JPH04124471A - セミスパイラルケーシングを有する水力機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、セミスパイラルケーシングを有する水力機械
に係り、特に水流の衝突損失および摩擦損失が少なく、
効率が優れた水力機械に関する。

（従来の技術） 比較的低落差で大容量の水車では、ケーシングをコンク
リートで製作することが知られている。

特に立軸プロペラ水車ではケーシング流路をコンクリー
トで製作し、セミスパイラルケーシングとすると、建設
コストが低減し、また技術的に容易となる。

このセミスパイラルケーシングは溶接構造である一般的
なフルスパイラルケーシングとは全く異なった形状であ
り、設計方針も異なっている。

第４図は、従来のセミスパイラルケーシングを有する水
力機械の平面図を示す。

符号７の部分には鉛直方向の回転軸を有するランナが取
り付けられており、ケーシング流路１から流入する流水
によって回転する。

このケーシング流路１内のランナ７の周囲には、ランナ
羽根に流入する水量の調整をするためのガイドベーン４
が取り付けられており、さらにその外側には、流水を整
流するための複数のステーベーン３が設けられている。

このステーベーン３はケーシング１の上板と下板とを支
持する支柱としての役割をも併せて有する。

ケーシング流路１の側面から突き出したケーシングノー
ズ５は、ステーベーン３およびガイドベーン４とともに
水流を制御するものであり、なだらかな曲面を有し、ケ
ーシング流路の水流が羽根車の片側のみから背面に回り
込み、流水ができるだけ均等に羽根車に流れ込むように
制御する。

またケーシング流路の上流部にはケーシング流路を支持
するケーシングビア２を有する。

このような水力機械では、取水口（図示しない）から取
水された水はセミスパイラルケーシング１を通りランナ
７に導かれるが、ケーシングノーズ５がランナ７の片側
の側面を通過しようとする水流を遮断するように突き出
しており、水流の一部はケーシング流路１の反対側の水
車側方１ａを通過して背面へ回り込むように流れる。そ
してランナ７の周囲全周に設けられ、ランナ７のほぼ接
線方向を向いたステーベーン３とガイドベーン４によっ
て整流され、渦流となってランナ７の全周からほぼ均等
に流入する。この流水によってランナ７に回転力が付与
される。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記のような水力機械では、下記のよう
な問題点を有している。

第４図中に示す矢印６は、ケーシング流路内に生じる水
流の方向の一例を示したものである。ランナ７の中心線
８より右側の領域では、水流の方向がステーベーン３の
取り付は角度にほぼ一致し、急変することなく流れ、ラ
ンナ７に導かれている。

しかし、ランチ中心線８より左側の、ケーシングノーズ
５近傍の領域では、ステーベーン３の取付角度に対して
、大きな角度を有する方向に流れている。このような状
態では、水流の方向がステーベーン３によって急変され
、衝突損失や摩擦損失が増大し、水車効率が低下する。

またステーベーン３の方向を是正しようとしても、この
領域の流れの方向は、ケーシングノーズ５の位置、ケー
シング流路１の断面形状、及び周辺部の形状に影響され
、多少の変更によってまったく異なった方向となる等複
雑であり、最適なステーベーンの形状及び取付角度を特
定することは極めて困難である。

このような問題を解決しようとして、例えば、時開、昭
６２−４５９７７号に示される水力機械が提案されてい
る。

これはケーシングノーズ近辺の複数枚のステーベーン先
端に案内羽根を装着し、流れを整流してステーベーンへ
の流入角度を均一化するものである。しかし、この水車
では効率の顕著な改善は認められず、むしろ効率が低下
することもある。

そこで本考案の目的は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、セミスパイラルケーシング流
路のケーシングノーズ近傍にあるステーベーンでの入口
衝突損失、摩擦損失を低減し、水車効率の良好な水力機
械を提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本発明では、ケーシング流
路内のランチとガイドベーンの外側に配列したステーベ
ーンを全周には配設せず、羽根車の上流側であってケー
シングノーズに近い部分に、ステーベーンがない部分を
設ける。

また、上記ステーベーンがない部分の近傍に円形の支柱
を設けることもできる。

（作　用） 上記のような構成の水力機械では、ケーシングノーズ近
傍で流れが複雑となるが、この部分でのステーベーンに
よる入口衝突損失、及び摩擦損失がなくなり、水車の効
率が向上する。

またこの付近に円形断面の支柱を設けると、損失はほと
んど増大することなく、ケーシングの上板と下板とが連
結され、これらを支持することができ、充分な強度を有
するケーシングとなる。

（実施例） 以下本発明による水力機械の一実施例を図を用いて説明
する。

第１図は、本発明の一実施例である水力機械の平面図で
あり、主軸が鉛直方向となるように設置され、水流によ
って回転するランナ７と、取水口（図示しない）から導
入された流水をこのランナ７に導くセミスパイラルケー
シング１とを有している。

セミスパイラルケーシング１はコンクリートによって製
作されており、ケーシングノーズ５はケーシング流路１
の一方の側面から羽根車のほぼ接線方向に突き出し、ケ
ーシング流路１の側面近くの流れの方向を変えて、ラン
ナ７の回転方向（図中矢印）と一致するほぼ接線方向の
流れにする。

ケーシング流路１の他方の側面はランナ７との間に流水
幅１ｂを有し、羽根車の背面に回り込んで流水幅が徐々
に狭くなるように構成されている。

ランナ７が設置された部分の周囲にはガイドベーン４が
全周にわたり等間隔で配列され、さらにその外側にはス
テーベーン３が配列されている。

たたし、ランナ７の上流側において、羽根車中心線８か
らケーシングノーズ５までの間１１にはステーベーン３
は設けられていない。これらのガイドベーン４とステー
ベーン３はランナ７のほぼ接線方向に向けられ流水を整
流するようになっている。

このような水力機械では、取水口（図示しない）からケ
ーシング流路１に導かれた水流は、ケーシングノーズ側
では大きく流れの方向が変えられ、反対側ではケーシン
グ流路の側面に沿ってランナ７の背後に回り込み、ステ
ーベーン３とガイドベーン４に整流され、はぼ均等な渦
流となって羽根車７を回転させる。このときケーシング
ノーズ５付近では流れの方向が複雑となるが、ステーベ
ーンがこの部分だけ設けられておらず、衝突損失、摩擦
損失の要因が減少して水車の効率が向上する。

第２図は、上記の構成を有する室軸可動ランナーベーン
式プロペラ水車と、従来の全周にわたりステーベーンを
有する同じ水車との水車効率値を併せて示したものであ
る。上記構成のプロペラ水車では、従来の水車と比較し
て０．３〜０．５％程度効率が向上している。

第３図は、本発明の他の実施例を示す平面図であり、ラ
ンナ７の上流側のケーシングノーズ５付近にステーベー
ンがない部分を設けるとともに、その部分の近傍に円形
断面の支柱１０をほぼ垂直に設けたものである。ステー
ベーンは整流作用とともにケーシングの上下板を連結し
てこれらを支持する強度部材の一部を成しており、ステ
ーベーンがない部分を設けると強度が不足することがあ
る。円形断面の支柱を設けると損失はほとんど増加する
ことなくケーシングが補強され、充分な強度となる。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように本発明によれば、セミス
パイラルケーシング流路内のケーシングノーズ近傍をス
テーベーンがない部分とすることによって、衝突損失お
よび摩擦損失が減少し、水車の効率が上昇して安定した
運転が可能な水力機械を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例であるセミスパイラルケー
シング流路を有する水力機械の概略平面図、第２図は、
上記実施例の水力機械と従来の水力機械との効率を比較
した図、第３図は、本発明の他の実施例である水力機械
の概略平面図、第４図は、従来のセミスパイラルケーシ
ング流路を有する水力機械の概略平面図である。 １・・・セミスパイラルケーシング、２・・・ケーシン
グビア、３・・・ステーベーン、４・・・ガイドベーン
、５・・・ケーシングノーズ、７・・・ランナ、１ｏ・
・・支柱、１１・・・ステーベーンを設けない範囲。 出願人代理人　　　佐　　藤　　−雄

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、水流によって回転するランナと、これに水流を導く
   セミスパイラルケーシングと、このケーシング内の前記
   ランナの周囲に配列されるガイドベーンと、その外側に
   配列される複数のステーベーンとを有する水力機械にお
   いて、前記ランナを包囲する円周上であって、ランナの
   上流側に、ステーベーンを配列しない部分を有し、他の
   円周上部分にはステーベーンを配列したことを特徴とす
   る水力機械。 ２、前記ケーシング内の前記ステーベーンを配置しない
   部分の近傍に、円形の支柱を設けたことを特徴とする請
   求項１記載の水力機械。