JPH04115222U - 金型加熱用ガスバーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先混合ガスバーナに輻射管方式のシングルエ
ンド型２重管を接続し、燃焼ガスと輻射熱とにより金型
を安全かつ高効率に加熱し所定温度に昇温させることを
目的とする。 【構成】 先混合ガスバーナ１に輻射内管２を接続し、
該内管の外周を内管２よりの燃焼ガスを反転させる燃焼
ガス通路４を存して複数の燃焼ガス放出孔５を設けた輻
射外管３で囲繞したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、特にダイキャストマシン用金型等の予熱用に開発された安全かつ 高効率な金型加熱用ガスバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来金型の加熱に使用されている一般的な予熱方法は、図２に示すように金型 Ａの上、下面を同時に加熱するためにバーナチップ１２を上、下面に取付けた元 混合ガスバーナ１１の直接火炎による加熱方法である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記元混合ガスバーナでは次のような問題点があります。即ち、バーナの高温 火炎が直接金型表面のコーティング剤を加熱するためにコーティング剤の寿命が 短くなり、金型の交換の回数が多くなる。

【０００４】 金型間にあまり大きなバーナを付けることはできないので昇温するのに時間が かかる。又その昇温時間を短くするために金型の内面からだけでなく背面からも 金型に固定されたガスバーナ（図示せず）で加熱する場合には金型の温度制御が 難しい。

【０００５】 元混合ガスバーナであるために金型の予熱温度である５００℃程度まで昇温す るとバーナがバックファイヤーをおこすことがたびたびあるので危険であった。 又バーナの電気スパークによる自動点火装置及び火炎検知の安全装置をつけるこ とが難しい。

【０００６】 この考案は従来の技術の問題点に鑑みて火炎が直接金型にあたらないようにす るため先混合ガスバーナにシングルエンド型２重の輻射管を設けて燃焼ガスと輻 射熱とにより金型安全かつ高効率で加熱し、所定の温度に昇温させることができ る金型加熱用ガスバーナを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記目的を達成するために、管内燃焼可能な高負荷燃焼用先混合ガ スバーナ１に輻射内管２を接続し、該内管２の外周を燃焼ガス通路４を存して複 数の燃焼ガス放出孔５を穿設した輻射外管３で囲繞したものである。前記輻射外 管３の上下の放出孔５の分布或いは大きさを変えて上下の金型の加熱をほぼ均等 とできる。

【０００８】

【作用】

この考案の金型加熱用ガスバーナは、先混合ガスバーナ１でガスと空気は別々 にバーナヘッドに供給され、バーナの保炎器内で混合して電気スパークにより点 火し燃焼を開始し、バーナに接続した輻射内管２で保炎して燃焼させる。

【０００９】 内管２で燃焼させた燃焼ガスを内管の先端で燃焼ガス通路４に反転し、内管２ の輻射熱と燃焼ガスとにより輻射外管３を赤熱させて輻射熱を生ぜしめ、かつ外 管の上下の複数の燃焼ガス放出孔５より噴出する高温の燃焼ガスの対流加熱によ り上下の金型を所定の温度に速やかに昇温させる。

【００１０】 外管３の上下の燃焼ガス放出孔の分布或いは大きさにつき変化させれば上下の 金型をほぼ均等に加熱昇温させることができる。

【００１１】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。図１において、１は管内燃焼可能な 高負荷燃焼用の先混合ガスバーナで、それに輻射内管２と輻射外管３とからなる シングルエンド型２重管を接続する。

【００１２】 輻射内管２は一端を先混合ガスバーナ１に接続し、輻射外管３は先端に閉塞部 ６を設け、内管２と同心に配置して先端の閉塞部６と内管２の先端との間に一定 距離を隔て、内管２の出口より外管３内に燃焼ガスを反転させる燃焼ガス通路４ を形成し、その外管３の上下に複数の燃焼ガス放出孔５を穿設し、外管３より上 下に輻射熱を発生させ、燃焼ガス放出孔５より上下に燃焼ガスを排出するように なす。Ａはダイキャストマシン用の金型で、その金型間に金型加熱用ガスバーナ を備えて金型の内面を加熱する。

【００１３】 前記輻射外管３から燃焼ガス等放出するも熱は上昇するので同量の放出では上 部の金型の方が下部の金型より若干温度が上がるような場合には燃焼ガス放出孔 ５の分布を上部より下部を若干多くするか、或いはその径を上部より下部を若干 大きくして、下方への燃焼ガスの排出を若干多くし上下の金型Ａの加熱をほぼ均 等になるようにするのが好ましい。

【００１４】 なお、先混合ガスバーナ１はガスと空気が別々にバーナヘッドに供給され、バ ーナの保炎器内で混合し、自動点火用点火プラグ（図示せず）により点火して燃 焼する。又バーナ１には保炎器の基部に火炎検知用孔（図示せず）を設け、ウル トラビジョン等で炎を検知しうるようになす。

【００１５】 前記した構成としたので、先混合ガスバーナ１の保炎器内で混合して燃焼を開 始し輻射内管２内において燃焼する。そして燃焼ガスは内管２の先端で反転して 外管３内の燃焼ガス通路４に導かれ、外管３は燃焼ガスと内管２の輻射熱で加熱 されて赤熱させてその輻射熱を利用し、かつ外管３の燃焼ガス放出孔５より噴出 する高温の燃焼ガスによる対流加熱を合わせて利用して上下の金型Ａの内面を所 望の温度、例えば５００℃に加熱昇温せしめる。

【００１６】

【考案の効果】

この考案によれば輻射熱と燃焼ガスによる間接的な加熱方式としたので、金型 の内面に直接バーナの火炎が当たることは全くなく、金型の表面のコーティング 剤をいためる度合が少なく、従ってコーティング剤の寿命が長くなり、金型の交 換回数を少なくできる。

【００１７】 又外管の輻射熱と放出孔よりの燃焼ガスの対流加熱とにより加熱するので、バ ーナのインプットを上げることなく効率的に金型を加熱でき、金型の昇温スピー ドが遅くなることもない。従って金型の背面からの加熱は廃止でき、加熱箇所を 減らすことにより装置を簡略化でき、温度制御も簡単にできる。

【００１８】 保炎部分と加熱部分を分離してあるのでバックファイヤーを完全に防止するこ とができ安全である。又外管の上下の燃焼ガス放出孔の分布或いは大きさを変化 させておけば上下の金型をほぼ均等に加熱できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の金型加熱用ガスバーナを示す断面図
である。

【図２】従来の元混合ガスバーナを示す側面図である。

【符号の説明】

１ 先混合ガスバーナ ２ 輻射内管 ３ 輻射外管 ４ 燃焼ガス通路 ５ 燃焼ガス放出孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管内燃焼可能な高負荷燃焼用先混合ガス
   バーナ（１）に輻射内管（２）を接続し、該内管（２）
   の外周を内管（２）より燃焼ガスを反転させる燃焼ガス
   通路（４）を存して複数の燃焼ガス放出孔（５）を設け
   た輻射外管（３）で囲繞したことを特徴とする金型加熱
   用ガスバーナ。
2. 【請求項２】 輻射外管（３）の上下の放出孔（５）の
   分布或いは大きさを変えてなる請求項１記載の金型加熱
   用ガスバーナ。