JPH0412509B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (A) 発明の技術分野 本発明はパターン認識方式、とくに、認識対象
の輪郭の認識をおこなう輪郭認識方式に関する。

(B) 技術の背景 パターン認識技術の応用分野として、文書ある
いは書籍等の自動仕分けシステムがある。このよ
うなシステムにおいては、通常、仕分け対象物品
をコンベヤ等によつて移送し、表面に記した記
号・文字あるいは模様等のパターンの認識結果に
基いて仕分けをおこなうのであるが、認識の速度
および精度の向上等を図るため、認識プロセスの
一環として、予め認識対象の輪郭を認識し認識対
象を抽出する作業、いわゆる「切出し」をおこな
うことが多い。

(C) 従来技術と問題点 例えば前記文書等の自動仕分けシステムにおい
ては、従来、無地すなわちパターンのないコンベ
ヤを用い、認識対象の背景が均一であることが多
く、したがつて認識対象の生地が前記背景と一致
する場合が生じ易く、このような場合には切出し
ができなくなるという問題があつた。また背景に
パターンがある場合であつても、これを認識対象
の認識には不要なノイズとして除去しており、前
記と同様な問題を生じていた。

(D) 発明の目的 本発明は、認識対象の背景を、模様のあるパタ
ーン、例えば市松模様のように、濃淡が繰返す既
知のパターンとすることによつて、認識対象の輪
郭の認識を容易にかつ正確におこなうことを目的
とする。

(E) 発明の構成 本発明になる輪郭認識方式は、模様のある既知
パターンを背景とする認識対象を観測して得られ
る該認識対象の輪郭に関する少なくとも一部の観
測情報と、前記認識対象の輪郭の形状に関し予め
与えられている既知情報とによつて該認識対象の
輪郭の認識をおこなうようにしたものである。

(F) 発明の実施例 以下、本発明の要旨を実施例によつて具体的に
説明する。

第１図は本発明一実施例の原理説明図であり、
ａは直行する２方向に一定周期で現われる黒白の
繰返しパターン、すなわち市松模様Ａの白部と色
および輝度がともに等しい認識対象Ｂを観測した
ときに得られる観測パターンを示す。

またｂはａに示す観測パターンから得られる認
識対象Ｂの輪郭の一部、すなわちａにおいて、市
松模様の黒色部と認識対象Ｂとの境界線を実線に
よつて示す。

一方、認識対象Ｂの輪郭の状態が矩形である、
という既知情報が与えられておれば、ｂに示した
断片的パターンの間を直線によつて内挿あるいは
外挿することにより、認識対象Ｂの輪郭をｃのよ
うに完全に求めることができる。

若し、ｄに示すように、認識対象が市松模様と
全く同じパターンであつても、これらの間に位相
あるいは傾きの差が僅かでもあれば、ｅのように
して輪郭の一部が得られ、前記と同様にして完全
な輪郭を求めることができる。

第２図は前記実施例のシステムブロツク図を示
し、１は前記市松模様を背景として認識対象を観
測し第１図ａのような観測パターンを得る観測
部、２は前記観測パターンに対しノイズ除去処理
をおこなうメデイアンフイルタ、３はメデイアン
フイルタ２の出力パターンに対し１×３および３
×１の空間フイルタを用いウインドー演算をおこ
なうことによつて濃度勾配の大きい部分を検出し
例えば第１図ｄのような観測パターンに対しては
第３図ａのようなパターンを得るウインドー演算
部、４はウインドー演算部３の出力パターンから
既知の背景Ａの成分を除去し第３図ｂのようなパ
ターンを得る処理部、５は処理部５の出力パター
ンから外側のパターンのみを抽出し第１図ｅ実線
のようなパターンを得る抽出部、６は認識対象の
輪郭の形状が矩形であるという予め与えられてい
る既知情報Ｃによつて抽出部５の出力パターンの
間を内装あるいは外挿することによつて第１図ｃ
のようなパターンを得る決定部である。

上記実施例によれば、認識対象が背景と全く同
一の市松模様であり且つ位相が完全に一致する極
めて稀な場合を除き、認識対象の輪郭の認識を容
易にかつ正確におこなうことができる。なお、上
記実施例では、濃淡繰り返しパターンである市松
模様を用いた場合について述べたが、上記実施例
の説明から明らかなように、繰り返しパターンに
限られることなく、不規則な模様のパターンを用
いた場合にも同様にして認識対象の輪郭の認識を
おこなうことができる。

(G) 発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、認識対
象の模様が背景の模様と全く同一であり且つ位置
や方向のずれがなく両者の模様が完全に一致する
場合を除き、認識対象が背景に埋没することな
く、観測パターンから認識対象の少なくとも一部
の輪郭が得られ、予め与えられている輪郭に関す
る既知情報とによつて、認識対象の輪郭のすべて
を容易に且つ正確に認識することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の原理説明図、第２図
は本発明一実施例のシステムブロツク図、第３図
は第２図の一部の機能説明図を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 模様のある既知パターンを背景とする認識対
   象を観測して得られる該認識対象の輪郭に関する
   少なくとも一部の観測情報と、前記認識対象の輪
   郭の形状に関し予め与えられる既知情報とによつ
   て該認識対象の輪郭の認識をおこなうことを特徴
   とする輪郭認識方式。 ２ 背景とする模様のある既知パターンは濃淡の
   繰り返しパターンであることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の輪郭認識方式。