JPH04109498U - 予旋回発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インレットガイドベーンを用いることなく、
羽根車入口の流れに予旋回を付与できるようにして、コ
ンプレッサの流量及び圧力を制御可能とする。 【構成】 コンプレッサの吸込口に、吸込管１１の円形
断面の内壁に接する方向を向いて開口した４つの円錐状
のノズル１２を設ける。そして、該ノズル１２をコンプ
レッサの吐出口１５に結ぶ配管１３を設け、該配管１３
には流量制御弁１４を設ける。ノズル１２より吹き出さ
れた噴流により旋回流が生じる。この噴流の速度を弁１
４により制御することにより、羽根車１７入口の予旋回
の大きさを制御することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ターボチャージャやガスタービン等に使用するコンプレッサの圧力 制御に用いて好適な予旋回発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のコンプレッサでは、吐出圧力を制御するために、羽根車の回転数を変化 させるようにしている。例えば、図６にて回転数Ｎのときａ点の流量（Ｑ）と圧 力（Ｐ）で作動している場合、一定抵抗線１に沿ってｂ点まで流量と圧力を変化 させるときには、回転数をＮからＮ′に変化させるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のコンプレッサでは、回転数をＮからＮ′へ又はＮ′から Ｎへ変化させるとき、ロータの慣性モーメントのため回転数変化に時間を要する 。このため、乗用車用過給機に適用される場合に、この時間はアクセルをふみ込 んでからコンプレッサの圧力が上昇し、エンジン出力が上昇するまでの遅れ、い わゆるターボラグになるという問題がある。

【０００４】 また、これを解決するため、コンプレッサ羽根車の回転数を変化させないで、 流量、圧力を変化させる手段として、一般にインレットガイドベーンにて羽根車 に流入する流れに旋回を与える手段が採用されている。しかし、このインレット ガイドベーンは複数の翼を回動させるために、回転支持部が多く、リンク機構が 複雑であるという問題があった。

【０００５】 本考案は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、イン レットガイドベーンを使用することなく羽根車入口の流れに予旋回を付与するこ とができ、コンプレッサの流量及び圧力を制御できるようにした予旋回発生装置 を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案に係わる予旋回発生装置は、コンプレッ サの吸込口に設けられて、吸込管の円形断面の内壁に接する方向に向いて開口し たノズルを有し、コンプレッサの吐出口の高圧の流れを該ノズルに導いて噴出さ せるよう構成したものである。

【０００７】

【作用】

上記の手段によれば、吸込管の円形断面の内壁に沿って接線方向にノズルを介 して噴流が吹き出されると、所定位置では旋回流となり、羽根車入口の流れに予 旋回が与えられ、これによって、コンプレッサの流量、圧力を制御できる。

【０００８】

【実施例】

以下、図１〜図５を参照して本考案の一実施例について詳細に説明する。図１ は本実施例に係わる予旋回発生装置を示す概略断面図、図２は図１のＡ−Ａ線断 面図、図３は同予旋回発生装置の動作説明図、図４、図５はそれぞれ図３のＢ− Ｂ線、Ｃ−Ｃ線断面の部位における周方向流速を示す図である。

【０００９】 図１及び図２において、コンプレッサの吸込口には、吸込管１１の円形断面の 内壁に接する方向を向いて開口した４つの円錐状のノズル１２が設けられている 。そして、各ノズル１２をコンプレッサの吐出口１５に結ぶ配管１３が設けられ 、この配管１３の途中部分には流量制御弁１４が設けられている。

【００１０】 今、以上のような構成において、図３のＢ−Ｂ線断面の部位にて、ノズル１２ より吹き出された噴流１６（図４参照）により図３のＣ−Ｃ線断面の部位では旋 回流（図５参照）が生じる。この噴流１６の速度を流量制御弁１４により制御す ることにより、図１に示すコンプレッサの羽根車１７の入口の予旋回の大きさを 制御できる。その結果、図６にて回転数をＮからＮ′まで低下させることなく作 動点をａ→ｂに変化させることができる。

【００１１】 さらに、図３のＢ−Ｂ線断面の部位にて吹き出される噴流１６の吸込管１１の 軸線からの半径を羽根車１７入口のＣ−Ｃ線断面の平均半径に比べて極力大きく することにより、Ｂ−Ｂ線断面で生じる周方向流速Ｃｕが角運動量保存則により 加速されるので、より少ない噴流量にて必要な旋回流を作り出すことができる。 これによって、コンプレッサ吐出の流れを吸込口に戻すことによる損失を小さく 抑制することができる。

【００１２】 なお、上述した実施例では４つの円錐状のノズル１２を設けた構成としたが、 ノズル１２の形状、数はこれに限定されるものではないことは勿論である。

【００１３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、コンプレッサの吸込管の円形断面の内壁 に接する方向に向いて開口したノズルにコンプレッサの吐出口の高圧の流れを導 いて噴出させるよう構成したことにより、吸込管の円形断面の内壁に沿って接線 方向に吹き出された噴流が旋回流となり、羽根車入口の流れに予旋回を付与する 。これによって、流量、圧力制御法として一般に使用されるインレットガイドベ ーンを用いることなく、コンプレッサ羽根車入口の流れに予旋回を付与でき、コ ンプレッサの流量及び圧力を良好に制御できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係わる予旋回発生装置を示
す概略断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】同予旋回発生装置の動作説明図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線断面の部位における周方向流速
を示す図である。

【図５】同じく、図３のＣ−Ｃ線断面の部位における周
方向流速を示す図である。

【図６】本考案の効果を説明するための図である。

【符号の説明】

１１ 吸込管 １２ ノズル １３ 配管 １４ 流量制御弁 １５ コンプレッサの吐出口 １６ 噴流 １７ 羽根車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンプレッサの吸込口に設けられて、吸込
   管の円形断面の内壁に接する方向に向いて開口したノズ
   ルを有し、コンプレッサの吐出口の高圧の流れを該ノズ
   ルに導いて噴出させるよう構成したことを特徴とする予
   旋回発生装置。