JPH04121395U - ベース配線構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベース配線の配線インダクタンスに起因する
並列トランジスタモジュール間の動作タイミングのず
れ、この動作タイミングのずれが招く上記トランジスタ
モジュールの破損を生じ難くして信頼性を向上すること
ができるベース配線構造を提供することを目的とする。 【構成】 並列接続された複数のトランジスタモジュー
ルＴ_r1〜Ｔ_r3の各々が、コイルユニット５を挿入された
専用のベース配線２１〜２３を通して共通のベース駆動
回路１に直接に接続され、上記コイルユニット５が、ベ
ース配線のベース側配線２_B1、２_B2、２_B3とエミッタ側
配線２_E1、２_E2、２_E3のそれぞれに挿入された同極性の
コイル５_B 、５_E からなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、並列接続され共通のベース駆動回路により駆動される複数のトラン ジスタモジュールのベース配線構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、電圧形インバータの主回路を示したもので、インバータＩＮＶの各相 アームは、並列接続したトランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3（Ｕ、Ｖ、Ｗ 各相のこのモジュール並列回路をＳ_UP、Ｓ_UN〜Ｓ_WP、Ｓ_WNで示す）からなる。Ｅ _D は直流電源、Ｃはコンデンサ、ＩＭは３相誘導電動機等の交流負荷である。

【０００３】 各相のトランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3は、同時にＯＮ／ＯＦＦする ように、各々、図３に示す如く、共通のベース駆動回路１から共通のベース配線 ２と、分岐ベース配線３、４を通してベース電流を供給される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このベース配線構造の場合、ベース駆動回路１と各トランジスタモジュールＴ _r1 、Ｔ_r2、Ｔ_r3間の配線インダクタンスが異なるために、過渡的には、ベース駆 動回路１からのベース電流は同時には流入せず、ベース配線２に直接に接続され ているトランジスタモジュールＴ_r1には最先に流れ、微小時間遅れてトランジス タモジュールＴ_r2に、更に微小時間遅れてトランジスタモジュールＴ_r3に流入す る現象が生じ、トランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3の動作タイミングにバ ラツキが発生する。このような動作タイミングのバラツキが発生すると、各トラ ンジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3のコレクタ電流がアンバランスになるので 、エミッタ相互間に図にｅで示す起電力が生起し、この起電力により図にｉεで 示すループ電流で流れ、ループ間に振動あるいは発振現象が起こり、これが原因 して、トランジスタモジュールの破損を招くことがある。

【０００５】 本考案はこの問題を解消するためになされたもので、ベース配線の配線インダ クタンスに起因する並列トランジスタモジュール間の動作タイミングのずれ、こ の動作タイミングのずれが招く上記トランジスタモジュールの破損を生じ難くし て信頼性を向上することができるベース配線構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、並列接続された複数のトランジスタモジュ ールの各々が、コイルユニットを挿入された専用のベース配線を通して共通のベ ース駆動回路に直接に接続され、上記コイルユニットが、ベース配線のベース側 配線とエミッタ側配線のそれぞれに挿入された同極性のコイルからなる構成とし た。

【０００７】

【作用】

本考案では、並列接続の複数のトランジスタモジュールの各々が専用のベース 配線を通してベース電流を供給され、トランジスタモジュール間の動作タイミン グのずれが発生して前記起電力が生じても、該起電力によりエミッタ側配線を通 して流れようとするループ電流はエミッタ側配線中にあるコイルがこれを阻止す るような働く。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の１実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１において、２_B1、２_E1はトランジスタモジュールＴ_r1のベース配線２１を 構成するベース側配線およびエミッタ側配線であって、各々にコイルユニット５ のコイル５_B 、５_E が挿入されている。２_B2、２_E2はトランジスタモジュールＴ _r2 のベース配線２２を構成するベース側配線およびエミッタ側配線であって、各 々にコイルユニット５のコイル５_B 、５_E が挿入されている。２_B3、２_E3はトラ ンジスタモジュールＴ_r3のベース配線２３を構成するベース側配線およびエミッ タ側配線であってであって、各々にコイルユニット５のコイル５_B 、５_E が挿入 されている。ベース側配線２_B1、２_B2、２_B3は各トランジスタモジュールのベー ス端子Ｂとベース駆動回路１の出力端子Ｔ_B 間に接続され、エミッタ側配線２_E1 、２_E2、２_E3は各トランジスタモジュールのエミッタ端子Ｂとベース駆動回路１ のアース端子Ｔ₀ 間に接続されている。なお、コイル５_B 、５_E は同極性に挿入 されている。

【００１０】 このベース配線構造では、各トランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3のベー ス端子Ｂとエミッタ端子Ｅがベース駆動回路１に直接に接続されているので、各 トランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3相互間の動作タイミングのずれは生じ 難い。なお、コイル５_B 、５_E は同極性に挿入されているので、ベース電流はベ ース駆動回路１から各トランジスタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3へ通常に供給さ れる。

【００１１】 また、動作タイミングのずれに起因する前記起電力ｅが発生しても、トランジ スタモジュールＴ_r1、Ｔ_r2、Ｔ_r3の各エミッタ側配線２_E1、２_E2、２_E3には、コ イル５_E が挿入されているので、起電力ｅによるループ電流（図１に破線で示す ）ｉεが流れようとしても、コイル５_E がこれを阻止するように働くき、実質的 に阻止される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は以上説明した通り、並列接続の複数のトランジスタモジュールは各々 が直接にコイルユニットを介してベース駆動回路と接続され、このコイルユニッ トはループ電流だけを阻止するように働くので、ベース電流過渡時の動作タイミ ングのずれを生じ難くなり、動作タイミングのずれが生じても、これに起因する 起電力によるループ電流は阻止されるので、従来に比し、信頼性を向上すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す回路図である。

【図２】電圧形インバータの主回路の回路図である。

【図３】従来のベース配線構造を示す回路図である。

【符号の説明】

１ ベース駆動回路 ２_B1、２_B2、２_B3 ベース側配線 ２_E1、２_E2、２_E3 エミッタ側配線 ５ コイルユニット ５_B 、５_E コイル ２１〜２３ ベース配線 Ｔ_r1〜Ｔ_r3、 トランジスタユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 並列接続された複数のトランジスタモジ
   ュールの各々が、コイルユニットを挿入された専用のベ
   ース配線を通して共通のベース駆動回路に直接に接続さ
   れ、上記コイルユニットが、ベース配線のベース側配線
   とエミッタ側配線のそれぞれに挿入された同極性のコイ
   ルからなることを特徴とするベース配線構造。