JPH04115203U - 伝熱管支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持金物の取付精度や製作精度確保の必要性
を低減し、また支持金物の小型化、部材点数の減少をは
かる。 【構成】 複数の並んだ伝熱管湾曲部の内側に挿通され
て同伝熱管を支える多段の水平支持金物、同各水平支持
金物に固定され、それらと共に井桁状構造物を形成する
垂直支持金物、同井桁状構造物を吊り下げるリンク、お
よび同リンクの上端を保持する周壁取付金物から構成さ
れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はボイラ等のガス流路中に配設される伝熱管の支持構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の伝熱管支持構造を有するボイラの内部正面図、図５は図４のＣ部 拡大図、図６は図５のＤ−Ｄ断面図である。図において、１は周壁、２は伝熱管 、３Ａは伝熱管２を支える水平支持金物、４Ａは同水平支持金物に溶接されてい る垂直支持金物、６Ａは周壁１に取付けられ、前記垂直支持金物４Ａの下部を支 える周壁取付金物、８Ａは前記伝熱管２に溶接されている付着金物であり、前記 水平支持金物３Ａに引掛けられ嵌装されている。

【０００３】 このボイラにおいては、伝熱管２の重量は同伝熱管に溶接されている付着金物 ８Ａを介して水平支持金物３Ａに伝達され、次に同水平支持金物が溶接されてい る垂直支持金物４Ａに伝達され、さらに同垂直支持金物の下部を支えている周壁 取付金物６Ａに伝達される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の伝熱管支持構造においては、次のような問題点があった。 （１）伝熱管２の付着金物８Ａは、形状がいびつになりがちな伝熱管２の湾曲部 に溶接されるため、取付精度及び品質を確保するための多大な手間を要する。ま た、該当箇所の数が多いのも難点である。 （２）水平支持金物３Ａと伝熱管付着金物８Ａの取合いは、はめ合い形状であり 、且つ、１つの構成部品の中に多数の該当箇所があるため、製作精度の確保が要 求される。 （３）垂直支持金物４Ａは乗せ型であるため圧縮強度を必要とし、部材サイズが 大きくなる。 （４）付着金物８Ａが多数あるため、構成要素となる部材点数が多い。

【０００５】 本考案は、上記従来技術の問題点を解消し、金物の取付け精度や製作精度確保 の必要性の低減、支持金物の小形化、部材点数の減少が可能な低コストの伝熱管 支持構造を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記課題を解決したものであって、ボイラ等のガス流路中に配設され る伝熱管の支持構造において、複数の並んだ伝熱管湾曲部の内側に挿通されて同 伝熱管を支える多段の水平支持金物、同各水平支持金物に固定され、それらと共 に井桁状構造物を形成する垂直支持金物、同井桁状構造物を吊り下げるリンク、 および同リンクの上端を保持する周壁取付金物から構成されることを特徴とする 伝熱管支持構造に関するものである。

【０００７】

【作用】

本考案においては、管状あるいは棒状の水平支持金物を伝熱管の湾曲部へ挿通 して支えるので、従来用いられていた付着金物が不要となり、精度確保の手間が 省ける。伝熱管は水平支持金物に乗っているだけであり、必要に応じて整列金物 等によって容易に間隔が保持されるので、はめ合い部が無く、製作精度の確保が 不要、あるいはその必要性が減少する。伝熱管および水平支持金物を支持する垂 直支持金物およびリンクは、吊り下げ型であるので、圧縮強度を必要とせず、し たがって部材サイズの小形化が可能となる。また、付着金物が不要となるので、 全体として部材点数が減少する。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の一実施例の伝熱管支持構造を有するボイラの内部正面図、図２ は図１のＡ部拡大図、図３は図２のＢ−Ｂ断面図である。図において、１は周壁 、２は伝熱管、３は伝熱管２の湾曲部に挿通されている管状（あるいは棒状）の 水平支持金物、４は同水平支持金物３に固定され、それらと共に全体として井桁 状構造物を形成する板状の垂直支持金物、５はその下端が同垂直支持金物の上端 部に取付けられ、上方から同垂直支持金物を吊り下げているリンク、６は周壁に 取付けられ前記リンクの上端を保持している周壁取付金物、７は最上段の水平支 持金物に取付けられ隣同士の伝熱管２の間隔を適正に保つための整列金物である 。

【０００９】 伝熱管２の重量は、伝熱管２の湾曲部の内側に挿通した水平支持金物３で支持 され、各段の水平支持金物３は垂直支持金物４で固定されている。垂直支持金物 ４はリンク５を介して、周壁１に取付けられた周壁取付金物６から吊り下げられ る。整列金物７は隣同士の伝熱管２の間隔を適正に保つために水平支持金物３に 要所ごとに取付けられる。

【００１０】 本実施例においては管状（あるいは棒状）の水平支持金物３を伝熱管２の湾曲 部へ挿通するので、従来技術において用いられていた付着金物８Ａが不要となり 、取付精度や品質確保等の手間が不要となる。また伝熱管は水平支持金物に乗っ ているだけであり、かつ隣同士の伝熱管は整列金物７によって容易に間隔が保持 されるので、従来の水平支持金物３Ａと付着金物８Ａとの間に設けられていたは め合部が無いので、製作精度の確保が不要、あるいはその必要性が減少する。伝 熱管２および水平支持金物３を支持する垂直支持金物４およびリンク５は吊り下 げ型であるので、圧縮強度を必要とせず、座屈や曲がりの発生を心配する必要が ないので、部材サイズが小形化する。また本実施例の構造は従来のものに比して 部材点数が少なくなっている。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の伝熱管支持構造は、複数の並んだ伝熱管湾曲部の内側に挿通されて同 伝熱管を支える多段の水平支持金物、同各水平支持金物に固定され、それらと共 に井桁状構造物を形成する垂直支持金物、同井桁状構造物を吊り下げるリンク、 および同リンクの上端を保持する周壁取付金物から構成されるので、支持金物の 取付精度やはめ合い部の製作精度確保の必要性を低減することができ、また支持 金物が小形化し、部材点数が減少するので、製作コストの低減を図ることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の伝熱管支持構造を有するボ
イラの内部正面図。

【図２】図１のＡ部拡大図。

【図３】図２のＢ−Ｂ断面図。

【図４】従来の伝熱管支持構造を有するボイラの内部正
面図。

【図５】図４のＣ部拡大図。

【図６】図５のＤ−Ｄ断面図。

【符号の説明】

１ 周壁 ２ 伝熱管 ３，３Ａ 水平支持金物 ４，４Ａ 垂直支持金物 ５ リンク ６，６Ａ 周壁取付金物 ７ 整列金物 ８Ａ 付着金物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボイラ等のガス流路中に配設される伝熱
   管の支持構造において、複数の並んだ伝熱管湾曲部の内
   側に挿通されて同伝熱管を支える多段の水平支持金物、
   同各水平支持金物に固定され、それらと共に井桁状構造
   物を形成する垂直支持金物、同井桁状構造物を吊り下げ
   るリンク、および同リンクの上端を保持する周壁取付金
   物から構成されることを特徴とする伝熱管支持構造。