JPH038878A - 線状複合素材 - Google Patents

線状複合素材

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JPH038878A
JPH038878A JP13979389A JP13979389A JPH038878A JP H038878 A JPH038878 A JP H038878A JP 13979389 A JP13979389 A JP 13979389A JP 13979389 A JP13979389 A JP 13979389A JP H038878 A JPH038878 A JP H038878A
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JP
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fibers
core material
warp
cylindrical body
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JP13979389A
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Toru Kitazawa
北沢 亨
Tatsuji Okada
岡田 辰治
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YOSHIDATSUKASA KK
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YOSHIDATSUKASA KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、種々の構造材として、また特性機能材として
有用な、各種無機質繊維や有機質繊維などからなる筒状
織物の線状複合素材に関する。
従来技術 従来、任意の線状又は繊維状芯材を囲繞し、任意の繊維
で被覆した線状複合素材は、例えば、テニスやバドミン
トンのガツト、特殊サポータ類をはじめ、各種スポーツ
分野、レジャ分野に於けるストリングとして利用されて
いる。またゴム入り紐類をはじめ日用品、装飾用品分野
、更に電線・ケーブル・シールド線などの被覆構造物、
中空ゴムホースの被覆など各種工業用品に見られる。
これらの線状複合素材は芯材を被覆してなる側糸繊維が
製品の長さ方向に対して左上から右下へ、または右上か
ら左下へ傾斜して走り、かつ該繊維が螺旋状に巻き付け
た構造の、いわゆるワインディング加工やカバリング加
工によって、また側糸繊維が相互に交錯してなる組み物
の、いわゆるブレーディング加工によって作製されてい
る。
発明が解決しようとする課題 かかる従来技術によって作製された上記線状複合素材は
、長さの方向に伸び易く、特に芯材としてゴム糸などエ
ラストマーを組み込んで伸縮紐を作った場合には、著し
い伸縮性が発現され、それら特性を求める分野に好適な
機能を呈するものである。
しかしながら、通常の組み物は交錯されながら、螺旋状
に巻かれた繊維が平衡を保って組み形状を維持している
とはいえ、組み物組織は織物と異なり、長さ方向に引張
された時に組んだ系全体に力が負荷されて変形するため
、変形に対する安定した組織形態の要求される分野への
適用には、逆に欠点となるものである。まして撚り紐組
織では時に撚りが戻ることもあり、組織の形態維持性に
は大きな欠点となる。また編み組織状の物では、まず製
網過程で大きな糸層面を受け、本発明の実施に対し、例
えば炭素繊維をはじめ、これら高剛性・高強力繊維を使
用する場合に、製作上の困難を伴うばかりでなく、たと
い製品化されたとしても製品の組織の形態安定性は極め
て乏しく、また上述の引張時の強度は著しく低下し、本
発明の目的とする分野への適用を考えると、実用に供し
得ない欠点となる。
即ち本発明の目的とするところは、まず、(1)金属、
プラスチックス、セラミックスなどの均質材料からなる
チューブに比べ、可撓性を有すると共に、変形に対する
形態維持性をも有するチューブであって、該チューブ自
体は当然ながら、チューブの内部にも構造材に適正の、
或は特殊機能を発現する線状又は繊維状素材を内蔵した
新規線状複合素材を提供するにある。次に(2)複合素
材が常に特定の張力を受けた状態下での変形に対する経
時変化が少ない新規複合素材を提供するにある。更に(
3)一定の形状を維持しながら、単位容積当たりの構成
素材(被覆袋織り素材とその内部に内蔵する素材)の表
面積が極めて大きな新規複合素材を提供するにある。更
にまた(4)任意の形状に容易に賦形できると共に、被
覆袋織りチューブの内部に高い内圧力がかかった場合に
も、織物組織、特に緯糸が有効に作用し、優れた耐圧効
果を発現する新規複合素材を提供するにある。
かつ、5)製織条件や使用素材繊維(例えば高収縮性繊
維)の選択により、高密度織物が得られ、袋織りチュー
ブの中に各種機能性マトリックスを充填しても漏出する
ことな(チュニブ内に包括され、安定した機能性新規複
合素材を提供するにある。
従って上述の従来線状複合素材は可撓性に優れるが、引
張・曲げ・せん断・圧縮・膨張などによる変形に対し、
組織の形態維持性や複合素材としての寸法安定性に欠け
るため、強固な形態維持と寸法安定性を必要とする構造
材、各種機能材への適用には全く不向きと言わざるを得
ない。また、従来線状複合素材は当然ながら変形に対す
る経時変化も太き(、被覆袋織りチューブの素材と内蔵
素材との間の変位に基ずく構造材特性或は機能性の変化
ないし低下をもたらすことになる。
本発明は従来のこれら欠点を解消し、目的とする上記要
望に応えるために発明したものである。
課題を解決するための手段 経糸と緯糸とからなる袋織り組織の筒状体で、その内部
に線状又は繊維状の集束芯材を該筒状軸に配向、充填し
てなる線状複合素材であることを特徴とするものである
また経糸と緯糸とからなる袋織り組織の筒状体で、その
内部に充填された芯材が該筒状体より細径の上記袋織り
組織の筒状体の集束からなる線状複合素材であることを
特徴とするものである。
更に袋織り組織の筒状体の内部に芯材と共に有機物、無
機物、又は金属などのマトリックスを内蔵し、充填され
ている線状複合素材であることを特徴とするものである
作用 本発明の構成に基ずいて作用を説明する。
第8図ないし第10図は本発明の線状複合素材を示すも
のであって、第8図は経糸として[炭素繊維]、緯糸と
して[アラミド繊維]を用いて製織された袋織り組織の
筒状体の内部に、[炭素繊維]が筒状軸に配向、充填さ
れたものである。第9図は経糸及び緯糸共に[アラミド
繊維]の構成からなる袋織り筒状体の内部に1.該筒状
体と同種繊維の構成からなる細径の筒状体の収束された
ものを充填したものである。第10図はこれら線状複合
素材側面の織り組織の一例を示したものである。
而して本発明の構成によるときは、筒状体を形成する経
糸と緯糸とを十分に細いものにすると共に、経糸と緯糸
の張力の設定条件を選ぶことにより、高密度から低密度
までの広範囲の各種形態のものが製織でき、可撓性を有
すると共に、形態保持安定性の優れた筒状体を得ること
が出来る。更に使途によって、その内部に充填される素
材の機能特性を十分に発現する最適製織条件を任意に設
定し、かつ内部に充填する機能性物質の特性に依存する
特種機能、或は構造材として要求される機能、例えば高
剛性・高強力など素材繊維の選択と必要物性値を達成す
るための構成形態、構成量を設計することによって、極
めて有用な線状複合素材を得ることが可能である。以下
、実施例によって具体的に詳述する。
実施例1 本実施例は構造材として有用な、軽量で、かつ高剛性・
高強力の線状複合素材についてであって、その構成は第
8図及び第10図に示したものである。また第1図はこ
の線状複合素材の製造方法の一例を示す説明図である。
上記構成の線状複合素材りは、枠箱1に収納された杼と
、筬装置2と、綜絖3と、案内パイプ4とを備えてなる
袋織り織機によって連続的に製造することが出来る(第
1図)。
即ち枠箱1には、緯糸(第8図ではアラミド繊維)を巻
いたボビンが収納されており、緯糸は枠箱1の往復或は
円運動によって織り前Qに供給される。
次に経糸Wl (、炭素繊維)は上下2群の経糸群に分
割されており、経糸給糸体Wlから上下一対のガイドロ
ーラGRと上下各一対の綜絖3とを介して、織り前Qに
供給される。
綜絖3は図の矢印の方向に交互運動をなすことにより、
上方の経糸群Wla、 Wla・・・と下方の経糸群W
lb、 Wlb・・・とに対して、それぞれ開口Pa、
Pbを形成せしめることができる。ただし各綜絖3は、
それぞれ経糸群Wla、 Wla−1Wlb、 Wlb
・・・の中で、1本おきに経糸を上下に引き分けること
ができるように配列されている。
筬2は前後方間に往復運動し、経糸群Wla、Wla−
1Wlb、 Wlb・・・の間を下(上)から−ヒ(下
)に挿通され、しかも枠箱1のほぼ前端面から織前Qま
での間を、前後運動することができるようになっている
案内パイプ4は、上下2群の経糸群WlaSWla・・
・、Wlb、 Wlb・・・の中間に配設されており、
案内パイプ4の後端部より線状又は繊維状の芯材や充填
マトリックスが送入されるようになっており、案内パイ
プの先端部には細いノズルが形成され、織前Q以降に製
織形成される筒状体の線状複合素材りの中に挿入されて
いる。枠箱1の後方には、線状複合素材りを把持して引
き取る、送りローラTRが配設されている。また、織前
Qと送りローラTRとの間には、線状複合素材りを押通
する処理装置Hを配設し、必要に応じて、筒状体に含浸
し、または、筒状体に充填した樹脂材料等の連続処理を
行なうことができる。処理装置Hは、樹脂材料等の所要
処理内容によって選択するものとし、たとえば、温度処
理装置や紫外線照射処理装置などを使用するものとする
以上述べてきた装置を用い、下記製織条件で構造材用線
状複合素材を作製した。製織条件及び構造特性値の内容
を第1表に示す。
(以下余白) 第1表 第1表(つづき) 経糸×本数 緯糸×本数 経糸張力(g) 芯       ′  材 マ   ト   リ   ッ  り  スマトリックス
硬化反応 複合素材外径(mm ) 密度(g/crd) 断  面  形  状 試料I X7 X1 30〜40 試料2 G X 9 (2P) X2 30〜40 1.11 1.11 1.40 円形 2.54 円形 経糸X本数 緯糸X本数 経糸張力(g) 芯         材 マ   ト   リ  ッ  り  スマトリックス硬
化反応 複合素材外径(’mm) 密度(g / cn! ) 断  面  形  状 試料3 X7 A×1− 30〜40 1.15 1.73 円形 試料4 X7 X1 30〜40 X7 エポキシ樹脂 130°C×10分 1.18 1.78 円形 第1表(つづき) 経糸×本数 緯糸×本数 経糸張力(g) 芯         材 マ   ト   リ   ッ  り  スマトリックス
硬化反応 複合素材外径(mm ) 密度(g/cXA) 断  面  形  状 試料5 G X 9 (2P) X2 30〜40 G×18 エポキシ樹脂 130°C×10分 1.18 2.54 円形 註) (試料>C=炭素繊維(IK) (試料)A=アラミド繊維(200d)(試料)G=ニ
ガラス維(200d) (2P) = 2本合糸 まず構造材としての基本的物性について測定した結果を
第2図、第3図及び第4図に示す。
第2図は第1表に記載した各種試料についての切断時ま
での荷重−伸長曲線を示したものである。
なお比較試料Aは試料1と同一の試料A、即ちアラミド
繊維(200d)を用い経糸本数を合わせて作製した組
み物である。
この実施例で述べる複合素材は、目的(1)及・び(2
)記載の機能を代表する一例である。第2図より、筒状
軸方向への引張に対する力学的挙動は構成繊維の優れた
剛性及び強度か損なわれることなく、高度の物性を反映
している。また一般に炭素繊維・ガラス繊維など高強力
・高剛性繊維は伸度が低く、結節強度、引掛強度は測定
不能と言える程度の低い値のものであるが、本発明の複
合素材では第2表に示すように良好な特性を有している
。特にこの複合素材の比重を考慮すると、その比強度、
比剛性は構成繊維の物性が十分に活かされた、優れた新
規複合素材と言える。
また本発明複合素材は比較試料Aの複合素材、即ち従来
の組み物組織に比べ、強度、剛性は当然ながら、その形
態維持性に対しても高度の優位性を発揮していることが
第2図より明白である。
第2表 結節強度(kg) 試料112以上(4,3%以上) 試料26以上(6,4%以上) 試料318以上(2,4%以上) 註)  (%)−切断伸度 引掛強度(kg ) 34以上(5,1%以上) 11以上(6,5%以上) 76以上(2,8%以上) 更に、本発明複合素材の形態維持性について付記するな
らば、変形に対する寸法安定性、耐疲労性の経時変化を
測定したのが、第3図に示したクリープ試験の結果及び
第4図に示した応力緩和試験の結果である。
第3図に於いて、比較試料Aでは5g/dで30%以上
、]、g/dで10%を越え°るなど、変形量が極度に
大きく、組み物と織物の組織上の差異が明瞭に現れてい
る。また第4図の応力緩和に於いても同じことが言え、
本発明複合素材は従来に見られなかった特徴ある物性を
有し、優れた新規構造材の特性を具備したものと言える
実施例2 本実施例は実施例1と同様に、目的(1−)及びく2)
に記載の代表例の1っであって、先に伸張時の力学的挙
動を述べたのに対し、ここでは圧縮時の挙動を説明する
まず本発明複合素材の骨格となる袋織組織を有する筒状
体、次にマh ワックス充填物、更に本発明の芯材を内
蔵、充填させた複合素材について、後記する用途に密接
に関係する圧縮弾性挙動を中心に詳述する。試料は実施
例1と同じ製法により、各種の線状複合素材を作製した
第3表は製織条件及び構造特性値を表示したものであり
、第5図はこれら複合素材の圧縮弾性挙動に関する測定
結果である。また第6図は繰返し圧縮変形に於ける耐疲
労性を測定したものである。
第3表 経糸×本数 緯糸X本数 経糸張力(g) 芯         材 マ   ト   リ   ッ  り  スマトリックス
硬化反応 複合素材外径ぐmm) 試料6 X9 X1 40〜50 3 第3表(つづき 試料8 X9 XI 40〜50 経糸×本数 緯糸×本数 経糸張力(g) 芯         材 マ   ト   リ   ッ   り  スマトリック
ス硬化反応 複合素材外径(mm ) 1.63 試料7 X9 X1 40〜50 3 ) 試料9 X9 X1 40〜50 シリコンゴム 135°C×10分 1.64 第3表(つづき) 経糸×本数 緯糸×本数 経糸張力(g) 芯         材 マ   ト   リ   ッ   り   スマトリッ
クス硬化反応 複合素材外径(mm ) 試料10 X9 X1 40〜50 X7 シリコンゴム 135°C×10分 1.65 註) 第3表に表示しなかったが、第5図の測定データ
に示されている試料1.2.3は実施例1の第1表に記
載のものである。
なお、 (試料)C=炭素繊維(IK) (試料)A=アラミド繊維(200d)(試料)N=ナ
イoン6(200d) 第4表は第5図に示した各種試料の圧縮変形挙動に関し
て、 LC:圧縮特性の線形性(無次元) WC:圧縮エネルギー(gf−c$nZcr&)RC:
圧縮のレジリエンス(%) などの圧縮特性値を算出し、整理したものである。
なお、上記特性値は第7図に従い、次のように定義する
■、C=WC/WOC WC=fPdT RC=WC7Wに こで、Tは試料の厚みであって、 To=圧力0.5gf/cntにおける試料の厚み(m
m ) ]m :圧力50gf/cJにおける試料の厚み(mm
 ) WOC=Pm (To −Tm )/2また、 WC−:除圧過程の圧力P−により与えられる回復エネ
ルギー WC−=JP−dT 第4表 LC 試料1 0.879 試料2 0.809 試料3 0.750 試料6 0.7413 試料7 0.508 試料8 0.692 LC O,296 1,421 0,767 1,525 0,448 0、432 LC 39,9 44,1 27,7 32,1 39,2 22,0 O 0,727 0,999 1,112 1,553 0,955 1,244 TI[I O,593 0,29B 0.703 0 、735 0.602 0.994 試料9 [繰返し圧縮疲労] (1回) 0.536 (2回) 0.503 (3回) 0.505 (5回) 0.506 (10回)0.509 0 、506 0.413 0.411 0.408 0.399 52.3 63.3 63.5 64.7 64.6 1.614 1.563 1.558 1.555 1.545 1 、236 1.234 1.232 1 、234 1.232 以上の結果より、本発明の複合素材の圧縮変形挙動は実
施例1で述べた伸張変形時の挙動と同様に、構成繊維素
材の剛性率に極めて密接に関係し、素材繊維の優れた物
性を十分に活かしながら、袋織り組織の作用の相乗効果
により、新規の特筆すべき特性を発現している。即ち袋
織り組織に於いて、経糸と緯糸との交絡点の強固さは織
り密度、繊維の剛性、繊維相互の摩擦係数に依存し、後
述のマトリックスによって織り組織の変形挙動に大きな
影響を与える。
第6図からも明らかなように、圧縮弾性回復に於いては
マトリックス或は芯材の選択により、各種多様の、優れ
た耐疲労性と圧縮弾性回復を発現することが理解される
本実施例はテニス又はバドミントンなどに使用される新
規特性を有するガツトやスポーツ用各種フレームに好適
の新規素材である。
従来、これらガツトはナイロン糸を、更にはこれを芯材
にし、その外廓をナイロン糸にてワインディング加工に
よる巻き付けやプレーディング加工による編み上げにし
て、芯糸を囲繞被覆した構造形態をとっている。然し、
ナイロン糸の素材特性に固有の張り上げ時の伸びすぎや
応力緩和が避けられず、ひいては打球の反発力の低下に
つながる問題を防止するため、ポリアミド樹脂を特別に
ブレンドした構造にしたりしている。また芯糸を中空糸
にすることによって、ガツトホールでの曲げに対し外側
と内側の伸び率の差を少なくし、コーナ切れを防いだり
、中空糸に特殊オイルを注入することによって、夏の軟
化や、特に冬の硬化を防止する手法も行われている。更
に平滑な表面に特殊凹凸加工を施し、ボールに回転を与
え、強力なスピンを生み出す工夫もなされている。
かようにスポーツ、レジャー用品分野は常に先端を求め
、ユーザの要望は多種多彩である。この実施例で述べる
ガツトは、従来見られなかった新規特性を具備した新素
材の提供であり、具体的には形態安定性の良好な袋織り
組織と選定された繊維の高剛性・高強力の物性及びマト
リックスに起因して、上記ナイロン糸に比べ耐久性、耐
候性に優れると共に、高い弾性と反発力、更に張り上げ
後の緩みも無(、温度・湿度による影響も極めて少なく
、ガツト張力の安定性と持続性を有し、織特有の表面形
態による特殊な打球感を生み出す新規効果を見い出した
。なお素材繊維やマトリックスの選定、袋織り組織・構
成内容の設計によって、ユーザ要望の多様化に広汎に対
応できる多種多様の、特徴のある新規複合素材を提供す
ることが可能である。
実施例3 本実施例では袋織り組織の筒状体の内部に、更にそれよ
りも細径の袋織り組織の筒状体を収束、充填した構造の
線状複合素材について述べる。作製した複合素材の構造
形態の一例を第9図に示す。
これらは特殊用途のロープ、例えば深海資源や沈船の引
き揚げ用などに好適な、軽量で、しなやか、かつ強靭な
ロープを形成することができる。
深海の敷設や作業に用いるロープは、比重の高い金属材
料などを用いた場合、強度的にそれ自体の自重に耐えら
れずに、おのずとロープの使用できる長さに限界が出て
くる。
本実施例で推奨する複合素材としては、例えばアラミド
繊−維(経糸、緯糸共に)からなる袋織り筒状体と該筒
状体の内部にポリプロピレン繊維が充填、内蔵した構成
からなるロープである。使用したアラミド繊維の密度は
1.:E39g/cJ、ポリプロピレンの密度は0.9
1g/allと極めて軽量であり、両者のハイブリッド
化複合素材とすることにより、ロープ全体の密度を海水
の密度に近ずけることはいとも簡単である。素材繊維は
高剛性・高強力の物性を有し、海水に対する防錆性、局
部電池の発生に起因する劣化防止などに対して、優れた
新規素材と言える(第11図参照)。
また強靭さに加えて柔軟な特性と製品の細径化は、多量
の長さのロープを容易に巻き取り、収納できる利便さと
作業性の著しい改善が果たされる。
実施例4 本発明の線状複合素材の有用な一つの使途としては、既
に目的(3)及び(4)で述べたように、その大きな表
面積の有効利用にある。−例として耐熱フィルター用ろ
過材である。
素材繊維としては、耐熱性のガラス繊維を用いることに
より、高熱の廃ガスから公害成分を分離し、清浄な流体
と有害成分とを分離すると共に、優れた耐薬品性を利用
して汚染された使用後の素材を洗浄し、再活性化による
繰り返し再利用も可能であり、経済的に安価で、かつ極
めてコンパクトなろ過装置となすことが出来る。また用
途によっては、例えば芯材に活性炭を主成分とした繊維
状吸着材を使用するなど、広範囲に適用できるろ過材を
提供できる。更に本発明の複合素材は、特に圧力の高い
高熱のガスを注入し、ろ過する場合に、袋織りの緯糸組
織が有効に作用し、形態維持の優れた好適なろ過材とな
る。
実施例5 本実施例で述べる複合素材は、前記目的(5)記載の機
能を代表する一例であって、ここでは新規の消臭用素材
について述べる。
一般に消臭剤には、その使途によって次ぎのような種々
多様のものがある。即ち、■活性炭、ゼオライト、活性
白土など多孔質材による物理的吸着、或は過酸化物との
混合系による物理・化学的吸着に基ずく脱臭や有機溶剤
・特種薬品の吸着除去、■悪臭分解菌、消化酵素などの
微生物作用の利用、また活性炭やゼオライトとの共存系
による脱臭、■例えば、硫化水素の除去に硫酸第一鉄な
ど硫酸鉄や塩化鉄による脱硫作用、パーオキサイドなど
酸化剤やチオ硫酸ソーダなど還元剤による化学反応作用
、その他の化学的脱臭などがある。
従来、不快な臭いや有毒なガス成分を消す方法としては
、活性炭を代表とする吸着作用の利用と消臭作用を有す
る物質を繊維に担持させた消臭繊維の利用が多(用いら
れている。前者の場合は特定の容器に収納するとか、特
定のシート状部材の中に封じ込めるなど、使われる用途
によって製品形状に制限が出てくる。また後者の場合、
使用上の製品形状の自由度は大きいが、脱臭剤の選定、
担持賃及び使用中の脱臭剤の保持安定性に難点がある。
本発明の消臭素材は、第9図に示す袋織り組織の筒状体
内に充填されている細径の袋織り筒状体の内部に、上述
の有機物、無機物又は金属などの消臭剤を充填してなる
新規複合素材である。
先ず製法については、第1図に従って細径の筒状体を作
製する際に案内パイプ4より消臭剤を注入しながら製織
(実施例3の場合はポリプロピレン繊維)し、得られた
細径チューブを囲繞する外装袋織り筒状体を作製する際
に、あらたに案内パイプ4より上述の消臭剤を内蔵する
細径チューブを押し出しながら製織することによって得
られる。
次ぎに袋織り筒状体は、用途によって適性の繊維素材を
選べばよい。即ち、用途としては下着、運動着をはじめ
とする衣料用分野、寝装具、紙オムツ、マスク、靴敷や
各種インテリアなどの生活用品・家庭用品分野、空気清
浄フィルターをはじめとする工業用分野など、広範囲に
利用される。
従って衣料用、家庭用ならばポリエステル、ナイロン、
ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維
や、レーヨン、天然繊維など、工業用ならばガラス繊維
など適宜選定すればよい。
また袋織り筒状体の織密度は製織条件や使用素材繊維の
選択により、高密度から低密度まで任意のものが作製で
き、消臭剤の性状、粒度などにより、充填マトリックス
が漏出することなく包括され、安定した機能を発揮でき
る織り組織密度を設訓すればよい。
次に実施例について述べる製織条件及び素材構成は次表
のとおりである。
[内臓袋織りチューブ] 経    糸  ポリエステル繊維(75d/48f 
’)本    数  18本 緯    糸  ナイロン6 (70d/38f’ )
本    数  2本 経糸張力 25g マトリックス  活性炭 チューブ外径  0.4mm [外装袋織り筒状体] 経    糸  ポリエステル加工糸(150d/36
f )本    数  18本 緯    糸  ナイロン6 (70d/36f )本
    数  2本 経糸張力 35g チューブ外径  1.2mm (上記内蔵チューブ3本を充填) 次に得られた消臭素材を製織し、靴の中敷にして着用試
験を行なった結果、履き心地も良く、優れた消臭効果を
確認した。本素材は消臭剤単体で使用する場合に比べ、
単位体積当たりの接触面容量も大きくなるため、有効な
消臭機能を発揮した。
なお、類似の機能としては、イオン交換樹脂のカラム充
填方式の代わりに本複合素材が好適に適用できる。
その他の実施例 機能性材料のその他の例について述べる。上記目的(3
)及び(4)記載の適用例の一例であって、芯材として
吸湿性或は吸水性繊維を充填した寝具やその他のマット
基材である。
芯材がたとい膨潤するほど吸湿・吸水されたとしても、
被覆している袋織り組織によって安定した形態を維持し
、表面被覆の繊維を爽やかな触感を有する衣料用繊維を
選ぶことにより、快適な新規衣料用分野・家庭用分野へ
の素材として好適に利用できる。
その他の応用例としては、金属繊維の構成からなる化学
反応触媒装置、熱交換器用エレメント、導電性繊維を利
用した静電気トラブルを解消する部材、キチンやコラー
ゲン繊維などで製織した人工医療素材、酵素固定化担体
としてのバイオリアクターなど、構造材・特性機能材と
して多方面に渉る新規線状複合素材を提供することがで
きる。
発明の効果 以上、具体例をもって説明したように、本発明によれば
、袋織り組織の筒状体の内部に、線状又は繊維状の芯材
、或は同じ細径の筒状体を配向、充填することによって
、また使途・目的に応じた機能性マトリックスを芯材と
共存さすことによって、新規構造材・新規機能材として
優れた効果を奏する。
使用する繊維は一般天然繊維・合成繊維のみならず、ス
ーパ繊維、金属繊維の他、高収縮繊維や水溶性繊維など
各種の特殊機能性繊維を選ぶことができる。
次にマトリックスは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂にとど
まらず、金属やセラミックス、樹脂に発泡剤を混入させ
硬化反応の際に発泡させてスポンジ状にするなど可能で
あり、既に実施例で述べたように粉体、顆粒状、またエ
ラストマーから硬化樹脂に至る固体、ゲル状、粘稠な液
体など、各種性状のものが使用できる。
また製織条件・構成組織の設計によって、或は上述の特
殊機能性繊維を利用して、高密度から低密度までの広範
囲の織物が得られ、経糸と緯糸の張力の設定によって織
物表面の凹凸を任意に制御することも可能である。
更には、これら線状複合素材を使用して任意の形状の積
層板、立体構造物、三次元織物を作製し、FRP、FR
C,FRMなどの複合構造材の補強用基材としても優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の複合素材を製造する装置及び方法の概
要説明図であり、第2図は本発明素材の引張時の力学特
性、第3図はクリープ、第4図は応力緩和の試験結果で
ある。第5図は本発明素材の圧縮時の力学特性であり、
第6図は繰り返し圧縮を行った場合の弾性回復、疲労性
の試験結果である。第7図は圧縮特性値の意義を説明す
るための説明図である。 第8図(A)は本発明の袋織り筒状体の内部に繊維状芯
材が充填された複合素材の断面写真であり、第8図(B
)はその内部を拡大したものである。第9図は袋織り筒
状体の内部にざらに細径の筒状体が充填された複合素材
の断面写真である。 第10図は本発明の袋織り筒状体の側面の織り組織を示
したものである。また第11図は第9図で述べた細径の
筒状体の内部に繊維状芯材が充填された複合素材の断面
写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)経糸と緯糸とからなる袋織り組織の筒状体に於いて
    、その内部に線状又は繊維状の集束芯材を該筒状軸に配
    向、充填してなる線状複合素材。 2)経糸と緯糸とからなる袋織り組織の筒状体に於いて
    、その内部に充填された芯材が該筒状体より細径の上記
    袋織り組織の筒状体の集束からなることを特徴とする線
    状複合素材。 3)袋織り組織の筒状体の内部に、芯材と共に有機物、
    無機物、又は金属などのマトリックスを内蔵し、充填さ
    れていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    線状複合素材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014069299A1 (ja) * 2012-10-29 2014-05-08 小浜製綱株式会社 合成繊維ロープ
JP2016194172A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 芦森工業株式会社 ロープ用ストランド及びロープ

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