がなされている。この
断熱材１６の材料や厚みについては特に制限はない。

次に、第３図を参照すると、火炉負荷（横軸）と安定燃
焼の度合および炉の経済性（縦軸）との関係が示されて
いる。図において、曲線Ａは火炉負荷の変化に対する安
定燃焼を度合を示しており、曲線Ｂは火炉負荷の変化に
対する炉の経済性の度合を示している。図から分かるよ
うに、火炉負荷が２　ｘ　］、　０　’　Ｋｃａ、１．
／　ｒｎ’　ｈ以下の場合には炉が小さすぎて火炎が不
安定であり、火炉負荷が１×１０７Ｋｃａｌ／　ｒｒｒ
　ｈ以下の場合には経済的なメリットが少ない。従って
、本発明では、バーナー容量換算で２　Ｘ　１０７〜Ｉ
　Ｘ　１０’　Ｋｃａｌ／ｒｎ’ｂの火炉負荷を有する
ように燃焼炉を設計した。

また、燃焼室本体２０の火炉負荷、伝熱コイルの有無等
については、特に制限はない。

次に、本発明の高含水燃料燃焼炉の作動について説明す
る。

まず、燃焼用空気が空気入口管１３、空気ヘッダー１４
及び空気供給枝管１５を通って、燃焼室本体２０内に入
る。一方、高含水燃料は、圧力噴霧ノズル１１を通り噴
霧流体である空気により炉内に噴霧され、火炎および灼
熱状態になっている耐火断熱材１６により加熱され、燃
料中の水分は蒸発、加温されるとともに噴霧流により惹
起される逆流現象（第１図において、１７）により燃焼
室本体２０から導入される空気と反応して燃焼し始める
。燃料噴霧流と空気は混合・拡散され、燃焼室本体２０
で燃焼が完結する。

次に、本発明の高含水燃料燃焼炉の効果を実験により検
証した結果について言及する。

実験に使用した高含水燃料は、重量比が１対１で低位発
熱量が３４００　Ｋｃａｌ／　ｋｇの木炭・水スラリー
である。木炭の平均粒径は２０μｍであり、その成分は
、固定炭素が７２．０重量％、揮発分が２２．１重量％
、固有水分が２．１重量％、灰分が３．８重量％である
。一方、予蒸発炉は、内径が２００ｍｍ、長さが４９０
ｍｍであり、燃焼室本体は、内径が５１０ｍｎ＋、長さ
が４５００ｍｍである。

実験によれば、燃焼炉において噴霧空気圧力３ｋｇ／　
ｃｒｆ　Ｇ、流量３ＯＮｒｎ’／ｈ、燃焼用空気９５Ｎ
　ｒｎ’　／　ｈ、木炭・水スラリー燃焼量４０　ｋｇ
／　ｈの条件で燃焼させ排ガス０２濃度３％で未燃損失
０．０４％の良好な自己燃焼ができた。

排ガス０２濃度３％におけるＣＯ濃度が２５ｐｐｍ、Ｓ
ＯＸ濃度が２０　ｐｐｍＸＮＯｘ濃度が２８０ｐｐｍ、
煤塵濃度が１．５〜１．８ｇ／Ｎｒｎ’（ｏ２＝０％換
算）であった。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明により、助燃剤等を必要と
することなしに、高含水燃料を自己燃焼させることが可
能となり、これにより、高含水燃料を燃料とする運転コ
ストの低い燃焼炉が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の高含水燃料燃焼炉の長さ方向断面図、
第２図は予蒸発炉の長さ／内径と火炎安定性との関係を
示す図、第３図は火炉負荷と安定燃焼及び炉の経済性の
メリットを示す図である。 予蒸発炉、 圧力噴霧ノズル、 パイロットバーナー 燃焼用空気入口管、 燃焼用空気入口ヘッダー 燃焼用空気供給枝管、 耐火断熱材、 燃焼用空気の逆流現象、 燃焼室本体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 予蒸発炉と燃焼室本体とを有し、予蒸発炉は、一端が閉
   鎖し他端が開放した円筒形状のものであり、閉鎖端には
   予蒸発炉のほぼ中心軸線上に高含水燃料の圧力噴霧ノズ
   ルが設けられ、開放端は燃焼室本体に連結されており、
   予蒸発炉にはさらに、閉鎖端に隣接してパイロットバー
   ナーが、開放端に隣接して燃焼用空気供給手段がそれぞ
   れ設けられており、該燃焼用空気供給手段は燃焼用空気
   が高含水燃料と同じ方向に流入するようになっている高
   含水燃料燃焼炉において、 予蒸発炉は、長さと内径の比が２．５〜１．５の範囲に
   あるように寸法決めされ、かつ、バーナー容量換算で２
   ×１０＾７〜１×１０＾７Ｋｃａｌ／ｍ＾３ｈの火炉負
   荷を有することを特徴とする燃焼炉。