JPH0387319A - 一方向性けい素鋼板の鉄損低減連続処理設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、一方向性けい素鋼板の鉄損低減連続処理設
備に関し、とくに真空を利用し、鋼板表面に連続的に局
所熱処理を施すことによって、効果的な磁区の細分化ひ
いては鉄損特性の有利な改善を図ろうとするものである
。

（従来の技術） 一方向性けい素鋼板は製品の２次再結晶粒をゴス方位◆
こ高度に集積させ、その鋼板表面上にフォルステライト
質皮膜を、さらにその上に熱膨張係数の小さい絶縁皮膜
を破戒したもので、厳格な制御を必要とする複雑、多岐
にわたる工程を得て製造される。

このような一方向性けい素鋼板は、主として変圧器、そ
の他電気機器の鉄心として使用されていて、磁気特性と
して製品の磁束密度（Ｂｏｏ値で代表される）が高く、
鉄損（ＷＩＴ／Ｓ。値で代表これる）が低いこと、さら
に表面性状の良好な絶縁被膜を有することが要求されて
いる。

とくにエネルギー危機を境にして電力損失の低減を特徴
とする請が著しく強まり、変圧器用鉄心材料としての鉄
損のより低い一方向性けい素鋼板の必要性は益々重要な
ものとなってきている。

さて一方向性けい素鋼板の鉄損改善の歴史は、ゴス方位
２次再結晶集合組織の改善の歴史であるといっても過言
でなく、このような２次再結晶粒を制御する方法として
は、／／！Ｎ　、　ＭｎＳ及びＭｎＳｅ等の１次再結晶
粒戒長抑制剤、いわゆるインヒビターを用いてゴス方位
２次再結晶粒を優先成長させる方法が実施されていた。

また最近に至ってはこのような２次再結晶集合組織を制
御するものの他、鋼板表面にレーザー照射（重い　正：
鉄と鋼。

６９　（１９８３）　、　Ｐ、８９５、特公昭５７−２
２５２号、同５７−５３４１９号、同５８−２４６０５
号、同５８−２４６０６号各公報参照）あるいはプラズ
マ照射（特開昭６２−９６６１７号、同６２１５１５１
１号、同６２−１５１５１６号及び同６２−１５１５１
７号各公報参照）により局部微小ひずみを導入して磁区
を細分化し鉄損を低下させる画期的な方法が提案されて
いる。しかしながら、これらの方法に従って製造しｈ鋼
板は、高温域まで加熱すると微小ひずみが消失するため
、高温でのひずみ取り焼鈍を施す必要がある巻鉄心トラ
ンス用の材料としては使用できないという欠点があった
。

このような高温のひずみ取り焼鈍を施しても鉄損が劣化
しない方法としては、仕上焼鈍板の表面に溝もしくはセ
レーションを形成する方法（特公昭５０−３５６７９号
、特開昭５９−２８５２５号及び同５９−１９７５２０
号各公報参照）とか、仕上焼鈍板の表面に微再結晶粒領
域を形成する方法（特開昭５６−１３０４５４号公報参
照）、フォルステライト質被膜に異厚あるいは欠損領域
を形成する方法（特開昭６０−９２４７９号、同６０−
９２４８０号、同６０−９２４８１及び同６０−２５８
４７９号各公報参照）、地鉄中、フォルステライト質被
膜中又は張力絶縁被膜中に異組成領域を形成する方法（
特開昭６０−１０３１２４号及び同６０−１０３１８２
号各公報参照）等が知られている。

しかしながらこれらの方法は何れも工程が複雑になるわ
りには鉄損の低減効果は小さく、また製造コストが高い
こともあって、工業的には採用されるには至っていない
のが現状であった。

なお、発明者らは先に、鋼板の表面に局所熱処理を施す
ことにより、ひずみ取り焼鈍を行っても特性が劣化しな
い設備（特開昭６４−２３０号公報参照）を提案したが
、かかる設備では板形状の劣化を招くおそれがあり、未
だ改良の余地が残されていた。

（発明が解決しようとする課題） 磁区の細分化によって低減された鉄損が、ひずみ取り焼
鈍を施しても劣化することがなく、しかも板形状の劣化
を来すことがない一方向性けい素鋼板を安定して製造で
きる新規な製造設備を提案することがこの発明の目的で
ある。

（課題を解決するための手段） 板形状の良好な低鉄損一方向性けい素鋼板を得るに当た
り、種＼実験と検討を重ねた結果、鋼板の片面に対する
エレクトロビーム照射（以下単にＥＢ照射と記す）に比
べ、鋼板の両面に対して同時に、しかも同等位置にＥＢ
照射することが極めて有効であることを突き止めた。こ
の発明は上記の知見に立脚するものである。

すなわちこの発明は、方向性けい素鋼板の常法に従う仕
上げ焼鈍工程を経た鋼板に対して局所的な熱処理を施す
局所熱処理装置を有する真空処理槽と、この真空処理槽
の入側と出側にて、該処理槽に向けて漸次に高真空度に
調圧したそれぞれ複数の予備排気槽列とを備えている装
置において、上記局所熱処理装置として、鋼板の搬送経
路を横切り鋼板表裏面の同等位置にエレクトロンビーム
を照射するエレクトロンビーム照射装置を配設したこと
を特徴とする一方向性けい素鋼板の鉄損低減連続処理設
備である。

さて第１図にこの発明に従う連続処理設備を示し、同図
における番号１はアンコイラ−２は破線で示したエレク
トロンビームｂを鋼板Ｓの表裏面にその搬送方向と直交
する向きで同時に、しかも同等位置に照射するＥＢ照射
装置２ａ、２ａ’を配設した真空処理槽、３．４は真空
処理層２の入側及び出側のそれぞれに配置した予備排気
槽列であり、これら予備排気槽列３．４は何れも真空処
理槽２に向けて漸次に高真空度に調圧区分した予備排気
槽３ａ〜３ｅ及び４ａ〜４ｅからなる。また５は巻取り
機、６はシャー、７ａ〜７ｃはそれぞれ回転真空ポンプ
、８はメカニカルブースタポンプと回転真空ポンプそし
て９は油拡散ポンプと回転真空ポンプである。

（作　用） さて常法に従う仕上げ焼鈍工程を経たけい素鋼板に対す
る真空中での局所熱処理は次の要領で行われる。最終処
理を経て巻き取られた一方向性けい素鋼板のコイルは、
先ずアンコイラ−１によって巻戻され、次いでエアーツ
ーエアーによる予備排気槽列３に通して真空処理槽２内
に導入される。

この真空処理槽２には上記の如＜ＥＢ照射装置２ａ、２
ａ”備えであるから、これによって鋼板Ｓの表裏面の同
等位置に同時に線状、点状あるいはジグザグ状にエレク
トロンビームｂを照射する。

ここで真空処理槽２内の真空度が低いと、エレクトロン
ビームの場合には真空放電が多発し、これによる有効な
処理が減殺されることになり、鋼板の低鉄損化に支障を
来すおそれがある。このような不利を回避するためには
第２図に示すように、エレクトロンビームｂの照射経路
を真空処理槽２より一層高真空にするのが好ましい。上
掲第２図に示したところの番号１０は真空処理槽２より
もさらに高い真空度になる高真空室、■１は油拡散ポン
プと真空回転ポンプに繋がる排気孔である。このような
高真空室１０を設ける場合において真空処理槽２との真
空度差は、真空処理槽２内が１０−〜１０ｍｍ１１ｇで
あるときは１０−’〜１０−ｂ＋ｎｍＨｇ程度とするの
がよい。ＥＢの照射間隔としては１〜２０恥程度とする
のが望ましい。なお、この発明においてはＥＢ照射に換
えてレーザーやプラズマ照射を行ってもよくそのときの
真空度は、１０−２〜１０−６ｔｏｒｒ程度が好適であ
る。

上記のようにして鋼板の表裏面に局所的な熱処理を施し
たのちの鋼板は、真空処理槽２の出側でやはりこの処理
槽２に近いほど高真空度に調圧区分した予備排気槽列４
を経由して大気中に導出してその後コイルに巻き取る。

この発明では、以上のような要領に従って鋼板を処理す
るようにしたから、磁区が効果的に細分化され鉄損特性
が向上するのであり、この改善効果はひずみ取り焼鈍の
後でも劣化するとこはないし、また真空中における局所
的なＥＢ照射によって鋼板の形状劣化を来すうれいもな
い。

ちなみに、第３図（ａ）（ｂ）に鋼板の片面にＥＢを照
射しさらにその片面に同じ＜ｌ！Ｂを照射した際の鋼板
の断面形状を、この発明を適用して処理した時の鋼板の
断面形状と比較して示す。

なお処理対象物がとくに幅広の場合には例えば第４図に
示すようにＥＢ照射装置２ａ、２ａ”をＥＢ遮蔽板りと
ともに必要に応じて複数台波べて使用することで容易に
対応できる。

（実施例） 仕上げ焼鈍を経た厚み０．２３−になる試料Ｎα１の一
方向性けい素鋼板（Ｃ：０．０４３％、Ｓｉ　：　３．
４６％、Ｍｎ　：　Ｑ、０７１％、Ｍｏ　：　０．０１
３％、Ｓｅ　：　Ｏ，０２０％、ｓｂ：　０．０２６％
、）と、同じく厚み０．２３ｎｍ＋になる試料魔２の一
方向性けい素鋼板（Ｃ：　０．０６３％、Ｓｉ：３．４
８％、Ａｌ　：　０．０２５％、Ｓｅ　：　０．０３０
％、Ｓｂ　：　０．０１５％、Ｍｏ　：　０．０１３％
）のそれぞれに、りん酸塩とコロイダルシリカを主成分
とする絶縁被膜を形成して巻き取った約６．５トンのコ
イルに対し、上掲第１図に示した装置にてＥＢ照射によ
る局部的な熱処理を、その後８００°Ｃ１５時間のひず
み取り焼鈍を施し、得られた鋼板の特性、板形状につい
て調査した。

なお、ＥＢ照射時の処理条件は加速電圧：　１２５　Ｋ
Ｖ、電流：　１．５ｍＡ　、走査間隔：５１１ＩＩ１１
．ビーム径：　０．１２閣φ、真空度：５　Ｘｌ０−’
ｍｍＨｇ、ラインスピード：１０ｍ／ｍｉｎとした。

その結果、阻１の一方向性けい素鋼板ではＢ１゜＝１．
９２Ｔ　、　Ｗ＋ｑｙｓ。＝０．７６Ｗ／ｋｇ　　であ
り、Ｎα２の一方向けい素鋼板ではＢ、。＝１．９３Ｔ
　、　ＷＩＴ／Ｓ。＝０．７７Ｗ／ｋｇであり、板形状
については何れの場合も良好であった。

（発明の効果） この発明によれば、ＨＢ照射による局部的な熱処理によ
って磁区の細分化、ひいては鉄損の効果的な低減が実現
できるし、これに起因した形状劣化を起こすこともない
。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの発明に従う設備の構成説明図 第３図（ａ）　（ｂ）は鋼板の断面を比較して示した図
、第４図はこの発明に従う設備の要部を示した図である
。 １・・・アンコイラ−２・・・真空処理槽２ａ、２ｂ・
・・ＥＢ照射装置　　３，４・・・予備排気槽列３ａ〜
３ｅ、４ａ〜４ｅ・・・予備排気槽５・・・巻取り機　
　　　　６・・・シャー７８〜７ｃ・・・回転真空ポン
プ ８・・・メカニカルブースタポンプと回転真空ポンプ９
・・・油拡散ポンプと回転真空ポンプＩＯ・・・高真空
室　　　　　１１・・・排気孔Ｓ・・・鋼板　　　　　
　　ｂ・・・エレクトロンビーム第１ 図 ’？−；庄りおχ敢ポンプ 第２図 第３図 （ａ） （ｂ） 第４図 卵５５の諏ｉ！右向

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、方向性けい素鋼板の常法に従う仕上げ焼鈍工程を経
   た鋼板に対して局所的な熱処理を施す局所熱処理装置を
   有する真空処理槽と、この真空処理槽の入側と出側にて
   、該処理槽に向けて漸次に高真空度に調圧したそれぞれ
   複数の予備排気槽列とを備えている設備において、 上記局所熱処理装置として、鋼板の搬送経路を横切り鋼
   板表裏面の同等位置にエレクトロンビームを照射するエ
   レクトロンビーム照射装置を配設したことを特徴とする
   一方向性けい素鋼板の鉄損低減連続処理設備。