JPH04123133U - 引出しの鏡板取付け角度調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立て式引出しの鏡板取付け角度調整の操作
性をよくし、外観を美麗に仕上げ、かつ、当該取付角度
が外力により狂うことを防止する。 【構成】 ガードバー１の前端部の雄ねじ部４に、アジ
ャスタースクリュー２とロックナット３をねじ込み、該
ロックナット３でアジャスタースクリュー２を軸方向に
締着自在として、上記雄ねじ部４を覆う。鏡板１１に埋
設したインサートブッシュ１０の取付孔１０ａに、アジ
ャスタースクリュー２の前端に突設の引っ掛け部８を斜
めに挿入した後、水平にして上記インサートブッシュ１
０に掛止する。ガードバー１の後端である取付部６を引
出し構成部品の取付金具５に回り止め状態で固定し、ロ
ックナット３を緩めアジャスタースクリュー２を回転し
て鏡板１１の取付け角度を調節した後、ロックナット３
で締着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数個の部品により組立てられる引出しにおいて、その手前側に配 設される所謂鏡板の取付け角度を調整可能とした鏡板角度調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、一体で製造される引出しの他に、アルミニウム等の金属材料などを用い るようにした引出しでは、これを複数個の部品によって組立てるようにしたもの が知られている。 このような引出しは、図３に例示したようにレールａと一体である左右の側板 ｂ、ｂと後板ｃとが取付金具ｄ、ｄを介してビスｅ‥‥‥により固定されると共 に、両側板ｂ、ｂの前端と鏡板ｆとをビスｇ‥‥‥により固定することで組立て られる。 しかしこのような組立構成だけでは、各部品相互の連結強度に難点があること から、両取付金具ｄ、ｄ間に補強材としてのガードバーｈを、ビスｉにより螺止 することで架設したり、さらに、引出しを家具本体に差し込んだ後に、家具に対 する鏡板の嵌め具合を修正するため、当該鏡板の取り付け角度を調整可能とした 鏡板取付け角度調整機ｊをも備えるようにしている。

【０００３】 これまでの上記鏡板取付け角度調整機構としては図４に示す如きものが知られ ている。 すなわち、引出しの鏡板ｆの内面に打ち込んで埋設されるインサートブッシュ ｋと、その取付孔ｌに対して、斜めの方向から挿入回転自在に掛止されるように した引っ掛け部ｍを前端に有し、かつ、後端には軸方向に長い螺孔ｎを有するガ ードバーｏと、後板ｃにねじｐにて固定され、前記ガードバーｏの螺孔ｎにねじ 込まれるねじ棒ｑとからなっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 上記鏡板取付け角度調整機構によるときは、ガードバーｏ自体を回転して、こ れと後板ｃに固設のねじ棒ｑとのねじ込み量を調整し、これにより鏡板ｆの取付 け角度調整が行ない得ることとになる。 しかし乍ら、ガードバーｏは可成り長尺であるため、これを片手で回転するの は容易でなく、両手を使わねばならなくなったり、前記ねじ棒ｑの基部が調節代 部ｒとなるので、当該調節代部ｒが露呈してしまい外観上の体裁も悪い。 このため、図中二点鎖線で示したように、上記調節代部ｒを別途用意したカバ ーｓで覆う等の構成を付加したり、また、ガードバーｏとねじ棒ｑとの緩み止め 手段もないため、引出し抽送時の振動等によって、ガードバーｏが緩んで回転し てしまい、鏡板ｆの取付け角度に不本意な狂いを生じ易いだけでなく、一対の長 尺なガードバーｏの間に、既知の如く図示しない仕切り部材を跨設することとな り、この結果ガードバーの回転操作は、当該仕切り部材との摺動により益々行い にくくなる等の問題点がある。

【０００５】 本考案は、上記従来装置の有するこのような難点に鑑みなされたもので、鏡板 の取付け角度調整を仕切り部材が跨装されている場合でも容易に、かつ操作性良 く行なうことができるようにすると共に、鏡板を当該調節角度にロックできるよ うにして狂いを生じないようにし、しかも、螺子部分なども見えないようにして 外観上も優れた引出しの鏡板取付け角度調整機構を提供しようとするのが、その 目的である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の引出しの鏡板取付け角度調整機構は、前 端にあって軸方向に長い雄ねじ部を有し、後端に引出し構成部品である取付金具 の溝部に嵌め込んで非回転に固定自在である取付部を有するガードバーと、鏡板 内面に埋設されたインサートブッシュの取付孔に対し、斜めに挿入して回転自在 なるよう掛止される引っ掛け部が前端に突設されると共に、前記ガードバーの雄 ねじ部に軸方向へ移動自在なるようねじ込まれる螺孔が後端の長さ方向に刻設さ れたアジャスタースクリューと、前記雄ねじ部における上記アジャスタースクリ ューを、軸方向へ締付け可能なるよう当該雄ねじ部にねじ込まれるロックナット とを備え、前記アジャスタースクリューの回転操作により鏡板の取付け角度調整 を、ロックナットの回転操作により上記締付けを夫々行ない得るようにしてなる 引出しの鏡板取付け角度調整機構を提供するものである。

【０００７】

【作用】

予め鏡板の内面に埋設してあるインサートブッシュの取付孔に対し、ガードバ ーを前傾姿勢に傾斜させ、その引っ掛け部を斜めに挿入した後、水平状態に回動 して掛止し、ガードバー後端の取付部は取付金具の溝部に合わせて嵌め込み、ビ ス止めより固定する。 このようにすることで鏡板と取付金具とはガードバーと、これに螺合したアジ ャスタースクリューによって連結されるから、ロックナットを回転して後退させ ることで、これをアジャスタースクリューとの締着状態から解くことができ、当 該アジャスタースクリューは回転可能となる。

【０００８】 アジャスタースクリューを回転操作すると、その引っ掛け部がインサートブッ シュに掛止したままの状態で当該アジャスタースクリューは回転し、ガードバー の雄ねじ部に対して螺動して長さ方向に移動する。 従って、アジャスタースクリューを前方に移動する方向に回転させれば、鏡板 は前方へ傾動し、これと反対方向にアジャスタースクリューを回転すれば鏡板は 後方へ傾動することとなるから、上記アジャスタースクリューの回転により、鏡 板は任意の取付角度に調整される。

【０００９】 鏡板の取付け角度調整後、ロックナットを回転し、アジャスタースクリュー側 へ移動させ、両者を軸方向に締め付けることで当該アジャスタースクリューはロ ックされ、これにより、鏡板は予め調整された取付け角度に固定されると共に、 ロックナットによってアジャスタースクリューの回転は阻止されているため、引 出しの抽送時における振動等によって鏡板の角度に狂いを生じることがなくなる 。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。 図１及び図２に示したように、横断面真円形状のガードバー１は、その前端部 外周にあって、アジャスタースクリュー２及びロックナット３のねじ込まれる雄 ねじ部４が、軸方向に長く刻設されていると共に、後端には取付金具５に対する 取付部６が設けられている。 上記取付部６としての図示例では、ガードバー１の後端両側に欠円部６ａ、６ ａを対称に設けられることで横断面略小判状に形成してあるが、これ以外に楕円 状、多角形状等としてもよく、当該取付部６と対応するように上記取付金具５に 溝部７を設け、これに嵌め込むことでガードバー１の軸廻り方向の回転を阻止す る。

【００１１】 上記アジャスタースクリュー２は、その前端中心に、後述するインサートブッ シュに着脱自在なるよう掛止する引っ掛け部８が一体に突設させてあると共に、 後端の中心には螺孔９が軸方向に長く穿設され、上記ガードバー１の雄ねじ部４ に、回転することで軸方向へ移動可能なるようねじ込んである。 上記引っ掛け部８は、その基部８ａが横断面円形に形成され、図１に示す如く 、インサートブッシュ１０の取付孔１０ａに挿入係合した状態で、当該引っ掛け 部８がアジャスタースクリュー２と共に軸廻り方向に対して円滑に回転できるよ うになっている。

【００１２】 また、引っ掛け部８は、ガードバー１、アジャスタースクリュー２を、図１に 二点鎖線で示したように引出しの鏡板１１側へ傾斜下降させた状態で、上記イン サートブッシュ１０の取付孔１０ａに挿入可能にして、かつ挿入後、水平状態と することで図１の実線で示した如く、上記取付孔１０ａの周縁内面に掛止可能な るよう上下両側に対称な傾斜面８ｂ、８ｂを形成し、これにより、先端を狭幅と した側面略三角形状の板状部８ｃが基部８ａから前方へ一体に突設され、該板状 部８ｃの基部上縁には、上記インサートブッシュ１０の取付孔１０ａにおけるテ ーパ状とした内周縁と掛止する突部８ｄが一体に形成されている。 ここで、インサートブッシュ１０は既知の如く、外周面に断面略鋸刃状とした 複数個の環状突起１６‥‥‥が設けてあり、鏡板１１に予め穿孔しておいた小径 孔に打ち込んで固定される。

【００１３】 前記ロックナット３は、アジャスタースクリュー２が、その調節代ｔの範囲内 で軸方向に移動調整されたとき、上記ガードバー１の雄ねじ部４を完全に覆って 該雄ねじ部４が外部に露呈されない長さに形成され、そのねじ孔１２の上記アジ ャスタースクリュー２と反対側には、ガードバー１の雄ねじ部４以外の部分が内 装される座ぐり１３が設けられている。 さらに、上記アジャスタースクリュー２とロックナット３の外周には長さ方向 にローレット１４、１５を刻設してある。

【００１４】 上記のものを用いるには、先ず、鏡板１１の内面に予め打ち込み固定してある インサートブッシュ１０の取付孔１０ａに、アジャスタースクリュー２の引っ掛 け部８を、その先端側を傾斜下降させた状態で挿入した後、水平にすることで、 突部８ｄが取付孔１０ａの周縁内面に掛止し、これにより当該アジャスタースク リュー２はインサートブッシュ１０に回転自在なるよう掛止される。 次いで、ガードバー１の後端取付部６を取付金具５の溝部７に合わせて嵌め込 んだ後、ビス１７により固定し、鏡板１１と取付金具５とを連結する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、鏡板の取付け角度調整に 際して、長尺のガードバーを回転するのではなく、短尺のアジャスタースクリュ ーを回転するようにしたので、片手でも容易かつ、円滑に回転できて操作性が頗 る良くなると共に、回転しないガードバーに仕切り部材を跨装すればよいので、 アジャスタースクリューの回動操作が阻害されることもなく、ロックナットによ ってガードバーとアジャスタースクリューとのねじ込み部分が固定されるから、 引出しの抽送動作時に生じる振動等によって緩むことがなく、鏡板の調整された 角度が長期間にわたって維持され、また、調節代及びガードバーの雄ねじ部はア ジャスタースクリュー及びロックナットによって覆われ、外部に露呈しないので 、外観上も意匠的に優れたものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る引出しの鏡板取付け角度調整機構
を示す一実施例の縦断側面図である。

【図２】同上実施例の平面図である。

【図３】従来の鏡板取付け角度調整機構を備えた引出し
の斜視図である。

【図４】従来の引出しの鏡板取付け角度調整機構を一部
断面して示した側面図である。

【符号の説明】

１ ガードバー ２ アジャスタースクリュー ３ ロックナット ４ 雄ねじ部 ５ 取付金具 ６ 取付部 ７ 溝部 ８ 引っ掛け部 ９ 螺孔 １０ インサートブッシュ １０ａ 取付孔 １１ 鏡板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前端にあって軸方向に長い雄ねじ部を有
   し、後端に引出し構成部品である取付金具の溝部に嵌め
   込んで非回転に固定自在である取付部を有するガードバ
   ーと、鏡板内面に埋設されたインサートブッシュの取付
   孔に対し、斜めに挿入して回転自在なるよう掛止される
   引っ掛け部が前端に突設されると共に、前記ガードバー
   の雄ねじ部に軸方向へ移動自在なるようねじ込まれる螺
   孔が後端の長さ方向に刻設されたアジャスタースクリュ
   ーと、前記雄ねじ部における上記アジャスタースクリュ
   ーを、軸方向へ締付け可能なるよう当該雄ねじ部にねじ
   込まれるロックナットとを備え、前記アジャスタースク
   リューの回転操作により鏡板の取付け角度調整を、ロッ
   クナットの回転操作により上記締付けを夫々行ない得る
   ようにしてなる引出しの鏡板取付け角度調整機構。