JPH04106276U - 磁気テープカセツト用収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】複数の磁気テープカセットを収納すると共に、
全体が薄型で保管の容易な磁気テープカセット用収納ケ
ースを提供する。 【構成】互いの厚み増大部が他方の磁気テープカセット
と重なり合わないように前後互い違いに重ね合わせた状
態の複数の磁気テープカセットの端部が丁度収容される
厚みＷ₁ を有するように形成されたポケット部材２に、
一対のケーシング部材３，４を回動自在に取り付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気テープカセット用収納ケースに関し、特に複数のオーディオ用磁 気テープカセットを保管する際に用いられる磁気テープカセット用収納ケースの 改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、オーディオ機器等に用いられている磁気テープカセットを保管したり、 持ち運ぶ際には、該磁気テープカセットをプラスチック製の磁気テープカセット 用収納ケース（以下「単にカセット用収納ケース」という）内に収納している。 該カセット用収納ケースは、カセット全体を覆う構造であり、防塵効果、衝撃低 減効果があり、カセットを保護する機能に優れたものである。特に、カセット前 面に磁気ヘッド挿入用の開口が設けられたオーディオ用コンパクトカセットの場 合は、磁気テープ面に指等が触れやすく、持ち運ぶ際にはカセット用収納ケース が必需品である。

【０００３】 ところで、一般に市販されているクラシック音楽等を収録した磁気テープカセ ットの場合、長い音楽であれば、例えば２枚以上のレコード盤に収録したように 、２つ以上の磁気テープカセットに分けて収録し、１組として提供される。しか し、従来のカセット用収納ケースは１個の磁気テープカセットしか収納すること が出来ず、一般ユーザーは１組のテープがバラバラにならないように保管する必 要があり、非常に不便であった。特に、語学の学習用テープ等は学習プログラム に沿って保管しなければならず、特別の収納ボックスを使用しているのが実情で ある。

【０００４】 そこで、このような複数の磁気テープカセットを同時に収納することが可能な カセット用収納ケースが、実公昭５７−５２７８１号、同６０−１６５４１号、 実開昭５９−６３８７４号、同５９−１１８１６８号、同５９−１８９７７８号 、同５９−１８９７７９、及び同６３−１３７７８７号公報等に開示されている 。これらのカセット用収納ケースは、一体に形成された複数の収納部と、各収納 部を閉塞するため開閉自在に設けられた一対の蓋体とから成り、複数の磁気テー プカセットを同一方向又は前後互い違いに並列に重なり合うようにして収納する ものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如き複数の磁気テープカセットを同時に収納するカセッ ト用収納ケースは、ほとんど従来の一個入れのカセット用収納ケースを重ね合わ せたような構造によって形成されているので、大きな保管スペースを必要とする という問題がある。即ち、一組の磁気テープカセットを同一方向に並列に重なり 合うようにして収納するカセット用収納ケースの場合、対向する蓋体の壁部の間 隔が、収納される磁気テープカセットの厚み増大部である台形部の二倍の厚さと 対応する間隔を有して構成されている。又、一組の磁気テープカセットを前後互 い違いに並列に重なり合うようにして収納するカセット用収納ケースの場合でも 、対向する蓋体の壁部の間隔が、収納される磁気テープカセットの台形部の厚み に該台形部を除く部分の厚みを加えた厚さに対応する間隔を有して構成される。 そこで、この様なカセット用収納ケースの厚さは、前記カセツト厚み増大部を除 くカセット厚みに比べてかなり大きく構成されている。一般に、これらのカセッ ト用収納ケースは、背ラベルが見えるように立てて横に並べて保管されるので、 カセット用収納ケースの厚みが大きいと大きな保管スペースを必要とする。

【０００６】 即ち、本考案の目的は上記課題を解消することにあり、複数の磁気テープカセ ットを収納すると共に、全体が薄型で保管の容易なカセット用収納ケースを提供 することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る上記目的は、磁気テープカセットの端部を収容するためのポケッ ト部材と、回転防止突起を有する第１及び第２のケーシング部材とがポケット部 材側面部分の枢着部により開閉できるようになされた磁気テープカセット用収納 ケースにおいて、前記ポケット部材の内側の厚さを互いの厚み増大部が他方の磁 気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに重ね合わせた複数の磁 気テープカセットを丁度収納する厚さに形成したことを特徴とする磁気テープカ セット用収納ケースによって達成される。

【０００８】 又、上記目的は、前記ポケット部材の内側の厚さを互いの厚み増大部が他方の 磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに重ね合わせた２個の 磁気テープカセットのカセット厚さの薄い部分を丁度収納する厚さとし、前記ポ ケット部材の第１のケーシング部材側の内壁部に該内壁部側に位置する第１の磁 気テープカセットの厚み増大部を受容するための第１凹部を形成すると共に、第 ２のケーシング部材側に位置する第２の磁気テープカセットの厚み増大部を受容 する第２凹部を前記第２のケーシング部材の開閉端部近傍に形成したことを特徴 とする磁気テープカセット用収納ケースによっても達成することができる。

【０００９】

【実施態様】

以下、添付図面に基づいて本考案の一実施態様を詳細に説明する。 図１及び図２に示すように、カセット用収納ケース１は、互いのカセット厚み 増大部２１が他方の磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに 重ね合わされた第１及び第２の磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの前端部と後 端部を同時に挿入し得るスペースを有するポケット部材２と、閉じた時に互いに 対向するように該ポケット部材２の側面部分に回動自在に取り付けられた第１及 び第２のケーシング部材３，４とにより構成されている。そこで、前記カセット 用収納ケース１は、前記第１及び第２のケーシング部材３，４の各側壁７，８の 内側に突設された支軸９，１０を前記ポケット部材２の両端側壁に透設した孔に 嵌合することにより、前記第１及び第２のケーシング部材３，４を扉の如く開閉 できる。

【００１０】 又、前記第１及び第２のケーシング部材３，４には、重ね合わせた状態で収納 される前記第１及び第２の磁気テープカセツト２０ａ，２０ｂのハブ孔２２に入 り込む一対の回転防止突起５，６がそれぞれ形成されている。尚、前記回転防止 突起５，６の形成位置は、前記第１及び第２のケーシング部材３，４を閉じた時 に対向する位置ではなく、前記第１及び第２の磁気テープカセツト２０ａ，２０ ｂの収納位置に対応した位置である。

【００１１】 前記ポケット部材２の内幅Ｗ₁ は、磁気テープカセットのカセット厚み増大部 以外の部分の２倍の厚みにカセット片面の厚み増大分だけ加えた程度の幅に設定 されているが、２個の磁気テープカセット２０ａ，２０ｂを前記カセット用収納 ケース１に収納する場合には、互いのカセット厚み増大部２１が他方の磁気テー プカセットと重なり合わないように前後互い違いに重ね合わせて挿入すれば、前 記磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの各カセット厚み増大部２１の肩部２１ａ に互いのカセット後端縁が係止された状態でスムーズに挿入することができる。

【００１２】 そして、前記磁気テープカセット２０ａの前端面が前記ポケット部材２の底面 に当接することにより挿入が完了し、前記第１及び第２のケーシング部材３，４ を閉じることにより、前記磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの各ハブ孔２２に 前記回転防止突起５，６が挿入され、各磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの磁 気テープについて確実にたるみが防止される。収納時には、図２に示したように 、前記磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの各カセット厚み増大部２１の肩部２ １ａに互いのカセット後端縁が係止された状態なので、前記磁気テープカセット ２０ｂが滑り落ちるようなことはない。

【００１３】 即ち、前記カセット用収納ケース１の厚みは、そのポケット部材２の内幅Ｗ₁ が磁気テープカセットのカセット厚み増大部以外の部分の２倍の厚みにカセット 片面の厚み増大分だけ加えた程度の幅とすることができるので、カセット厚み増 大部以外の部分の厚みにカセット厚み増大部の部分の厚みを加えた程度の内幅を 有する従来のカセット用収納ケースの厚みと比べても狭い厚みとすることができ る。従って、全体が薄型で保管の容易なカセット用収納ケースを提供することが できる。

【００１４】 次に、カセット用収納ケースの厚みを更に薄くすることが可能な本考案の他の 実施態様を詳細に説明する。 図３及び図４に示すように、カセット用収納ケース１１は、互いのカセット厚 み増大部２１が他方の磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違い に重ね合わされた第１及び第２の磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの前端部と 後端部を同時に挿入し得るスペースを有するポケット部材１２と、閉じた時に互 いに対向するように該ポケット部材１２の側面部分に回動自在に取り付けられた 第１及び第２のケーシング部材１３，１４とにより構成されている。上記実施態 様と同様に、前記カセット用収納ケース１１は前記第１及び第２のケーシング部 材１３，１４を扉の如く開閉でき、前記第１及び第２のケーシング部材１３，１ ４には一対の回転防止突起５，６がそれぞれ形成されている。

【００１５】 更に、前記ポケット部材１２の内幅Ｗ₂ は、磁気テープカセットのカセット厚 み増大部以外の部分の２倍の厚み程度の幅に設定されており、前記ポケット部材 １２を構成する前記第１のケーシング部材１３側の壁部１５の内側面には、該壁 部１５側に位置する第１の磁気テープカセット２０ａのカセット厚み増大部２１ を受容するための第１凹部１６が形成されている。又、第２のケーシング部材１ ４の開閉端部近傍には、該第２のケーシング部材１４側に位置する第２の磁気テ ープカセット２０ｂの厚み増大部２１を受容する第２凹部１９が形成されている 。

【００１６】 そこで、前記第１及び第２の磁気テープカセット２０ａ，２０ｂを前記カセッ ト用収納ケース１１内に収容する際には、互いのカセット厚み増大部２１が他方 の磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに重ね合わせ、前記 第１の磁気テープカセット２０ａのカセット厚み増大部２１を前記第１凹部１６ に位置合わせして挿入すれば、そのままポケット部材１２内に挿入させることが できる。

【００１７】 そして、前記第１の磁気テープカセット２０ａの前端面が前記ポケット部材１ ２の底面に当接することにより挿入が完了し、前記第１及び第２のケーシング部 材１３，１４を閉じることにより、前記磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの各 ハブ孔２２に前記回転防止突起５，６が挿入され、各第１及び第２の磁気テープ カセット２０ａ，２０ｂの磁気テープについて確実にたるみが防止される。又、 前記第２の磁気テープカセット２０ｂのカセット厚み増大部２１は前記第２凹部 １９に受容されることになる。収納時には、上記実施態様と同様に前記磁気テー プカセット２０ａ，２０ｂの各カセット厚み増大部２１の肩部２１ａに互いのカ セット後端縁が係止された状態なので、前記磁気テープカセット２０ｂが滑り落 ちるようなことはない。

【００１８】 即ち、前記カセット用収納ケース１１の厚みは、そのポケット部材１２の内幅 Ｗ₂ が磁気テープカセットのカセット厚み増大部以外の部分の２倍の厚み程度の 幅とすることができるので、上記実施態様のカセット用収納ケース１の厚みと比 べても更に狭い厚みとすることができる。

【００１９】 又、図４に示すように、前記第１の磁気テープカセット２０ａの挿入位置を規 制するためにリブ１２ａをポケット部材１２の内方に設けることにより、前記第 １及び第２の磁気テープカセット２０ａ，２０ｂの収納を容易にすることができ る。

【００２０】 尚、本考案のカセット用収納ケースは、上記実施態様の構成に限定されるもの ではなく、種々の変形が可能である。 例えば、３個の磁気テープカセットを収納するようにしてもよい。この場合、 ポケット部材の内幅を増すとともに対向する位置にカセット厚み増大部を受容す るための凹部を設ける必要があるが、ケーシング部材には凹部が不要になる。

【００２１】 又、４個の磁気テープカセットを収納する場合は、ポケット部材の内幅を上記 実施態様について説明した内幅の２倍にするだけでよい。即ち、奇数個の磁気テ ープカセットを収納する場合と偶数個の磁気テープカセットカセットを収納する 場合とでカセット厚み増大部を受容するための凹部形成位置が異なるものの、上 記同様の薄型になすことができる。

【００２２】 更に、上記各実施態様においては、複数の磁気テープカセットの前端部及び後 端部をポケット部材に収容したが、各磁気テープカセットの側端部をポケット部 材に収容し、ケーシング部材が長手方向に開くように構成しても良い。

【００２３】

【考案の効果】

本考案の磁気テープカセット用収納ケースは、磁気テープカセットの端部を収 容するためのポケット部材と、回転防止突起を有する第１及び第２のケーシング 部材とがポケット部材側面部分の枢着部により開閉できるようになされた磁気テ ープカセット用収納ケースにおいて、前記ポケット部材の内側の厚さを互いの厚 み増大部が他方の磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに重 ね合わせた複数の磁気テープカセットを丁度収納する厚さに形成したものである 。

【００２４】 即ち、一つのカセット用収納ケース内に複数の磁気テープカセットを互いの厚 み増大部が他方の磁気テープカセットと重なり合わないように前後互い違いに重 ね合わせて収納することにより、カセット用収納ケースの全体の厚みを小さくす ることができる。 従って、複数の磁気テープカセットを収納すると共に、全体が薄型で保管の容 易なカセット用収納ケースを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施態様に基づく磁気テープカセッ
ト用収納ケースの斜視図である。

【図２】図１に示したカセット用収納ケースの磁気テー
プカセット収納状態を示す部分断面斜視図である。

【図３】本考案の他の実施態様に基づく磁気テープカセ
ット用収納ケースの斜視図である。

【図４】図３に示したカセット用収納ケースの磁気テー
プカセット収納状態を示す横断面図である。

【符号の説明】

１ カセット用収納ケース ２ ポケット部材 ３ 第１のケーシング部材 ４ 第２のケーシング部材 ５ 回転防止突起 ６ 回転防止突起 ７ 側壁 ８ 側壁 ９ 支軸 １０ 支軸 １１ カセット用収納ケース １２ ポケット部材 １２ａ リブ １３ 第１のケーシング部材 １４ 第２のケーシング部材 １５ 壁部 １６ 第１凹部 １７ 側壁 １８ 側壁 １９ 第２凹部 ２０ａ 第１の磁気テープカセット ２０ｂ 第２の磁気テープカセット ２１ カセット厚み増大部 ２１ａ 肩部 ２２ ハブ孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープカセットの端部を収容するた
   めのポケット部材と、回転防止突起を有する第１及び第
   ２のケーシング部材とがポケット部材側面部分の枢着部
   により開閉できるようになされた磁気テープカセット用
   収納ケースにおいて、前記ポケット部材の内側の厚さを
   互いの厚み増大部が他方の磁気テープカセットと重なり
   合わないように前後互い違いに重ね合わせた複数の磁気
   テープカセットを丁度収納する厚さに形成したことを特
   徴とする磁気テープカセット用収納ケース。
2. 【請求項２】 磁気テープカセットの端部を収容するた
   めのポケット部材と、回転防止突起を有する第１及び第
   ２のケーシング部材とがポケット部材側面部分の枢着部
   により開閉できるようになされた磁気テープカセット用
   収納ケースにおいて、前記ポケット部材の内側の厚さを
   互いの厚み増大部が他方の磁気テープカセットと重なり
   合わないように前後互い違いに重ね合わせた２個の磁気
   テープカセットのカセット厚さの薄い部分を丁度収納す
   る厚さとし、前記ポケット部材の第１のケーシング部材
   側の内壁部に該内壁部側に位置する第１の磁気テープカ
   セットの厚み増大部を受容するための第１凹部を形成す
   ると共に、第２のケーシング部材側に位置する第２の磁
   気テープカセットの厚み増大部を受容する第２凹部を前
   記第２のケーシング部材の開閉端部近傍に形成したこと
   を特徴とする磁気テープカセット用収納ケース。