JPH04124426U - 電子式ガスメータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭用ガスメータの器差評価を行なうのに、
短かい計測時間で誤差１％以下にできるようにする。 【構成】 ガスメータの計量部１３は計量体積が０．１
リットル以下のフルィディック素子を用いる。表示部１
２は最小表示が１リットルの７桁表示であるが、器差評
価を行なうときは、ガスメータの外部に設けた設定器１
６から表示桁切換信号を発信する。この信号をガスメー
タの受信部８で受信し、表示部１２の表示桁の単位を最
小表示０．１リットルに切換えて表示桁をシフトする。
こうすると、器差評価時の通過ガス量は従来の１／１０
に減らしても計測精度は悪くならない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電子式ガスメータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

家庭用膜式ガスメータは、膜の往復動を回転運動に変換して機械式の数字車を 回転させ、この数字車でガス使用量を表示していた。数字車は、１０進７桁で、 下位３桁はリットル表示、上位４桁はｍ³ 表示であり、最大９９９９ｍ³ ９９９ リットルまでの表示ができた。そして膜の計量体積は１リットルに近い値である ため、これより下位桁の表示は構造上実現できなかった。

【０００３】 このような家庭用ガスメータの器差評価を行なうには、家庭用ガスメータの表 示値を読み基準メータとの通過体積を比較することで行なっているが、誤差を１ ％以下に押さえるように計測精度を考慮する必要があるため、通常被評価メータ の最小表示桁の１００倍以上の量のガスを通過させて行なっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の家庭用膜式ガスメータでは、要求される計測精度で器差評価を行な うためには、膜の計量体積が１リットルに近く、その１００倍以上の量のガスを 通過させるのに長時間を要し、計測時間が長くかかるという問題があった。 本考案はこのような問題点を解消できる家庭用ガスメータを提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の電子式ガスメータは、計量部（１３）に 計量体積０．１リットル以下のフルイディック素子を用い表示部（１２）に１０ 進複数桁の電子表示素子を用いたフルイデックガスメータであって、ガスメータ のケース外部に配設された設定器（１６）から発信されるパターン化された表示 桁切換信号を受信するための受信部（８）と、この受信部（８）で受信した信号 を読み取るデコード部（９）と、デコード部（９）で読み取った内容を判断する 判断部（１０）の出力に基いて前記表示部（１２）の表示桁の単位を切換えて表 示桁のシフトを行なう表示桁シフト（１１）とを具備したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

通常は、表示部（１２）の最小表示桁は、従来技術と同様にリットル単位まで を表示しているが、器差評価を行なうときは、設定装置（１３）をガスメータの ケース外部に近接配置し、パターン化（コード化）した表示桁切換信号を設定器 から発信する。ガスメータは、この信号を受信部（８）で受信し、デコード部（ ９）で読み取り、内容を判断部（１０）で判断し、その出力に基いて前記表示部 （１２）の表示桁のシフトを１桁下げる。すなわち、メータを分解せずに外部か ら操作することにより一つの表示部の表示桁数は同じで、表示桁の単位を１桁下 げ、０．１リットルまで表示する。この状態で器差評価を行なうと通過ガス量は 従来の１／１０にしても計測精度は悪くならない。

【０００７】

【実施例】

図２は本考案の電子式ガスメータの略図で、１はケース、２と３はガスの入口 と出口とからなる口金、４はリードスイッチでプリント配線板５に実装されてい る。６は１０進７桁の数字表示をする液晶表示器で、プリント配線板５に実装さ れている。口金２からガスメータに入ったガスは計量部７で計量されて口金３か ら流出する。計量部７は周知のフルイディック素子を備えていて、流量に比例し た周波数の流体振動を発生する。この流体振動は内蔵の圧力センサで電気信号に 変換され、マイクロコンピュータで計数演算され、ガス使用量として液晶表示器 ６で数字表示される。

【０００８】 図１で、１は前記ケース、８は前記リードスイッチ４を備えた受信部、９は受 信部８で受信した信号を読み取るデコード部、１０はデコード部で読み取った内 容を判断する判断部、１１は表示桁シフト側で判断部１０の出力に基いて表示部 １２の表示桁の単位を切換えて表示桁のシフトを行なう。表示部１２は前記液晶 表示器６を有していて１０進７桁の数字表示を行ない、通常は上位４桁がｍ³ 表 示、下位３桁がリットル表示で、最大９９９９ｍ³ ９９９リットルまでを表示し ている。１３は前記フルイディツク素子１４を備えた計量部、１５はフルイディ ック素子の液体振動を検出して電気信号に変換する圧力センサである。

【０００９】 １６はケース１の外部に、前記受信部８に対向して配置した設定器で、表示桁 をシフトさせるときには、表示桁切換信号をパターン化（コード化）して電磁信 号として発信する。設定器１３とリードスイッチ４は図３に示すようにケース１ を介して対向配置され、リードスイッチ４は、設定器１６の表示桁切換信号に応 じてＯＮ．ＯＦＦする（図４）。図示の例では、Ｔ秒間の間に３回ＯＮ．ＯＦＦ を繰り返す電磁信号が設定器から発信されているが、このようにするには設定器 １６内に電磁石を設け、その電磁石を励磁する電流をＯＮ．ＯＦＦすることで行 ない、電磁石の磁界をケース１を貫通してリードスイッチ４に作用させる。リー ドスイッチ４を有する受信部（８）の受信信号は、デコード部９で読み取られ、 判断部１０で表示桁切換信号であることを判断し、判断部１０の出力に基いて表 示桁シフト部１１が表示部１２の表示桁の単位を切換えて表示桁を１桁ずつ下位 にシフトさせ、９９９ｍ³ ９９９リットル９の表示に変更する。このことで０． １リットルの表示まで表示する。

【００１０】 従って器差評価を行なうに当り、１％の計測精度で行なうには、従来技術に比 較して１／１０のガス量を通過させるだけで良く、１／１０の時間で計測できる 。器差評価作業を終了したあとは、表示をリットル以上に戻すように、設定器か ら上述とは違うパターンの表示切換信号を発信して、通常の表示に戻すように表 示桁を１桁だけ上位にシフトさせる。１７はガスメータに内蔵したマイクロコン ピュータで、前記デコード部９、判断部１０、及び表示桁シフト部１１等の機能 を果たす。

【００１１】

【考案の効果】 本考案の電子式ガスメータは上述のように構成されているので、表示桁数は従 来と同様に１０進７桁でよく、表示素子や駆動回路の桁数が増大しないのでコス トの増大を招くことはないままで、器差評価時の表示単位を下位にシフトさせ、 その結果、計測時間を短縮して器差評価の作業能率をあげることができる。又、 表示桁切換信号をパターン化することにより、外乱とか、いたずらによる誤動作 が防止できる。

【００１２】 更に又、設定器からの電磁信号をガスメータ内のリードスイッチで受信するよ うにしたものでは、設定器とかガスメータを電気的に接続する必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すブロック線図。

【図２】同斜視図。

【図３】同設定器とリードスイッチとの対向関係を説明
する一部縦断面図。

【図４】同リードスイッチの作動を説明する説明図。

【符号の説明】

４ リードスイッチ ８ 受信部 ９ デコード部 １０ 判断部 １１ 表示桁シフト部 １２ 表示部 １３ 計量部 １６ 設定器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000142425 株式会社金門製作所 東京都板橋区志村１丁目２番３号 (71)出願人 000156813 関西ガスメータ株式会社 大阪府大阪市東成区東小橋２丁目10番16号 (72)考案者 植木 孝 東京都大田区南久が原１−11−３ (72)考案者 酒井 克人 東京都足立区千住柳町20−９ (72)考案者 岡村 繁憲 大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)考案者 南 忠幸 大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)考案者 佐藤 泰生 愛知県東海市新宝町507−２ 東邦瓦斯株 式会社総合技術研究所内 (72)考案者 安田 弘一 愛知県東海市新宝町507−２ 東邦瓦斯株 式会社総合技術研究所内 (72)考案者 神田 廣一 愛知県名古屋市熱田区千年一丁目２番70号 愛知時計電機株式会社内 (72)考案者 大池 英行 東京都板橋区志村一丁目２番３号 株式会 社金門製作所内 (72)考案者 澁谷 忠夫 大阪市東成区東小橋二丁目10番16号 関西 ガスメータ株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 計量部（１３）に計量体積が０．１リッ
   トル以下のフルィディック素子を用い表示部（１２）に
   １０進複数桁の電子表示素子を用いたフルィディックガ
   スメータであって、ガスメータのケース外部に配設され
   た設定器（１６）から発信されるパターン化された表示
   桁切換信号を受信するための受信部（８）と、この受信
   部（８）で受信した信号を読み取るデコード部（９）
   と、デコーード部（９）で読み取った内容を判断する判
   断部（１０）の出力に基いて前記表示部（１２）の表示
   桁の単位を切換えて表示桁のシフトを行なう表示桁シフ
   ト部（１１）とを具備したことを特徴とする電子式ガス
   メータ。
2. 【請求項２】 受信部（８）がリードスイッチ（４）を
   備え、設定器（１６）の電磁信号によりリードスイッチ
   （４）が作動する請求項１の電子式ガスメータ。