JPH04106901U - シヤベル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャベルによる手作業での農耕作業、園芸作
業などを能率的に行えるようにする。 【構成】 シャベル１の金具部分５の先端部予定範囲に
複数の凹部６を設ける。このようなシャベルによって土
の掘返し作業などを行った場合、地面の表面や内部にあ
る木の根などが前記凹部６に捉えられる。その状態から
さらにシャベルを押進めることによって、これら木の根
など、作業の障害となるものを容易に切断できる。その
結果、あらかじめ植木鋏などで木の根などの障害物を切
断しておかなくても容易に土を掘返したり、植木の移植
などの作業を行える。また、前記凹部の周縁を鋭利にす
ることにより、さらに木の根の切断が容易になって能率
良く作業を行うことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は土木、農業、園芸等における掘削、耕作、植木移植作業等に用いられ るシャベルに関するものであり、特に、掘下げ作業の妨げとなる状態で木の根な どの障害物がある場合の作業を容易にするシャベルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、土木、農業、園芸等において、手作業で土砂を掘起こしたり、さらった り、あるいは掻集めたりする場合はシャベルを用いるのが一般的である。そして 、上記の作業には図５に示したような形状のシャベル１が用いられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のシャベルを使って作業をした場合には、次のような問題点があった。 図５を参照して従来のシャベル１を使った作業を説明する。同図(a) に示した ように、掘起こそうとする地面に、一部が露出したり、全部が埋まったりしてい るような状態で木の根２〜４がある場合を考える。このような場合、例えば木の 根２および３の間の土砂を掘起こすため、シャベル１を矢印Ｄのように押し進め ようとすると、木の根２，３が障害となって思うように作業を進めることができ ない。

【０００４】 すなわち、図５(b) に示したように、シャベル１を押下げると、木の根２，３ はシャベル１の周囲に沿って矢印Ｓの方向に滑って互いの間隔が押拡げられるだ けである。つまり、シャベル１の押下げ力は木の根２，３を切断するための力と しては有効に作用しない。したがって、木の根２，３に遮られてシャベル１を土 中に深く押入れることができない。

【０００５】 このように、シャベル１で容易に切れないような根がある場合は、あらかじめ 植木鋏で切断するなど、余計な手間が必要となって作業の能率が低下するという 問題点があった。

【０００６】 本考案の目的は、前述の問題点を解決し、木の根など比較的長い障害物があっ ても、これを排除して能率的に作業を行えるシャベルを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の問題点を解決するために、本考案は、シャベルの本体部分の先端部予定 範囲に複数の凹部を形成した点に第１の特徴がある。

【０００８】 また、本考案は、前記凹部の内縁を、シャベルの他の部分の周縁よりも鋭利に 形成した点に第２の特徴がある。

【０００９】

【作用】

上記の特徴を有するシャベルを土中に押入れたならば、木の根などの障害物は 従来のようにシャベルの周囲を滑ることなく、前記凹部に捉えられ、この状態か らさらにシャベルを押進めると木の根は切断される。すなわち、木の根は凹部に 捉えられるのでシャベルの押下げ力が木の根の切断力として有効に作用する。

【００１０】 また、凹部の内縁を他の部分より鋭利にすることによって凹部には刃が形成さ れ、より簡単に木の根などの障害物を切断できる。

【００１１】

【実施例】

以下に図面を参照して、本考案を詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例を示すシャベルの平面図であり、図２はシャベルの要 部詳細図である。図２において、図２(b) および図２(c) は図２(a) におけるＡ −Ａ、Ｂ−Ｂ断面図である。

【００１２】 図１において、シャベル１の本体金具部分５の先端部には複数の凹部６が形成 されている。また、図２に示したように、凹部の内縁７は他の部分の周縁８より も角度θを小さく、つまり鋭利にしている。

【００１３】 次に、本実施例のシャベル１を使った場合の土砂の掘下げ作業の態様を説明す る。図３(a) において、掘起こそうとする地面に、一部が露出したり、全部が埋 まったりしているような状態で木の根２〜４があって、例えば木の根２および３ の間に、シャベル１を矢印Ｄのように押し進めたとする。この場合、図５(b) に 示したように、シャベル１をある程度押下げたところで、木の根２，３および４ はシャベル１の先端部に設けられた凹部６に捉えられる。

【００１４】 そして、図５(b) の状態からシャベル１をさらに押下げると、この押下げ力は 木の根２，３および４の切断力として有効に作用し、木の根２〜４は容易に切断 され、任意の深さまでシャベル１を差込むことができる。

【００１５】 以上は、シャベル１の凹部６を鋭利にして刃を形成した例についての説明であ るが、凹部６は必ずしも他の部分より鋭利にすることはなく、凹部６によって、 障害となる木の根などを捉えるようにするだけで、従来のシャベルよりも容易に 木の根などを切断することができる。

【００１６】 さらに、凹部６の形状は図２に示したものに限定されず、例えば図４に示した 形状でもよい。図４に示した凹部６は円弧状である。要は、木の根などの比較的 細長い障害物が存在した場合、これがシャベル１の掘下げによって凹部に引掛か り、シャベル１の押下げ力が木の根の切断になるべく有効に作用するような形状 を選択すればよい。

【００１７】 また、凹部６の数および凹部６の深さは、耕作地の状態や移植の対象となる植 木の種類などによって適宜に選択すればよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、次のような効果が達成され る。 (1) 凹部に木の根を挟み込んで、逃げられないような状態にできるので、シャベ ルの押下げ力が小さくても容易に木の根を切断でき、土砂を掘返したり、掘下げ たりする作業の能率が向上する。 (2) 木の根の切断をさらに容易にするため、凹部にのみ刃を形成するようにした ので、通常の刃物とは異なり安全性も高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すシャベルの平面図であ
る。

【図２】シャベルの要部を示す拡大図および断面図であ
る。

【図３】本考案のシャベルを使った作業の態様を示す図
である。

【図４】本考案の変形例の要部を示す図である。

【図５】従来のシャベルを使った作業の態様を示す図で
ある。

【符号の説明】

１…シャベル、 ２，３，４…木の根、 ５…金具部
分、 ６…凹部、 ７…内縁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体部分の先端部予定範囲に複数の凹部
   を形成したことを特徴とするシャベル。
2. 【請求項２】 前記凹部の内縁をその他の周縁部分より
   も鋭利に形成したことを特徴とする請求項１記載のシャ
   ベル。