JPH04106650U - 機械式集じん装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械式集じん装置の性能向上を計る。 【構成】 下部にダスト排出口２を持ち傾斜して上下に
配置された複数のサイクロン本体１，サイクロン本体の
ダスト排出口２に接続され上下軸を持つダスト排出管
３，サイクロン本体１内部に設けられたクリーニングコ
イル５を設ける。さらにクリーニングコイル５のバネ定
数を０．１〜０．５kg／mmの範囲に選ぶ。このようにバ
ネ定数を大きくして詰まりを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は石炭焚ボイラのガス再循環系統等に設置される機械式集じん装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来，石炭焚ボイラ２１の再循環ガス系統には図２に示すように機械式集じん 装置２２が設けられている。

【０００３】 機械式集じん装置２２は図３に示すように下部にホッパ２４を持つケーシング 内に複数のサイクロン本体１が斜めに配置されている。その詳細を図４に示す。 サイクロン本体１は下部にダスト排出口２を持ち、斜めに配置される。これらが 複数上下に配置され、その排出口２は上下軸のダスト排出管３に接続される。ま たサイクロン本体１内にはクリーニングコイル５が設けられている。

【０００４】 図４により説明すると，従来高濃度のダストを含むガスを扱う機械式集じん装 置（マルチサイクロン）ではマルチサイクロンガス入口フランジ９から高濃度の ダストを含むガスが荒ガス室７へ流入し，上記ガスは各サイクロン本体１へと導 かれる。サイクロン本体１内では遠心力によってダストは分離され、ダスト排出 管３へ排出され，一方ダストが分離された清浄ガスは清浄ガス出口管４を通り清 浄ガス室８へと排出される。

【０００５】 サイクロン本体（サイクロンセル）１へ流入するガス量が減少した場合は，集 じん効率の低下によりダスト排出口２部に灰が堆積する。この堆積した灰を除去 するためにクリーニングコイル５が作動するが，クリーニングコイル５は線径が ３mm〜４mmと細いためサイクロンセル出口部に堆積した灰を除去する効果が極め て少なく、特に付着性の高い灰を処理する場合はサイクロンセル内の灰閉塞が発 生した例も見られた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のマルチサイクロンの運転中において、高濃度のダストを含むガスが サイクロンセルへ流入し，サイクロンセル内の旋回流により灰が分離されるが、 ガス量が減少し旋回流が弱まり分離効率が悪くなるとダスト排出口部に灰が堆積 する。この堆積灰をクリーニングコイルで強制的に押崩し、ダスト排出管へ排出 する。しかし，付着性の高い灰を処理する場合、従来のクリーニングコイルのば ね定数が０．１kg／mm未満であったため，ダスト排出口部に付着した灰を除去す る力が弱く，付着堆積した灰を崩すことができずこの付着灰が成長してサイクロ ンセルの灰閉塞，ひいてはクリーニング装置の破損が発生する可能性があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するため次の手段を講ずる。

【０００８】 すなわち，機械式集じん装置として，下部にダスト排出口を持ち傾斜して上下 に配置された複数のサイクロン本体と，同サイクロン本体のダスト排出口に接続 され上下軸を持つダスト排出管と，上記サイクロン本体内部に設けられたクリー ニングコイルとを備え、上記クリーニングコイルのバネ定数を０．１kg／mm以上 から０．５kg／mm以下の範囲に設定した。

【０００９】

【作用】

上記手段によりクリーニングコイルのばね定数が０．１kg／mm以上から０．５ kg／mm以下の範囲になるため，サイクロン本体内に付着，堆積した灰をダスト排 出管へ排出することができる。したがって，ガス量低下による分離効率が低下し た場合においてもクリーニングコイルにより完全にサイクロン本体内の灰堆積を 防止することができる。

【００１０】

【実施例】

本考案の一実施例を図１により説明する。なお，従来例で説明した部分は同一 の番号をつけ説明を省略し，この考案に関する部分を主体に説明する。

【００１１】 各サイクロン本体１内にはクリーニングコイル５が設けられる。これらのクリ ーニングコイル２のバネ定数を０．１〜０．５kg／mmに設定する。

【００１２】 以上においてサイクロン本体１の内部に接線方向に流入してきた荒ガスは清浄 ガス出口管４の効果もあり，サイクロン本体１の内部で旋回流を生じ，灰は遠心 力でもって，ダスト排出管３へと排出され，同ダスト排出管３の中を重力でもっ てホッパー部へ落下する，一方，灰を分離した清浄ガスは，清浄ガス出口管４を 通り，清浄ガス室へと排出する。

【００１３】 サイクロン本体１内に付着性の高い灰が付着，堆積してもクリーニングコイル ５のばね定数が０．１kg／mm以上あるため，ばねの力によってサイクロン本体１ 内の堆積灰を突き崩すことが可能であり，サイクロン本体内の灰堆積を防止する ことが可能である。クリーニングコイル５のばね定数を０．１kg／mm以下にする と，サイクロン本体１内に堆積した灰を突き崩せなくなる。また，０．５kg／mm 以上とすると，サイクロン本体１内の堆積灰を突き崩す能力はさらに向上するが ，クリーニング装置の強度を上げる必要が生じるため装置全体が大きくなり経済 的でなくなる。

【００１４】 以上のようにして、機械式集じん装置の集じん効率を大幅に向上することがで のるとともに，同装置の下流側に設置されているガス再循環ファンやボイラチュ ーブの摩耗や減肉を防止することができる等の効果がえられる。

【００１５】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によればクリーニングコイルのばね定数を０． １kg／mmから０．５kg／mmの値に設定することにより，付着性の高い灰を処理す る場合においても，サイクロン本体内の灰堆積を防止できる。したがって機械式 集じん装置の集塵効率を大幅に向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の構成側面図である。

【図２】従来例の全体系統図である。

【図３】従来例の機械式集じん装置の全体側面図であ
る。

【図４】同従来例の構成側面図である。

【符号の説明】

１ サイクロン本体 ２ サイクロンダスト排出口 ３ ダスト排出管 ４ 清浄ガス出口管 ５ クリーニングコイル ２１ ボイラ ２２ 機械式集じん装置 ２４ ホッパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部にダスト排出口を持ち傾斜して上下
   に配置された複数のサイクロン本体と，同サイクロン本
   体のダスト排出口に接続され上下軸を持つダスト排出管
   と，上記サイクロン本体内部に設けられたクリーニング
   コイルとを備え，上記クリーニングコイルのバネ定数を
   ０．１kg／mm以上から０．５kg／mm以下の範囲に設定す
   ることを特徴とする機械式集じん装置。