JPH04115552U - 工作物洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テーブル移動形の工作機械において、加工中
のテーブル移動に連動して洗浄液ノズルが首を振り、常
にテーブル上の工作物に向けて洗浄液が放出されるよう
にし、加工中に切粉を洗い流して、加工後の洗浄作業を
なくしタクトタイムを削減する。 【構成】 密閉カバー７内側のテーブル５移動方向垂直
平面上の四隅位置にスプロケットホイール８，９，１１
Ａ，１１Ｂを回転可能に配設し、両端がテーブル５に固
着されたチェンを各スプロケット間に張設し、密閉カバ
ー内側のテーブル上方位置に直角かつ水平に回転可能に
設けられ複数個のノズル２１を有するパイプ１８Ａ，１
８Ｂを、テーブル移動に連動して回動するチェンにより
回転されるスプロケットホイール１１Ａ，１１Ｂにより
歯車列１４〜１６を介してスプロケットと同一方向に回
転させ、加工中常に工作物Ｗに向けて首を振るノズルに
より洗浄液を放出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、加工中に工作物上の切粉を洗い流す洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の洗浄装置は、図４に示すように複数のノズルを有するパイプ１０１の後 端に延長軸１０２を設け、カバー１０３の外側から延長軸に固着のレバー１０４ を手動操作して洗浄液の吐出方向を調整していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べた手動で吐出方向を調整する洗浄装置は、吐出方向を一定位 置にセットした状態では、テーブル上の工作物が移動すると洗浄液が一定位置に かからなくなり、工作物の移動に合わせて手動で吐出方向を変えようとすれば、 作業者が一台の機械に釘付けされてしまう。このため切削加工終了後に、洗浄液 が十分かかる位置に工作物を移動させたうえ引続き洗浄工程を行うと、加工工程 ＋洗浄工程が必要となりタクトタイムの増加につながるという問題点を有してい る。

【０００４】 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、テーブルの移動に連動して常に工作物の一定位置に洗浄 液がかかるようにノズルが首を振る洗浄装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の工作物洗浄装置は、密閉カバーを有するテ ーブル移動形工作機械において、前記密閉カバー内の前記テーブル上方位置にテ ーブル移動方向に対してほぼ直角かつほぼ水平に回転可能に設けられた直角方向 一列上に複数個のノズルを有するパイプと、前記密閉カバー内に張設されテーブ ル移動に伴って前記ノズルが常に前記テーブル上の工作物を向くように前記パイ プを旋回させる紐状部材と、前記工作機械の近傍床上に設置され前記パイプに洗 浄用切削液を供給する切削液ポンプ装置とを含んでなり、テーブルの動きに合わ せてノズルが首を振るようにしたものである。

【０００６】

【作用】

切削加工中テーブルが移動するとチェンが回動して、スプロケットホイールが 回転される。このスプロケットホイールの回転軸と平行に設けられた複数のノズ ルを有するパイプが、歯車列を介してスプロケットホイールと同一方向に旋回さ れ、テーブルの移動に連動して常にテーブル上の工作物の一定位置に向けて洗浄 液が放出されるようノズルが首を振る。

【０００７】

【実施例】

実施例について図１〜図３を参照して説明する。 図１のマシニングセンタにおいて、床上に設置されたベッド１上後側に設けら れたＺ軸方向の案内上に、コラム２が移動位置決め可能に載置され、コラム２の 前面に設けられたＹ軸方向の案内面上に、主軸頭３が移動位置決め可能に載架さ れ、主軸頭３に主軸４が回転可能に支持されている。

【０００８】 ベッド１上方前側に設けられたＸ軸方向の案内上に、テーブル５が移動位置決 め可能に載置され、テーブル５上に工作物Ｗが取付けられている。そしてベッド の左側床上に切削液ポンプ装置６が設置され、マシニングセンタは前側過半分が 密閉カバー７によって覆われている。

【０００９】 密閉カバー７の前板内側のテーブル５の移動端位置の両側に植設されたＺ軸方 向のピンに、スプロケットホイール８，９が回転可能に枢支されており、このス プロケットホイール８，９の上方位置にＺ軸方向を向く回転軸１３が複数の軸受 １２により回転可能に支持され、回転軸１３にスプロケットホイール１１Ａ，１ １Ｂが嵌着されている。そして各スプロケットホイール８，９，１１Ａ，１１Ｂ 間にチェン１０が張設され、チェン１０の両端はテーブル５の側面に固着されて いる。

【００１０】 回転軸１３の先端には駆動歯車１４が嵌着され、駆動歯車１４は中間歯車１５ を介して受動歯車１６に噛合されており、受動歯車１６は複数の軸受１７により 回転可能に支持されるＺ軸方向の二本のパイプ１８Ａ，１８Ｂにそれぞれ嵌着さ れている。

【００１１】 パイプ１８Ａ，１８Ｂは図示しない供給管路により切削液ポンプ装置６の吐出 口に連通されており、パイプ１８Ａ，１８Ｂには軸方向一線上等間隔に複数のボ ス１９が溶着されている。ボス１９は軸方向外側から穿設された先端が球状の穴 １９ａを有し、穴１９ａは貫通穴１８ａによりパイプ１８Ａ，１８Ｂに連通して いる。そして穴１９ａ内に根元が球状に形成されたノズル２１が旋回可能に嵌挿 され、ボス１９の端面にノズル２１の軸方向移動を規制するリング２２が固着さ れており、ノズル２１は仮想線で示すように吐出方向を自由に変えられるように なっている。

【００１２】 続いて本実施例の作用について説明する。 今テーブル５上の工作物Ｗに対して切削加工が行われ、両方のパイプ１８Ａ， １８Ｂに付いている複数のノズル２１から工作物Ｗに向けて洗浄液（切削液）が 吹きつけられている。

【００１３】 この切削加工中にテーブル５が右側に移動すると、テーブル５に両端が固着さ れているチェン１０が回動して、スプロケットホイール１１Ａ，１１Ｂが同時に 同一方向に回転され、駆動歯車１４，中間歯車１５，受動歯車１６を介してパイ プ１８Ａ，１８Ｂがスプロケットホイールに対して同一方向に同時に回転され、 右側（パイプ１８Ａ側）のノズル２１がテーブルに連動して次第に下向きに首を 振り、左側（パイプ１８Ｂ側）のノズルが次第に上向きに首を振って、常に工作 物Ｗの一定個所に向けて洗浄液を吐出する。

【００１４】 また工作物Ｗが左側に移動すると、右側のノズル２１がテーブルに連動して次 第に上向きに首を振り、左側のノズルが次第に下向きに首を振って常に工作物Ｗ の一定個所に向けて洗浄液を吐出する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 直角方向を向く複数個のノズルを有するパイプを、テーブル上方位置にテーブ ル移動方向に対して直角かつ水平に回転可能に設け、テーブル移動方向垂直平面 上の四隅位置に配設された回転可能なスプロケットホイールに、テーブルに両端 が固着されるチェンを張設し、テーブルの回動により回転されるスプロケットに より、歯車列を介してパイプを旋回するようにしたので、テーブルの移動に連動 して常に工作物の一か所に向けて洗浄液を放出することができるようになって、 加工中に切粉を洗い流すことが可能となり、加工後改めて工作物の洗浄を行う必 要がなくなり、タクトタイムが短縮し、生産性が向上する。 またこれによりライン化した場合においても専用の洗浄装置を設置する必要が なくなり、大幅なコストの削減につながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の工作物洗浄装置付マシニングセンタ
の斜視姿図である。

【図２】工作物洗浄装置のパイプ旋回用歯車列の側面の
断面図である。

【図３】工作物洗浄装置のパイプ旋回用歯車列の正面図
である。

【図４】従来の工作物洗浄装置付マシニングセンタの斜
視姿図である。

【符号の説明】

５ テーブル ６ 切削液ポンプ装置 ７ 密閉カバー １０ チェン １１Ａ，１１Ｂ スプロケットホイール １８Ａ，１８Ｂ パイプ ２１ ノズル Ｗ 工作物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブル移動形工作機械において、前記
   テーブル上方位置にテーブル移動方向に対してほぼ直角
   かつほぼ水平に回転可能に設けられた直角方向一列上に
   複数個のノズルを有するパイプと、カバー内に張設され
   テーブル移動に伴って前記ノズルが常に前記テーブル上
   の工作物を向くように前記パイプを旋回させる紐状部材
   と、前記工作機械の近傍床上に設置され前記パイプに洗
   浄用切削液を供給する切削液ポンプ装置とを含んでな
   り、テーブルの動きに合わせてノズルが首を振ることを
   特徴とする工作物洗浄装置。