JPH04116455A - 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法 - Google Patents

無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法

Info

Publication number
JPH04116455A
JPH04116455A JP23568290A JP23568290A JPH04116455A JP H04116455 A JPH04116455 A JP H04116455A JP 23568290 A JP23568290 A JP 23568290A JP 23568290 A JP23568290 A JP 23568290A JP H04116455 A JPH04116455 A JP H04116455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
crystal
electrodeless
sample
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23568290A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Nomura
野村 俊明
Toru Yamada
徹 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Japan Co Ltd
Original Assignee
Dainabot Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainabot Co Ltd filed Critical Dainabot Co Ltd
Priority to JP23568290A priority Critical patent/JPH04116455A/ja
Publication of JPH04116455A publication Critical patent/JPH04116455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、無電極型水晶振動子を利用して、液体の導電
率、誘電率、密度や粘度等の性質を分析する方法に関す
る。さらに詳しくは、無電極型水晶振動子を利用して、
液体の導電率、誘電率、密度や粘度等の性質を分析する
ことにより、当該液体に関する分析、例えば当該液体中
の物質の検出又は当該物質の濃度の測定等を行なう方法
に関する。
[従来の技術] 液体の導電率、誘電率、密度又は粘度等の性質を調べる
ことは、例えば液体の同定のため、或いは液体中に含ま
れる物質の定性又は定量分析等のために重要である。従
来より、液体の導電率や誘電率の分析のためには、液体
の電気的インピーダンスを測定して求める方法等がある
。液体の密度の分析のためには、液体の単位体積当たり
の質量を測定する方法や液体の固有振動周期を測定する
方法等がある。液体の粘度の分析のためには、液体の流
動する速度や液体中に浸された回転体に働く摩擦の程度
を測定する方法等がある。しかしながら、これらの測定
方法では比較的多量の試料を必要としたり、特に従来の
密度や粘度の測定法では、煩雑な操作が必要であったり
、測定の精度や感度が十分でない場合もあった。
従って、より簡便な、より高精度な、又はより高感度な
液体の性質の分析法が求められ、従来より水晶振動子を
利用した分析法が研究されてきた。
即ち、液体と接触した水晶振動子や水晶発振回路中の素
子の電気的特性が液体の性質に依存して変化することを
利用して、液体の性質を分析する方ン去が研究されてき
た。
液体に接触した水晶振動子の電気的特性を測定して当該
液体の性質を分析する方法としては、例えば発明者の釘
材らは、溶液の導電率、比重や粘度に依存して、水晶振
動子の発振周波数が変化することを見出し、このような
液体の分析法に道を開いた。(釘材俊明ら9日本化学会
誌、 1980゜162](1980)、T、Nomu
raet、at、Anal、ChinActa、  1
42  、 281  (1982)、  T、  N
omura  et  alAnal、 Chim、 
Acta、 175 、107 (19F15)) 。
また、Konashらは、溶液の比重に依存して、水晶
振動rの発振周波数が変化するので、水晶振動:tが液
体クロマトグラフィー用の検出器として利用できること
を示唆した(P、 L、 Konash et、 al
、、、 AnalChem、、 52.1.929 (
1980>)。 Kanazawa らは、溶液の粘度
と密度に依イrする、当該水晶振動子の発振周波数の変
化を理論的に導き、実測(+rfとの良い一致を示した
(K、 K、 Kanazawa el: al、  
AnalChitu、  Acta、  175  、
 99  (1985))。 S h o u −Z 
o h 14 Dら は、水晶振動Tの発振周波数変化
より、水溶液の導電率又は総塩濃度を測定した( Y、
 5houlahu。
et al、、 Anal、 Chim、 Acta、
 193 、97 (1987))。
Muramatsuらは、水晶振動子の発振周波数変化
や電気的インピーダンス変化を711定し、試料のアル
コール濃度等を分析できることを報告した(HMura
matsu et al、  Anal、 Chem、
  60 2]42(1988))。更に村松らは、フ
ィブリノーゲン等のゲル化反応に伴う液体の粘度変化を
水晶振動子の発振周波数変化より測定し、このような生
体関連物質の濃度を測定できることを示した(村松宏ら
特開平 ]−284757) 。Kurosawaらは
、抗原抗体反応によるラテックス粒子の凝集反応に伴う
、溶液の密度又は粘度変化を水晶振動子の発振周波数変
化より測定し、抗原や抗体の濃度を測定できることを示
した( S、 Kurosawa et ai、 、 
Chem。
Pharm、 Bull、、  38 111.7 (
199fl))。
一方、水晶発振回路中の水晶振動子以外の素子に試料の
液体を接触させ、当該液体の性質に依存する発振周波数
をIll定して、当該液体の性質を分析する方法として
は、例えば下沢らの載置にあるような、水晶発振回路中
のコンテンツの電極間に液体を満たし、当該液体の誘電
率に依存する発振周波数を測定して、当該液体の誘電率
を分析する方法等が知られている(下訳隆、「誘電率の
解釈」共立出版)。
[発明が解決しにうとする問題点] 従来より液体の性質の分析法に測定に利用されてきた水
晶振動子は、水晶板に電極を薄層状に密着させた型のも
のである。その製ン去は、蒸着ン去やメツキ法等により
水晶板に電極を着けるもので、電極層が厚ずぎると振動
子の電気特性が悪化し、逆に薄すぎると電極が剥離しや
すくなり、実用的でなくなる。このために、煩雑な操作
による精密な電極層厚の制御等を必要とする。更に、こ
の電極にリード線を取り付ける必要があるために、水晶
振動子を小型化することに制限がある。また、液体に水
晶振動子を接触させて分析する場合、僅かでも電極の溶
解や剥離が起ると、水晶振動子の電気的特性を正確に測
定できなくなる。そのため、電極に液体が接触しないよ
うに被覆したり、金、白金やパラジウム等の腐食しにく
い高価な金属を電極材料として用いたりする必要があっ
た。
このように、従来より液体の性質の分析に利用されてき
た水晶振動子は、水晶板自体は安価であるが、電極の装
着等の作製に手間がかかりコストも高く、更に性能の均
一な製品を得難く、小型化も困難という問題があった。
このように作製コストの高い水晶振動子を試料毎に使い
捨て使用することは実用的でなく、一般に同一の水晶振
動子を用いて繰り返し測定を行なわざるを得ながった。
この場合、測定毎に水晶振動子を洗浄する必要があり、
多数試料を短時間で測定することが困難であった。
また、液体に水晶振動子を接触させて分析する場合、従
来より液体の性質の分析に利用されてきた水晶振動子は
、電極と一体であるために、溶液中に共存する電着性の
物質が電極面へ電着することにより、水晶振動子の電気
特性を変化させ、液体試料の性質に依存する正確な電気
的特性の測定を妨害するという問題点もあった。
また、従来より液体の性質の分析に利用されてきた水晶
振動子は、液体の性質の変化に対する応答感度(電気的
特性の変化)も十分でない場合があった。
[発明の目的] 本発明の目的は、かかる従来例の有する問題点を改善す
るために、特に従来型の水晶振動子を利用した液体の性
質の分析法と比較して、分析の精度、感度又は迅速さを
向上させるために、或いはより簡便な又はより低コスト
の分析を可能とするために、無電極型水晶振動子を利用
しての直接的な液体の性質を分析する方法を提供するも
のである。
[n題を解決するための手段] 本発明者らは、先に無電極型水晶振動子を利用すること
により、溶液中の溶質の濃度を測定することができるこ
とを見出したが(特願平1−205590号)、この装
置を使用すると溶液の性質、たとえば誘電率、密度、粘
度、導電率が直接的に高い精度で測定できることを見出
して、本発明を完成した。したがって、本発明は、無電
極型水晶振動子を利用することにより、従来の問題点を
解決した。
本発明は、水晶板に電圧を印加するための複数の電極の
うち、少なくとも1本以上の電極を当該水晶板から分離
した無電極型水晶振動子を検出器として利用する、液体
の性質の分析法に関する。
更に本発明は、前記の分離した電極と水晶板との間に試
料の液体を満たし、当該液体の性質に依存する無電極型
水晶振動子の電気的特性を測定することによる、当該液
体の性質の分析法に関する。
更に本発明は、前記の無電極型水晶振動子の電気的特性
が発振周波数である、即ち、液体の性質に依存する無電
極型水晶振動子の発振周波数を測定することによる、当
該液体の性質の分析法に関する。
また、液体の性質が当該液体中の物質の有無又は当該物
質の濃度に依存する場合には、無電極型水晶振動子の電
気的特性を測定して、液体の性質を分析することにより
、当該液体中の物質を検出又は当該物質の濃度を測定す
ることもでき、その方法も本発明の範囲内である。従っ
て、前記のように液体の性質の分析が最終的な目的でな
くとも、当該液体の性質に依存する無電極型水晶振動子
の電気特性を測定することを利用した当該液体に関する
全ての分析法に本発明は関する。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子用の
水晶板としては、特定の電気的特性を持つように、機械
加工または化学的加工を加えて作製したものが使用でき
る。また、通常の電子部品として市販されている安価な
水晶振動子の、少なくとも一本の電極を水晶板より分離
して使用することができる。このような水晶板の形状、
及び大きさは、使用目的や作製のし易さに応して適宜選
択しうる。また、本発明では、水晶板を複数個設けた無
電極型水晶振動子を使用することも可能である。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子用の
水晶板の表面は、必要に応じて適当な方法で処理するこ
とができる。例えば、接触する液体中の物質が水晶板に
付着して無電極型水晶振動子の電気的特性が変化し、目
的の分析を妨害する場合などにおいて、当該水晶板の表
面をエツチングしたり、適当な材料を用いて被覆しても
良い。
すなわち、親水性の物質の付着を防ぐために水晶板を酸
化性の強酸で洗浄するなどして疎水化する、又は疎水性
の物質の付着を防ぐために水晶板をアルキルシラン等で
シリル化して親水化するなとの処理を行なうことも可能
である。又、分析対象物質に対して親和性を有する物質
を水晶板に塗布しておき、分析対象物質に対する応答感
度や選択性を向りさぜることもてきる。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子用の
電極の材料としては、金、白金やパラジウムといったも
のも使用てきるが、好ましくはより安価な銅、鉄、コハ
ルl−、ニッケル、銀、亜鉛等の金属、或いはそれらの
適当な合金、更にはカーボン、有機導電材料、導電性セ
ラミック等が挙げられる。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子用の
電極は、2本以上必要に応じて設けることができる。そ
の形状も、線状、板状、円球状、くし状等必要に応じて
変えることができる。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子の分
離された電極表面は、必要に応して適当な方法で処理す
ることができる。即ち、電極の物理的又は化学的強度を
向l−させるために、適当な材料を用いて被覆したりメ
ツキすることができる。
例えば、当該電極が液体中に溶解し、当該液体の性質を
変化させるなどして目的の分析が妨害される場合に、当
該液体に対して安定な材料を用いて、当該電極を被覆し
て溶解しないようにすることにより、目的の分析を達成
することが1可能である。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子用の
水晶板及び電極は、様々な方法で測定用のセルに固定す
ることができ、その固定は取り外し自由にすることもで
きる。ただし、水晶振動子の電気的特性をなるべく悪化
させないような材料を用いて固定することがより好まし
い。こような材料としては、例えばガラスやシリコーン
樹脂等の無機材料、又はビニル樹脂、ポリプロピレン、
ポリスチレン、弗素樹脂、ゴム等の有機高分子といった
耐液性で絶縁性の材料が挙げられる。
本発明の分析方法に使用される無電極型水晶振動子は、
試料の液体が当該水晶板の片方の面のみに接触する型の
無電極型水晶振動子でも良いし、両方の面に接触する型
の無電極型水晶振動子でも良い。何れにしても、本発明
の分析方法に使用される無電極型水晶振動子は一ヒ述の
ような安価な材料を用いて、簡単に作製することができ
、量産も容易である。従って、試料毎に使い捨て使用が
求められる分野において、大変有用である。また、無電
極型水晶振動子は、液体の性質に対して迅速に応答する
ので、フロー系での連続的な液体の分析、即ち液体クロ
マトグラフィーの検出器等として好適である。
本発明の分析方法では、各種水溶液、有機溶媒の溶液等
、広範囲な液体の性状を分析できる。
例えば、化学実験室内の各種イオン等を含有する実験用
の水溶液または91機溶液の性状の測定、工業原料の溶
液の性状または飲料等の」二業製品の品質検査や血液や
尿等の生体関連試料溶液の性状等が挙げられる。
本発明の分析方法において、接触した試料溶液の性質に
依存する、無電極型水晶振動子のΔIII定ずへき電気
的特性としては、まず第一に発振周波数が挙げられる。
即ち、水晶振動子に適当な発振回路を接続すると、当該
水晶振動Pの共振周波数にほぼ等しい周波数で発振する
。これは、周波数カウンタ等で容易に、また非常に高い
精度で計測でき、そのままデジタル信号として伝達して
処理できるので、測定すべき電気的特性として好適であ
る。また、インピーダンスアナライザ等を用いて、無電
極型水晶振動子に特定の周波数帯の交流を印加した場合
の、電気的インピーダンス又は位相周波数特性を測定し
て共振周波数を求め、当該水晶振動子に接触した液体の
性質を分析することもてきる。また、無電極型水晶振動
子を電気的等価回路で表した場合の、全体的な又は部分
的な電気的インピーダンスや位相も、当該水晶振動子に
接触した試料溶液の性質に依存して変化するので、これ
らをインピーダンスアナライザや LCRメータ等で測
定し、当該液体の性質を分析することもできる。
[発明の実施例] 以下、本発明の実施例を図1〜図10及び表1に基づい
て説明する。
実施例1; 無電極型水晶振動子 図1(断面図)、図2(斜視図)及び図3(断面図)は
、本発明の分析方法に利用される無電極型水晶振動子の
例を示す。
図1に示す無電極型水晶振動子においては、基本共振周
波数9 M Hzの水晶板1が基体2に固定され、電極
(白金板)3は、基体4に固定されている。水晶板l及
び電極3は、シリコーン樹脂9を用いて、それぞれ基体
2、基体4へ固定した。
基体2と基体4は、水晶板1と電極3とが近傍に対向す
るように、測定セル5に挿入し装着される。
基体2、基体4及びセル5は、ガラス製の管であって、
互いに接触する部分はすり合わせとなっている。矢印の
方向より液体6が導入され、水晶板1と電極3との間に
満たされるようになっている。
液体6と接触しない水晶板1のもう一方の面には、電極
(金薄膜)7が蒸着されている。電極3と電極6はリー
ド線8により、電気的特性を測定する計器に接続できる
ようになっている。
図2に示す無電極型水晶振動子においては、本共振周波
数9MHzの水晶板10と電極(白金板)11とが、近
傍に対向するように基体12に固定されている。電極1
]と対向しない水晶板10のもう一方の面には、電極(
金薄膜)13が蒸着されている。水晶板10及び電極1
1は、白金線17に挾み込んで固定し、この白金線17
をエポキシ樹脂18で基体12に固定した。電極1]と
電極13はリード線14により、電気特性を測定する計
器に接続できるようになっている。基体]2はフローセ
ル15に装着され、試料の液体16がセル内に導かれて
水晶板10と電極11との間に満たされるようになって
いる。
図3に示す無電極型水晶振動子においては、基本振動数
10MHzの水晶板19と電極2oとが、近傍に対向す
るように基体21に固定され、電極22が、基体23に
固定されている。基体2]と基体23は、測定セル24
に挿入して装着され、電極20と電極22との間に水晶
板19が置かれるようになっている。電fi20と電極
22は、シリコーン樹脂25を用いて直接基体21又は
基体23に固定した。水晶板19は、白金WA25に挾
み込んで固定し、この白金線17をシリコーン樹脂24
で基体21に固定した。基体21、基体23及びセル2
4は、ガラス製の管であって、互いに接触する部分はす
り合わせとなっている。矢印の方向より試料の液体26
が導入され、水晶板19と電極20との間及び水晶板1
9と電極22との間に、満たされるようになっている。
電極20と電極22は、リードi$27により、電気的
特性を測定する計器に接続できるようになっている。
図1、図2又は図3に示した無電極型水晶振動子によれ
ば、微量の試料から大量の試料までを測定することがで
きるが、特に微量の試料の測定に適している。更に、試
料を系外から連続的に導入できるという利点があること
から、多種の試料を簡単な操作で測定できる。また水晶
板の交換が容易に行えることから、同一の装置を用いて
、多数の試料を測定することができる。
実施例2: 液体の導電率の測定 導電率の異なる液体に対する、無電極型水晶振動子の発
振周波数の変化を測定した。測定装置は、図1に示した
無電極型水晶振動子において、水晶板1と電極3との間
隔を1.4 mmとしたものを用いた。発振周波数は、
トランジスタを用いて作製した発振回路をリード線8に
接続して測定した。試料の液体としては、種々の濃度の
塩化カリウム水溶液、塩酸及び酢酸を用いた。試料又は
脱塩水を測定セルに流速1.9 ml/minで流し、
試料を流した場合の発振周波数と脱塩水を流した場合の
発振周波数との差を発振周波数の変化量ΔFとして求め
た。
試料の導電率に対して、ΔFをプロットした結果を図4
に示す。溶質のイオン種に関係なく、試料の導電率に対
してほぼ直線的にΔFは変化した。
従って、未知の水溶液を同様に測定セルに流し力場台の
ΔFより、試料の導電率を測定することができる。
実施例3− 液体の密度又は粘度の測定実施例2の場合
と同様な測定装置を用いて、密度又は粘度の異なる液体
に対する、無電極型水晶振動子の発振周波数の変化を測
定した。試料の液体としては、スクロース水溶液を用い
た。試料又は脱塩水を測定セルに流速1.9 ml/m
inで流し、試料を流した場合の発振周波数と脱塩水を
測定セルに流した場合の発振周波数との差を発振周波数
の変化量ΔFとして求めた。試料のスクロース濃度は、
試料の密度ρと粘度ηに依存して決り、発振周波数の変
化量ΔFに対して試料のスクロース濃度が推定できる。
試料のスクロース濃度に対して、発振周波数の変化量Δ
Fをプロットした結果を図5に示す。
試料の密度ρと粘度ηとの積の平方根に対して、ΔFを
測定した結果を図6に示す。試料のスクロース濃度に対
して単調にΔFは変化した。また、試料の密度ρと粘度
ηとの積の平方根に比例してΔFは変化し、比例係数は
361.6 (Hz・g−1/2c、、−372,cp
−1/2)であった。従って、濃度の未知のスクロース
水溶液を同様に1111定セルにlAコした場合のΔF
より、試料のスクロース濃度を測定することができる。
また、密度又は粘度が未知の種/Jの液体を同様に測定
セルに流した場合の△FJ:す、試料の密度と粘度との
積を411定することができる。
実施例4: 液体の比誘電率の測定 実施例2の場合と同様な測定装置を用いて、比誘電率の
異なる液体に対する、無電極型水晶振動子の発振周波数
の変化を測定した。ただし、発振周波数はトランジスタ
を用いて作製した発振回路又はTTL ICを用いて作
製した回路をリード線8に接続して測定した。試料の液
体としては、脱塩水とエタノールを種々の比率で混合し
た溶液を用いた。試料又は脱塩水を測定セルに流速1.
9ml/m i nで流し、脱塩水を流した場合の発振
周波数と試料を流した場合の発振周波数との差を発振周
波数の変化量ΔFとして求めた。またΔFは、試料の比
誘電率εrのみならず実施例3で示したにうに、密度ρ
及び粘度ηにも依存する。そこで、脱塩水と試料との密
度及び粘度の差に起因する発振周波数の変化量ΔF(ρ
・η、cal)を実施例3で求めた比例係数を用いて計
算し、脱塩水と試料との比誘電率εrの差のみに起因す
る発振周波数の変化量 ΔF(εr  cal)=ΔF−△F(ρ・η、Ca1
)を求めた。
試料のエタノール濃度、密度、粘度、比誘電率に対する
、ΔF、ΔF” (ρ・η、cal)及びΔF(εr、
cal)の測定結果又は計算結果を表1に示す。次に、
試料の比誘電率に対して、ΔF(εr、ca1.)をプ
ロブl−L、た結果を図8に示す。
また、試料のエタノール濃度に対して、ΔFをプロット
した結果を図7に示す。この結果、試料の比誘電率に対
して、はぼ直線的にΔF(εr、ca1.)が変化する
ことがわかり、さらには、試料のエタノール濃度はその
ΔFの変化と良好な反応を示していることが見出された
。従って、未知のエタノール水溶液を同様に測定セルに
流した場合の発振周波数より、試料のエタノール濃度を
推定することができる。また、密度及び粘度が既知て比
誘電率が未知の液体を同様に測定セルに流した場合の発
振周波数にす、試料の誘電率を測定することができる。
実施例5: 液体の比誘電率の測定 比誘電率の異なる液体に対する、無電極型水晶振動子の
発振周波数の変化を測定した。測定装置は、図2に示し
た無電極型水晶振動子において、水晶板]Oと電極11
との開園が0.8 mmでフロセルの内容量が0.3m
l0)ものを用いた。発振周波数は、1−ランジスタを
用いて作製した発振回路をリード線14に接続して測定
した。試ネ生の液体としては、種々の有機溶媒を用いた
。試料又は脱塩水を測定セルに満たし、試料を満たした
場合の発振周波数と脱塩水を満たした場合の発振周波数
との差を発振周波数の変化量ΔFとして求めた。
試料の比誘電率に対してΔFをブロワl−uた結果を図
9に示す。試料の比誘電率に対して’Jt Al1にΔ
Fは変化した。従って、未知の有機溶媒を同様に測定セ
ルに満たした場合の発振周波数より、試料の誘電率を推
定することができる。
実施例6; 液体液体クロマトグラフィー用の検出器と
しての応用(その1) 無電極型水晶振動子を液体液体クロマトグラフィー用の
検出器として応用した。移動相にメタノルー水(1:1
.)を用いたフロー系の検出器として、図3に示した無
電極型水晶振動子にTTL ICを用いて作製した発振
回路を接続したものを使用した。試料として、塩酸メタ
ンフェタミン及びこれに類似した計 11種類のアミン
系医薬品を無電極型水晶振動子の測定セルに流し、試料
がセルを通過する際の無電極型水晶振動子の発振周波数
の変化を測定した。
発振周波数の変化より、これら 11種種類下の医薬品
の検出及び定量が可能であった。例えば、塩酸メタンフ
ェタミン0.20μgを測定した場合、相対標準偏差(
n=]o)は0.8χと極めて良好な再現性を示した。
また、吸光光度法(測定波長258nm)でも同時に検
出して、測定の精度や感度等を比較したところ、検出限
界は吸光光度法より約2倍高感度の50 ngであり、
検量線の相関係数は吸光光度法が0.9803であった
のに対して、無電極型水晶振動子を用いた場合は0.9
989であり、かなり良い直線関係が得られた。
実施例7: 液体クロマトグラフィー用の検出器として
の応用(その2) 分離用カラムに Zorbax ’ODS (4mm 
x  25 cm)、移動相に水(流速0.5 ml/
min )を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、
検出器として実施例6で使用した無電極型水晶振動子を
用いて、蟻酸(1,72X 10’mol) 、酢酸(
2,35X IO’mol)及びプロピオン酸(1,3
0X ]、0’mol)の混合物を分離検出した。
図10は、無電極型水晶振動子の発振周波数の変化を測
定したクロマトグラムを示す。このように、これら3種
の有機酸の分離及び検出が可能であった。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に用いる無電極型水晶振動子の断面図を、
図2はその斜視図を、図3は別の一例の断面図を示す。 図4は水溶液中の導電率を本発明に従った無電極型水晶
振動子を使用して得られたΔFとの関係を示したもので
、図5はスクロース水溶液の濃度と本発明に従って得ら
れたΔFとの関係を示したものである。図6は本発明に
従って得られたΔFと溶液の密度ρ及び粘度ηとの関係
を示す。 図7はエタノールの濃度と本発明に従って得られたΔF
との関係を示す。 図8及び図9は本発明に従って得られた△Fと溶液の比
誘電率εrとの関係を示す。 図10は液体クロマトグラフィーにおける本発明に従っ
て得られた無電極型水晶振動子の発振周波数の変化と各
種試料との関係を示す。 図2 牛 手続補正書(方式) 平成2年12月5日 特許庁長官 植 松   敏 殿 1事件の表示 平成2年特許願第235682号 2発明の名称 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法3補正を
する者 事件との関係  特許出願人 4代理人 平成2年11月27日

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)水晶板に電圧を印加するための複数の電極のうち
    少なくとも1本以上の電極を当該水晶板から分離した無
    電極型水晶振動子を利用することを特徴とする、液体の
    性質を分析する方法
  2. (2)該無電極型水晶振動子の分離した電極と水晶板と
    の間に液体を満たし、当該無電極型水晶振動子の電気的
    特性を測定することを特徴とする、請求項1項記載の溶
    液の性質を分析する方法(3)該無電極型水晶振動子の
    電気的特性が発振周波数であることを特徴とする、請求
    項2項記載の溶液の性質を分析する方法
JP23568290A 1990-09-07 1990-09-07 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法 Pending JPH04116455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23568290A JPH04116455A (ja) 1990-09-07 1990-09-07 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23568290A JPH04116455A (ja) 1990-09-07 1990-09-07 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04116455A true JPH04116455A (ja) 1992-04-16

Family

ID=16989648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23568290A Pending JPH04116455A (ja) 1990-09-07 1990-09-07 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04116455A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131633A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 富士フイルム株式会社 管理方法、測定方法、測定装置、水晶振動子センサ、および、セット

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021131633A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01 富士フイルム株式会社 管理方法、測定方法、測定装置、水晶振動子センサ、および、セット
JPWO2021131633A1 (ja) * 2019-12-27 2021-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5235238A (en) Electrode-separated piezoelectric crystal oscillator and method for measurement using the electrode-separated piezoelectric crystal oscillator
JP2002506990A (ja) マイクロメカニカル電位差センサ
EP1592958A1 (en) Piezoelectric resonator
US6004818A (en) Aggregometer with disposable test cell
Jones et al. Piezoelectric transducer for determination of metals at the micromolar level
CA2251874A1 (en) Biosensors
US5211054A (en) Method and system for analyzing a gelation reaction by utilizing a piezoelectric resonator
EP1581810A2 (en) Devices and method for direct electrical detection of molecules and molecule-molecule interactions
RU2564516C2 (ru) Способ измерения емкости и его применение
US7331232B2 (en) Measurement method and biosensor apparatus using resonator
JPH04116455A (ja) 無電極型水晶振動子を利用した液体の分析方法
Imai et al. Total urinary protein sensor based on a piezoelectric quartz crystal
EP0304283A2 (en) Apparatus for measuring a characteristic of a liquid
JP2764108B2 (ja) 検体セル
Handley Product review: quartz crystal microbalances
JP3223380B2 (ja) 微量サンプルの計量・希釈、粒子計測装置、及び計量方法
JP3911191B2 (ja) 分析方法
WO1998037409A1 (en) Method of electrochemical detection of immunoactive macromolecules
CN101021498A (zh) 一种含有水凝胶-碳纳米管的味觉传感器的制备方法
JP2704568B2 (ja) 電気化学測定システム
JPH0371038A (ja) 無電極型水晶振動子および無電極型水晶振動子を利用した測定方法
WO1994023287A1 (en) Immunoassay and immunoassay cell used therefor
KR100385168B1 (ko) 염분 센서 및 염분 센서 장착 기구
JP2690849B2 (ja) 水晶振動子式バイオセンサの製法及び水晶振動子式バイオセンサ
JP2003240695A (ja) 微量質量測定装置における反射拡散構造