JPH04114351U - 熱交換器および貯血槽 - Google Patents

熱交換器および貯血槽

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JPH04114351U
JPH04114351U JP2675991U JP2675991U JPH04114351U JP H04114351 U JPH04114351 U JP H04114351U JP 2675991 U JP2675991 U JP 2675991U JP 2675991 U JP2675991 U JP 2675991U JP H04114351 U JPH04114351 U JP H04114351U
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JP
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blood
heat exchanger
heat medium
blood storage
housing
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JP2675991U
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Inventor
善明 若山
エーリオ俊 勝田
Original Assignee
テルモ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 血液流入口6と血液流出口7とを有し、さら
に内部に貯血空間5を有する貯血槽1内に設けられた、
複数の管体10から構成される熱交換器9であって、管
体10に対向する内壁34には上下方向に形成された溝
状の通路35を設けた構造とし、該通路35からプライ
ミング時などの気泡を排出するものである。 【効果】 熱交換効率を低下させることなく、管体10
と内壁34との間に入った気泡を抜け易くすくした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、体外血液循環回路に設置され、血液を加温または冷却する熱交換器 およびこれを備える貯血槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、心臓外科手術においては、送血ポンプを作動して患者の静脈より脱血 し、人工肺によりガス交換を行なった後、この血液を再び患者の動脈に戻すとい う人工肺体外血液循環が行なわれる。この人工肺体外血液循環回路には、脱血し た血液を一時的に貯留しておく貯血槽と、血液の温度を調整する熱交換器とが設 置される。
【0003】 貯血槽は、回路内の血液量を調整し、返血量を一定に保つための緩衝機能を有 するとともに、脱血した血液の除泡能をも有している。
【0004】 また、熱交換器は、例えば、手術中には血液の温度を20℃程度に冷却し、手 術終了時には血液を加温して体温に戻すように使用される。
【0005】 このような体外血液循環回路においては、患者の負担を軽減するために、回路 内における血液のプライミング量をできるだけ少なくすることが課題とされてお り、そのため、熱交換器を内蔵した貯血槽が開発されている。この貯血槽は、内 部に貯血空間を有するハウジングを有し、前記貯血空間内にコイル状の金属管を 設置し、この金属管内に熱交換用の媒体(以下、熱媒体という)を通し、金属管 の管壁を介して熱媒体と血液との熱交換を行なうことにより、貯血空間内の血液 を加温または冷却するものである。
【0006】 また、さらに熱交換効率を向上するため、コイル状の金属管に代え、平行に配 設された複数の金属製直管を用いた熱交換器およびこれを内蔵する貯血槽も開発 されている。
【0007】 このような熱交換器および貯血槽では、熱交換効率を高めるために、直管の配 設密度を高くするとともに、ハウジング内壁とこれに隣接する直管との間隙距離 を小さくすることが必要であるが、そのため、次のような問題が生じる。
【0008】 すなわち、体外血液循環を開始するのに先立って、血液循環回路内を生理食塩 水のようなプライミング液にてプライミングするが、プライミング液自体が気泡 を含んでいたり、あるいはチューブや部材の接合部で発生した気泡がプライミン グ液に混入する場合があり、それらの気泡は直管同士の間隙や直管とハウジング 内壁との間隙を通って浮上することができず、熱交換器内に残留する。
【0009】 このような気泡の残留があると、体外血液循環を開始した際に、動脈に返血す る血液中にその気泡が混入するおそれが生じ、生体にとって非常に危険である。
【0010】 また、このような気泡を除去するために、熱交換器や貯血槽に揺動、振動を与 えることが行なわれるが、装置が複雑化する上、十分な効果を有するものではな かった。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、気泡の残留が生じない熱交換器および貯血槽を提供すること にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(3)の本考案により達成される。
【0013】 (1) 内部に貯血空間が形成されたハウジングと、前記貯血空間に連通する血 液流入口および血液流出口と、前記貯血空間内に架設された複数の管体と、該管 体内に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を通過した熱媒体を排出す る熱媒体排出部とを備える熱交換器であって、 前記各管体に対向する前記ハウジングの内壁には、気泡が浮上しうる通路が複 数形成されていることを特徴とする熱交換器。
【0014】 (2) 前記各管体は平行に配置された直管であり、各直管の両端の開口を閉塞 することなく各直管の両端部を隔壁により支持してなる上記(1)に記載の熱交 換器。
【0015】 (3) 上記(1)または(2)に記載の熱交換器を備えることを特徴とする貯 血槽。
【0016】
【作用】
このような構成の本考案によれば、貯血空間内に架設された各管体の直管部が 隣接しているハウジング内壁には、複数の通路が設けられているため、管体より 下方の空間および管体とハウジング内壁との間隙に存在する微小な気泡は、前記 通路を介して容易に浮上して抜けでることができる。なお、この通路は、ハウジ ング内壁の幅方向全域にわたって形成されているのではなく、溝状に複数設けら れているので、気泡の浮上、排出が特に容易となるとともに、チャネリングによ る熱交換率の低下も少ない。
【0017】
【考案の構成】
以下、本考案の貯血槽を、添付図面に示す好適実施例に基いて詳細に説明する 。
【0018】 図1は、本考案の貯血槽の構成例を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線で の断面図、図3は、図2中のB−B線での断面図である。これらの図に示すよう に、本考案の貯血槽1は、ハウジング本体3と蓋体4とで構成されるハウジング 2を有する。このハウジング2の内部には、血液を貯留する貯血空間5が形成さ れている。
【0019】 ハウジング本体3は、図3中上部右側に突出部31を有する箱形をなしている 。
【0020】 蓋体4は、ハウジング本体3の上部開口を覆うように載置されており、貯血空 間5を密封するのではなく、例えば、ハウジング本体3と蓋体4との隙間を介し て貯血空間5と外部とが通気可能なようになっている。これにより、貯血空間5 内の貯血量が増減可能となる。 なお、ハウジング2に、貯血空間5と外部とを連通する通気口(図示せず)を 設置してもよい。
【0021】 蓋体4には、貯血空間5に連通する管状の血液流入口6が固着されている。こ の血液流入口6は、例えば、体外血液循環回路における脱血ラインのチューブに 接続される。
【0022】 また、ハウジング本体3の下部には、貯血空間5に連通する管状の血液流出口 7が形成されている。この血液流出口7は、例えば、体外血液循環回路における 人工肺等へのチューブに接続される。
【0023】 貯血空間5の容積は特に限定されないが、成人用では3000〜5000ml程 度、小児用では1000〜2000ml程度とするのが好ましい。
【0024】 また、後述する管体10が配設されている部分の空間(管体10同士の間隙お よび管体10とハウジング内壁との間隙)およびそれより下方の空間51を合計 した貯血空間の実質容積が約300ml以下、特に、100〜200ml程度(成人 用)であるのが好ましい。このような小さい容積とすることができるのは、後述 するように、熱交換器9が小型で高性能であるからであり、よって、貯血槽の最 低限界貯血量を従来より少なくすることができ、回路のプライミング量の減少に 寄与する。
【0025】 ハウジング本体3および蓋体4の構成材料としては、ポリカーボネート、アク リル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ スチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエ ン−スチレン共重合体等を挙げることができ、このなかでも特に、ポリカーボネ ート、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0026】 また、ハウジング本体3および蓋体4は、貯血量を目視で確認することができ るように、透明であるのが好ましい。
【0027】 なお、ハウジング本体3の側面には、貯血量を示す目盛り(図示せず)を設け ることもできる。
【0028】 ハウジング本体3の突出部31の図中下方には、水平面に対し例えば1〜45 °程度傾斜した傾斜面32が形成されている。
【0029】 また、突出部31における貯血空間5には、血液流入口6から流入した血液中 に含まれる気泡を除去する消泡部材8が設置されている。この消泡部材8は、そ の両側端部を、ハウジング本体3の対向する内壁にそれぞれ一対づつ形成された リブ33間に挿入することにより固定されている。また、消泡部材8の下端は、 傾斜面32に接触している。
【0030】 この消泡部材8としては、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発 泡シリコーン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の発泡体、織布、不織 布、メッシュ、または、多孔質セラミックスのような多孔質材等を挙げることが でき、そのなかでも特に、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンが好ましい。
【0031】 消泡部材8として、発泡体や多孔質材を用いる場合、その孔径は20μm 〜5 mm程度、特に、30μm 〜2mm程度とするのが好ましい。
【0032】 このような貯血槽1は、貯血空間5に貯留された血液を必要に応じ加温または 冷却する熱交換器9を有する。熱交換器9は、貯血空間内に架設された複数の熱 交換用の管体10と、これらの管体10を支持する一対の隔壁11と、各管体1 0内に熱媒体を供給する熱媒体供給部12と、各管体10内を通過した熱媒体を 排出する熱媒体排出部13とを備えている。以下、熱交換器9の各構成要素につ いて説明する。
【0033】 管体10は、主に直管部で構成されるものであり、図示の構成例では、直管で ある。なお、本考案における管体は、直管に限らず、例えば、直管の途中を折り 返すように屈曲させたU字管や、直管の途中を例えば開き角度が160〜175 °程度の山型に屈曲させたV字管のように、直管部が大半を占めるものであれば いかなるものでもよい。
【0034】 各管体10は、それぞれ、平行に設置されている。そして、このような管体1 0は、熱伝導率の高い材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン 等の金属で構成されている。
【0035】 管体10の寸法は、外径が0.5〜10mm程度、特に2〜5mm程度であるのが 好ましく、有効長(貯血空間内の長さ)が50〜300mm程度、特に、70〜1 50mm程度であるのが好ましい。
【0036】 管体10の配設本数は、10〜2000本程度、特に、50〜1000本程度 とするのが好ましい。
【0037】 管体10の配設密度は全体にわたり均一であるのが好ましく、隣接する管体1 0同士の最小間隙距離が0.3〜3.0mm程度、特に、0.6〜2.0mm程度で あるのが好ましい。
【0038】 管体10の条件を以上のようにすることにより、小型で熱交換効率の高い熱交 換器9となる。
【0039】 一方、ハウジング内壁34と管体10との間隙距離は、熱交換効率を高める為 に、前記管体10間の間隙距離よりも狭く設定され、具体的には0.2〜2.8 mm程度、より好ましくは0.3〜1.0mm程度であるとよい。
【0040】 さらに、内壁34には、管体10に対向する面に、溝状の通路35が複数形成 されている。図4は前記通路35の横断面形状を示す内壁34の平面断面図であ り、図5は同じくその正面図である。図5に示されるように、通路35は、上下 方向にむけて形成され、さらに等間隔で配置されている。通路35の横断面形状 は矩形状であって、溝底面351から管体10までの距離は0.3〜2.0程度 、より好ましくは0.5〜1.5mm程度であるとよい。さらに、通路35の総横 断面積は、4〜100mm2 程度、より好ましくは5〜40mm2 程度であるとよい 。このような値より小さくなると、気泡の抜けが悪くなり、大きくなると、内壁 34と管体10との間で、血液が優先的に流れる、いわゆるチャネリングが生じ て、熱交換率が悪くなるからである。通路35の横断面形状は、図示されている ような矩形の他、三角形、円弧状など他の形状であってよい。通路35の本数も 特に制限されないが、1〜20本、より好ましくは3〜8本である。
【0041】 また、通路35の下部は、上方へ向けて内壁34の両端部から溝幅が漸減する ガイド溝36が形成されている。管体10より下方の空間51内の滞留している 気泡などは、このガイド溝36から前記通路35へ達し、容易に液面へ排出され る。
【0042】 さらに、通路35の底面351は後述する空間51の内壁面、および熱交換器 9の上方に位置する貯血空間5の内壁面と連続しており、該溝35を通過して気 泡が容易に浮上できるように構成されている。
【0043】 このように通路35を設けることによって、内壁34と管体10との間を流れ る血液の流量は少なく、チャネリングは生じにくく熱交換効率の低下も殆どない 。
【0044】 管体10は、横断面が円形のものに限らず、例えば、楕円形や、三角形、四角 形、六角形、八角形等の多角形であってもよい。
【0045】 このような管体10は、両端の開口を閉塞することなく、その両端部を一対の 隔壁11に埋設し、液密に固着することにより支持されている。この隔壁11は 、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、エポキシ樹脂等の高分子材料よりな るポッティング材で構成されているのが好ましい。これにより、各管体10の固 定が確実になされ、隔壁11の液密性も保持される。また、隔壁11の厚さは1 5〜50mm程度とするのが好ましく、より好ましくは10〜30mm程度とするの が望ましい。
【0046】 管体10の一端側には熱媒体供給部12が設けられ、他端側には熱媒体排出部 13が設けられている。
【0047】 熱媒体供給部12は、ハウジング本体3の側面に液密に固着された筺体14を 有し、この筺体14と前記隔壁11とで熱媒体室16が規制される。また、筺体 14には、熱媒体室16に連通する管状の熱媒体流入口18が設置されている。
【0048】 熱媒体排出部13は、ハウジング本体3の側面に液密に固着された筺体15を 有し、この筺体15と前記隔壁11とで熱媒体室17が規制される。また、筺体 15には、熱媒体室17に連通する管状の熱媒体流出口19が設置されている。
【0049】 筺体14および15の構成材料としては、前記ハウジング本体3と同様のもの が挙げられる。
【0050】 また、熱媒体室16および17の容積は特に限定されないが、それぞれ、10 〜200ml程度、特に、30〜150ml程度とするのが好ましい。
【0051】 熱媒体としは、所定の温度に調整された水やアルコール等の液体が好適に使用 されるが、空気等の気体であってもよい。
【0052】 各管体10内を流れる熱媒体の合計量(熱媒体供給量)は、熱交換器9の熱媒 体流路の圧力損失、熱媒体ポンプの能力等により適宜決定されるが、通常、5〜 30リットル/分程度、特に、8〜20リットル/分程度程度とするのが好まし い。
【0053】 次に、貯血槽1の作用について説明する。
【0054】 例えば、脱血ラインを経て血液流入口6よりハウジング2内に流入した血液は 、まず消泡部材8を通過して消泡され、次いで傾斜面32に沿って流下し、貯血 空間5に貯留される。また、血液流出口7に接続されるラインに設置されたポン プ(図示せず)の吸引等により、貯血空間5の上部にある血液は、管体10同士 の間隙や管体10とハウジング本体2の内壁34との間隙等を通って、ハウジン グ2の下方へ徐々に流れ、空間51に到達した後、血液流出口7よりハウジング 2外へ流出する。
【0055】 一方、熱媒体流入口18より熱媒体を熱媒体室16に供給すると、この熱媒体 は、各管体10内、熱媒体室17を順次経て、熱媒体流出口19より排出される 。熱媒体が各管体10内を通過する際に、管体10の管壁を介して熱媒体と血液 との間で熱交換がなされ、貯血空間5内の血液が加温または冷却される。
【0056】 例えば、体外血液循環回路に設置された貯血槽1の場合、手術中には、熱媒体 として冷水を用い、血液の温度を20℃程度に冷却し、手術終了時には、熱媒体 として温水を用い、前記20℃程度の血液を加温して体温程度に戻すという操作 を行なう。
【0057】 このような血液循環を開始するのに先立って、血液循環回路内を生理食塩水の ようなプライミング液にてプライミングする。プライミング液の貯血空間5への 注入は、血液流出口7より行なう。
【0058】 このプライミング液中には微小な気泡が混入しているので、貯血空間5をプラ イミングした際、空間51、管体10同士の間隙および管体10と内壁34との 間隙に気泡が入るが、特に内壁34と管体10との間に入った気泡は、内壁34 に形成されている通路35を通って浮上し、容易に排出される。また、空間51 内の気泡は、前記通路下部のガイド溝36に案内されて、通路35より液面へ浮 上し排出される。また、残留気泡があったとしても、貯血槽に振動または揺動を 与えることにより、その気泡は前記と同様にして容易に排出される。
【0059】 以上、本発明の熱交換器およびこれを備える貯血槽を図示の構成例について説 明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】 なお、本発明の熱交換器は、貯血槽に組み込む場合に限らず、熱交換器単独で 用いるものにも適用することができる。このような熱交換器としては、例えば、 人工肺体外血液循環回路において、貯血槽(熱交換器なし)と人工肺との間に設 置される熱交換器が挙げられる。
【0061】
【実施例】
以下、本考案の具体的実施例について説明する。
【0062】 (実施例1) 図1、2および3に示す構成の貯血槽を作製した。貯血槽各部の条件は、下記 の通りである。
【0063】 ハウジング容積:4000ml 管体設置部およびその下方の空間の容積:計200ml ハウジング材質:ポリカーボネイト(透明) 隔壁材質:ポリウレタン(2液混合型) 消泡部材:発泡ポリウレタン(孔径 1000μm ) 管体形状:断面が円形の直管 管体材質:ステンレス鋼 管体内径:2.00mm 管体外径:2.38mm 管体長さ:116mm(有効長75mm) 管体配設本数:405本 隣接する管体の最小間隙距離:平均 0.9mm ハウジング内壁と隣接する管体との間隙距離:0.5mm 通路本数:6本 通路長:100mm 通路幅:5mm 通路横断面の面積:10mm2 筺体材質:ポリカーボネイト(透明) 熱媒体室容積(熱媒体供給側):100ml 熱媒体室容積(熱媒体排出側):100ml
【0064】 (比較例1) ハウジング内壁とこれに隣接する管体との間隙距離を 0.1mmとした以外は 上記実施例1と同様の貯血槽を作製した。
【0065】 (比較例2) ハウジング内壁とこれに隣接する管体との間隙距離を 3mmとした以外は上記 実施例1と同様の貯血槽を作製した。
【0066】実験1 上記実施例1、比較例1、2の各貯血槽について、その血液流出口から貯血空 間内にプライミング液(生理食塩水)を注入した。このプライミング液中には、 直径 1〜3mm程度の微小な気泡が混入していた。
【0067】 この気泡の状態を目視により観察したところ、実施例1の貯血槽では、内壁と 管体の間に入った気泡は、通路を伝って 90%程度が浮上して排出された。ま た、比較例1の貯血槽では、ほとんどの気泡が、内壁と管体の間に入り込んで残 存していた。さらに、比較例2の貯血槽では、内壁と管体との間には実験例1と 同様に気泡は残らなかった。
【0068】 次に、各貯血槽に振動を与え、気泡の抜け具合を目視により観察し、気泡抜け 性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0069】 なお、表1中における気泡抜け性の評価は次の通りである。 ○:気泡の残存なし △:気泡の残存ややあり ×:気泡の残存かなりあり
【0070】実験2 上記各貯血槽について、貯血量約 1000mlを保つ状態で、血液流入口から 貯血空間内に20℃の牛血(Ht=12g/dl)を流量4000ml/minで供給し、ま た、血液流出口側にはチューブおよびローラーポンプを接続し、供給量と同量の 血液を血液流出口から排出した。
【0071】 一方、このような血液の流入、流出と同時に、熱媒体流入口から、熱媒体とし て37℃の水を流量15000ml/minで供給し、各管体を介して貯血空間内の血 液を加温した。
【0072】 上記操作の開始から 15分経過後、血液流出口から流出する血液の温度を測 定し、熱交換器の熱交換性能を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、表1 において、血液流出口から流出する血液の温度(熱交換性能)が、熱媒体の温度 (37℃)に近いほど、熱交換器の熱交換効率が高い。
【0073】
【表1】
【0074】 上記表1に示すように、本考案の実施例1の貯血槽では、気泡抜け性に優れ、 かつ熱交換器の熱交換効率が高い。
【0075】 これに対し、比較例1の貯血槽では、熱交換器の熱交換効率は高いが、気泡抜 け性が劣り、逆に、比較例2の貯血槽では、気泡抜け性はほぼ良好であるが、チ ャネリングが生じて熱交換器の熱交換効率が低くなった。
【0076】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の熱交換器およびおよびこれを備える貯血槽によれ ば、気泡、特に、プライミングの際に混入する微小な気泡の除去性能が優れ、か つ熱交換率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の貯血槽の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線での断面図である。
【図3】図2中のB−B線での断面図である。
【図4】通路である溝の形状を示す内壁の平面断面図で
ある。
【図5】同じく溝の形状を示す内壁の正面図である。
【符号の説明】
1 貯血槽 2 ハウジング 3 ハウジング本体 31 突出部 32 傾斜面 33 リブ 34 内壁 35 通路 351 底面 4 蓋体 5 貯血空間 51 空間 6 血液流入口 7 血液出入口 8 消泡部材 9 熱交換器 90 傾斜部 10 管体 11 隔壁 12 熱媒体供給部 13 熱媒体排出部 14、15 筺体 16、17 熱媒体室 18 熱媒体流入口 19 熱媒体流出口 L 液面

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に貯血空間が形成されたハウジング
    と、前記貯血空間に連通する血液流入口および血液流出
    口と、前記貯血空間内に架設された複数の管体と、該管
    体内に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を
    通過した熱媒体を排出する熱媒体排出部とを備える熱交
    換器であって、前記各管体に対向する前記ハウジングの
    内壁には、気泡が浮上しうる通路が複数形成されている
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記各管体は平行に配置された直管であ
    り、各直管の両端の開口を閉塞することなく各直管の両
    端部を隔壁により支持してなる請求項1に記載の熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱交換器を備
    えることを特徴とする貯血槽。
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