JPH041124A - 眼用懸濁液 - Google Patents

眼用懸濁液

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JPH041124A
JPH041124A JP9915090A JP9915090A JPH041124A JP H041124 A JPH041124 A JP H041124A JP 9915090 A JP9915090 A JP 9915090A JP 9915090 A JP9915090 A JP 9915090A JP H041124 A JPH041124 A JP H041124A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、眼治療用懸濁液に関する。
〔従来技術及びその課題〕
眼科治療においては、頻繁に眼窩の組織に薬剤を局処投
与することが多い。更に、眼に涙液又は水分が欠乏して
いる場合には、眼に水分や潤いを与える為に人工涙液を
眼に頻繁に滴下しなければならない。
眼に水分や潤いを与えなければならない場合や、或いは
眼に局処投薬をしなければならない場合において、1つ
の共通した治療方法は点眼薬を使用することである。患
者は自分自身で眼薬滴下器や延長部を有するデイスペン
サーを介して点眼薬を眼に滴下出来るので、点眼薬滴下
は極めて容易である。しかし、点眼薬を滴下する場合の
欠点は、薬液或いは濁液が眼窩から涙点とよばれる開口
を介して鼻腔に急速に排出されることである。この排出
される薬液は、鼻や喉の粘膜に吸収されて組織中毒を引
き起こすことになるが、組織中毒は薬液の量と投薬の回
数を少な《しまた薬物を長時開眼に滞留させることによ
り低減することができる。
更に、点眼薬は眼から簡単に蒸発する。
このように、点眼薬を使用すると、長時間連続して潤剤
或いは薬剤を投与することは出来ず、点眼薬は眼から排
出されるため、投与時に正確な投薬量を予測することが
出来ない。また、間欠的に投与する場合でも、点眼薬は
眼から象、速に流出するので、投薬の残量を予測するこ
とが出来ないという問題は依然として残る。更に、点眼
薬の連続した投与は不便であるばかりでなく危険でもあ
る。
米国特許に開示されたいくつかのドラッグ ブリハリ−
 システムにおいては、眼に連続して薬剤を供給するた
めの大型のインサートが提案されている。あるインサー
トは薬剤を分散させるものであるが、薬剤の分散後、薬
剤の担体を除去する必要がある。しかしながら、米国特
許Nα3,845,201、Nα4,164,559及
びNα4,179,497号には、長時間に亙って薬剤
を供給して最後には完全に分解し、薬剤供給後に除去す
る必要のない大型のペレット状の種々のインサートが開
示されている。
液薬治療においては、これらのインサートは、薬剤を急
速に流出させることなく長時間に亙って連続的に供給す
るので投薬量をより正確に予測出来るという利点がある
。更に、これらインサートは瞼の裏側の結膜嚢の盲管に
直接配置することが出来る。このように、片状の眼用単
位インサートにより、点眼薬を使用する場合のように投
与を繰り返さなくても長時間に亙って予測可能な投薬が
出来る。
しかし、単位インサートの使用にはいくつかの欠点があ
る。第1に、上記インサートはかなり大きく、鋭敏な眼
の組織に不快感や痛みを引き起こす、更に、単位インサ
ートは瞼の裏側に注意して挿入しなければならないうえ
、挿入時に特別の処置及び特別の挿入具が必要になる。
これらインサートを挿入する際の患者教育の難しさと特
有の技術を要することがインサートの普及を妨げている
また、眼用インサートはかなり大きく且つ1つの片状の
ため、まばたきにより眼窩から飛び出すことがある。
液体薬物治療とインサートにおける上記問題を解決する
ための試みとして、シェルの米国特許阻3.914,4
02 、阻4,001.388及びl14LL4,11
5.554には、溶媒に10μmから最大3()0μm
の固体粒子を懸濁させた懸濁液からなる眼薬の剤形が記
載されている。シェルの剤形は、インサートにおける複
雑な挿入やインサートの大きさによる不快感そしてイン
サートの飛び出しなどの問題を解消する。
しかし、シェルの懸濁液中の極めて小さい固体粒子によ
り、投薬量が予測出来ることと薬剤や潤剤を連続して投
与出来ることなどのインサートの重要な利点が失われる
上記全てのシェルの特許には、懸濁薬液中の固体粒子は
涙膜を介して眼窩から通り抜けられるぐらいに十分小さ
いものであることが記載されている。更に、このことは
固体粒子の大きさが10μmから最大300μmの範囲
にあって且つ涙膜の平均の大きさが約0.5mmである
ことからも明らかである。従って、シェルは意図的に固
体粒子の大きさを涙膜の大きさよりも小さくしているこ
とがわかる。シェルは、懸濁液中の固体粒子は涙膜を通
って眼窩から排出されないと主張している。
このようにシェルは主張しているが、なぜ涙膜から小径
の粒子が導管系の通常の排泄路に沿って排出されないの
かということを実際に説明することが出来ない、更に、
シェルの粒子は、懸濁液中に分解されているので、眼に
過剰に投与された懸濁液は自然に涙膜から排出される。
粒子はこの液体中に懸濁され、特に涙膜の径よりも小さ
いので、排出される懸濁液中の粒子がどのようにして眼
から排出されないのか理解出来ない。シェルは異なった
主張をしているが、シェルのシステムにより過剰に懸濁
液が供給されると涙膜から粒子の幾分かは排出されるの
で、シェルの懸濁液の微粒子は投薬量の予測を妨げる。
シェルの懸濁液のいくつかの微粒子は眼の柔らかい組織
に滞留するかもしれないが、かなりの粒子は眼から排出
される。
アブラハムの米国特許Na3.826.258には、徐
放性薬物担体が記載されている。アブラハムの特許は、
眼に投与し得るカプセル剤を使用した局処治療に関する
ものである。アブラハムの特許は、薬剤による眼の痛み
や不快感の問題を解決しようするものであり、球形カプ
セル剤の直径は1■以下でなければならないと幅広く主
張している。アブラハムは、眼に痛みを引き起こさない
球形カプセル剤の大きさを限定せずに最大直径について
述べている。しかしながら、最大直径約1mmのカプセ
ル剤は眼に大変な痛みを引き起こす。
更に、アプラハムは粒子が眼の涙膜から排出される問題
にはふれていない、アブラハムは涙膜からの排出を防ぐ
ためのカプセル剤の最小の大きさについて示唆していな
い。涙膜の平均の大きさは0.5mmであり、従って幅
広い大きさの範囲にあるアブラハムのカプセル剤の大部
分は涙膜から排出される。何れにしても、アブラハムは
涙膜からの排出の問題にはふれず、カプセル剤は眼に痛
みを引き起こすものであってはならないと広言している
だけで、カプセル剤の大きさについての指針がなく、カ
プセル剤の大きさに関する前述の1つの目的を達成する
一貫性に欠ける。
更に、アブラハムは、涙膜からの排出と眼の痛みの両方
に関係するカプセル剤の最大寸法に対する最小寸法の大
きさのバランスに関する議論をしていない。それどころ
か、アブラハムは、均一な大きさの球形カプセル剤の使
用を示唆している。
従って、アブラハムの特許には、眼に痛みを引き起こす
可能性を増加させずに涙膜からの排出を防止し得るカプ
セル剤の大きさについて提案されていない。
次に、眼の涙液と涙膜について説明すると、通常条件の
もとでは、涙液は、角膜と結膜上皮を覆う約7〜10μ
mの厚さの薄い層を形成している。
この極めて薄い層は、角膜上皮の僅かな凹凸をなくして
視覚表面を滑らかにし、角膜と結膜上皮の表面を潤して
上皮細胞の損傷を防ぎ、機械的な水洗いにより角膜の粘
膜上に微生物が成長するのを防止している。
通常、涙膜は3層構造になっている。その外層はマイボ
ーム腺の分泌物から派生した脂質層であり、水質層の蒸
発を防止していると考えられている。その中間の水質層
は大小の涙腺で形成され、水溶性物質を含んでいる。最
も内側のムチン層はグリコプロティン ムチンからなり
、角膜と結膜上皮細胞を覆っている。上皮細胞膜はリポ
プロティンからなり、疎水性である。水性溶液だけでは
上皮細胞膜の表面を湿らせることができないので、この
ムチン層は上皮細胞膜の表面を湿らせるうえで重要な役
割を果たしている。従って、ムチンにより涙液が拡散し
得る親水性の表面が形成され、涙液の表面張力の低下に
よりその表面は濡らされる。通常の状況では、ムチンは
結膜の杯細胞や涙腺から供給される。
涙膜の成分の何れかが欠乏している場合には、涙膜は破
壊し、角膜と粘膜上皮に乾燥点が発生する。上記3つの
層(水質、ムチン、脂X)のうち何れの層が欠けても眼
が乾燥する。乾性角結膜炎として知られている病気には
多くの形態がある。
リウマチ様関節炎に関係しているか或いは他の結合組織
の病気に関係しているものはシェグレン症候群と呼ばれ
ている。この病気についてのバックグラウンドとなる全
ての知識は、Vaughan在住のタバラ等の共著であ
るrGeneral OphthalsologyJ 
 (1986年発行、 第11版)の72頁〜77頁の
涙液に関する章から得ることが出来る。
眼に取付けることが可能な大型の固形の人工涙インサー
トは知られている。このようなインサートの一例として
、rLacrisert Jの商標で販売されているイ
ンサートがある。この杆体には、眼に長時間に亙って徐
放されるヒドロキシプロピルセルローズが含まれている
。また、rGeneral 0phthal■olog
y Jの第7章には、インサートを挿入した場合には、
局処的に人工涙液を滴下すべきことが示唆されている。
これら大型のインサートはしばしば霧視や痛みを引き起
こすばかりでなく、これらのインサートは涙膜の1つの
層を模倣したある物質を供給するだけのものである。ヒ
ドロキシプロピル セルローズは涙膜にムチン状物質を
供給する。更に、この治療薬は、眼に同時に全ての薬剤
成分を供給出来るような使用が簡単な懸濁液に製剤され
ていない、これらインサートは特殊な技術を用いて眼に
装着しなげなければならず、装着後も人工涙液を滴下し
なければならない、  rGeneral Ophth
almolOg)I Jには、眼に固形のインサートを
装着した後に滴下される人工涙液の実際の成分について
の記述がない。
眼球乾燥症候群は涙膜の3つの層の何れかが欠けること
により引き起こされるので、涙膜の3つの成分の全てを
備えていないLACRISERT システムは、眼球乾
燥症候群の全ての症状に対して完全な治療を施すことが
出来ない。
本発明の目的は、長時間連続して薬剤を投与し得る眼治
療用懸濁液を提供することである。本発明の更にもう1
つの目的は、予測可能な投薬量又は薬剤量の眼の治療媒
体を投与し得る眼治療用懸濁液を提供することである。
本発明の更にもう1つの目的は、眼に簡単に投与出来、
眼から時期尚早に排出されたり或いは飛び出したりする
危険がなく長時間に亙って眼窩に滞留し得る眼用の治療
薬を含んだ眼治療用懸濁液を提供することである。
本発明の更にもう1つの目的は、涙膜からの排出が防止
又は遅延されるために眼に長時間滞留し且つ鋭敏な眼の
組織に痛みを引き起こすことのない快適な眼用治療薬を
含んだ眼治療用懸濁液を提供することである。
本発明の目的は、涙膜の全ての成分を供給する人工涙液
としての眼治療用懸濁液を提供することである。本発明
の更にもう1つの目的は、眼に投与されたときに自然の
涙膜に酷(以した涙膜を形成する全ての成分を供給して
眼の乾燥を治療する眼治療用懸濁液を提供することであ
る。
発明のもう1つの目的は、自然の涙膜成分(水分、ムチ
ン、脂質)の何れかの成分又は全ての成分の欠乏を補償
する人工涙液としての眼治療用懸濁液を提供することで
ある。本発明の更にもう1つの目的は、眼に潤いが必要
なときや或いは眼が乾燥した環境に晒されているときに
は、いつでも使用することが出来る人工涙液としての眼
治療用懸濁液を提供することである。本発明の別の1つ
の目的は、眼の潤剤、コンタクトレンズの洗浄液、隅角
鏡レンズの洗浄液、及びその他の人工涙液システムとし
て使用し得る眼治療用懸濁液を提供することである。本
発明の更にもう1つの目的は、簡単に投与出来、涙膜の
3つの成分を効率良く供給し得る人工涙液としての眼治
療用懸濁液を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
第1請求項に係る眼治療用懸濁液は、最大部分の寸法が
少なくとも0.5mmの大きさであって且つ1〜2mm
の範囲にあり、限に投与された状態において最小部分の
寸法が0.4 mm〜0.7鵬以下である生体分解性物
質からなる複数の3次元粒子と、上記粒子が懸濁される
担体であって眼に許容されるpHの液体担体と軟膏担体
との一方を含んだものである。
第2請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項の眼治
療用懸濁液において、上記生体分解性物質は、コラーゲ
ン、ゼラチン、血清、ポリビニルアルコール、重合メチ
ルセルロース又はメチルセルロース誘導体のうちの少な
くとも1つで構成したものである。
第3請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項又は第
2請求項の眼治療用懸濁液において、投与前の懸濁液中
において粒子の最小部分の寸法が0、5 rrm、以下
に設定されているものである。
第4請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項、第2
請求項又は第3請求項の眼治療用懸濁液において、上記
粒子は、眼と瞼の間に投与された時に瞼により変形され
るように且つ瞼間に投与された場合でも快適であるよう
に柔らかく展性に富んだ形態に形成されているものであ
る。
第5請求項に係る眼治療用懸濁液は、第4請求項の眼治
療用懸濁液において、上記粒子は柔らかく、半固形であ
るものである。
第6請求項に係る眼治療用懸濁液は、第4請求項又は第
5請求項の眼治療用懸濁液において、上記粒子は、投与
前懸濁液中でその最小部分の寸法が約0.4 mm〜0
.7mmより大きく、眼と瞼の間に投与されたときにそ
の最小部分の寸法が0.5肛以下に圧縮されるものであ
る。
第7請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第6
請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、上記
粒子の形状が球状、半球状、細長い円柱状、立方体状、
長方形状、細長い長方形状或いは円形ディスク板状であ
るものである。
第8請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第7
請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、上記
粒子の上記最大部分の寸法が1mm以上であるものであ
る。
第9請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第8
請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、投与
後、上記粒子は瞼の裏面に通合し、瞼間に投与されても
快適であるものである。
第10請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第
9請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、投
与時に生体分解性物質の粒子に含水させて、柔らかく高
展性にするようにしたものである。
第11請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第
10請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、
生体分解性物質の粒子は、更に少なくとも1つの眼用薬
剤を含んでいるものである。
第13請求項に係る眼治療用懸濁液は、第11請求項の
眼治療用懸濁液において、眼用薬剤が生体分解性物質の
粒子に封入されているか或いは分散されているものであ
る。
第13請求項に係る眼治療用懸濁液は、第13請求項の
眼治療用懸濁液において、生体分解性物質の被膜が眼内
で分解したときに薬剤が放出されるように、眼用薬剤が
生体分解性物質の被膜内に封入されているものである。
第14請求項に係る眼治療用懸濁液は、第13請求項の
眼治療用懸濁液において、上記粒子が眼内で分解するに
つれて薬剤が連続的に放出されるように眼用薬剤が生体
分解性物質に分散されているものである。
第15請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第
1O請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、
眼に投与された状態においてムチン状物質を放出し且つ
眼内に水性物質を保持する為の親水性の表面を形成する
複数の生体分解性ムチン状粒子と、眼に投与された状態
において脂質状物質を放出し且つ眼内の水性物質の蒸発
を抑制する為の層を形成する脂質状物質と、眼に投与さ
れた状態において水性物質を放出する水性物質とを含ん
でおり、上記ムチン状粒子が上記脂質状物質担体と上記
水性物質担体の少なくとも一方に懸濁されている人工涙
液としての懸濁液であるものである。
第16請求項に係る眼治療用懸濁液は、眼に投与された
状態においてムチン状物質を放出し且つ眼内に水性物質
を保持するための親水性の表面を形成する複数の生体分
解性ムチン状粒子と、眼に投与された状態において脂質
状物質を放出し且つ眼内の水性物質の蒸発を抑制するた
めの層を形成する脂質状物質と、眼に投与された状態に
おいて水性物質を放出する水性物質とを含んでおり、上
記ムチン状粒子が上記脂質状物質担体と上記水性物質担
体の少なくとも一方に懸濁されている人工涙液であるも
のである。
第17請求項に係る眼治療用懸濁液は、第15請求項又
は第16請求項の眼治療用懸濁液において、上記ムチン
状粒子がコラーゲン、ゼラチン又は血清のうちの少なく
とも1つからなるものである。
第18請求項に係る眼治療用懸濁液は、第15請求項〜
第17請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、上記脂質状物質の少なくとも一部分が粒形であるもの
である。
第19請求項に係る眼治療用懸濁液は、第18請求項の
眼治療用懸濁液において、上記脂質状粒子は、ペトロラ
タム、脂肪酸、脂肪性エステル、ワンクス、脂肪性アル
コール又はレシチンの少なくとも1つからなるものであ
る。
第20請求項に係る眼治療用懸濁液は、第18請求項の
眼治療用懸濁液において、上記脂質状粒子は、グリコプ
ロティン、コレストロール又はリン脂質の少なくとも1
つからなるものである。
第21請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第
20請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、
上記ムチン状粒子が展性に富んだ形態に形成されている
ものである。
第22請求項に係る眼治療用懸濁液は、第18請求項〜
第21請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、上記ムチン状粒子と脂質状粒子の最大部分の寸法が少
なくとも0.5Mであるものである。
第23請求項に係る眼治療用懸濁液は、第22請求項の
眼治療用懸濁液において、眼に投与された状態において
ムチン状粒子と脂質状粒子の最小部分の寸法が約0.4
 tm〜0.7m以下であるものである。
第24請求項に係る眼治療用懸濁液は、第18請求項〜
第23請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、上記ムチン状粒子と脂質状粒子は水性物質担体剤に懸
濁されているものである。
第25請求項に係る眼治療用懸濁液は、第24請求項の
眼治療用懸濁液においで、上記水性物質の一部分はムチ
ン状粒子の少なくとも一部分に含まれているものである
第26請求項に係る眼治療用懸濁液は、第25請求項の
眼治療用懸濁液において、上記水性物質はムチン状粒子
内に封入されているものである。
第27請求項に係る眼治療用懸濁液は、第18請求項〜
第26請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、上記ムチン状粒子と脂質状粒子は脂質状物質担体剤に
懸濁されているものである。
第28請求項に係る眼治療用懸濁液は、第25請求項の
眼治療用懸濁液において、上記水性物質を含んだムチン
状粒子は脂質状物質担体剤に懸濁されているものである
第29請求項に係る眼治療用懸濁液は、第28請求項の
眼治療用懸濁液において、更に水性物質担体剤を含んで
いるものである。
第30請求項に係る眼治療用懸濁液は、第28請求項又
は第29請求項の眼治療用懸濁液において、上記ムチン
状粒子は脂質状物質と水性物質の双方に懸濁されている
ものである。
第31請求項に係る眼治療用懸濁液は、第15請求項〜
第30請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、上記脂質状物質の少なくとも一部分がムチン状粒子に
含まれているものである。
第32請求項に係る限治療用懸濁液は、第15請求項〜
第31請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において
、担体は、ムチン状粒子と、水性物質と、脂質物質のう
ちの少なくとも2つが懸濁されている液状担体であるも
のである。
第33請求項に係る眼治療用懸濁液は、第1請求項〜第
32請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液において、
眼薬の調剤に用いられるものである。
〔発明の作用及び効果〕
本発明に係る眼治療用懸濁液(以下、この項では懸濁液
という)は、従来技術の項で説明した周知のドラッグ 
デリバリ−システムの全ての利点を有するとともに、そ
れらシステムの全ての欠点を取り除いたものである。
第1請求項の懸濁液においては、生体分解性物質からな
る粒子の最大部分の寸法が少なくとも0゜5II11で
あって且つ1〜2mmの範囲に設定されているので、眼
に投与後生体骨解性物質からなる粒子が徐々に分解して
いっても、これら粒子が涙膜(平均0.5■)から短時
間では排出されずに長時間に亙って眼内に残留すること
になる。
従って、上記粒子に治療用薬剤或いは涙膜成分を予め含
ませておけば、眼内で粒子の分解に応じてそれらの薬剤
や涙膜成分が長時間に亙って眼に供給されることになり
、また眼に残留する薬剤などの量が予測可能になる。
眼内に投与された状態において粒子の最小部分の寸法が
0.4閣〜0.7 m以下に設定されているので、眼に
不快感や痛みを惑しさせることがない。
上記寸法が小さすぎる場合には粒子は眼内で徐々に分解
していくので長時間に亙って粒子の一体性を保持して眼
内に残留させるのが難しくなり、また上記寸法が0.7
m++より大きい場合には眼に不快感や痛みを招くこと
になるので好ましくない。
上記生体分解性物質からなる複数の粒子が眼に許容され
るpHの液体担体と軟膏担体との一方に懸濁されている
ので、投与の際に固形インサートの場合のように特殊な
技術や機具を用いることなく、極めて簡単に投与するこ
とが可能になる。しかも、投与後目ばたきしたときに固
形インサートのように眼から飛び出したりすることもな
くまた霧視を起こすこともなくまた不快感や痛みを引き
起こすこともない。
更に、上記粒子に眼用薬剤を担持させることが出来るの
で、この懸濁液は眼病治療の為の優れたドラッグ デリ
バリ−システム(DDS)となる。尚、粒子に薬剤を担
持させるとともに粒子が懸濁される担体に薬剤を担持さ
せることも出来る。
加えて、上記粒子や担体に涙液の成分及び/又は涙膜層
の成分を担持させることも出来るので、本発明の懸濁液
を眼球乾燥症候群などの治療の為の人工涙液に適用する
ことが出来る。
上記第1請求項に従属する全ての請求項の懸濁液は、少
なくとも上記作用・効果と同様の作用・効果を奏する。
第11請求項の懸濁液においては、生体分解性物質から
なる粒子は少なくとも1つの眼用薬剤を含んでいるので
、この懸濁液は上述のように優れた作用・効果を有する
眼治療用DDSとなる。第13請求項〜第14請求項の
懸濁液についても同様である。
第15請求項の懸濁液においては、涙膜層の3成分(ム
チン質、脂質、水分)の全てを含んでいるので、眼に投
与されたときには自然の涙膜に酷似した涙膜を形成する
。従って、眼の乾燥を防ぐ非常に効果的な人工涙液であ
って、眼に簡単に投与でき、長時間に亙って効く人工涙
液となる。この人工涙液としての懸濁液は、基本的に第
1請求項の作用・効果と同様の作用・効果を奏する。
上記第15請求項に従属する全ての請求項の懸濁液は、
少なくとも上記の作用・効果と同様の作用・効果を奏す
る。
第16請求項の懸濁液においては、第15請求項の懸濁
液と同様に、涙膜層の3成分の全てを含んでいるので、
眼に投与されたときには自然の涙膜に酷似した涙膜を形
成する。つまり、眼の乾燥を防ぐ非常に効果的な人工涙
液として機能する。
生体分解性ムチン状粒子を脂質状物質担体と水性物質担
体の少なくとも一方に懸濁しであるので、特殊な技術や
機具を用いることなく簡単に投与できる。また、固形イ
ンサートの場合のように霧視を起こしたり目まばたきし
たときに眼から飛び出すこともない、眼に投与された状
態において生体分解性ムチン状粒子は徐々に分解してい
くので、長時間に亙ってムチン状物質を供給できる。
上記第16請求項に従属する全ての請求項の懸濁液は、
少なくとも上記の作用・効果と同様の作用・効果を奏す
る。
第21請求項の懸濁液のように、ムチン状粒子を展性に
富んだ形態に形成すると、眼と瞼の間に投与されると粒
子は瞼により変形され、瞼の間に投与された場合でも眼
に痛みを引き起こすことはない。
(実施例〕 本発明による最も簡単な形態において、この眼用治療薬
システムは、以下に述べるように生体分解性物質からな
る特定の大きさの3次元の粒子を含み、粒子は眼に許容
されるpHの液体担体又は軟膏担体に懸濁されている。
懸濁に使用する溶媒は水性又は非水性の眼に許容される
無菌液体である。適用される非水性溶媒としては、シリ
コンオイル、USPミネラルオイル、ホワイトオイル、
例えばコーンオイルやビーナツツオイルなどの植物性オ
イルなど生理学的に許容されるオイルを用いることが出
来る。
液体中に均一に粒子を分散するために、溶媒の濃度は粒
子の密度と等しくなるように設定する。
従って、粒子は液体の上部に浮遊したり下部に沈降する
ことはない。もし、溶媒の濃度が粒子の密度に等しくな
い場合には、粒子を均一に分散させるために溶媒の粘度
を調整するか、或いは投与する直前に調合システムによ
る振動或いは混合操作により粒子を均一に分散させる。
1つの実施例においては、治療薬用の溶媒には、PHを
調節し、適度な等張を与え、治療薬システムを保存する
ためなどに種々の物質を含ませるものとする。使用し得
る保存剤は、1 :15000〜1 : 30000の
範囲の濃度の塩化ベンザルコニウム、0.3%〜0.8
%の範囲の濃度のクロロブタノール、0.001%〜O
,OO3%の範囲の濃度のチメロソル(thimero
sol )及び1:60000〜1 : 80000の
範囲の濃度のフェニル マーキュリ・ンク ニトレー)
 (phenyl mercuric n1tra t
e)を含んでいる。また、1つの好ましい実施例におい
ては、非保存単位又は日用投薬システムとして使用され
る。粘性の増加、懸濁の促進、眼に対する通合性を向上
させるために、例えば0.1%〜0.7%の範囲の量の
メチルセルローズや0.4%〜2.0%の範囲の量のポ
リビニルアルコールを添加することも有り得る。これら
の添加剤は周知のものである。これら種々の添加剤につ
いては、ロバートービー書マンゾールのrcontac
t Lens Practice J  (1965年
発行、チャールズ・シー・トーマス発行)の159頁〜
165頁に詳しく記述されており、その一部を参考まで
にここに引用した。
1つの好ましい実施例においては、懸濁のための溶媒に
代えて、粒子をラノリンやペトロラタムや他の周知の軟
膏などの軟膏に懸濁してもよい。
溶媒や軟膏剤に懸濁させる粒子は、眼の中で分解して眼
に吸収(又は再吸収)されるため除去しなくてもよいよ
うに生体分解性の物質で生成すべきである。′生体分解
性”という用語は次のように定義される。即ち、ある物
質が眼の状況に反応して、例えば醗酵作用、加水分解、
イオン交換、可溶化による溶解、乳化或いはミセル形成
などの1つ又はそれ以上の物理的或いは化学的分解過程
により、−長時間に亙ってユニット構造成いは被覆物か
ら害を及ぼすことなく壊れたり分解することである。こ
の粒子の生体分解は、眼窩の組織における粒子の生成を
防止するだけでなく、長時間に亙って薬剤の放出を制御
して治療を予測可能なものにする。
本発明の懸濁液の粒子に使用される生体分解性物質は、
無毒であり且つ共に投与される他の薬剤と整合するもの
でなければならない。1つの好ましい実施例においては
、生体分解性物質は、薬剤に浸漬されたときにその薬剤
を吸収出来ることが必要であり、また他の好ましい実施
例においては、生体分解性物質は、眼に投与される薬剤
や他の活性物質を全体に包み込む膜を形成することが必
要である。
粒子は瞼の裏側に投与されたときに快適でなければなら
ないし、例えば眼瞼開領域の瞼間の眼の表面に投与され
たときも同様に快適でなければならない。1つの好まし
い実施例においては、粒子は柔らかく快適感を促進する
ものである。
合成物質と同様に生体分解性であって本発明に適用し得
るいくつかの自然物質(例えば、血清など)が有る。
生体分解性の合成ポリマーとして、ポリラクチドやポリ
グリコール酸がある。これらの生体分解性のポリマーは
分解されて二酸化炭素や水などの無害な物質になる。ま
た、これら合成ポリマーは市販されている。
有用なポリラクチドには単独重合体と共重合体が含まれ
る。通常、これらのポリラクチドは乳酸の環式エステル
から生成される。L(+)とD(−)型の乳酸を用いて
ポリラクチドを生成することも出来るし、光学不活性の
DL−乳酸混合物或いはD(−)とL(+)型の乳酸の
任意の混合物を用いてポリラクチドを生成することも出
来る。
ポリマーマトリックスの寿命は使用される共モノマーの
量及び型により制御されるので、ラクチド共重合体はポ
リマーマトリックスの寿命の選択に柔軟性をもたらすの
で重要である。適用し得る共モノマーを複数例示すると
以下の通りである。
グリコリド、フロビオラクトン、テトラメチルグリコリ
ド、ブチロラクトン、ガンマ−ブチロラクトン、ビバロ
ラクトン、 及びヒドロキシブチル酸、ヒドロキシイソブチル酸、ヒ
ドロキシバレリック酸、ヒドロキシステアリツク酸、ヒ
ドロキシカプロイック酸、ヒドロキシ−エチルブチル酸
、ヒドロキシイソカプロインク酸、ヒドロキシーメチル
バレリック酸、ヒドロキシヘプタノインク酸、ヒドロキ
シオクタノインク酸、ヒドロキシカプイック酸、ヒドロ
キシミリスティック酸、ヒドロキシステアリツク酸、ヒ
ドロキシステアリツク酸などの種々の酸の分子間環式エ
ステル、 及びフェニル乳酸。
ポリラクチドの生成方法は特許文献に詳しく記載されて
いる。本発明において参考として引用した以下の米国特
許には、適用し得るポリラクチドとその特性及び生成方
法について詳細に記載されている。
ドローの米国特許kl、995,970 、シュナイダ
ーの米国特許NCL2.703,316 、ザルッペル
クの米国特許Nα2,758,987 、ザイールの米
国特許Nα2,951,828、ヒギンズの米国特許N
α2,676.945及びNα2,683.136、ト
レフの米国特許No、3,531,561英国特許漱7
55,447 、階799,291 、Nα825.3
35 、Nα901,037 、No、932,382
 、kl、048,088 、Nal、123,445
、西独特許に946.664 、Nα975,191 
、阻1,112,293、阻1.152,258 、N
α1,153,902 、東独特許漱14,548、フ
ランス特許kl、425,333 、Nal、478,
694 、階1゜512.182 、オランダ特許No
、99.836、オランダ特許出1iiINQ、6,6
05,197 、N116,605,292 、日本特
許第17゜675号(1966年)、第7,796号(
1967年)、第2.948号(1968年)、第15
,789号(1969年)。
ポリグリコール酸の有する優れた生体分解特性は最近発
見されたものである。ポリグリコール酸はグリコール酸
(ハイドロキシ酢酸)の単独重合体である。グリコール
酸をポリグリコール酸に変換する過程において、グリコ
ール酸は初期にそれ自体で環式エステルグリコールを生
成するように反応し、この環式エステルグリコールは加
熱及び触媒により高分子量の線型鎖状ポリマーに変換さ
れる0本発明において参考までに引用した1970年7
月11日発行の’Chemistry and Ind
ustry」の905頁の記事“シアナミド研究所は世
界初の吸収性合成縫糸を開発”には、ポリグリコール酸
とその特性についてより詳細に記載されている。
ポリペプチドとポリグリコール酸の分子量は、マトリッ
クスの生体分解と薬剤の浸出の双方に極めて関係する。
高分子量即ちMw=90,000以上のポリマーマトリ
ックスはその構造の一体性を長時間に亙って保持し、一
方低分子量即ちMw=30,000以下のポリマーマト
リックスは低速度で浸出しマトリックスの寿命は短いと
いうことが発見されている。
好ましい粒子物質は、豚の電膜又は牛の皮から採取され
るコラーゲンであって紫外線で架橋したもの或いは紫外
線又はX線で架橋した他の形態のコラーゲンである。
コラーゲンの分子構造と生化学特性についての化学は既
に確立されている。生体物質としての利用とともに薬剤
供給の媒体としてコラーゲンの利用についてはよく知ら
れている。宮田等の米国特許No、1,464.559
号には、薬剤供給におけるコラーゲンの利用について記
述した文献が記載されている。rAnnual Rev
iew of Biophysics and Bio
engineeringJ  (1974年発行、第3
巻)の231頁〜253頁の宮田等の論文はその一例で
ある。
他の例として、’J、 Cl1n、 Pharmaco
l」(1973年8月9日発行)の第13巻309頁〜
312頁には、ルピン等による“薬剤供給のための媒体
としてのコラーゲン”が記載されている。
コラーゲンは角膜や皮膚などの結合組織の主たる蛋白質
であり、ペプシンのような蛋白質加水分解酵素(コラー
ゲノーゼ以外の)で処理することにより可溶化し精製さ
れる。可溶化されたコラーゲンは貧テロペプチドであり
、比較的廉価で、抗原性がなX生体医用物質として有益
である。酵素により可溶化されたままのコラーゲンは酸
性pHにおいて溶性であり、生理学的pH及び体温でも
溶性である。
自然のコラーゲンは生理学的pH及び体温では非溶性で
ある。従って、除去しなくてもいいように眼の中で崩壊
させるために、自然のコラーゲンを変換しなければなら
ない。
宮田等の米国特許には、生理学的p)(を有し通常の体
温の眼の中で崩壊し得る化学的に変質させたコラーゲン
の種々の形態が開示されている。
本発明の粒子として使用し得る他の物質は、コラーゲン
を選択的に加水分解して得られるゼラチンであって高分
子量の可水溶性蛋白質の複合体を含むゼラチンである。
ここで使用する架橋ゼラチンという用語は、ゼラチン又
はゼラチン誘導体と、ゼラチン分子のハイドロキシル、
カルボキシル、或いはアミノ官能基の何れとも反応する
がゼラチン分子のペプチド結合とは反応しないような架
橋剤との反応生成物を意味する。架橋反応によって得ら
れた生成物は、架橋間において20〜50000の平均
分子量を有することが望ましいが、それ以上の分子量で
あっても使用し得る。これらの反応生成物は、眼の中で
長時間に亙って生体分解する。
架橋ゼラチン物質とその生成方法は周知である。
ゼラチンの架橋の度合は処理条件に依存するとともにゼ
ラチンの生体分解性に著しく影響を及ぼす。
架橋剤としては、例えば、アルデヒド、C,−C。
アルデヒドなどのモノアルデヒド、デアルデヒド、エポ
キシド、バラベンゼンキノン、及び水性過酸化硫酸塩が
適用出来る。
アルデヒドとケトンは、特に01〜C4のアルデヒドと
ケトンであることが望ましく、ホルムアルデヒドは架橋
剤として最も望ましい。
照射はゼラチンの架橋に適した一つの方法である。例え
ば、rJ、 Po1y Sci、、 J  (1961
年発行、54,321号)には、山田と津田が照射によ
る架橋について紹介している。
ゼラチン100g中には、反応性のヒドロキシル基、カ
ルボキシル基及びアミノ基が夫々100meq、75m
e q及び50me qと適量に含有されている。これ
らの量は架橋剤の使用量を設定するうえで指針となる。
架橋されたゼラチンは、眼液に対して比較的透過性があ
り、ゼラチンを介しである程度薬剤が分散される。従っ
て、架橋ゼラチンは、分散メカニズムにより薬剤を放出
する放出レート制御物質の好例である。
粒子として使用し得るその他の物質としては、ポリビニ
ールアルコールのポリマー、メチルセルロース、カルボ
キシルメチルセルローズ、ハイドロキシプロビーメチル
セルローズ、及びリシチンとコレステロールと脂肪アル
コールとその他関連する物質などを含む種々の脂質など
がある。また、粒子はメチルセルロース誘導体や上記の
生体分解性物質の混成物質を含んでもよい。更に、治療
薬システムは、異なる成分を有して分解速度が異なるよ
うな種々の粒子を含んでもよい。更に、ある生体分解性
物質は、眼に供給すべきある種の活性剤の吸収や放出に
とってより優れたものであると考えられる。
結晶性は浸出と生体分解性に影響を及ぼす、高い結晶性
を有するポリマーマトリックスの浸出速度は低く生体分
解性も低い。結晶性は物理的特性にも影響を及ぼすこと
は知られている。このことは、フロリーとボール・ジェ
ーとの共著rPrinciples of Polym
er Chemistry 」(1966年発行、第5
版)の49頁以降に記載されている。重合体は高い結晶
性を有しているため、ポリマーの膜を通る気体の拡散は
緩慢であることは文献に記載されている。  rJ、 
Po1y、 Sci、、」(1961年発行、第50巻
)の413頁〜439頁には、マイケル・ニー・ニスと
ビックスラーとの共著である“ポリエチレン及びゴム状
ポリマーを通過する気体の流れ”を参照のこと。
薬剤放出の良好な制御量は、ポリマーマトリックスにお
ける適当な結晶度と分子量を選ぶことにより得られる0
例えば、比較的長時間持続して放出させることが望まし
い場合には、乳酸の純粋光学異性体から生成される高分
子量ポリマーをマトリックスとして用いることが出来る
。一方、短時間に象、速に放出させることが望ましい場
合には、低結晶度の低分子量ラクチド共重合体を合成し
てポリマーマトリックスとして用いることが出来る。
当業者であれば実験により、所望の放出速度と放出持続
時間を得るためのポリラクチド又はポリグリコール酸の
結晶度と分子量についての数多くの適当な組合わせを決
定することが出来るであろう。
1つ又はそれ以上の上記パラメータを用いて、種々の浸
出速度と生体分解性を有するポリマーマトリックスを設
計することが出来る。マトリックスの寿命が有効な薬剤
供給期間よりも長く又は短く或いは等しくなるように種
々のマトリックスを合成することが出来る。マトリック
の寿命を短くすると、薬剤供給は薬剤の浸出とマトリッ
クスの生体分解の組合わせで決まる。マトリックスの寿
命を長くすると、薬剤供給は薬剤の浸出だけで決まる。
本発明の薬剤供給システムの設計に柔軟性をもたらした
ことは大変重要なことである。
更に、本発明の粒子は1つの好ましい実施例においては
瞼と眼からの圧力により変形するように柔らかく且つ展
性に富んでいることが必要である。
眼に投与されるまでに懸濁される溶媒又は油性溶剤中で
溶解することはない程度まで粒子は半固形であってもよ
い。
半固形粒子を生成する好ましい方法においては、投与す
る直前にゼラチン、コラーゲン或いはポリマーなどの物
質に含水させるか、或いは脱水作用のない混成物又は軟
膏のベースに柔らかい含水固形物を保持する。
一般に、粒子を水性溶液に浸漬して粒子内に水を侵入さ
せることにより含水させる。患者に投与されるときには
、粒子は含水状態でなければならない。
生体分解性物質粒子は、上記の水性溶液担体に浸漬され
て含水する。水性の担体は粒子に含水させ、粒子を上記
担体中に放置しておけば粒子は脱水されない。
また、生体分解性物質を薬剤を含んだ溶液に浸漬して含
水させることが出来る。薬剤を吸収した粒子を水性担体
又は軟膏担体中に保持することにより脱水を防止できる
。軟膏に分散させると、水分が粒子中に保持され、脱水
は軟膏担体により防止される。
生体分解性粒子の物質として脂質を使用した場合には、
脂質は柔らかく展性に富んでいるので含水する必要はな
い。
本発明の粒子として使用し得る物質を展性に富む形態に
するその他の方法は知られている。
可塑剤は柔らかく展性に冨む粒子を生成する最も好まし
い手段ではないが、大型の生体分解インサートを開示し
たコーヘン等の米国特許NcL4.179゜497には
、本発明に使用し得る可塑剤の数例が記載されている。
使用する可塑剤の要件は、眼の中で完全に溶解すること
である。適当な可塑剤としては、水、ポリエチレン−グ
リコール、プロピレン−グリコール、グリセリン、トリ
メチロール、プロパン、デイプロピレン−グリコールと
トリプロピレン−グリコール、ヒドロキシブロビルーサ
クローズなどがある。可塑剤は粒子中に種々の範囲で含
んでいてもよい。可塑剤を使用する場合に柔らかさと展
性を付与するのに最も好ましい方法という訳ではないの
が、20%以下の可能な限り低濃度の可塑剤を使用すべ
きである。
コーヘン等は固形インサート生成品を水で可塑化する方
法を記載している。本発明に適用する場合には、粒子中
の水分が少なくとも約5%になるまで相対湿度が少なく
とも約40%の空気に粒子を接触させることにより、粒
子を柔らかくしなやかにする。好ましい実施例において
は、空気の好ましい湿度は約60%〜約99%であって
、粒子中に約10%〜約20%の水分が含有されるまで
接触させる。
分散される薬剤と通合可能で、無毒性で、望ましいカプ
セル化特性又は薬剤分散特性と適当な拡散及び分散特性
を有するならばどのような生体分解性物質でも使用する
ことが可能である。上記の物質は好ましい実施例の例示
であって、本発明の懸濁液の粒子に使用し得る物質を制
限するものではない。
好ましいある実施例においては、生体分解性物質の粒子
中に薬剤を含ませる。薬剤は生体分解性物質中に分散さ
れることもあり得るし生体分解性物質によりカプセル化
することも出来る。ここで“薬剤”という用語はもっと
も広義の意味で使用され、あらゆる哺乳動物に使用され
る全ての薬剤を含むものである。眼の治療に有益な薬剤
は特に望ましいが、本発明は眼の治療用の薬剤に限定さ
れるものではない。本発明において定義される“薬剤”
という用語は、治療用薬剤、予防用薬剤、診療用薬剤及
びその他の薬剤などの分類の薬剤を含むが、これらの薬
剤に限定されるものではない。
ここで述べなかった種々の分類及びサブ分類の薬剤又は
特殊な薬剤も本発明に適用可能であり、周知の薬剤及び
当業者が容易に確認し得るその他の薬剤も本発明に適用
し得るものである。
懸濁液の粒子中に含ませるのに適していて、周知の投薬
量及び用法に通合する薬剤としては、以下の眼の治療薬
があるが、これらに限定される訳ではない。
抗生剤: テトラサイタリン、クロロテトラサイクリン
、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミ
シディン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコ
ール、ジェンタマイシン、ペニシリン、カナマイシン、
アミカシン、シソミシン、トブラマイシン、ガラマイシ
ン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、エリスロ
マイシンなど。
抗菌剤: スルホンアミド剤、スルフアセタミド、スル
ファメチゾール、スルフィソエキサゾールなど。
抗ビールス剤: イドグリデイン(idoxuridi
ne)。
その他の抗菌剤: ニトロフラゾン、ナトリウムプロピ
ネートなど。
抗アレルギー剤: アンタゾリン、メタピリリン、クロ
ルフェニラミン、ピリラミン、プロフェンピリダミンな
ど。
抗炎症剤: コルチソン、ヒドロコルティリンアセテー
ト、デキサメタソン、デキサメタソン21リン酸エステ
ル、フルオシノロン、ミドリソン、プレドニソロン ア
セテート、フルオロメソロン、ベタメタソン、フルオロ
メソロン、インドメタシン、トリアムシノロンなど。
血管収縮剤: フェニルフェリン、ナファゾリン、テト
ラヒドラゾリンなど。
瞳孔縮小剤とコリンエステラーゼ阻害剤: ピロカルビ
ン、エセリン、サリシレート、カルバコール、デイイソ
プロピル フルオロリン酸エステル、フォスフォリン 
ヨウ化物、エコティオフエート(echothioph
ate) 、フィソステイグミン、臭化デメカリウムな
ど。
散瞳剤: 硫酸アストロビン、サイクロペントレート、
ホモトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユウ力ト
ロピン、ヒドロキシアンフェタミンなど。
交感神経作動剤: エビネファリン(epinephr
ine)など。
免疫抑制剤: サイクロスポリン、アザチオプリンなど
人工涙液システムとしての実施例において、本発明は、
最も簡単な形態として、生体分解性ムチン勧賞粒子と脂
質物質と水性物質とを含むシステムを提供する。粒子は
担体としての脂質物質或いは水性物質中に懸濁される。
従って、3つの層の物質が簡単に投与出来る懸濁液に含
んでいる。
特に好ましい実施例においては、生体分解性物質の粒子
は、自然の涙膜層の成分に追加して或いは涙膜層の成分
を含まずに、自然の涙液の他の種々の成分を含むことも
ある。添加される涙液成分物質は、生体分解性粒子に分
散されたり、生体分解性物質に封入されたり、或いは液
体又は軟膏担体に含ませられる。このように、好ましい
実施例によれば、人工涙液生体分解性粒子に含ませるこ
との出来るその他の物質は、グリコプロティンムチン、
リボ蛋白質、アルブミンやグロブリンやリソジムグルコ
ースなどの蛋白質、涙尿素及び眼に適当なpHをもたら
すその他の成分である。
別の有益な実施例によれば、人工涙液として点眼薬に用
いられて来た局処溶液は外側のコーティングが分解する
のに応じて人工涙液が長時間に亙って眼に放出されるよ
うに、生体分解性粒子に封入してもよい。
上記ムチン状物質は、涙膜のムチン成分層に類ィ以して
いなければならない。従って、ムチン状物質は角膜と結
膜上皮細胞上の水性物質を保持するように作用しなけれ
ばならない。前述したように、上皮細胞膜はリボ蛋白質
から構成されているので、比較的疎水性であるため、そ
の表面を水性の溶液だけで潤すことは出来ない。ムチン
は上皮細胞膜の表面を潤すうえで重要な役割をする。ム
チンの一部は角膜上皮細胞膜に吸着され、表面上皮細胞
のマイクロビリ(蒙1crovi It)により係留さ
れる。
このようにして涙液が拡散し得る親水性表面が形成され
、その表面は涙液の表面張力が低下することにより潤う
このように、本システムのムチン状物質は水性物質を上
皮細胞の表面に保持することが必要である。この水性物
質は自然の涙液でもよいし、本システムにより供給され
る水性物質でもよい。このようにして、ムチン状物質粒
子は、涙膜の自然のムチン成分と同様に眼に水性物質を
留める。
上記したいくつかの自然発生又は合成の生体分解物質は
、本発明のムチン状物質に適用出来る。
涙液システムにおいて、半固形粒子を生成する好ましい
方法には、ゼラチン、コラーゲン、或いはポリマーなど
の物質を投与直前に含水させたり、柔らかい含水された
固体を脱水性のない混合物や軟膏ベース中に保持するこ
とが含まれる。含水は粒子を柔らかくし展性を付与する
だけでなく、含水時に粒子に含まれた水は少なくとも水
分としてシステムに供給される。−皮投与されると、ム
チン状物質粒子は自然のムチンと同様に作用し眼に水分
を繋ぎ留める。このように、含水された粒子は、水が液
体担体として使用されたときの水分に加えて水分を供給
する。更に、含水された粒子が脂質軟膏又は油性担体中
に保持されると、軟膏又は油性担体は疎水性なので、そ
れらは水分を粒子中に留めるように作用する。このよう
に、軟膏又は油性担体を用いることにより、本発明は、
含水粒子中の水分を涙膜の水成分として供給できる。
通常、粒子を水性溶液に浸漬して含水させる。
患者に投与するときには、粒子は含水状態でなければな
らない。
生体分解性物質粒子は、上記のように水性溶液担体中に
保持することにより含水させることが出来る。水性担体
は粒子を含水させ、粒子を担体中に放置すると、脱水が
防止される。
また、生体分解性物質を水吸収性溶液に浸漬して含水さ
せることが出来る。薬荊吸収粒子を水性担体又は軟膏担
体に保持することにより、脱水は防止される。軟膏に分
散させると、水分は粒子中に保持され、軟膏担体により
脱水が防止される。
脂質状物質は粒子状にして供給してもよいし、及び/又
はムチン状物質粒子のための液状担体又は軟膏担体の形
態で供給してもよい。脂質状物質は、リン脂質、糖脂質
及びコレステロールなど周知の脂質を全て含んでいても
よい。更に、脂質はワックス、レシチン、脂質アルコー
ル及び脂肪酸の形態であってもよい。また、脂質は軟膏
担体としての或いは懸濁粒子小球体としてのペトロラタ
ムの形態であってもよい。ここで定義される“粒子”と
いう用語は、小球体又は半固形環を意味する。水性担体
に懸濁した状態において、脂質はミセル、リボゾーム、
ハイレイア−(2層体)小球体或いはその他の形態であ
ってもよい。更に、担体媒体は油などの脂質状物質と水
性物質の双方を含む2成分媒体であってもよい。このよ
うなシステムは、2つの担体成分を混ぜるために投与直
前に充分に振動させなければならない。
涙膜の脂質層の機能は滑らかな表面を形成することであ
って、水分層の蒸発を抑制すると考えられている。無毒
性でこれらの目的を達成するあらゆる物質は脂質状物質
として用いることが出来る。
脂質状物質は不連続層に対して単層の又は連続した水性
表面を形成する。
脂質が眼に投与されると、例えば眼の体温により溶解し
たり、或いは加水分解などのように眼の中の酵素によっ
て分解される。従って、もし脂質物質が担体中に粒子又
は半固形粒子として懸濁されていると、脂質粒子は分解
しないが、眼に投与されると、脂質粒子は分解して涙膜
の脂質層をなす脂質物質を供給する。
従って、本発明による人工涙液システムは、投与の簡単
な懸濁液でもって自然の涙膜の3成分の全てと同等なも
のを供給する。懸濁システム中の3成分の夫々の形態に
ついてはいくつかの組合せが考えられる。本発明のシス
テムは特定の形態或いは形態の組合せに限定されるもの
でない。担体が水分及び/又は脂質を供給するようにな
っていてもよい。同様に、本発明の懸濁液の粒子はムチ
ン成分、脂質成分及び水分のあらゆる組合せを供給する
ようになっていてもよい。その他の有利な実施例によれ
ば、人工涙液粒子は油性又は脂質媒体中に懸濁されてい
てもよい。
本発明の生体分解性粒子を形成するのに用い得るいくつ
かの方法がある。
1つの方法においては、平らな表面上に注入された生体
分解性物質の液又は混合物が用いられる。
次に、生成された膜は、溶剤が蒸発するにつれて乾燥す
る。膜が乾燥すると、周知の方法により個々の粒子に切
断される。膜を切断して個々の粒子を生成するには種々
の方法がある。たいていの実施例においては、切断は適
当な寸法に予め形成されたモールドカッターを用いて行
う。
膜厚が粒子の最小部分の寸法である場合には、膜厚は0
.5 mm以下でなければならない。生体分解性物質の
適当な液相を用意することによりこの厚さを保証し得る
。例えば、ゼラチン、コラーゲン或いはカルボキシ メ
チルセルローズの溶液を乾燥させて所定の形状及び大き
さに切断するか適当な型内で乾燥させればよい。
好ましい実施例によれば、生体分解性物質の液体混合物
は所望の厚さとなるように底の浅い皿又は半型に注入さ
れる。皿又は型の周縁には注入の深さを示すマークが付
けられている。このようにして、適当な厚さが確保され
る。乾燥後、粒子は縦方向及び横方向に切断される。
好ましい実施例においては、生体分解性物質の液相は含
水されていない(即ち、溶剤が水性ではない)。更に、
もし液相が注入中に含水された場合には、膜又は成形物
は乾燥時に脱水される。ある実施例においては、膜又は
切断された粒子は次に水性溶液に浸漬されて含水される
。含水された膜又は粒子はその水分に応じである程度膨
張する。
従って、含水していない生体分解性物質の膜厚を決定す
る場合には、より薄く注入することにより含水により増
加した膜厚を補償しなければならない。しかし、含水に
より、粒子は柔らかく且つ展性に富んだ状態になってい
る。従って、投与したときに粒子は眼と瞼間の力により
望ましい厚さに圧縮されるので、粒子は好ましい厚さの
範囲である0、4閣〜0.7m+よりも厚くなっていて
もよく、また、粒子は柔らかいので、上瞼と上瞼間に投
与された場合でも、眼になじみ快適である。
ある好ましい実施例においては、含水した膜の好ましい
厚さ(最小部分の寸法)は、約0.5 mmm0.75
鴫の範囲である。しかし、展性に冨み特に半固形の場合
には、眼と瞼間に投与された粒子は圧力により適当な厚
さに圧縮されるならば、最小部分の寸法が1s+aであ
ってもよい。
膜の注入は厚さを制御する1つの方法にすぎない。他の
方法としては、適当な寸法の型に注入し、乾燥させた塊
を適当な厚さに切断する方法がある。
粒子の厚さを特定の値に設定する方法は上記の例に限ら
ない。
適当な寸法に形成する方法とはかかわりなく、好ましい
大きさの範囲について以下に述べる。
3次元粒子の最小部分の寸法は、眼に投与した状態にお
いて約0.4〜0.7W以下の厚さでなければならない
。粒子の成分により、もし眼の中で圧縮されないようで
あれば、粒子を上記の最小寸法に切断するか或いはこの
厚さの膜を用いなければならない。しかし、好ましい実
施例においては、生体分解性物質は展性を有するように
生成され、粒子が眼と瞼間の圧力により適当な大きさの
範囲に圧縮変形されるならば、上記所定の最小寸法の範
囲よりも大きく切断してもよい。粒子に展性を付与する
ための方法は既に述べた。正確な大きさは特定された物
質とそれら物質の歪度によって変わるが、好ましい実施
例によれば、眼の中で圧縮される粒子でも、眼に投与さ
れる前の最小寸法が0、4 mmm1.0−以下になる
ように切断されなければならず、眼に投与された状態に
おいて0.4 mm0.1rrm以下の範囲に圧縮され
なければならない。
粒子の最大部分の寸法は少なくとも0.5 nuでなけ
ればならない。眼の排泄系には、上瞼と上瞼双方の縁部
(上瞼と上瞼の中間隔部)における開口又は孔をなす涙
膜がある。涙膜の平均の直径は0゜5闘である。涙膜は
、排泄管即ち眼の領域から物質を排出する排泄システム
をなす涙小管の開口部である。物質は涙小管を通り、涙
量と鼻涙管を通過する。従って、涙膜を介して眼から粒
子を排出させない為に、粒子の最大部分の寸法は涙膜の
大きさよりも大きくなければならない。0.5mという
大きさは、最大部分の寸法の最小値にすぎないというこ
とに留意して頂きたい、好ましい実施例によれば、通常
粒子の最大部分の寸法は1〜21fi11であるが、投
与物質の量を極限にまで増加させるために4閣或いはそ
れ以上にしてもよい。好ましい実施例においては、3番
目の寸法即ち幅を約0゜5■又はそれ以上にすることが
望ましく、これにより粒子の涙膜からの排出を防止でき
る。
上記の2つの寸法のバランスは、眼の領域から排出され
ることがなく且つ涙膜から排出されないような大きな粒
子を含んでいても眼に損傷や痛みを引き起こさないよう
なシステムを可能にする。
こうして、眼に痛みを引き起こすことなく、また特別な
挿入器具を用いた細かい治療を必要とせずに、長時間に
亙る連続した治療を施すことが出来る。
粒子は、球状、半球状、多角形ディスク状、円形ディス
ク状、卵形粒子状、立方体状、長方形状、細長い長方形
状、円柱状、ロンド状、細長いスパゲツティ状、細長い
箱状、細長いリボン状及びその他の形状に生成すること
が出来るがこれらの形状に限定されるものではない。
上記のように、ある好ましい実施例においては、薬剤は
粒子中に分散される。この薬剤を分散するのに、膜を生
成する前の液状の生体分解性物質に薬剤成分を加え、 
次に薬剤を混合し、次にその膜を注入し、最後に膜を切
断して粒子を形成してもよい。他の有利な実施例によれ
ば、薬剤は膜を切断して生成された粒子に添加される。
これらの実施例においては、切断された生体分解性粒子
は薬剤溶液中に浸漬されて薬剤を吸収する。薬剤を粒子
中に含有させた後、その粒子は溶媒に懸濁される。
異なる濃度の薬剤溶液に粒子を浸漬することにより、粒
子中の薬剤の量を変化させることが考えられる。更に、
生体分解性物質の種類が異なると、吸収する薬剤量も異
なる。従って、異なる種類の生体分解性物質を用いるこ
とにより薬剤量を変化させることが出来る。更に、粒子
の密度を変化させると、薬剤の吸収量が異なってくる。
例えば、粒子の物質密度を増加させると、密度が低い場
合よりも薬剤の吸収量は少なくなる。
第1図は、1つの好ましい実施例に係る粒子10の形態
を示し、粒子10は生体分解性物質12とその中に分散
された薬剤14とを含んでいる。
また、生体分解性物質のコーティング内に薬剤を封入し
てもよい。成形でカプセル化してもよい。
生体分解性物質が液状或いは粒子状であるときに薬剤を
添加し、その混合物を破砕又は他の方法によりマイクロ
カプセルにしてもよい。また、薬剤の乾燥微粒子を空気
流中に懸架し、その乾燥微粒子を生体分解性物質の壁で
覆うようにその空気流に生体分解性物質の流れを接触さ
せることにより、薬剤の微粒子をコーティングしてもよ
い。
マイクロカプセル化する別の適当な方法はコアスサベー
ション技術である。コアスサベーション技術では、先ず
液体生成相とコア物質相と液体コーティング相からなる
3つの非混和相を形成する。
コア剤に液体コーティング剤が塗布され、通常、熱処理
、架橋又は脱溶剤処理により、コーティング剤は硬化さ
れる。
第2図には、ある好ましい実施例に係るカプセル化粒子
20が図示され、生体分解性物質からなるコーティング
剤工2が薬剤■4を被覆している。
第1図・第2図に示すように、粒子が生成されると、そ
れらは溶剤又は軟膏剤16に懸濁される。
眼用治療薬システムには、種々の薬剤が分散された種々
の粒子を含んでいてもよい。更に、治療薬システムには
、異なる分解速度となるような種々の生体分解性物質を
含んでいてもよく、こうして眼に物質を長時間連続して
放出させるための徐放システムが提供される。
投薬毎に、約5〜10個の粒子が投与されるが、粒子数
はこの数に限定されるものではない。しかし、この投薬
量は、薬剤の濃度、剤種、特殊な患者に必要な治療或い
は特定の状況によって変えるものとする。簡単に自己投
与できる従来の点眼液容器に懸濁液粒子を収容すること
も出来る。ある好ましい実施例では、粒子は単一の投薬
容器に収容される。このように、全投薬量が単一の容器
に収容され、患者はその容器の端部を開封して眼に懸濁
液を滴下する。こうして、適切に投薬することが出来る
。前述したように、溶媒中に粒子を均一に分散させるた
めに、溶媒の濃度又は粘度を設定してもよいし、或いは
投与する直前に振動を与えることにより粒子を均一に分
散させてもよい。
本発明独特の応用例においては、薬剤が分散された溶媒
が用いられる。こうして、溶媒中に薬剤を分散させ且つ
粒子に同じ薬剤を含ませておいてもよい。従って、溶液
中の高濃度の薬剤が眼に投与され、生体分解性粒子によ
り長時間薬剤が投与される。更に、溶液中の薬剤と異な
る薬剤を分散させた粒子を用いることも考えられる。こ
うして、状況に応じて、溶液に高単位に溶解させるのに
有利で且つ長時間に亙る必要のない薬剤は溶液に含ませ
、長時間の投薬を必要とする薬剤は粒子中に含ませてお
いてもよい。薬剤との親和性を高めるために、担体には
例えばアルロニック酸などの成分を含んでいてもよい。
ある好ましい実施例では、粒子は標準的な眼軟膏担体に
分散される。次に、眼軟膏は標準的な操作により眼に投
与される。例えば、患者の顔を上向きにして上瞼を反転
させ、軟膏を結膜嚢に塗布する。軟膏を溶解させるため
に約1分開瞼は閉じなければならない。
本発明の有利な特徴によれば、懸濁された薬液の濃度に
応じて薬剤を吸収する特定の生体分解性物質を用いるこ
とも可能である。種類の生体分解性物質を異なる濃度の
薬液に浸漬させることによリ、これら薬液の濃度に応じ
て異なった複数の薬剤量を投与することが出来る。この
ように1つの生体分解性物質を薬剤が含有された溶液中
に投入することにより、粒子と溶液間の平衡により正確
な濃度と反応持続時間が決定される。
以下に述べる例はあくまで例示のためのもので、本発明
の技術的範囲を限定するものではない。
〈第1例〉 A、 架橋コラーゲン粒子の懸濁液を次のように準備す
る。
90°C140gの緩衝液に9gのコラーゲンを攪拌し
ながら徐々に添加する。上記緩衝液は、12の蒸留水と
、7.1gのリン酸水素二ナトリウムと、6.9gのリ
ン酸水素ナトリウムの一水和物から生成される。緩衝液
のpHは6.8とする。40戚の上記リン酸緩衝液と0
.15 gのクロロブタノールとを加熱及び攪拌により
結合させる。尚、緩衝液を室温まで冷却した後に、コラ
ーゲンを緩衝液に添加し、次に、コラーゲンが完全に溶
解するまでこの混合液を90°Cまで加熱してもよい。
40°Cに下がるまで混合液を4分間十分攪拌し、次に
乾燥した時の厚さが約0.4鵬〜0.7mmの範囲にな
るような深さまで混合液をポリ塩化ビニル製の皿に注入
する。こうして生成した膜を室温で1日間乾燥させる。
13.1gの38%ホルムアルデヒド試薬を487gの
リン酸緩衝液(pH6,8)に添加してホルムアルデヒ
ド溶液(重量比率 1%)を準備する。上記コラーゲン
膜をこのホルムアルデヒド溶液に室温で20分間浸漬し
、次に素早く水ですすぎ、その後2時間氷水に浸漬する
。次に、氷水から膜を取り出し、−晩乾燥させる。
次に、乾燥させた膜をモールドカッタで1つ1つの粒子
に切断する。モールドカッタにより、直径1mm、乾燥
膜の厚さである厚さ0.4 flIllのディスク型粒
子が形成される。
B、 次に、上記粒子を25°Cのトブラマイシンの溶
液に15分浸漬する。溶液中の薬剤濃度は40■/戚で
ある。粒子は薬剤溶液を吸収する。
その後、粒子を溶液から取り出し、2時間乾燥させる。
無菌蒸留水と、1%W、のポリビニルアルコールと、O
,OO4%の塩化ベンザルコニウムからなる溶媒を準備
する。
担体剤0.25 ccにつき約5個の粒子を含有する懸
濁液を準備する。上記懸濁液は、デイスペンサー30に
より眼に滴下することが出来る。第3図に示すように、
上瞼32を下方に引っ張り、懸濁液34を上瞼32と眼
38の間の領域36に滴下する。1回の投与には約3〜
6個の粒子が含まれ、約6時間連続してトブラマイシン
が供給される。
〈第2例〉 懸濁用の粒子を第1例と同様に準備する。次に、無菌蒸
留水と、1%W、のポリビニルアルコールと、0.00
4%の塩化ベンザルコニウム及び0.1%のデキサメタ
ソンからなる溶媒に粒子を懸濁させる。上記懸濁液には
、0.25 ccの担体剤につき約5個の粒子が含まれ
ている。投与前に、少なくとも20分間粒子を懸濁させ
なければならない。
上記懸濁液は第1例と同様にして患者に投与される。
く第3例〉 第1例と同様にして軟膏懸濁液用の粒子を生成する。次
に、粒子を25°Cのガラマイシンの溶液中に20分間
浸漬する。溶液中の薬剤濃度は40■/1n1である。
粒子は薬剤溶液を吸収する。
次に、ガラマイシンを含んだ粒子をペトロラタム軟膏(
40%:固体ペトロラタム、60%:液体ペトロラタム
)に懸濁させる。
上記軟膏は、大きな開口のデイスペンサーを有するチュ
ーブにより患者に投与される。
〈第4例〉 治療薬懸濁液は第1例と同様に生成されるが、液状の生
体分解性物質の混合物をポリ塩化ビニル製の皿に注入せ
ずに、型に注入する。型により、粒子を厚さ約0.4 
mm、直径約1.0 mmの半球状に成形する。
〈第5例〉 A、  90°C,40gの緩衝液に9gのコラーゲン
を攪拌しながら徐々に添加する。上記緩衝液は、1!の
蒸留水と、7.1gのリン酸水素二ナトリウムと、6.
9gのリン酸水素ナトリウムの一水和物から生成される
。緩衝液のpHは6.8とする。40M1のリン酸エス
テル緩衝液と0.15 gのクロロブタノールとを加熱
及び攪拌により結合させる。
尚、緩衝液を室温まで冷却した後に、コラーゲンを緩衝
液に添加し、次に、コラーゲンが完全に溶解するまでこ
の混合液を90°Cまで加熱してもよい。
リン酸緩衝液5dにつき3gのシクロスポリンを懸濁さ
せる。コラーゲン溶液が約50°Cに冷却したときに、
上記混合液を攪拌されたコラーゲン溶液にすぐに添加す
る。この混合液が40°Cに下がるまでに4分間十分攪
拌し、次に乾燥した時の厚さが約0.4 mm〜0.7
 trmの範囲になるような深さまで混合液をポリ塩化
ビニル製のシートに注入する。このようにして生成した
膜を室温で1日間乾燥させる。
13.1gの38%ホルムアルデヒド試薬を487gの
リン酸緩衝液(pH6,8)に添加して1%のホルl、
アルデヒド溶液(重量比率)を準備する。上記コラーゲ
ン膜をこの緩衝用のホルムアルデヒド溶液に室温で20
分間浸漬し、次に素早く水ですすぎ、その後2時間氷水
に浸漬する。次に、氷水から膜を取り出し、−・晩乾燥
させる。
次に、乾燥させた膜をモールドカッタで1つ1つの粒子
に切断する。モールドカッタにより、直径1mm、乾燥
膜の厚さ0.4 mmのディスク状粒子が形成される。
B、 その後、無菌蒸留水と、1%W、のポリビニルア
ルコールと、0.004%の塩化ベンザルコニウムから
なる溶媒に上記粒子を懸濁する。
担体剤0.25 ccにつき約5個の粒子を含んだ懸濁
液を準備する。
その後、上記懸濁液は第1例と同様に患者に投与される
く第6例〉 無菌蒸留水と、1%W、のポリビニルアルコールと、0
.004%の塩化ベンザルコニウムからなる液体担体剤
を準備する。
第1例の粒子と同様に、担体剤0.25 ccにつき約
5個のコラーゲン粒子を含んだ懸濁液を準備する。また
、上記担体剤に半固形のペトロラタムの小球体を約5個
添加する。これらの小球体は約0゜5mmX1mmX1
mnの大きさである。懸濁液はデイスペンサー30によ
り眼に滴下される。第3図に示すように、好ましい実施
例においては、上瞼32を下方に引っ張り、懸濁液34
を上瞼32と眼38の間の領域36に滴下する。1回の
投与には約3〜6個の粒子が含まれ、約6時間連続して
涙膜成分が供給される。
〈第7例〉 第1例と同様にして、軟膏懸濁液用の粒子を準備する。
その後、粒子を無菌蒸留水からなる溶媒に20分間浸漬
して含水させる。
含水された粒子はペトロラタム軟膏(40%固体ペトロ
ラタム、60% 液体ペトロラタム)に懸濁する。上記
軟膏は、大きな開口のデイスペンサーを有するチューブ
により患者に投与される。
〈第8例〉 治療薬懸濁液は第1例と同様に生成するが、液状の生体
分解性物質の混合物を型に注入する。型により、粒子を
厚さ約0.4 mm、直径約1.0 mmの半球状に成
形する。
本発明の詳細な説明したが、上記はただ例示にすぎず本
発明を制限するものでない。本発明の思想と技術的範囲
は添付した請求項の文言によってのみ制限されるべきで
ある。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第3図は本発明の実施例を示すもので、第1図
は生体分解性物質粒子の拡大図、第2図は別実施例に係
る生体分解性物質粒子の拡大図、第3図は結膜嚢への治
療薬システムの投与を示す説明図である。 10・・粒子、  12・・生体分解性物質、14・・
薬剤、 16・・軟膏剤、 20・・カプセル化粒子、
 34・・懸濁液。

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)最大部分の寸法が少なくとも0.5mmの大きさ
    であって且つ1〜2mmの範囲にあり、眼に投与された
    状態において最小部分の寸法が0.4mm〜0.7mm
    以下である生体分解性物質からなる複数の3次元粒子と
    、 上記粒子が懸濁される担体であって眼に許容されるpH
    の液体担体と軟膏担体との一方を含んでいることを特徴
    とする眼治療用懸濁液。
  2. (2)上記生体分解性物質は、コラーゲン、ゼラチン、
    血清、ポリビニルアルコール、重合メチルセルロース又
    はメチルセルロース誘導体のうちの少なくとも1つであ
    ることを特徴とする第1請求項の眼治療用懸濁液。
  3. (3)投与前の懸濁液中において粒子の最小部分の寸法
    が0.5mm以下に設定されていることを特徴とする第
    1請求項又は第2請求項の眼治療用懸濁液。
  4. (4)上記粒子は、眼と瞼の間に投与された時に瞼によ
    り変形されるように且つ瞼間に投与された場合でも快適
    であるように柔らかく展性に富んだ形態に形成されてい
    ることを特徴とする第1請求項、第2請求項又は第3請
    求項の眼治療用懸濁液。
  5. (5)上記粒子は柔らかく、半固形であることを特徴と
    する第4請求項の眼治療用懸濁液。
  6. (6)上記粒子は、投与前懸濁液中でその最小部分の寸
    法が約0.4mm〜0.7mmより大きく、眼と瞼の間
    に投与されたときにその最小部分の寸法が0.5mm以
    下に圧縮されることを特徴とする第4請求項又は第5請
    求項の眼治療用懸濁液。
  7. (7)上記粒子の形状が球状、半球状、細長い円柱状、
    立方体状、長方形状、細長い長方形状或いは円形ディス
    ク板状であることを特徴とする第1請求項〜第6請求項
    のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  8. (8)上記粒子の上記最大部分の寸法が1mm以上であ
    ることを特徴とする第1請求項〜第7請求項のいずれか
    1項の眼治療用懸濁液。
  9. (9)投与後、上記粒子は瞼の裏面に通合し、瞼間に投
    与されても快適であることを特徴とする第1請求項〜第
    8請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  10. (10)投与時に生体分解性物質の粒子に含水させて、
    柔らかく高展性にすることを特徴とする第1請求項〜第
    9請求項のいづれか1項の眼治療用懸濁液。
  11. (11)生体分解性物質の粒子は、更に少なくとも1つ
    の眼用薬剤を含んでいることを特徴とする第1請求項〜
    第10請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  12. (12)眼用薬剤が生体分解性物質の粒子に封入されて
    いるか或いは分散されていることを特徴とする第11請
    求項の眼治療用懸濁液。
  13. (13)生体分解性物質の被膜が眼内で分解したときに
    薬剤が放出されるように、眼用薬剤が生体分解性物質の
    被膜内に封入されていることを特徴とする第13請求項
    の眼治療用懸濁液。
  14. (14)上記粒子が眼内で分解するにつれて薬剤が連続
    的に放出されるように眼用薬剤が生体分解性物質に分散
    されていることを特徴とする第13請求項の眼治療用懸
    濁液。
  15. (15)眼に投与された状態においてムチン状物質を放
    出し、眼内に水性物質を保持する為の親水性の表面を形
    成する複数の生体分解性ムチン状粒子と、 眼に投与された状態において脂質状物質を放出し、眼内
    の水性物質の蒸発を抑制する為の層を形成する脂質状物
    質と、 眼に投与された状態において水性物質を放出する水性物
    質とを含んでおり、 上記ムチン状粒子が上記脂質状物質担体と上記水性物質
    担体の少なくとも一方に懸濁されている人工涙液として
    の懸濁液であることを特徴とする第1請求項〜第10請
    求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  16. (16)眼に投与された状態においてムチン状物質を放
    出し、眼内に水性物質を保持するための親水性の表面を
    形成する複数の生体分解性ムチン状粒子と、 眼に投与された状態において脂質状物質を放出し、眼内
    の水性物質の蒸発を抑制するための層を形成する脂質状
    物質と、 眼に投与された状態において水性物質を放出する水性物
    質とを含んでおり、 上記ムチン状粒子が上記脂質状物質担体と上記水性物質
    担体の少なくとも一方に懸濁されている人工涙液である
    ことを特徴とする眼治療用懸濁液。
  17. (17)上記ムチン状粒子がコラーゲン、ゼラチン又は
    血清のうちの少なくとも1つからなることを特徴とする
    第15請求項又は第16請求項の眼治療用懸濁液。
  18. (18)上記脂質状物質の少なくとも一部分が粒形であ
    ることを特徴とする第15請求項〜第17請求項のいず
    れか1項の眼治療用懸濁液。
  19. (19)上記脂質状粒子は、ペトロラタム、脂肪酸、脂
    肪性エステル、ワックス、脂肪性アルコール又はレシチ
    ンの少なくとも1つからなることを特徴とする第18請
    求項の眼治療用懸濁液。
  20. (20)上記脂質状粒子は、グリコプロテイン、コレス
    トロール又はリン脂質の少なくとも1つからなることを
    特徴とする第18請求項の眼治療用懸濁液。
  21. (21)上記ムチン状粒子が展性に富んだ形態に形成さ
    れていることを特徴とする第1請求項〜第20請求項の
    いずれか1項の眼治療用懸濁液。
  22. (22)上記ムチン状粒子と脂質状粒子の最大部分の寸
    法が少なくとも0.5mmであることを特徴とする第1
    8請求項〜第21請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁
    液。
  23. (23)眼に投与された状態においてムチン状粒子と脂
    質状粒子の最小部分の寸法が約0.4mm〜0.7mm
    以下であることを特徴とする第22請求項の眼治療用懸
    濁液。
  24. (24)上記ムチン状粒子と脂質状粒子は水性物質担体
    剤に懸濁されていることを特徴とする第18請求項〜第
    23請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  25. (25)上記水性物質の一部分はムチン状粒子の少なく
    とも一部分に含まれていることを特徴とする第24請求
    項の眼治療用懸濁液。
  26. (26)上記水性物質はムチン状粒子内に封入されてい
    ることを特徴とする第25請求項の眼治療用懸濁液。
  27. (27)上記ムチン状粒子と脂質状粒子は脂質状物質担
    体剤に懸濁されていることを特徴とする第18請求項〜
    第26請求項のいづれか1項の眼治療用懸濁液。
  28. (28)上記水性物質を含んだムチン状粒子は脂質状物
    質担体剤に懸濁されていることを特徴とする第25請求
    項の眼治療用懸濁液。
  29. (29)更に水性物質担体剤を含んでいることを特徴と
    する第28請求項の眼治療用懸濁液。
  30. (30)上記ムチン状粒子は脂質状物質と水性物質の双
    方に懸濁されていることを特徴とする第28請求項又は
    第29請求項の眼治療用懸濁液。
  31. (31)上記脂質状物質の少なくとも一部分がムチン状
    粒子に含まれていることを特徴とする第15請求項〜第
    30請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液。
  32. (32)担体は、ムチン状粒子と、水性物質と、脂質物
    質のうちの少なくとも2つが懸濁されている液状担体で
    あることを特徴とする第15請求項〜第31請求項のい
    ずれか1項の眼治療用懸濁液。
  33. (33)眼薬の調剤に用いられることを特徴とする第1
    請求項〜第32請求項のいずれか1項の眼治療用懸濁液
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