JPH0394971A - Ａｌ又はＡｌ合金の気相ろう付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ＡｌＶ又はＡ１合金の気相ろう付け方法に関
するもので、例えば自動車の熱交換器の製造において、
そのろう付けされた部材の性能を向上させるとともに製
造コストを安価にするものである。

〔従来の技術〕

通常ＡｌまたはＡｌ合金のろう付けは、接合しようとす
るＡｌまたは，ｌ合金部材をこれらｉ等よりも融点の低
いろう材を介して固定して組立物とし、このろう材の融
点よりも高く、接合しようとするＡｌまたはＡｌ合金部
材の融点よりも低い温度に加熱することにより行なって
いる。そしてろう材としては一般にＡＡ−Ｓｉ系合金が
使用されその形状としては板状，線状，粉末状としたろ
う材、あるいはＡｌまたはＡｌ合金からなる芯材にこの
ろう材を被覆した合わせ材（以下プレージングシ一トと
記す）として用いられている。

従来のろう付け方法としては、ろう付けをする部材表面
の酸化皮膜を除去するためのフラックスを用いるフラッ
グスろう付け方法と、これを用いない真空ろう付け方法
が通常使用されている。上記フラックスろう付け方法と
しては、溶融した塩化物系フラックス中に接合しようと
する組立物を浸漬してろう付け加熱する炉中ろう付け方
法等がある。ところがこの塩化物系フラックスはＡｌに
対しては腐食性であるので、ろう付け後洗浄して完全に
除去しなければならず、製造工程が非常に煩雑である。

これに対して真空中に接合しようとする組立物を置いて
ろう付け加熱する真空ろう付け方法によれば、後工程と
して洗浄も不要であり、またろう付け後の部材表面も良
好であるが、高真空が必要であることおよび材料的に制
約がある等の問題がある。

更に最近上記不具合を解消するろう付け方法として、弗
化物系ブラックスを用いて炉中でろう付けする方法が広
く用いられるようになってきた。この方法は特公昭５８
−２７０３７号公報に記載されているように、フラック
スとして非吸湿性でＡｌに対して非腐食性のＫＡｊ７　
Ｆ４とＫ３Ａｎ　Ｆ６の混合物を用い、これを水に懸濁
させ、接合しようとする組立物表面に塗布してろう付け
するものであり、その特徴としては非腐食性フラックス
を用いるためにフラックス除去の後処理が不要なことが
上げられる。

〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら上記特公昭５ｇ−２７０３７号公報に記載
の方法においては、必然的にブラックスを組立物表面に
付着させるための塗布，乾燥工程が必要であり、さらに
塗布されたフラックスはその組立物を次工程へ運ぶ途中
で組立物から脱落するものが多く、このため有効に使用
されるフラッグスの歩止りは低くなる。またろう付け後
の接合部材の表面には、不均一にフラックス残渣が残る
ので、従来の真空ろう付け方法に比較して表面が汚れ商
品価値が劣ると共に、耐食性を向上させるために次工程
で行うクロメート処理や黒色塗装処理等が不均一となっ
てしまい、その効果が十分に発揮されなくなる等の欠点
があった。

さらにはフラックス残渣は非導電性であるため、例えば
熱交換器において犠牲フィンにより管体を保護する防食
法を採用する場合には、防食電流の流れが阻害されてし
まい防食効果が十分得られない場合がある。またＭｇ含
有Ａｌ合金を弗化物系フラックスを用いて炉中ろう付け
する場合は、従来に比べてろう付け性が劣っているため
、工業的に安定したろう付け性を得るためにはＭｇの含
有量はＱ．　３ｗｌ％（以下Ｗ！％を単に％と略記する
）未満でなければならない。

そしてこれ以上のＭｇを含有するＡｌ合金では、フラッ
クス塗布量を多くしてもろう付けは難しくなってしまう
。この原因はＡｌ合金中のＭｇとフラックスとがろう付
け加熱中に反応するためであり、その結果フラックスの
組或が変化してフラックスとしての効果が失われること
、Ａ１合金中のＭｇが表面層に拡散して表面層のＭｇ濃
度が高くなること、およびフラックスがＡｌ合金の表面
層に入り込む等の現象が発生してろうの流れを阻害する
こと等が起こるからである。

このようにＭｇ含有量の多いＡｌ合金が熱交換器用材料
として使用できないことは、熱交換器の耐久性や軽量化
の面で大きな障害となっていた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はこれに鑑み種々検討の結果、接合しようとする
紹立物に直接フラックスを塗布する工程を必要としない
Ａｌ又はＡｌ合金気相ろう付け方法を開発したもので，
Ａ１又はＡｌ合金をろう材を介してろう付けする方法に
おいて、Ａ１又はＡｌ合金部材を塩化物系あるいは弗化
物系フラックスの蒸気が存在する非酸化性雰囲気中でろ
う付け加熱をする際に、フラックスの融点温度とろう材
の融点温度との間の温度領域の時間が１５倍以内で昇温
することを特徴とするものである。

〔作　用〕

このように塩化物系あるいは弗化物系フラックスの蒸気
が存在する非酸化性雰囲気中に接合しようとする部材と
しての組立物を置くことにより、この蒸気は極微量かつ
均一に組立物に付着してその表面のＡｌの酸化皮膜を破
壊するのでろうの濡れを促進し、ろうが一様に流れ、組
立物の接合個所に均一なフイレットが形成される特徴を
有する。したがって本発明において利用できるフラック
スは、Ａｌの酸化膜を破壊し得る塩化物系あるいは弗化
物系化合物、さらに蒸発後上記化合物が形成され得る金
属錯体を含む化合物、あるいは単体である。具体的には
塩化亜鉛，塩化錫などや、フルオロアルミン酸金属錯体
の蒸気が含まれ、さらにＫＡｇ　Ｆ，＋Ｋ２ＡｌＦ５　
・Ｈ２０のような混合物から発生の蒸気も含まれる。

そしてこのような蒸気を発生させるには上記混合物等を
ろう付けを実施する炉中に予め入れておき、炉を昇温し
たときにその熱で同時に蒸発させても良いし、またこの
蒸気を炉外で発生させて窒素ガス等をキャリアーとして
炉内に供給する等の方法も可能である。さらに非酸化性
雰囲気中にこのようなフラツクスの蒸気を存在させるこ
とにより、組立物は完全に蒸気で覆うことができるので
、蒸気密度は少なくてすみフラックス消費量を低減する
ことができる。

しかし、フラックスはＡｌの酸化膜を破壊する作用とと
もにＡｌ自身と化学反応を生じ、新な化合物を形或する
ことが分かった。この化合物は薄い膜厚の場合にはろう
の流動性あるいはフィレットの形或に何ら支障を生じな
いが、反応時間が長くなり膜厚が厚くなるとろう付け性
を害するようになる。フラックス蒸気がＡｌ表面に付着
した段階で溶融状態となりえる温度以上のとき特に蒸気
反応は著し《、固相状態では実質上反応が進まない。そ
こで、本ろう付け方法においてフラッグスがＡｌと反応
し始めるフラックス融点以上の温度から、フラックスが
本来の動きをし始めるろう材融点以下の温度域の時間を
１５倍以内にする必要がある。この温度域での時間は昇
温過程のいかなる温度履歴によらず、ろう付け処理温度
までの間での加算時間として考えるものである。ここで
非酸化性雰囲気としては例えば窒素，アルゴン，一酸化
炭素その他いずれの雰囲気でも利用可能である。非酸化
性雰囲気の代わりに真空中においても本発明を実施する
ことが可能であるゆく経済的メリットは少なくなる。

さらに本発明によれば、Ｍｇを０．３％を超えて含有す
るＡＡ　−Ｍｇ系合金であってもろう付けが可能となる
。これはフラツクスの蒸気が極微量であり、しかも均一
に組立物に付着するからである。そしてこのためフラツ
クスとしての作用を行う蒸気と材料中のＭｇとの反応が
非常に少なくなり、従って該蒸気のフラツクスとしての
効果は阻害されず、またＭｇ含有材料内でＭｇが表面層
に拡散して材料内でＭｇの濃度差が生ずることもなく、
さらにフラッグス成分が該材料の表面層へ侵入する量も
僅かであるために、ろうの流れが阻害されることはない
からである。

〔実施例〕

次に本発明の実施例について説明する。

第１図に示すように、常法により管状に熱間押出し成形
したＩＩＳＡ１０５０　ＣＡｌ９９．　５％以上）製の
管材（１）を蛇行状に曲げ、この蛇行状管材（１）の間
にＡ７！−１％Ｍｎ−１％Ｚｎ合金を芯材とし、その両
面にＡｌ　−１０％Ｓ　ｉ−１％Ｚｎ合金皮材をクラッ
ドした厚さ（１．１５’ｍｍのプレージングシ一トから
なるコルゲートフィン（２）を挟み、さらにＡｌ−４％
Ｚｎ−１％Ｍｇ合金からなるコネクター（３）を取り付
けてこの接合部にＪＩＳＡ４０４７　（Ａ７！−Ｉ１〜
１３％Ｓｉ）からなる線径１，６ｍｌＩ１の線材を巻き
、サーベンタインタイプのコンデンサーを組立てた。

この組立物を有機溶剤で脱脂してろう付け炉の内容積１
立方メーター当たり３４６ｇのＫＡ６Ｆ４を置いたステ
ンレス製のトレー上に載置した。そして酸素濃度１５０
ｐｐｉおよび露点−３０の窒素ガス雰囲気で置換され、
加熱速度を制御した電気炉内にこのトレーを挿入し、上
記組立物を６１０℃で５分間加熱してろう付けを実施し
た。

このときＫ／’ＩＦ．は炉に挿入されてからろう付け温
度まで昇温される間に溶融して蒸発し、ろう付け時には
雰囲気として組立物を覆っているのでフラックスとして
有効に作用することになる。

上記ろう付け後のコンデンサーを炉外へ取り出して表面
の外観観察を行い、またろう付け状況を調べてこれらの
結果を第ｔ表に示した。その後常法によりクロメート処
理．黒色塗装を行いこれらの付着性をクロメート性，塗
装性として第１表に併記した。またこの塗装後のコンデ
ンサーの耐食性を評価するために１１３８８６８１に基
づ＜　ＣＡＳＳ試験を５００時間実施して貫通孔食の有
無を調べその結果を第１表に併記した。

比較のため上記第｛図に示すコンデンサーの組立物を従
来方法でろう付けしたものについて、その特性を調査し
た。即ち第１図に示す組立物を有機溶剤により脱脂した
のち１０％濃度のＫＡｌＦ４懸濁液を塗布し、２００℃
で１０分間の乾燥を行った。その後窒素ガス雰囲気で置
換され、６１０℃に保持された電気炉内にこの組立物を
挿入して６１０℃で５分間加熱してろう付けを行った。

その後の工程は上記と同様に行い、かつこのろう付けさ
れたコンデンサーについて上記と同様な評価試験を行っ
てそれらの結果について第１表に示した。

第ｔ表より明らかなように本発明によるろう付け後のコ
ンデンサーの表面はきれいであり、ろう付け状況もフィ
ンと管材との接合部であるフィン部，コネクターと管材
との接合部であるコネクタ一部共に優れていた。さらに
クロメート性１塗装性も良好で、耐食性も良好であった
。

これに対し従来方法によるコンデンサーは表面にフラッ
クス残渣が全面に濃く不均一に付着しており、外観上好
ましくない。またろう付け状況はフィン部は良好であっ
たが、コネクター部はろう付けできなかった。さらにろ
う付け後のクロメート処理および塗装は不均一であり、
耐食性については特に管材の曲げ部で貫通孔食が発生し
た。

［発明の効果］ このように本発明によれば、従来のろう付け方法に比べ
て例えば自動車等の熱交換器の製造工程が短縮できるの
で製造コストが安価になり、またろう付け後の表面がき
れいであるためクロメート処理等の後処理での表面処理
性が良好で耐食性が優れる等の品質が向上し、さらにＭ
ｇを多く含有する合金のろう付けも可でもある等工業上
顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第ｔ図はエアコン用熱交換器であるコンデンサーの一例
を示す斜視図である、第２図はフィンの接合部を拡大し
て示す側面図である。 Ｉ・・・管材 ２・・・フィン ３・・・コネクター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ａｌ又はＡｌ合金をろう材を介してろう付けする
   方法において、Ａｌ又はＡｌ合金部材を塩化物系あるい
   は弗化物系フラックスの蒸気が存在する非酸化性雰囲気
   中でろう付け加熱する際に、フラックスの融点温度とろ
   う材の融点温度との間の温度領域の時間が１５倍以内で
   昇温することを特徴とするＡｌ又はＡｌ合金の気相ろう
   付け方法。