JP3092856B2 - 貯血槽 - Google Patents

貯血槽

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JP3092856B2
JP3092856B2 JP03087832A JP8783291A JP3092856B2 JP 3092856 B2 JP3092856 B2 JP 3092856B2 JP 03087832 A JP03087832 A JP 03087832A JP 8783291 A JP8783291 A JP 8783291A JP 3092856 B2 JP3092856 B2 JP 3092856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体外血液循環回路に設
置される貯血槽に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、心臓外科手術においては、送血
ポンプを作動して患者の静脈より脱血し、人工肺により
ガス交換を行なった後、この血液を再び患者の動脈に戻
すという人工肺体外血液循環が行なわれる。この人工肺
体外血液循環回路には、脱血した血液を一時的に貯留し
ておく貯血槽と、血液の温度を調整する熱交換器とが設
置される。
【0003】貯血槽は、回路内の血液量を調整し、返血
量を一定に保つための緩衝機能を有するとともに、脱血
した血液の除泡機能をも有している。
【0004】また、熱交換器は、例えば、手術中には血
液の温度を20℃程度に冷却し、手術終了時には血液を
加温して体温に戻すように使用される。
【0005】このような体外血液循環回路においては、
患者の負担を軽減するために、回路内における血液のプ
ライミング量をできるだけ少なくすることが課題とされ
ており、そのため、熱交換器を内蔵した貯血槽が開発さ
れている。この貯血槽は、内部に貯血空間を有するハウ
ジングを有し、前記貯血空間内にコイル状の金属管を設
置し、この金属管内に熱交換用の媒体(以下、熱媒体と
いう)を通し、金属管の管壁を介して熱媒体と血液との
熱交換を行なうことにより、貯血空間内の血液を加温ま
たは冷却するものである。
【0006】また、さらに熱交換効率を向上するため、
コイル状の金属管に代え、平行に配設された複数の金属
製直管を用いた熱交換器を内蔵する貯血槽も開発されて
いる。この貯血槽では、貯血空間に流入した血液はハウ
ジングの内壁に沿って流下し、貯留されるような構成と
なっており、各金属製直管は、血液が流下するハウジン
グ内壁の幅方向(血液の流れ方向と直交する方向)と平
行に配設されている。
【0007】しかしながら、このような貯血槽では、脱
血不良により貯血量が減少して金属製直管が空中に露出
した場合に、ハウジングの内壁に沿って流下した血液
が、金属製直管に衝突し、さらに隣接する直管の間隙に
進入する際に、空気を巻込み、比較的大きな気泡が発生
するという問題がある。この気泡の発生は、貯血槽内へ
の血液の流入量が多いほど顕著となる。
【0008】このような気泡が発生すると、動脈に返血
する血液中に気泡が混入するおそれが生じ、生体にとっ
て非常に危険である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貯血
量が減少した場合でも、気泡の発生が起こらない貯血槽
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0011】(1) 内部に貯血空間が形成され、該貯
血空間と外部との間で通気可能なハウジングと、前記貯
血空間に連通する血液流入口および血液流出口と、前記
貯血空間に貯留された血液を加温または冷却する熱交換
器とを有する貯血槽であって、前記血液流入口から流入
した血液は、前記ハウジングの内壁に沿って流下するよ
う構成され、前記熱交換器は、前記貯血空間内に架設さ
れ、主に直管部で構成される複数の管体と、該管体内に
熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を通過し
た熱媒体を排出する熱媒体排出部とを備えており、前記
直管部が、前記血液が流下するハウジングの内壁の幅方
向と実質的に直交する方向に延在するように、前記各管
体を設置したことを特徴とする貯血槽。
【0012】(2) 前記各管体は平行に配置された直
管であり、各直管の両端の開口を閉塞することなく各直
管の両端部を隔壁により支持してなる上記(1)に記載
の貯血槽。
【0013】(3) 前記血液が流下するハウジングの
内壁側にある前記隔壁は、その貯血空間側の面が、鉛直
に対し所定角度傾斜している上記(2)に記載の貯血
槽。
【0014】(4) 前記血液が流下するハウジングの
内壁は、水平面に対し所定角度傾斜している上記(1)
ないし(3)のいずれかに記載の貯血槽。
【0015】
【作用】このような構成の本発明によれば、各管体の直
管部が、血液が流下するハウジングの内壁の幅方向と実
質的に直交する方向に延在するように設置されているの
で、貯血量が減少し、管体が空中に露出した場合でも、
血液が管体に衝突し、さらに隣接する管体の間隙に進入
する際に、空気の巻き込みが少なく、気泡の発生が起こ
り難い。
【0016】
【発明の構成】以下、本発明の貯血槽を、添付図面に示
す好適実施例に基いて詳細に説明する。図1は、本発明
の貯血槽の構成例を示す斜視図、図2は、図1中のA−
A線での断面図、図3は、図2中のB−B線での断面図
である。これらの図に示すように、本発明の貯血槽1
は、ハウジング本体3と蓋体4とで構成されるハウジン
グ2を有する。このハウジング2の内部には、血液を貯
留する貯血空間5が形成されている。
【0017】ハウジング本体3は、図2中上部右側に突
出部31を有する箱形をなしている。
【0018】蓋体4は、ハウジング本体3の上部開口を
覆うように載置されており、貯血空間5を密封するので
はなく、例えば、ハウジング本体3と蓋体4との隙間を
介して貯血空間5と外部とが通気可能なようになってい
る。これにより、貯血空間5内の貯血量が増減可能とな
る。なお、ハウジング2に、貯血空間5と外部とを連通
する通気口(図示せず)を設置してもよい。
【0019】蓋体4には、貯血空間5に連通する管状の
血液流入口6が固着されている。この血液流入口6は、
例えば、体外血液循環回路における脱血ラインのチュー
ブに接続される。
【0020】また、ハウジング本体3の下部には、貯血
空間5に連通する管状の血液流出口7が形成されてい
る。この血液流出口7は、例えば、体外血液循環回路に
おける人工肺等へのチューブに接続される。
【0021】貯血空間5の容積は特に限定されないが、
成人用では1000〜5000ml程度、小児用では10
00〜2000ml程度とするのが好ましい。
【0022】また、後述する管体10が配設されている
部分の空間(管体10同士の間隙および管体10とハウ
ジング内壁との間隙)およびそれより下方の空間51を
合計した貯血空間の実質容積(液面Lにおける貯血量)
が約300ml以下、特に、100〜200ml程度(成人
用)であるのが好ましい。このような小さい容積とする
ことができるのは、後述するように、熱交換器9が小型
で高性能であるからであり、よって、貯血槽の最低限界
貯血量を従来より少なくすることができ、回路のプライ
ミング量の減少に寄与する。
【0023】ハウジング本体3および蓋体4の構成材料
としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共
重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等を
挙げることができ、このなかでも特に、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0024】また、ハウジング本体3および蓋体4は、
貯血量を目視で確認することができるように、透明であ
るのが好ましい。
【0025】なお、ハウジング本体3の側面には、貯血
量を示す目盛り(図示せず)を設けることもできる。
【0026】ハウジング本体3の突出部31の図中下方
のハウジング内壁は、水平面に対し所定角度傾斜した傾
斜面32となっている。血液流入口6から流入した血液
は、後述する消泡部材8を通過した後、この傾斜面32
に沿って流下する。
【0027】この傾斜面32の水平面に対する傾斜角度
θは、1〜45°程度、特に、5〜20°程度とするの
が好ましい。傾斜角度θが1°未満であると、血液の流
下する速度が遅くなり、また、45°を超えると、血液
の流下する速度が速くなりすぎ、血液流量によっては、
気泡が発生しやすくなるからである。
【0028】また、図3に示すように、傾斜面32の幅
Wは10〜250mm程度、特に、50〜150mm程度と
するのが好ましい。
【0029】なお、傾斜面32は、平面に限らず、湾曲
面であってもよい。
【0030】突出部31における貯血空間5には、血液
流入口6から流入した血液中に含まれる気泡を除去する
消泡部材8が設置されている。この消泡部材8は、その
両側端部を、ハウジング本体3の対向する内壁にそれぞ
れ一対づつ形成されたリブ33間に挿入することにより
固定されている。また、消泡部材8の下端は、傾斜面3
2に接触している。
【0031】この消泡部材8としては、例えば、発泡ポ
リウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、
発泡ポリスチレン等の発泡体、織布、不織布、メッシ
ュ、または、多孔質セラミックスのような多孔質材等を
挙げることができ、そのなかでも特に、発泡ポリウレタ
ン、発泡ポリエチレンが好ましい。
【0032】消泡部材8として、発泡体や多孔質材を用
いる場合、その孔径は20μm 〜5mm程度、特に、30
μm 〜2mm程度とするのが好ましい。
【0033】このような貯血槽1は、貯血空間5に貯留
された血液を必要に応じ加温または冷却する熱交換器9
を有する。熱交換器9は、貯血空間内に架設された複数
の熱交換用の管体10と、これらの管体10を支持する
一対の隔壁11a、11bと、各管体10内に熱媒体を
供給する熱媒体供給部12と、各管体10内を通過した
熱媒体を排出する熱媒体排出部13とを備えている。以
下、熱交換器9の各構成要素について説明する。
【0034】管体10は、主に直管部で構成されるもの
であり、図示の構成例では、直管である。なお、本発明
における管体は、直管に限らず、例えば、直管の途中を
折り返すように屈曲させたU字管や、直管の途中を例え
ば開き角度が160〜175°程度の山型に屈曲させた
V字管のように、直管部が大半を占めるものであればい
かなるものでもよい。
【0035】各管体10は、それぞれ、平行かつ水平に
設置されている。この場合、各管体10は、前記傾斜面
32の幅方向と実質的に直交する方向に延在するように
配置されている。貯血空間5内の血液の液面が液面L未
満となり、上方の管体10が空中に露出した場合、傾斜
面32に沿って流下した血液は、図2中の矢印Eで示す
ように、管体10の上に落下するが、管体10の配置を
上記のようにすることにより、血液が管体10に衝突
し、さらに隣接する管体10の間隙に進入する際に、空
気の巻き込みが少なく、気泡の発生が起こり難い。
【0036】なお、図示と異り、各管体10は、水平面
(血液の液面L)に対し、好ましくは5〜60°程度、
より好ましくは、10〜45°程度傾斜して設置されて
いてもよい。これにより、気泡の発生防止効果がより一
層高まり、特に、血液の液面の変動の基く気泡の発生を
も防止することができるという利点がある。
【0037】血液流出口7付近には、管体10が存在し
ない空間51があるのが好ましい。これにより、血液流
出口7から血液が流出する際の圧力損失が減少し、ま
た、各管体10間における血液の偏流を防止することが
できる。
【0038】このような管体10は、熱伝導率の高い材
料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン
等の金属で構成されている。
【0039】管体10の寸法は、外径が0.5〜10mm
程度、特に2〜5mm程度であるのが好ましく、有効長が
50〜300mm程度、特に、70〜150mm程度である
のが好ましい。
【0040】また、管体10の内壁には、熱媒体に旋回
流を生じさせるためのらせん状部材(図示せず)が配設
されていてもよい。
【0041】管体10の配設本数は、10〜2000本
程度、特に、50〜1000本程度とするのが好まし
い。
【0042】管体10の配設密度は全体にわたり均一で
あるのが好ましく、隣接する管体10同士の最小間隙距
離が0.3〜3.0mm程度、特に、0.6〜2.0mm程
度であるのが好ましい。
【0043】ハウジング本体3の内壁34と、該内壁3
4に隣接する管体10との間隙距離は、0.2〜3.0
mm程度、特に、0.6〜2.0mm程度であるのが好まし
い。
【0044】管体10の条件を以上のようにすることに
より、小型で熱交換効率の高い熱交換器9となる。
【0045】なお、管体10は、横断面が円形のものに
限らず、例えば、楕円形や、三角形、四角形、六角形、
八角形等の多角形であってもよい。
【0046】このような管体10は、両端の開口を閉塞
することなく、その両端部を一対の隔壁11a、11b
に埋設し、液密に固着することにより支持されている。
この隔壁11a、11bは、例えば、ポリウレタン、シ
リコーンゴム、エポキシ樹脂等の高分子材料よりなるポ
ッティング材で構成されているのが好ましい。これによ
り、各管体10の固定が確実になされ、隔壁11a、1
1bの液密性も保持される。
【0047】隔壁11aおよび11bの厚さは特に限定
されないが、平均5〜50mm程度、特に、平均10〜3
0mm程度とするのが好ましい。
【0048】管体10の一端側には熱媒体供給部12が
設けられ、他端側には熱媒体排出部13が設けられてい
る。
【0049】熱媒体供給部12は、ハウジング本体3の
側面に液密に固着された筺体14を有し、この筺体14
と前記隔壁11aとで熱媒体室16が規制される。ま
た、筺体14には、熱媒体室16に連通する管状の熱媒
体流入口18が設置されている。
【0050】熱媒体排出部13は、ハウジング本体3の
側面に液密に固着された筺体15を有し、この筺体15
と前記隔壁11bとで熱媒体室17が規制される。ま
た、筺体15には、熱媒体室17に連通する管状の熱媒
体流出口19が設置されている。
【0051】筺体14および15の構成材料としては、
前記ハウジング本体3と同様のものが挙げられる。
【0052】また、熱媒体室16および17の容積は特
に限定されないが、それぞれ、10〜200ml程度、特
に、30〜150ml程度とするのが好ましい。
【0053】熱媒体としては、所定の温度に調整された
水、アルコール等の液体が好適に使用されるが、空気等
の気体であってもよい。
【0054】各管体10内を流れる熱媒体の合計量(熱
媒体供給量)は、熱交換器9の熱媒体流路の圧力損失、
熱媒体ポンプの能力等により適宜決定されるが、通常、
5〜30リットル/分程度、特に、8〜20リットル/
分程度とするのが好ましい。
【0055】図4は、本発明の貯血槽の他の構成例を示
す断面側面図である。同図に示す貯血槽20は、傾斜面
32側にある隔壁11aの構成が前記貯血槽1と異って
おり、その他の構成は同様である。すなわち、隔壁11
aの貯血空間5側の面(内面115)が、鉛直に対し所
定角度傾斜している。
【0056】貯血空間5内の血液の液面が液面L未満と
なり、上方の管体10が空中に露出した場合、傾斜面3
2に沿って流下した血液は、図2中の矢印Eで示すよう
に、管体10の上に落下するが、その後、傾斜した隔壁
11aの内面115に沿って流れる。これにより、液面
下に進入する際、または進入後の血液の流れが円滑とな
り、気泡の発生防止効果がより高くなり、特に、傾斜面
32を流下する血液の量が多い場合でも気泡の発生が起
こり難い。
【0057】隔壁11aの内面115の鉛直面に対する
傾斜角度αは、1〜45°程度、特に、10〜30°程
度とするのが好ましい。
【0058】次に、貯血槽1の作用について説明する。
【0059】例えば、脱血ラインを経て血液流入口6よ
りハウジング2内に流入した血液は、まず消泡部材8を
通過して消泡され、次いで傾斜面32に沿って流下し、
貯血空間5に貯留される。また、血液流出口7に接続さ
れるラインに設置されたポンプ(図示せず)の吸引等に
より、貯血空間5の上部にある血液は、管体10同士の
間隙や管体10とハウジング本体2の内壁34との間隙
を通って、ハウジング2の下方へ徐々に流れ、空間51
に到達した後、血液流出口7よりハウジング2外へ流出
する。このような血液の流入および流出のバランスによ
り、貯血空間5内の貯血量は、好ましくは液面Lより上
方に保持される。
【0060】一方、熱媒体流入口18より熱媒体を熱媒
体室16に供給すると、この熱媒体は、各管体10内、
熱媒体室17を順次経て、熱媒体流出口19より排出さ
れる。熱媒体が各管体10内を通過する際に、管体10
の管壁を介して熱媒体と血液との間で熱交換がなされ、
貯血空間5内の血液が加温または冷却される。
【0061】例えば、体外血液循環回路に設置された貯
血槽1の場合、手術中には、熱媒体として冷水を用い、
血液の温度を20℃程度に冷却し、手術終了時には、熱
媒体として温水を用い、前記20℃程度の血液を加温し
て体温程度に戻すという操作を行なう。
【0062】このような血液循環を行なっている最中
に、例えば、脱血不良により貯血量が減少し、血液の液
面が液面L未満となり、上方の管体10が空中に露出し
た場合、傾斜面32に沿って流下した血液は、図2中の
矢印Eで示すように、管体10の上に落下するが、各管
体10が傾斜面32の幅方向と実質的に直交する方向に
延在するように配置されているため、血液が管体10に
衝突し、さらに隣接する管体10の間隙に進入する際
に、空気の巻き込みや跳ね上がりが少なく、気泡の発生
が起こり難い。
【0063】従って、血液が管体10同士の間隙や管体
10と内壁34との間隙を流れる際の気泡による圧力損
失がなく、しかも血液流出口7から流出する血液中に気
泡の混入がないので、安全性が高い。
【0064】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。 (実施例1)図1、2および3に示す構成の貯血槽を作
製した。貯血槽各部の条件は、下記の通りである。 ハウジング容積:4000ml 管体設置部およびその下方の空間の容積:計200ml ハウジング材質:ポリカーボネート(透明) 傾斜面の角度:θ=5° 隔壁材質:ポリウレタン(2液混合型) 隔壁厚さ:18mm 消泡部材:発泡ポリウレタン(孔径1000μm ) 管体形状:断面が円形の直管 管体材質:ステンレス鋼 管体内径:2.00mm 管体外径:2.38mm 管体長さ:116mm(有効長76mm) 隣接する管体の最小間隙距離:平均0.9mm ハウジング内壁と隣接する管体との間隙距離:1.0mm 管体配設本数:405本 管体設置方向:傾斜面の幅方向と直交方向に水平かつ平
行に設置 筺体材質:ポリカーボネート(透明) 熱媒体室容積(熱媒体供給側):100ml 熱媒体室容積(熱媒体排出側):100ml
【0065】(実施例2)傾斜面の角度をθ=15°と
した以外は、実施例1と同様の貯血槽を作製した。
【0066】(実施例3)図4に示す構成の貯血槽を作
製した。ハウジングの傾斜面側にある隔壁の条件等を下
記の通りとした以外は、貯血槽各部の条件は実施例1と
同様とした。 隔壁の貯血空間側の面の傾斜角度:α=15° 隔壁厚さ:15〜25mm 管体設置部およびその下方の空間の容積:計190ml
【0067】(比較例)各管体をハウジングの傾斜面の
幅方向と同方向に水平かつ平行に設置した以外は上記実
施例1と同様の貯血槽を作製した。
【0068】上記実施例1、2、3および比較例の各貯
血槽について、その血液流入口から貯血空間内に牛血
(Hb=0.12g/dl、37℃)を、それぞれ、流量20
00、4000、5500および7000ml/minで供給
し、また、血液流出口側にはチューブおよびローラーポ
ンプを接続し、供給量とほぼ同量の血液を排出した。こ
のようにして貯血空間内の貯血量を約100mlに維持
し、上方側の管体(全管体の半数程度)を空気中に露出
させた。
【0069】一方、このような血液の流入、流出と同時
に、熱媒体流入口から、20℃の冷水を供給し、各管体
を介して貯血空間内の血液を冷却した。
【0070】上記操作を15分間継続して行ない、気泡
の発生状況を観察した。その結果を下記表1に示す。
【0071】なお、表1中の記号は、次の通りである。 ○:気泡の発生なし △:気泡がわずかに発生 ×:気泡が多量に発生
【0072】
【表1】
【0073】上記表1に示すように、本発明の実施例
1、2および3の貯血槽では、いずれも気泡の発生はほ
とんどなく、特に、ハウジングの傾斜面側にある隔壁の
貯血空間側の面が傾斜している実施例3の貯血槽では、
血液の流入量が増加しても、優れた気泡発生防止効果が
維持されている。
【0074】これに対し、比較例の貯血槽では、直径
0.5〜3mm程度の比較的大きな気泡が発生した。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の貯血槽によ
れば、貯血量が減少した場合でも、気泡の発生が生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯血槽の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線での断面図である。
【図3】図2中のB−B線での断面図である。
【図4】本発明の貯血槽の他の構成例を示す断面側面図
である。
【符号の説明】
1、20 貯血槽 2 ハウジング 3 ハウジング本体 31 突出部 32 傾斜面 33 リブ 34 内壁 4 蓋体 5 貯血空間 51 空間 6 血液流入口 7 血液流出口 8 消泡部材 9 熱交換器 10 管体 11a、11b 隔壁 115 内面 12 熱媒体供給部 13 熱媒体排出部 14、15 筺体 16、17 熱媒体室 18 熱媒体流入口 19 熱媒体流出口 L 液面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に貯血空間が形成され、該貯血空間
    と外部との間で通気可能なハウジングと、前記貯血空間
    に連通する血液流入口および血液流出口と、前記貯血空
    間に貯留された血液を加温または冷却する熱交換器とを
    有する貯血槽であって、前記血液流入口から流入した血
    液は、前記ハウジングの内壁に沿って流下するよう構成
    され、前記熱交換器は、前記貯血空間内に架設され、主
    に直管部で構成される複数の管体と、該管体内に熱媒体
    を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を通過した熱媒
    体を排出する熱媒体排出部とを備えており、前記直管部
    が、前記血液が流下するハウジングの内壁の幅方向と実
    質的に直交する方向に延在するように、前記各管体を設
    置したことを特徴とする貯血槽。
  2. 【請求項2】 前記各管体は平行に配置された直管であ
    り、各直管の両端の開口を閉塞することなく各直管の両
    端部を隔壁により支持してなる請求項1に記載の貯血
    槽。
  3. 【請求項3】 前記血液が流下するハウジングの内壁側
    にある前記隔壁は、その貯血空間側の面が、鉛直に対し
    所定角度傾斜している請求項2に記載の貯血槽。
  4. 【請求項4】 前記血液が流下するハウジングの内壁
    は、水平面に対し所定角度傾斜している請求項1ないし
    3のいずれかに記載の貯血槽。
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