JPH038931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアイスクラツシヤ、詳しくは氷塊を上
端の投入口より投入し、ハンドルを回して回転刃
で氷塊を割砕し、割砕した細氷を下部の容器で受
け取るようにしたアイスクラツシヤに関するもの
である。

従来、この種のアイスクラツシヤでは、回転刃
を有する主軸は、ハンドルと直結されたもの、あ
るいは歯車機構を介してハンドルと連結されたも
のが一般的である。このような構造では、ハンド
ルを回せば回転刃が必ず回転するため、手を投入
口に入れたまま不用意にハンドルを転させると、
指を負傷する危険があり、実際にこのような事故
が発生していた。

本考案はかかる従来の欠点に鑑みてなされたも
ので、操作部材を操作し続けない限り、ハンドル
を回しても回転刃が回転しないようにし、不注意
による指等の負傷等を防止したアイスクラツシヤ
を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例である添付図面にした
がつて説明する。

図面において、１は本体ケースで、その上部に
は氷投入口２を有し、下部には細氷容器３が挿脱
自在に収納されている。なお、４は氷投入口２を
塞ぐ蓋である。

本体ケース１の内部には主軸１０が回転自在に
軸支されており、この主軸１０には複数の回転刃
１１が一定間隔をあけて取付けられ、主軸１０の
一端部には平歯車からなる主歯車１２が固定され
ている。

また、本体ケース１には、上記主軸１０と平行
に副軸１３が回転自在に軸支されており、この副
軸１３の一端部にはハンドル１４が固定されてい
る。副軸１３の中央部は断面半月状に切り欠かれ
ており、この切欠部分に上記主歯車１２と噛合可
能な副歯車１５が軸方向に移動可能に挿通されて
いる。上記副軸１３には、略Ｕ字状の移動枠１６
の両端部が上記副歯車１５を間にして回転自在に
挿通されており、この移動枠１６の第４図左側端
部外面と軸受リング１７との間には復帰スプリン
グ１８が設けられ、また移動枠１６の第４図右側
端部内面と副歯車１５との間には噛合スプリング
１９が設けられている。

副軸１３のハンドル側とは反対側の端部には操
作部材２０の下端筒部２１が挿通されており、こ
の下端筒部２１の側面に設けた傾斜面２２が上記
移動枠１６の端部と常時当接している。また、操
作部材２０の下端軸部２３は本体ケース１の孔５
に嵌合して、上下方向にガイドされている。操作
部材２０の上端部は本体ケース１の上面より突出
し（第２図参照）、この上端部にはキヤツプ２４
が装着されている。

ここで、上記構成からなるアイスクラツシヤの
作動を説明する。

まず、操作部材２０を押圧しない状態では、副
歯車１５は第４図に示すごとく復帰スプリング１
８により主歯車１２と噛合しない位置に移動して
いる。この状態でハンドル１４を回しても、副軸
１３が空回りするだけで回転刃１１は回転しな
い。したがつて、氷投入口２に手を入れて不用意
にハンドル１４を回しても、負傷する危険はな
い。

いま、一方の手で操作部材２０を押圧すると、
操作部材２０は下動し、傾斜面２２と摺接する移
動枠１６は副軸１３に沿つて第４図矢印方向に移
動する。これに伴ない、噛合スプリング１９によ
り押された副歯車１５を矢印方向に移動し、操作
部材２０を所定位置まで押し込むと副歯車１５が
主歯車１２と噛合する（第５図参照）。こうして
操作部材２０を押し続けた状態で、他方の手でハ
ンドル１４を回すことにより、初めて回転刃１１
が回転し、氷投入口２に投入された氷塊は割砕さ
れ、細氷は細氷容器３に受け取られる。操作部材
２０への押圧力を解除すれば、移動枠１６と副歯
車１５とは復帰スプリング１８により直ちに第４
図の状態に復帰し、ハンドル１４の回転力は回転
刃１１に伝達されない。

なお、主歯車１２と副歯車１５は共に平歯車の
ため、操作部材２０を押し下げたとき両歯車の歯
の端面どおしが当つて噛合しない場合が生じ、こ
の状態で操作部材２０を強く押し過ぎると、両歯
車の歯が欠けるおそれがある。このような場合、
移動枠１６と副歯車１５との間に設けた噛合スプ
リング１９が副歯車１５を弾性的に付勢している
ため、ハンドル１４をいずれかの方向に若干回せ
ば、噛合スプリング１９のバネ力により副歯車１
５が主歯車１２に噛合する。したがつて、たとえ
操作部材２０を強く押し過ぎても、両歯車に無理
な負荷がかからず、確実に噛合させることができ
る。

上記実施例では、主歯車１２と副歯車１５とを
共に平歯車としたが、これらを傘歯車としても同
様の効果が得られる。ただし、この場合には主軸
１０と副軸１３とは直交方向に配置される。

以上の説明で明らかなよに、本考案によれば、
片方の手で操作部材を操作し続け、他方の手でハ
ンドルを回すことによつて初めて回転刃が回転す
るようになつているので、従来のように氷投入口
に手を入れたまま不用意にハンドルを回転させて
も回転刃が回転せず、指を負傷する危険がなく安
全である。

また、移動枠と副歯車との間に噛合スプリング
を介在させてあるため、操作部材を強く操作して
も主・副歯車の刃が欠けることがないばかりか、
両歯車が噛合していなくてもハンドルを若干回動
すれば、弾性力で確実に噛合するという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるアイスクラツシヤの正
面図、第２図はその一部断面右側面図、第３図は
第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は第２図のＢ−
Ｂ線断面図、第５図は使用状態における第２図の
Ｂ−Ｂ線断面図である。 １……本体ケース、２……氷投入口、３……細
氷容器、１０……主軸、１１……回転刃、１２…
…主歯車、１３……副軸、１４……ハンドル、１
５……副歯車、１６……移動枠、１８……復帰ス
プリング、１９……噛合スプリング、２０……操
作部材、２２……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に氷投入口を有し、下部に細氷容器を収納
   した本体ケースに、複数の回転刃を有する主軸を
   回転自在に軸支し、上記回転刃の回転により氷塊
   を割砕して細氷とするアイスクラツシヤにおい
   て、上記主軸に固定された主歯車と、本体ケース
   に回転自在に軸支され、ハンドルにて回転駆動さ
   れる副軸と、該副軸に軸方向に移動可能に挿通さ
   れ、上記主歯車と噛合可能な副歯車と、上記副軸
   に副歯車を間にして両端部が回転および移動自在
   に挿通された略Ｕ字形の移動枠と、本体ケースに
   上下方向に移動可能であつて、下端部に上記移動
   枠の一端部に当接し、移動枠を主歯車側に移動さ
   せる傾斜面を有し、本体ケース上から操作可能な
   操作部材と、上記移動枠と上記副歯車との間に設
   けられ、上記操作部材の下方への操作にもとづく
   移動枠の移動によつて上記副歯車を主歯車に噛合
   するように付勢する噛合スプリングと、上記移動
   枠と副軸のハンドル側本体ケース間に、上記副歯
   車を主歯車に対して非噛合方向へ常時付勢するよ
   うに設けた復帰スプリングからなるアイスクラツ
   シヤ。