JPH04120724U - 湿気供給器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】眼鏡そのものに特別な構造を求めることなく、
湿気の供給を長時間安定させ、水等の補給作業も簡単に
行なうことのできる湿気供給器具を得ること。 【構成】本考案は、液体を貯蔵する貯蔵部、この貯蔵部
内の液体を蒸発させる蒸発部、および上記貯蔵部と蒸発
部とを一体的に、他の部位に着脱させる着脱手段を有す
るものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、適度の湿気を例えば眼に供給することができる湿気供給器具に関す る。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

近年、ワープロやパソコン等の普及に伴い“ドライアイ”が増加している。こ の“ドライアイ”とは、涙液の量が減少する等して角結膜上皮に障害を引き起こ す症患であり、暖房の入っている室内等湿度の低いところで症状が悪化すること が知られている。この症患に対して、従来は人工涙液の点眼を行なう等で対処し ていたが、この治療は作用時間が短い等の問題点があった。

【０００３】 そこで、眼鏡フレームの眼球付近に対応させた位置に加湿スポンジを設け、こ の加湿スポンジを常時湿らせておくことにより眼球周囲の湿度を高く保ち、“ド ライアイ”を防ぐように、あるいはその治療に役立つようにした眼鏡が提案され ている。

【０００４】 しかしながら、この加湿スポンジを設けた眼鏡はスポンジが露出されているこ とから蒸発が早く、湿気の供給を長時間安定させることが難しく、またスポンジ を直接湿らせる構造なので、水の補給作業が面倒であった。さらに、加湿スポン ジを眼鏡フレームに取り付けるための特別な構造が必要であるから、コスト高と なるとともに通常の眼鏡使用者は使えず、不便であった。

【０００５】

【考案の目的】

本考案は、眼鏡そのものに特別な構造を求めることなく、湿気の供給を長時間 安定させ、水等の補給作業も簡単に行なうことのできる湿気供給器具を得ること を目的とするものである。

【０００６】

【考案の概要】

本考案は、液体を貯蔵する貯蔵部、この貯蔵部内の液体を蒸発させる蒸発部、 および上記貯蔵部と蒸発部とを一体的に、他の部位に着脱させる着脱手段を有す ることに特徴を有する。

【０００７】

【考案の実施例】

以下図示実施例に基づいて本考案を説明する。図１は、本考案を適用させた湿 気供給器具１１を示す側面断面図であり、図２はその正面図である。

【０００８】 湿気供給器具１１は、水を貯蔵する貯蔵部１２、この貯蔵部１２内の水を蒸発 させる蒸発部１３、およびこれらの貯蔵部１２と蒸発部１３とを連通させる連通 部１４を有している。この連通部１４は、合成樹脂製の貯蔵部１２から図の上方 に向けて突出成形させた連通路１４ａを有し、この連通路１４ａは前壁１４ｂお よび後壁１４ｃを有している。この連通路１４ａ内に介在された送液材（連通手 段）１５は、その一端部１５ａを貯蔵部１２の内方に垂らし、他端部１５ｂを前 壁１４ｂの外側つまり蒸発部１３に垂らしている。送液材１５には、吸水性の高 い紙、高分子シート、不織布等を使用するのが適当である。

【０００９】 この蒸発部１３には開口部１３ａが形成されており、この開口部１３ａには水 蒸発材１６が貼付されている。この水蒸発材１６は、100mm²〜500mm²が適当なサ イズであり、抗菌材処理等の抗菌性を持たせた紙、高分子シート、不織布等を用 いるのが良い。この水蒸発材１６の抗菌性によって、蒸発部１３内の送液材１５ の他端部１５ｂに雑菌が付かないようにされている。貯蔵部１２は、注水口１７ とこれを塞ぐ蓋体１８を有しており、その内容量は0.5ml 〜5.0ml が適当とされ る。本実施例の場合、抗菌処理は送液材１５および水蒸発材１６をイルガサンの アルコール溶液中に浸した後、乾燥させて行なった。また水蒸発材１６は送液材 １５に比べて目の細かいもの、あるいは厚みを持たせることによって、送液材１ ５から供給される液体の蒸発量を調整することができる。

【００１０】 後壁１４ｃの外側面に支持突起１９が設けられており、この支持突起１９には 、後壁１４ｃの外側面とでクリップ（着脱手段）２３を構成する押え部材２０が 回動可能に軸支されている。この押え部材２０はトーションスプリング２１によ りその一端部２０ｂを後壁１４ｃに当接することができる。この押え部材２０は 、金属製でもよいが、合成樹脂製とすれば、装着する部位例えば眼鏡フレームに 傷を付けない着脱手段とすることができる。押え部材２０の一端部２０ｂには軟 質ゴム材２２が貼付されていて、後壁１４ｃとの間で眼鏡フレームのアーム部２ ６に密着でき、かつ該アーム部２６に傷を付けないようにされている。

【００１１】 以上の構成を有する湿気供給器具１１は、次のように使用される。まず、貯蔵 部１２の注水口１７に螺合されている蓋体１８を取り外し、開放された注水口１ ７から水Ｗを図１に示す程度注入する。そしてこの状態の湿気供給器具１１を、 図３に示す眼鏡２５のアーム部２６のレンズ２７付近に装着する。この装着時、 押え部材２０の他端部２０ａと蒸発部１３の外周部とを指で挟み、押え部材２０ をトーションスプリング２１に抗して軟質ゴム材２２が後壁１４ｃから離れる方 向に回動させる。そして、水蒸発材１６が眼鏡２５の内側を向くように軟質ゴム 材２２と後壁１４ｃとの間にアーム２６を挟み込んで指を離す。すると、トーシ ョンスプリング２１の付勢力により押え部材２０が、後壁１４ｃとの間に位置す るアーム部２６に向けて回動し、軟質ゴム材２２をこのアーム部２６に密着させ 、後壁１４ｃとの間でアーム部２６を安定挟持する。

【００１２】 装着された湿気供給器具１１では、貯蔵部１２内の水Ｗが毛細管現象により送 液材１５に吸い上げられ、水蒸発材１６の裏側に位置する他端部１５ｂに送られ る。この他端部１５ｂの水分は、水蒸発材１６を通して外方に蒸発される。した がって、眼とレンズ２７との間に適度の湿気を常に供給することができるから、 ドライアイの防止等に効果を上げることができる。そして貯蔵部１２には、蒸発 部１３から長時間に亘って湿気を供給できる量の水が貯えられているため、使用 者は貯蔵部１２に、例えば一日に一度か二度給水するだけで便利に使用すること ができる。

【００１３】 上述した実施例では、湿気供給器具１１に対して貯蔵部１２を一体成形したが 、図３および図４のように、湿気供給器具１１に対し着脱可能な貯蔵部１２′と して構成しても良い。これによれば、該貯蔵部１２′を、湿気供給器具１１に一 体成形させた蓋部２９から取り外すことにより、簡単に給水作業を行なうことが できる。さらに、水を注入した後貯蔵部１２′に一端部１５ａを挿入し、この貯 蔵部１２′を蓋部２９に螺合させることにより容易に本体側と一体化させること ができる。

【００１４】 図６に、クリップ２３に代えて、合成樹脂製の後壁１４ｃ等の弾力を利用して 着脱手段を構成した実施例を示す。この実施例は、後壁１４ｃの先端部つまり蒸 発部１３の下部を本体側から分離させ、前壁１４ｂを後壁１４ｃに沿わせて延長 させて折り返し、これにより構成された蒸発部１３により眼鏡２５のアーム部２ ６を挟み込むようにされている。蒸発部１３はその弾力により、開放状態では二 点鎖線の位置にあって、アーム部２６に装着するときは、蒸発部１３を弾力に抗 して実線位置に変形させ、その先端部を前壁１４ｂ下方の係合鈎部３０に係合さ せる。これによりアーム２６を、前壁１４ｂと蒸発部１３の内側面とにより挟持 させ、湿気供給器具１１を簡単かつ確実に眼鏡２５に装着することができる。

【００１５】 なお、上述の実施例では、貯蔵部１２に貯蔵する液体に水を用いていたが、水 に代えて液状の薬品を使用することもできる。また湿気供給器具１１を、眼鏡２ ５の左右両アーム２６に装着すれば、ドライアイの防止等の効果をさらに高める ことができる。さらに眼鏡２５に、図３の二点鎖線で示したカバー２８を装着す れば、眼の周囲の湿気の拡散を抑えて、上述の効果をより高めることができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、簡単な構造からなり、他の部位例えば通常の眼 鏡に簡単かつ確実に装着することができ、湿気を安定して長時間供給することが できる湿気供給器具を安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す湿気供給器具の側面断
面図である。

【図２】図１の湿気供給器具の正面図である。

【図３】同実施例の湿気供給器具を眼鏡のアーム部に装
着した状態を示す斜視図である。

【図４】湿気供給器具の他の実施例を示す側面断面図で
ある。

【図５】図４の湿気供給器具の正面図である。

【図６】湿気供給器具のさらに他の実施例を示す側面断
面図である。

【符号の説明】

１１ 湿気供給器具 １２ 貯蔵部 １２′ 貯蔵部 １３ 蒸発部 １３ａ 蒸発部 １４ 連通部 １４ａ 連通路 １４ｂ 前壁 １４ｃ 後壁 １５ 送液材 １６ 水蒸発材 １７ 注水口 １８ 蓋体 １９ 支持突起 ２０ 押え部材 ２１ トーションスプリング ２２ 軟質ゴム材 ２３ クリップ ２５ 眼鏡 ２６ アーム部 ２７ レンズ ２９ 蓋部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体を貯蔵する貯蔵部；この貯蔵部内の
   液体を蒸発させる蒸発部；および上記貯蔵部と蒸発部と
   を一体的に、他の部位に着脱させる着脱手段；を有する
   ことを特徴とする湿気供給器具。
2. 【請求項２】 請求項１において、さらに、貯蔵部と蒸
   発部との間に、該貯蔵部内の液体を蒸発部に導く連通手
   段を有する湿気供給器具。
3. 【請求項３】 請求項２において、連通手段は、高給水
   性材料である湿気供給器具。
4. 【請求項４】 請求項１において、蒸発部は、少なくと
   も抗菌処理が施されている湿気供給器具。
5. 【請求項５】 請求項１において、他の部位は、眼鏡フ
   レームのアーム部である湿気供給器具。