JPH038395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、風呂、温泉、温水プール等の湯水に
生体に有益な鉱物成分を効果的に溶解させる鉱水
化装置に関するものである。

（従来の技術） 温泉水のように各種の鉱物成分（ミネラル成
分）を含有する湯水は生体に医療効果をもたらす
ことが認められているため、浴用湯水に鉱物成分
を人為的に溶解させることが広く行われている。
一般にこの種の用途に供される装置は、水溶性の
鉱物成分を含む鉱石を容器に入れ、ここに湯水を
通過させることで、湯水に鉱物成分を溶出させる
構造のものがある。

（考案が解決しようとする問題点） 容器に天然鉱石を充填した中に湯水を通過させ
る装置では、湯水は鉱石の抵抗を受けながらも最
短距離を流れる。したがつて、湯水が鉱石に接す
る時間は短く、しかも、湯水の流路から離れた部
分の鉱石は湯水との接触がほとんどなく、鉱物成
分の溶出効率は悪かつた。鉱物成分との接触時間
を長くするために鉱石による流路を長くすると装
置の大型化が避けられなかつた。

そこで、本考案の目的は、装置全体の大きさに
対する湯水の通過流路の有効長さを大きくして、
鉱石と湯水との接触面積乃至接触時間を増大さ
せ、これによつて湯水への鉱物成分溶出を効果的
に行うと共に、湯水の通過抵抗を低減させて湯水
流動駆動系への負担を軽減させ得る鉱水化装置を
提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案による鉱水化
装置は、断熱材を充填した壁部材を容体状に形成
し、前記壁部材の一部に湯水の導入、排出を許す
給湯口、排湯口を有する容器と、前記容器内部に
互いに平行に立設させ、夫々の上端乃至下端を交
互に開放させて蛇行状に連続した流路を形成する
仕切板と、前記流路中に充填された水溶性の鉱物
成分を含む活性体とから成り、前記給湯口を前記
流路の一方端に位置づけ、前記排湯口を前記流路
の他方端に位置づけたことを特徴とする。

（作用） 容器に設けた給湯口から湯水を導入すると、湯
水は前記容器内部に仕切板で形成された蛇行状の
流路を進行する。この時、流路内に充填された水
溶性の鉱物成分を含む活性体と接触し、鉱物成分
の溶出を受ける。

湯水が通る流路は蛇行状に連続して長いため
に、鉱物成分に対する湯水の接触面積乃至接触時
間が大きくなり、鉱物成分の溶出を十分に受けら
れる。こうして鉱物成分の含有濃度を高めた湯水
は排湯口から排出され、風呂、温泉、温水プール
等に適用することができる。

（実施例） 図面第１図乃至第３図は本考案による鉱水化装
置の一実施例を示している。図中、１は容器であ
る。容器１は側面、底面の壁材２に断熱材３を充
填したものを容体状に形成している。

容器１の上部開口縁に沿つてパツキン材４を設
けており、これに蓋体５を嵌着して容器１の内部
を密閉状態にしている。容器１の内側上部に中板
６が取り付けられており、中板６の下方に活性室
を画している。この活性室には複数の仕切板７，
７…が互いに平行に立設しており、これら仕切板
７，７…の上端乃至下端を交互に開放させて仕切
板に沿つて蛇行状に連続した流路８を形成してい
る。

９は容器壁部材２の一部に開設された給湯口で
ある。給湯口９の位置は上記流路８の一方端に当
る容器底面乃至側面の壁部材２である。この給湯
口９は外部に延出する導管１０に接続する管材
（図示せず）に連通し、ここから湯水の供給を受
ける。

１１は排湯口である。この排湯口１１は上記流
路８の他方端に当る容器底面乃至側面の壁部材２
に位置する。前記給湯口９と同様に、この排湯口
１１も外部に延出する導管１２に接続する管材
（図示せず）に連通している。

流路８には網体１３に充填された多数の活性体
１４，１４…を収納している。網体１３の使用は
活性体１４，１４の取換え、洗浄等のメンテナン
スを簡便に行えるようにするためであり、本考案
の構成上必ずしも必要なものではない。

流路８に充填される活性体１４は水溶性の鉱物
成分を含有した天然鉱石、あるいは、これら鉱石
を原料とした焼成体（セラミツク）である。これ
ら活性体１４は、使用に際しては、天然鉱石ある
いはセラミツクのいずれか一方を使用してもよ
く、あるいは両者を混合して使用してもよい。

原料となる鉱石としては、アルカリ、アルカリ
土類等の塩化物、硫酸塩、重炭酸塩等が水に対す
る主要溶存物質となる成分を多量に含有したもの
が好ましい。また、活性体の大きさ、形状は任意
に選択できるが、活性体を球形状にすることで、
活性体１４，１４間に形成される湯水の通り道
（水みち）が滑らかになる。

上記構成の鉱水化装置に、たとえば、風呂の湯
水を導入すると、給湯口９からの湯水は活性体１
４，１４の球状表面が画す水みちを滑らかに通過
しながら流路８に沿つて排湯口１１に到達する。
流路８は蛇行状に長く形成されているために、湯
水と活性体１４，１４との接触時間が長くなり、
活性体中の鉱物成分が効果的に湯水に溶解する。

湯水が通る水みちは活性体同士の球状表面によ
つて形成されるため、滑らかで、淀みをつくら
ず、微生物等の繁殖を押さえる作用が生ずる。

上記実施例では仕切板７，７を垂直に設けた構
成を採つているが、仕切板を水平に並べてもよ
い。つまり、装置を横倒しにした状態と等価な構
成にする。この場合も、流路８の一方端に給湯口
を設け、他方端に排湯口を設けるようにすればよ
い。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、容器内
部に仕切板を立設させて蛇行状に連続する流路を
形成したので、装置の大きさに対する湯水の通過
流路の有効長さが大きくなり、したがつて、鉱物
成分を含む活性体との接触面積乃至接触時間が増
大し、これによつて湯水への鉱物成分の溶出が効
果的に行われる。また、活性体を球形状にすれ
ば、湯水の通過する水みちが滑らかに形成される
ため、湯水と活性体の接触が円滑になり、且つ、
湯水の流れが淀みなく行われ、しかも、湯水の流
れ抵抗が低減するため湯水の流動駆動系の負担を
軽減し、小型化が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の鉱水化装置の一実施例を示す
側面断面図、第２図は同平面部分断面図、第３図
は部分切欠斜視図である。 １……容器、７……仕切板、８……流路、９…
…給湯口、１１……排湯口、１４……活性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯水の導入、排出を許す給湯口、排湯口を有す
   る容器の内部に、複数の仕切板を互いに平行に立
   設させ、これら仕切板の上端乃至下端を交互に開
   放させて仕切板に沿つて蛇行状に連続した流路を
   形成し、上記流路の一方端に前記給湯口を位置さ
   せ、他方端に前記排湯口を位置させると共に、前
   記流路中に水溶性の鉱物成分を含む活性体を充填
   したことを特徴とする鉱水化装置。