JPH0380417A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

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JPH0380417A
JPH0380417A JP21708489A JP21708489A JPH0380417A JP H0380417 A JPH0380417 A JP H0380417A JP 21708489 A JP21708489 A JP 21708489A JP 21708489 A JP21708489 A JP 21708489A JP H0380417 A JPH0380417 A JP H0380417A
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film
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JP21708489A
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Kiyosumi Kanazawa
金沢 潔澄
Junichi Sato
順一 佐藤
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、N 1−Fe合金を含有する軟磁性膜とCo
−Cr系合金の磁性層を有する垂直磁気記録媒体および
その製造方法に関する。
〈従来の技術〉 近年、磁気記録媒体の高密度記録化は進む一方であるが
、従来広く用いられている磁性層面内記録方法では、磁
性層中の反磁界作用により減磁が生じ、一定以上の記録
密度向上は困難である。
このような面内記録に対し、垂直磁気記録媒体が提案さ
れている。
垂直磁気記録は、磁性層を垂直方向に磁化することによ
り記録を行なう方法である。 垂直磁気記録では高密度
記録を行なう程減磁が減少するため、減磁の影響を受け
ることなく極めて高密度な記録を行なうことができる。
垂直磁気記録媒体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト等の基体上に、パーマロイ等の軟磁性膜およびCo−
Cr合金のスパッタ磁性層を順次形成したものがよく知
られている。
また、このような垂直磁気記録媒体に高密度記録を行な
うための磁気ヘッドとしては、薄膜型の磁気ヘッドが好
適である。 薄膜型の磁気ヘッドは、セラミクス基体上
に磁極、保護膜等が、スパッタ法等の薄膜形成法により
積層されているものである。 このような薄膜ヘッドは
、基体に比べて磁極およびその保護膜が摩耗し易いため
、偏摩耗が生じ易く出力低下が起こり易い。
上記したように、垂直磁気記録媒体は原理的に高密度記
録に好適であるが、実用化を考えた場合、下記のような
特性が要求される。
■耐久性、耐候性、耐食性が高いこと ■高速記録読出し下でのへラドタッチが良好であること ■再生出力が高いこと ■モジュレーションの発生が低いこと ■生産性が高いこと ■磁気ヘッドの偏摩耗が生じにくいこと等である。
本発明者らはこのような特性を満足するために、基体、
軟磁性膜、磁性層、保護層および潤滑層をこの順で有す
る垂直磁気記録媒体において、各構成部分の物性、構成
材料等を限定する提案を行なっている(特願平1−96
964号、同1−98077号)。
これらの提案における垂直磁気記録媒体は上記■〜■の
特性を高水準で満たすものである。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、樹脂基体上に軟磁性膜および磁性層を成膜する
に際し、スパッタ法等の気相成膜法を用いた場合、膜中
の応力により、得られる磁気記録媒体には反りが発生し
てしまう。
磁気記録媒体に反りが発生すると、記録密度が低下し、
また、耐久性が低下し、特に繰り返し再生時の出力低下
を招く。
このような反りは、軟磁性膜や磁性層成膜の際の条件、
特にスパッタ時の雰囲気ガス条件を制御することにより
防止することが可能であるが、反りを最小とする条件で
は、軟磁性膜に必要とされる磁気特性を得ることが困難
であり、良好な電磁変換特性を有する垂直磁気記録媒体
の実現は難しかった。
本発明は、このような事情からなされたものであり、垂
直磁気記録に用いられる磁気記録媒体であって、耐久性
、耐候性および耐食性が高く、磁気ヘッドの摩耗が生じ
にくく、しかも、反りが小さくかつ電磁変換特性が良好
な磁気記録媒体と、その製造方法とを提供することを目
的とする。
く課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により
達成される。
(1)基体上に、Ni−Fe合金を含有する軟磁性膜お
よびCo−Cr系合金を含有する磁性層を順次有する磁
気記録媒体であって、前記軟磁性膜がNiおよびFeを
99.9wt%以上含有し、残部が実質的にSiおよび
/または/72であることを順次有する磁気記録媒体。
(2)前記軟磁性膜の保磁力が6〜20Oeである上記
(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)前記軟磁性膜の厚さが0.1〜1.0gmである
上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)前記磁性層上に、固体保護層および潤滑膜を順次
有する上記(1)ないしく3)のいずれかに記載の磁気
記録媒体。
(5)前記固体保護層が、金属または半金属から選択さ
れる2種以上の元素と、OおよびNとを含有する上記(
4)に記載の磁気記録媒体。
(6)基体上にNi−Fe合金を含有する軟磁性膜およ
びCo−Cr系合金を含有する磁性層を順次有する磁気
記録媒体の製造方法であって、 NiおよびFeを99.9wt%以上含有し、残部が実
質的にSiおよび/またはAfiであるターゲットを用
い、酸素分圧1.0×10−3〜2、OX、1O−3P
aにてスパッタ法により前記軟磁性膜を形成することを
順次有する磁気記録媒体の製造方法。
(7)前記軟磁性膜の厚さが0.1〜1.0.Jlであ
る上記(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
く作用〉 本発明の磁気記録媒体は、基体上に、Ni−Fe合金を
含有する軟磁性膜およびCo−Cr系合金を含有する磁
性層を順次有する。
本発明では、軟磁性膜を上記範囲の酸素分圧雰囲気にて
スパッタ法で成膜するため、媒体の反りを最小とするこ
とができる。  しかも、このとき上記範囲の純度のタ
ーゲットを用いるため、軟磁性膜の保磁力を最適範囲に
保つことができ、良好な電磁変換特性が得られる。
また、磁性層上に所定の元素を含有する固体保護層を有
する場合、耐食性が顕著に向上する。
さらに固体保護層表面の接触角を所定範囲とした場合、
潤滑膜を均一かつ強固に形成することができるため、耐
久性が向上し、また、ヘッドタッチが良好となり、ヘッ
ドの摩耗を防止することができる。
く具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
第1図に、本発明の磁気記録媒体の好適実施例を示す。
本発明の磁気記録媒体lは、基体2上に、軟磁性膜3、
磁性層4を順次有し、さらに、好ましくは固体保護層5
および潤滑膜6を順次有する。
本発明の磁気記録媒体は、両面記録型であっても片面記
録型であってもよいが、本発明は特に両面記録型の磁気
記録媒体において有効である。
磁気記録媒体1が両面記録型である場合、軟磁性膜3、
磁性層4、固体保護層5および潤滑膜6は、第1図に示
すように基体2の両面に設けられる。
本発明は、媒体の反りが発生し易い可撓性材質の基体を
用いる場合に特に効果を発揮するので、基体2は可撓性
材質から構成される。
基体2に用いる可撓性材質に特に制限はないが、ポリイ
ミド、ポリエチレンテレフタレート(PET’)  ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)  ポリアミド、
ポリエチレンナフタレート(PEN)  ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)などの高分子物質から選択
することが好ましく、耐熱性、寸法安定性、表面粗度等
が良好であることから、これらのうちではポリイミドを
用いることがより好ましい。
なお、Co−Cr系合金から構成される磁性層は、磁気
特性向上のために熱処理が施されることが好ましいので
、この場合の基体2構成材質には120℃程度以上の加
熱に耐えられるものを選択することが好ましい。
基体2の形状はディスク状であってもテープ状であって
もよく、磁気記録媒体1の使用目的に応じて選定すれば
よい。
基体2のヤング率は、300〜100100O/mm”
であることが好ましい。 ヤング率をこの範囲とするこ
とにより、耐久性が向上すると共にヘッドタッチが良好
となる。 ヤング率が上記範囲未満であると、ヘッドタ
ッチは良好であるが耐久性が低下する。 また、ヤング
率が上記範囲を超えると、耐久性は向上するがヘッドタ
ッチが悪化する。
基体2の表面粗さ(Rmax)は、0.02p以下であ
ることが好ましい。 Rmaxがこの範囲であると、ヘ
ッドと媒体間で生じるスペーシングロスが減少し、記録
密度を高くすることができる。  Rmaxが上記範囲
を超えると、十分な記録密度を得ることが困難である。
上記のようなRmaxは、基体2の両面で実現している
ことが好ましいが、少なくとも磁性層設層面で実現して
いれば上記の効果は得られる。
なお、基体2中には、必要に応じ摩擦係数低減のために
フィラー゛が含有されていてもよい。
基体2をディスク状とする場合、その直径は用途に応じ
て適当な値を選択すればよく、通常、50〜130mm
程度である。 また、基体2の厚さは、7〜80μm程
度、より詳細にはフロッピーディスクとして用いる場合
20〜50ILm程度、磁気テープとして用いる場合7
〜15μm程度である。
基体2上には、再生出力の向上のために、Ni−Fe合
金を含有する軟磁性膜3が設けられる。
Ni−Fe合金のNi含有量に特に制限はないが、Ni
含有量が60〜95wt%であると、本発明に特に好適
な磁気特性が得られる。
本発明において軟磁性膜は、NiおよびFeを合計で9
9.9wt%以上含有し、残部が実質的にSLおよび/
またはAl1とされる。 なお、Siおよび/またはA
l2は、残部の50wt%以上を占めていることが好ま
しい。
なお、軟磁性膜には、必要に応じ、さらにTi、Mn、
Cu%Ta、0% O%N%Ar。
Ca、Cr等が含有されていてもよい。
軟磁性膜3の面内方向の保磁力は、6〜20Oeである
ことが好ましい。 保磁力がこの範囲内であると、高い
再生出力が得られると共にモジュレーションが20%以
下に向上する。
保磁力が上記範囲未満となると再生出力は向上するがモ
ジュレーションが大きくなり、上記範囲を超えるとモジ
ュレーションは小さくなるが再生出力が低下してしまう
軟磁性膜3の膜厚は0.1〜1.0−であることが好ま
しい。 膜厚がこの範囲未満であると生産性は向上する
が十分な再生出力が得られず、この範囲を超えると再生
出力は高くなるが、成膜に時間を要し生産性が低下する
本発明において、軟磁性膜3はスパッタ法、特にマグネ
トロンスパッタ法により成膜されることが好ましい。
本発明では、軟磁性膜3をスパッタ法で成膜するに際し
、雰囲気中の酸素分圧を1.0×10−” 〜2.OX
 10−3Paとする。
酸素分圧がこの範囲を外れると媒体の反りが臨界的に増
大し、記録密度および耐久性が低下する。
そして本発明では、このような酸素分圧下にて、Niお
よびFeを合計で99.9wt%以上含有し、残部が実
質的にSiおよび/またはAl1である合金ターゲット
を用いてスパッタを行なう。 合金中の好ましいNi含
有量は、上記した軟磁性膜におけるNi含有量と同範囲
である。
ターゲット中のNiおよびFeの合計含有量が上記範囲
未満であると、反りが小さい範囲、すなわち上記範囲の
酸素分圧にて成膜したときに上記のような保磁力が得ら
れず、媒体の電磁変換特性が不十分となる。
軟磁性膜3を成膜するに際し、酸素分圧およびターゲッ
ト以外は通常の条件であってよい。
例えば、Arガス分圧は1.0×10”’〜3.0×I
O−’Pa程度、特に1.0×10−’〜2.Qx 1
0−’Pa程度である。
磁性層4は、膜面と垂直方向に磁化容易軸を有するCo
−Cr系合金の垂直磁化膜である。
Co−Cr系合金としては、Co−Cr合金、Co−C
r−B合金、Co −Cr −M n合金、Co −C
r −M n −B合金、Co−Cr−Ta合金、Co
−Cr−51−AI2.合金等が好ましい。
なお、Co−Cr系合金中のCr含有率は、16〜23
at%程度であることが好ましい。
また、Co−Cr系合金の他、Co−V系合金も用いる
ことができる。
なお、これら合金には、必要に応じ、0、N%Si、A
l、Mn5Ar等が含有されていてもよい。
磁性層4の垂直方向保磁力は400Oe以上であること
が好ましい。 垂直方向保磁力がこの範囲未満であると
、再生出力が不十分である。 なお、垂直方向保磁力の
上限は特にないが、通常1500Oe程度まで容易に製
造することができる。
磁性層4の厚さは0.05〜0.2μmであることが好
ましい。 厚さがこの範囲未満であると再生出力が低下
し、S/Nが低下する。
また、この範囲を超えると記録密度が低下し、例えば記
録密度(D、。)が100 KFRPIに達しない。
磁性層は、スパッタ法、特にマグネトロンスパッタ法に
より成膜されることが好ましい。
スパッタ法による磁性層の成膜はAr雰囲気中で行なわ
れる。
スパッタ条件は上記した軟磁性膜の場合と同様とするこ
とが好ましく、高い生産性を得るためには、軟磁性膜と
磁性層とを同一真空槽内で連続して形成することが好ま
しい。
なお、両面記録型の媒体を製造する際には、まず基体両
面に軟磁性膜を形成し、次いで軟磁性膜の表面に磁性層
を形成することが好ましい。
用いるターゲットに特に制限はなく、目的とする磁性層
組成に対応する組成のターゲットを用いればよい。
固体保護層5は、金属または半金属から選択される2種
以上の元素と、OおよびNとを含有し、通常、非晶質状
態にある。
本発明において、固体保護層5表面は、水との接触角が
80°以下であることが好ましく、より好ましくは60
”以下、さらに好ましくは40’以下とされる。
水との接触角をこのような範囲とすることにより、潤滑
膜6の成膜を均一に行なうことができる。 特に、潤滑
膜を構成する有機化合物が液状である場合や、極性基、
親水性基、親水性部分などを有する場合、このような効
果はより顕著となる。 なお、固体保護層5の水との接
触角は、通常8°程度以上である。
水との接触角は、例えば、固体保護層表面に純水を滴下
して30秒後に測定すればよい。 測定雰囲気は、18
〜23℃、40〜60%RH程度である。
固体保護層5に含有される金属または半金属としては、
Yを含む希土類元素(Y、ランタノイド元素およびアク
チノイド元素を意味し、以下、Rと略称する。)、Si
、AJ2、Ti、ZnおよびBが好ましく、これらのう
ちRおよびSiを必須とするかSiおよびAI2を必須
として固体保護層5に含有させることが好ましい。
また、これらの元素の他、Fe、Mg、Ca、Sr、B
a、Ar、Mn等が全体の1at%以下程度含有されて
いてもよい。
さらに詳述すると、固体保護層5の組成は、下記の組成
Iまたは組成Hの範囲から選択することが好ましい。
組JLL[金属または半金属としてSLおよびAεを必
須とするもの] SiおよびAJ2は、通常、酸化物および窒化物の形で
含有される。
固体保護層5中の上記化合物は、その組成において化学
量論的な組成比を外れていてよい。
これらの元素と酸素および窒素とを含有することにより
、耐食性が向上する。
組成工における固体保護層5中の各元素の含有率は、下
記の範囲であることが好ましい。
S i : 20〜80at%、 より好ましくは40〜70at%。
A1:1〜30at% 、 より好ましくは2〜10at%。
O:2〜30at%、 より好ましくは2〜20at%。
N:5〜45at%、 より好ましくは15〜35at%。
このような組成の固体保護層には、さらにRが含有され
ることが好ましい。
Rとしては、Yおよびランタノイド元素が好ましい。
Rの含有率は、保護層中に含有されるR以外の金属また
は半金属元素と、0およびNとの合計を100at%と
したとき、好ましくは1〜10at%、より好ましくは
2〜8at%である。
このような含有率にてRを含有することにより、耐久性
、耐候性および耐食性がさらに向上し、特に耐久性は極
めて高いものとなる。
この組成におけるRとしては、Y、La。
Ce%Pr、Nd%SmおよびEuからなる群から選ば
れた元素の1種以上であることが好ましく、特にYを必
須とすることが好ましい。 R中のYの比率は、50%
以上であることが好ましい。
このとき耐久性、耐候性、耐食性等の面でより良好な結
果が得られる。
また、固体保護層5をスパッタ法により形成する際に、
用いるターゲットにこれらの元素を含有させることによ
り緻密なターゲットが得られ、その結果、ターゲットの
冷却効率が向上し、スパッタ時の輻射熱が抑えられる。
Rは、固体保護層5中にて元素単体あるいは化合物いず
れの形で含有されてもよい。 化合物として含有される
場合は、通常、酸化物の形で含有されることが好ましい
」産生[金属または半金属としてRおよびSiを必須と
するもの] この組成におけるRとしては、少なくともLaおよびC
eのうち一種以上が含まれることが好ましい。
LaおよびCeは、通常、酸化物として含有される。 
これらの酸化物の化学量論組成はそれぞれLa20−お
よびCe O2であるが、これらから偏奇したものであ
ってもよい。
CeおよびLaのはいずれか一方であってもよく、両者
が含有されてもよいが、両者が含有される場合、その量
比は任意である。
また、Laおよび/またはCeの他、Yを含む他の希土
類元素、例えばY、Er等が含有されていてもよいが、
R中のLaおよび/またはCeの比率は50%以上であ
ることが好ましい。
固体保護層S中には、希土類元素の酸化物に加え、Si
が含有される。
SLは、通常、酸化物および窒化物として含有されるが
、化学量論組成から偏奇していてもよい。
組成Hにおける固体保護層5中の各元素の含有率は、下
記の範囲であることが好ましい。
S  i  :  1 0〜8 0at% 。
より好ましくは20〜60at%。
0 : 10〜80at%、 より好゛ましくは15〜60at%。
N:2〜60at%、 より好ましくは3〜50at%。
そして、Rの含有率は、保護層中に含有されるR以外の
金属または半金属元素と、OおよびNとの合計を100
at%としたとき、好ましくは1〜10at%、より好
ましくは2〜8at%である。
このような含有率にてRを含有することにより、耐久性
、耐候性および耐食性が向上し、特に耐久性は極めて高
いものとなる。
固体保護層5中の各元素の含有率は、オージェ、ESC
A%SIMS等によって測定すればよい。
このような組成を有する固体保護層5の設層は気相成膜
法により行なうことが好ましく、特にスパッタ法を用い
ることが好ましい。
スパッタ法としては、上記組成の焼結体をターゲットと
して用いてもよく、また、2種以上のターゲットを用い
る多元スパッタを用いてもよい。 さらに、反応性スパ
ッタを用いることもできる。
なお、希土類元素としてLaおよび/またはCeを含有
させる場合、スパッタターゲットの少なくとも一部とし
て、発火合金であるアラニルメタル、ヒユーバーメタル
、ミツシュメタル、ウエルスバッハメタル等の酸化物を
用いることもできる。
また、固体保護層5の設層には、その他の気相成膜法、
例えばCVD法、蒸着法、イオンブレーティング法等を
適・宜用いることも可能である。
固体保護層5は、十分な耐久性を確保するたメニヒッカ
ース硬度が700以上であることが好ましいが、上記し
たような組成を選択すれば、700以上のビッカース硬
度が容易に得られる。 特にRを含有する場合、100
0以上のビッカース硬度を得ることもできる。
固体保護層5の厚さは、30〜200人、特に30〜1
00人とすることが好ましい。 厚さが上記範囲未満で
あると保護効果が不十分で。
あり、上記範囲を超えるとスペーシングロスが増加して
記録密度を向上させることができない。
このような固体保護層上には、潤滑膜6が設けられるこ
とが好ましい。
潤滑膜は有機化合物を含有することが好ましい。
用いる有機化合物に特に制限はなく、また、液体であっ
ても固体であってもよく、フッ素系有機化合物、例えば
欧州特許公開第0165650号およびその対応日本出
願である特開昭61−4727号公報、欧州特許公開第
0165649号およびその対応日本出願である特開昭
61−155345号公報等に記載されているようなパ
ーフルオロポリエーテル、あるいは公知の各種脂肪酸、
各種エステル、各種アルコール等から適当なものを選択
すればよい。
潤滑膜の成膜方法に特に制限はなく、塗布法等を用いれ
ばよい。
潤滑膜の表面は、水との接触角が70”以上、特に90
°以上であることが好ましい。
このような接触角を有することにより、磁気ヘッドと磁
気ディスクとの吸着が防止され、高い走行安定性が得ら
れる。
潤滑膜6の膜厚は5〜50人、特に10〜40入である
ことが好ましい。 膜厚がこの範囲未満であると潤滑効
果が不十分であり、この範囲を超えるとかえって摩擦を
増加させてしまう。
以上に説明したような構成を有する本発明の磁気記録媒
体は、垂直磁気記録媒体として、フロッピーディスク、
ハードディスク、磁気テープなどに適用される。
また、本発明の磁気記録媒体の記録再生に用いられる垂
直記録型磁気ヘッドに特に制限はないが1本発明の磁気
記録媒体は薄膜型垂直磁気ヘッドと組合せて使用した場
合に、特にヘッド摩耗防止効果を発揮する。 薄膜型磁
気ヘッドとしては、AI2□O,−Tic等のセラミク
ス製基体上にCo−Nb−Zr系アモルファス等の金属
製磁極を形成し、さらにA 、A z Os等の無機保
護膜を被覆したものを用いることが好ましい。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
(実施例1) 第1図に示す構成の磁気記録媒体において、軟磁性膜の
成膜条件を変え、種々のサンプルを作製した。
厚さ40LLm、ヤング率900 kgf/mm2  
表面粗さ(Rmax ) 0.015 μmのポリイミ
ド基体の両生面上に、下記ターゲットA、BまたはCを
用いてDCマグネトロンスパッタ法により厚さ0.5μ
mの軟磁性膜を成膜した。
ターゲットA 30wt%N1−FBを99.99wt%含有し、残部
SiおよびAl ターゲットB 80wt%Ni−Feを99.9wt%含有し、残部S
iおよびAn ターゲットC 79wt%Ni−Fe−5wt%Moを99.99wt
%含有し、残部SiおよびJ2 成膜は、酸素と1.5X10−’PaのArとを含む雰
囲気中にて行ない、酸素分圧を0. 5〜2.8X10
−3Paの範囲で変更することにより種々の軟磁性膜を
形成した。
軟磁性膜上に、DCマグネトロンスパッタ法により20
at%Co−Cr合金の磁性層を厚さ0.2戸に形成し
た。
成膜時の雰囲気は、軟磁性膜形成の際と同様とした。
さらに、磁性層上に、60Si−8Aj−100−22
N−4Y(ただし、数字は原子比率を表わす。)の組成
を有する固体保護層を、lXl0−’PaのAr雰囲気
中でRFマグネトロンスパッタ法により厚さ0.01−
に形成した。
次いで、基体を直径86mmのディスク状に打ち抜いた
後、フッ素系有機化合物を含有する溶液をスピンコード
法により厚さ20人に成膜して潤滑膜とし、磁気ディス
クサンプルを得た。
得られた各サンプルについて、下記の測定を行なった。
(軟磁性膜の面内方向保磁力) B−Hループトレーサーを用い、印加磁界強度50Oe
にて測定した。
(磁性層の保磁力) 振動試料型磁力計(VSM)を用い、印加磁界強度10
kOeにて測定した。
なお、測定は、基体および軟磁性膜をそれぞれヒドラジ
ンおよびF、eClsによりエツチングした後に行なっ
た。
(反り) 磁気ディスクサンプルを平板上に載置し、ディスク外縁
部の2箇所で平板との距離を測定し、これらの相加平均
を算出した。 なお、2箇所の測定位置はディスク中心
に対して対称にとった。
このようにして求められた相加平均の最大値をカールハ
イトとした。
第2図に、軟磁性膜成膜時の酸素分圧とカールハイトと
の関係を表わすグラフを示す。
また、第3図に、軟磁性膜成膜時の酸素分圧と軟磁性膜
形成力との関係を表わすグラフを示す。
第2図に示されるように、軟磁性膜を1.0x1o−”
 〜2.0×10−3Paの酸素分圧にて成膜すれば、
ターゲットA、BおよびCのいずれを用いた場合でもカ
ールハイトは1.Qmm以下であり、実用上問題は生じ
ない。 そして、この酸素分圧範囲を外れるとカールハ
イトは急激に増加してしまう。
そして、このような酸素分圧範囲で成膜した場合に、6
〜20Oeの保磁力を得るためには、第3図に示される
ように、N 1−Fe合金を99.9%以上含有するタ
ーゲットAまたはBを用いる必要がある。
(実施例2) 実施例1で作製したサンプルのうち、下記表1に示すサ
ンプルを選択し、垂直磁気記録における記録密度の測定
を行なった。 各サンプル作製に用いたターゲット、軟
磁性膜成膜時の酸素分圧、カールハイト、軟磁性膜の面
内方向保磁力、磁性層垂直方向保磁力を、表1に示す。
測定には、A I220 s −T i C基体上にC
o−Zr−Nbアモルファス磁極およびA I2z O
a保護膜をスパッタ法により形成した主磁極励磁型単磁
極薄膜磁気ヘッドを用いた。
なお、磁気磁極厚は0.2Iua、トラック幅は807
mとした。
測定に際しては、第4図に示すように磁気ヘッド接触部
近傍にてディスクを下側から一対のパッドで支持した。
 両パッドのディスク側表面が構成する平面に対する磁
気ヘッドフロント面の侵入量りを、磁気ヘッドとディス
クとが安定して接触するように各サンプルのそれぞれに
ついて調整した。 各サンプルのL値を表1に示す。
記録密度は、再生出力が初期出力の50%になる値I)
soで評価した。
結果を、表1に示す。
表1に示される結果から、同等の記録密度を得るために
は、カールハイトが大きいほどLを大きくしなければな
らないことがわかる。
すなわち、カールハイトが大きいと、Lを大きくしなけ
れば磁気ヘッドとディスクとが安定して接触しないため
、安定した出力が得られない。
次に、表1に示す各サンプルについて、上記磁気ヘッド
により記録密度100 kPCIにて繰り返し記録再生
を行なった。 なお、各サンプルの記録再生に際し、L
は表1と同じ値とした。
第5図に、パス数と平均再生出力との関係を示す。
第5図に示される結果から、本発明の効果が明らかであ
る。
すなわち、カールハイトの大きいサンプルは所定の記録
密度を得るためにLを大きくしなければならないが、L
が大きいと耐久性が低下してしまう。 本発明によれば
カールハイトの小さいサンプルが得られるので、Lを大
きくする必要がなく、耐久性の高い磁気ディスクが得ら
れる。
〈発明の効果〉 本発明によれば、反りが少なく、しかも電磁変換特性の
良好な磁気記録媒体が実現する。
また、本発明の磁気記録媒体は、耐久性、耐候性および
耐食性が良好で、さらに磁気ヘッドの摩耗を少なくする
ことができる。
従って、本発明は、高密度記録を行なう垂直磁気記録媒
体に適用した場合に顕著な効果を発揮する。
4、
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁気記録媒体の好適実施例を示す部
分断面図である。 第2図は、軟磁性膜成膜時の酸素分圧とカールハイトと
の関係を表わすグラフである。 第3図は、軟磁性膜成膜時の酸素分圧と軟磁性膜保磁力
との関係を表わすグラフである。 第4図は、本発明の磁気記録媒体に薄膜型垂直磁気ヘッ
ドにより記録を行なう際の説明図である。 第5図は、記録再生バス数と平均再生出力との関係を示
すグラフである。 符号の説明 l・・・磁気記録媒体 2・・・基体 3・・・軟磁性膜 4・・・磁性層 5・・・固体保護層 6・・・潤滑膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基体上に、Ni−Fe合金を含有する軟磁性膜お
    よびCo−Cr系合金を含有する磁性層を順次有する磁
    気記録媒体であって、 前記軟磁性膜がNiおよびFeを99.9wt%以上含
    有し、残部が実質的にSiおよび/またはAlであるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. (2)前記軟磁性膜の保磁力が6〜20Oeである請求
    項1に記載の磁気記録媒体。
  3. (3)前記軟磁性膜の厚さが0.1〜1.0μmである
    請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. (4)前記磁性層上に、固体保護層および潤滑膜を順次
    有する請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  5. (5)前記固体保護層が、金属または半金属から選択さ
    れる2種以上の元素と、OおよびNとを含有する請求項
    4に記載の磁気記録媒体。
  6. (6)基体上にNi−Fe合金を含有する軟磁性膜およ
    びCo−Cr系合金を含有する磁性層を順次有する磁気
    記録媒体の製造方法であって、 NiおよびFeを99.9wt%以上含有し、残部が実
    質的にSiおよび/またはAlであるターゲットを用い
    、酸素分圧1.0×10^−^3〜2.0×10^−^
    3Paにてスパッタ法により前記軟磁性膜を形成するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. (7)前記軟磁性膜の厚さが0.1〜1.0μmである
    請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101017944B1 (ko) * 2008-11-11 2011-03-02 대웅바이오 주식회사 (1R, 5R, 6S)-p-나이트로벤질-2-(다이페닐포스포릴옥시)-6-[(R)-1-하이드록시에틸]-1-메틸-카바페넴-3-카복실레이트(MAP)결정형 Ⅱ의 제조방법
US8841444B2 (en) 2008-07-30 2014-09-23 Ranbaxy Laboratories Limited Process for the preparation of carbapenem compounds

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