JPH037916B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH037916B2
JPH037916B2 JP58237112A JP23711283A JPH037916B2 JP H037916 B2 JPH037916 B2 JP H037916B2 JP 58237112 A JP58237112 A JP 58237112A JP 23711283 A JP23711283 A JP 23711283A JP H037916 B2 JPH037916 B2 JP H037916B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
reactor
cobalt
diameter
adsorption element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58237112A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60128395A (ja
Inventor
Akira Ishizuka
Yutaka Ozawa
Akihiko Ito
Atsushi Shimada
Akira Sugaya
Takeo Nawai
Koji Kubo
Noboru Igarashi
Masahiko Ishizaka
Juichiro Minoshima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
Chubu Electric Power Co Inc
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
Tokyo Electric Power Co Inc
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Tohoku Electric Power Co Inc, Tokyo Electric Power Co Inc, Chubu Electric Power Co Inc filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP58237112A priority Critical patent/JPS60128395A/ja
Publication of JPS60128395A publication Critical patent/JPS60128395A/ja
Publication of JPH037916B2 publication Critical patent/JPH037916B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は軽水冷却形原子炉(以後軽水炉と称
す)例えば沸騰水形原子炉(以後BWRと称す)
に使用される原子炉の炉水浄化装置に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 BWR等の軽水炉においてはその運転時間の増
加に伴ない、一次冷却水配管あるいは機器の内面
に腐食生成物からの放射性核種が蓄積し原子炉停
止時の放射線線量率が増加する傾向にある。この
ような放射線線量率の増加は例えば定期検査時の
作業者の放射線被曝を増大させ作業能率を低下さ
せる原因となり、プラント稼動率の低下を惹き起
こしてしまう。前記放射性核種の大半は半減期の
長い 60Coであり、原子炉運転時間の増加に伴な
いその比率は大きくなつている。またこれらの放
射性核種は前述したように一次冷却水配管あるい
は機器等の構造材から溶出した腐食生成物に起因
する。 そこで放射性核種の大半を占める上記 60Coの
発生経緯について説明する。すなわち構造材中に
含まれる 59Coが構造材の腐食により1次冷却水
配管中に溶出しイオン化する。このイオン化した
59Coが鉄などの金属酸化物に吸着したり、ある
いはイオン交換反応により金属酸化物中に取り込
まれ、その金属酸化物とともに炉内に流入し、炉
内で中性子照射を受けて放射化し 60Coが生成さ
れる。これら生成された 60Coは原子炉再循環配
管などの炉心外配管機器に蓄積し経時的に放射線
線量率が増加する。したがつて炉内の 59Coおよ
60Coを除去することができれば炉心外の配管
および機器内面に蓄積する放射線量を抑制するこ
とができる。 従来軽水炉例えばBWRではイオン交換樹脂に
より炉水中の 59Coおよび 60Coの除去を行なつて
いる。これを第1図を参照して説明する。第1図
はBWR発電プラントの概略構成を示す系統図で
ある。図中符号1は原子炉圧力容器を示す。この
原子炉圧力容器1内には複数の燃料集合体および
制御棒等からなる炉心2が配置されているととも
に冷却材(本実施例では以後炉水と称す)3が循
環される。上記原子炉圧力容器1には再循環配管
4Aを介して再循環ポンプ4が接続されており、
炉水3を強制循環させている。炉水3は炉心2を
下方から上方に向けて上昇し、その際昇温して水
と蒸気の2相流状態となる。蒸気は原子炉圧力容
器1に接続された主蒸気管5を介して蒸気タービ
ン6に送られる。蒸気タービン6を駆動させた蒸
気は主復水器7内に導びかれて復水となり、ポン
プ8により復水脱塩器9に移送され、ポンプ10
により給水加熱器11に送られ、さらにポンプ1
2により給水管13を介して再度前記原子炉圧力
容器1内に供給される。前記再循環配管4Aには
浄化系ポンプ14をを介して低温浄化系15が接
続されている。この低温浄化系15は再生熱交換
器16、通常の熱交換器17およびイオン交換樹
脂脱塩器18から構成されている。 上記イオン交換樹脂脱塩器18は陽イオン交換
樹脂および陰イオン交換樹脂からなりそれぞれ耐
用温度が約120℃、約60℃となつている。これに
対して炉水は280℃、70Kg/cm2と高温高圧水であ
るので、この炉水を熱交換器17で60℃前後に冷
却した後、イオン交換樹脂脱塩器18に供給して
いる。その後上記再生熱交換器16を通して再度
もとの温度(280℃)迄加熱して給水管13に戻
す構成である。しかしながらこの方法では上記再
生熱交換器16および熱交換器17の冷却工程に
おいて熱損失が発生し、例えば浄化容量を大きく
すると熱交換ロスの増大、発電コストの増加、さ
らに装置の大形化を招くことになり、したがつて
浄化効率を高めることはできない状態にある。こ
のため最近では上記有機物のイオン交換樹脂に代
えて耐熱性に優れた無機イオン交換体の使用が考
えられている。この無機イオン交換体とは例えば
酸化チタン、二酸化ジルコニウム等のコバルトイ
オン交換能を有する金属酸化物の粉末である。こ
の金属酸化物の粉末を炉水配管系に通水可能な状
態で充填保持しこれによつて 59Coおよび 60Coの
除去を行なう構成である。しかしながらこの方法
によると金属酸化物の保持が困難である。すなわ
ち炉水中のコバルトイオン交換能力を高める為に
は炉水と金属酸化物の接触面積を増大させる必要
があり、その為には粉末の粒径を小さくする必要
がある。粉末の粒径を小さくすると空隙部が減少
しそれによつて炉水の圧力損失が増大し流動が変
化し金属酸化物の粉末が流出する恐れがある。す
なわち容器の流出口に張るメツシユの目開きは実
用上最小のもので40μm前後であり、例えば平均
粒子径1μm前後の粉体を用いた場合には粉体粒
子がそのまま下流に流出してしまう。逆に粉末の
流出を防止しようとすれば粒径を大きくしなけれ
ばならず炉水と金属酸化物の接触面積が減少しコ
バルトイオン交換能力が低下してしまう。したが
つて金属酸化物の粉末をある程度小径とし粉末流
出防止に十分な注意を払うという方法をとらざる
をえなく操作が極めて困難となつてしまう。また
コバルト除去後の粉末は高い放射能を有してお
り、この処理も困難である。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温・高圧の炉水をそのまま
導入することができ軽水炉の炉水中に含まれるコ
バルトイオンの除去能力が高く、通水特性が良好
で、またコバルト吸着材が外部に流出することが
なく、さらにコバルトイオン除去後の処理が容易
な原子炉の炉水浄化装置を堤供することにある。 〔発明の概要〕 本発明による炉水浄化装置は、軽水冷却形原子
力発電プラントの炉水配管系に介挿された容器本
体と、この容器本体内に収容されたカートリツジ
タイプのフイルタとを具備し、上記フイルタは上
記容器本体内に設けられ炉水が流通する内側容器
と、この内側容器内に充填されマンガンフエライ
トの粉体を焼結してなる吸着エレメントとから構
成され、上記吸着エレメントのかさ密度をマンガ
ンフエライトの真密度の35〜60%、比表面積を
5000〜300000cm2/cm3、直径を0.5〜5mmにしたも
のである。 したがつて炉水を冷却することなく高温のまま
で導入することができ、またコバルトイオンを吸
着するエレメントとして粉末状のマンガンフエラ
イトを焼結してなる吸着エレメントを使用してい
るので、炉水が吸着エレメントの内部まで流通し
てコバルトイオンを効果的に除去することができ
る。そして粉体ではなく吸着エレメントとするこ
とにより金属酸化物の炉水配管系への流出を防止
することができ、さらに良好な多孔性を有してい
るので通水特性がよく圧力損失も小さい。 〔発明の実施例〕 第2図および第3図を参照して本発明の一実施
例を説明する。図中符号101は原子炉圧力容器
を示す。この原子炉圧力容器101内には複数の
燃料集合体および制御棒等からなる炉心102が
配置されているとともに冷却材(本実施例では以
後炉水と称す)103が循環されている。上記原
子炉圧力容器101には再循環配管104Aを介
して再循環ポンプ104が接続されており炉水1
03を強制循環させている。炉水103は炉心1
02を下方から上方に向つて上昇しその際昇温し
て水と蒸気の2相流状態となる。蒸気は原子炉圧
力容器101に接続された主蒸気管105を介し
て蒸気タービン106に送られる。蒸気タービン
106を駆動させた蒸気は主復水器107内に収
容され復水となりポンプ108により復水脱塩器
109に移送されポンプ110により給水加熱器
111に送られさらにポンプ112により給水管
113を介して再度前記原子炉圧力容器101内
に供給される。前記再循環配管104Aには浄化
系配管104Bが接続されており、この浄化系配
管104には高温浄化系114が介挿されてい
る。この高温浄化系114には低温浄化系115
が接続されている。上記高温浄化系114は浄化
系ポンプ116、入口弁117および高温コバル
ト脱塩器118から構成されており、また低温浄
化系115は再生熱交換器119、通常の熱交換
器120およびイオン交換樹脂脱塩器121から
構成されている。なお図中130はバイパス管を
示しこのバイパス管130には開閉弁131が介
挿されている。上記高温コバルト脱塩器118は
第3図に示すような構成となつている。すなわち
高温コバルト脱塩器118は炉水浄化装置122
を2基並設した構成となつており、この炉水浄化
装置122は蓋体123Aを有する容器本体12
3とこの容器本体123内に収容されたフイルタ
124とから構成されている。このフイルタ12
4は内側容器125内にマンガンフエライト
(MnFe2O4)の粉体を焼結してなる吸着エレメン
ト126を充填した構成となつており、カートリ
ツジタイプとなつている。なお図中符号127は
容器本体123下部に接続された入口管を示し、
128は容器本体123上部に接続された出口管
を示す。また図中符号129はコンクリート壁で
ある。上記マンガンフエライトの吸着エレメント
126はマンガンフエライトの真密度の35〜60%
であり、比表面積が5000〜300000cm2/cm3であり、
かつ直径が0.5〜5mmのものを使用している。 上記構成においてマンガンフエライトをコバル
トイオン吸着材として選定した背景を示す。まず
表−1に示す15種類の金属酸化物を次の3つの条
件を基準にして選定した。 (1) 熱水に不溶性であること (2) 有毒、有害でないこと (3) 容易にかつ安価に入手できること 【表】 【表】 そして上記15種類の金属酸化物につき一定条件
下で静的吸着特性を比較測定してみた。試料とし
ては市販の標準試薬を用い、粒度はいずれも微細
粉末でありまた比表面積は100×103cm2/cm3以上
300×103cm2/cm3未満である。測定は硬質ガラス製
フラスコに純水400mlおよび50ppmコバルト標準
液1mlを入れ、初期コバルト濃度を120ppbとし
た。そして前記17種類の金属酸化物を一律に1
g/添加し1時間沸騰状態に保持した後上澄液
中の残留コバルト濃度をフレームレス原子吸収法
により測定した。その結果表−2に示すような結
果を得ることができた。 【表】 【表】 注) 〓初期コバルト濃度120ppb(実測値)。
〓吸着量−値は吸着前より逆に残留コ
バルトが増加したもの。
この表から明らかなように鉄、マンガン、アル
ミニウム、タングステン、ジルコニウム、タンタ
ルおよびニオブの9種の金属元素の酸化物が優れ
たコバルトイオン吸着性を示した。 次に上記7種の金属元素の酸化物にそれぞれ有
機バインダーを重量比で7:3の割合で配合し、
ボールミルで約50時間混練した。その後乾燥させ
32メツシユ以下に砕いた後金型を使用しプレスに
よりφ7mm(径)×6mm(高さ)の円柱状に成形し
た。そしてバインダーをとばすため400℃までゆ
るやかに昇温させ、前記表−1に示した融点(ま
たは分解点)の50〜60%の温度で3時間、窒素
(N2)ガス雰囲気中で焼結し吸着エレメントとし
た。焼結上りサイズは直径が5〜6mm、高さが5
mmで重量が0.3〜0.5gである。9種の金属酸化物
粉体の比表面積は100×103cm2/cm3以上300×103
cm2/cm3未満であり、焼結体の比表面積は70×103
cm2/cm3以上200×103cm2/cm3未満であつた。測定は
4フツ化エチレン樹脂内張りのステンレス鋼製10
ビーカーに純水8000mlおよび0.5ppmコバルト
標準液1mlを入れ、初期コバルト濃度を62.5ppt
とした。そして前記各焼結エレメントをほぼ0.1
g/の割合で試験液中に加え1時間沸騰状態に
保持したのち上澄液中の残留コバルト濃度をフレ
ームレス原子吸収法により測定した。その結果表
−3に示すような結果を得ることができた。 【表】 【表】 この結果から明らかなように鉄、マンガンおよ
びタングステンの酸化物が優れたコバルトイオン
吸着性を示した。以上の背景のもとに本実施例で
は鉄の酸化物としてのマンガンフエライトを使用
したのであるが、他の6種の金属、マンガン、ア
ルミニウム、タングステン、ジルコニウム、タン
タルおよびニオブの酸化物を使用してもよく、ま
た鉄の酸化物としてはマンガンフエライト以外に
もニツケルフエライト、亜鉛フエライト、マグネ
シウムフエライト、バリウムフエライト、銅フエ
ライト等の使用が考えられる。 次にマンガンフエライトの吸着エレメント12
6の直径を0.5〜5mm、かさ密度をマンガンフエ
ライトの真密度の35〜60%、比表面積を5000〜
300000cm2/cm3とした背景について説明する。 まず直径であるが、一般に容器の流出口に張ら
れるメツシユの目開きは実用上最小のもので40μ
m前後である。したがつて前述したように直径が
1μm前後のマンガンフエライトの粉体をそのま
まの状態で使用した場合には粉体は炉水下流に流
出してしまう。流出口のメツシユを通過流出しな
いようにする為には第4図に示すように吸着エレ
メント126の直径D1を最低150μm(ASTM規
格で100メツシユ)とすればよい。しかしながら
ここでもう1つの条件そして圧力損失を考慮しな
ければならない。すなわち吸着エレメント126
の直径を小さくすればするほど圧力損失は増大す
る。従来イオン交換樹脂を使用した場合には、そ
の粒子径は60〜400メツシユ(0.04〜0.25mm)が
一般的である。この場合には層厚を約6mmと薄く
することにより圧力損失を最大2Kg/cm2に抑えて
いる。吸着エレメント126を使用した場合には
層厚は約100cmとするので直径が約150μmでは圧
力損失を2Kg/cm2に抑えることはできず第5図に
示すように直径D2を0.5mm以上にする必要がある。
次に上限を5mmとした理由を述べる。いま同一の
酸化物粉体よりなり、比表面積、細孔径分布、か
さ密度が等しい数種類の吸着エレメントを用意す
る。これら各吸着エレメントの一定量を60pptの
コバルトイオンを含む純水中に浸して100℃で1
時間煮沸し、その前後の液中コバルトイオン濃度
を測定してその差を検出することにより各吸着エ
レメントのコバルトイオン吸着能を計測した。そ
の結果吸着エレメントの大きさがある値を超える
とコバルトイオン吸着能が低下することがわかつ
た。これは多孔質である吸着エレメントに内部に
は水は開気孔を通じて十分いきわたるがある大き
さを超えた場合にはコバルトイオンが一次粒子面
に吸着した後の拡散によるコバルトイオンの補給
が吸着エレメントの奥深いところでは十分に行な
われないからである。この実験から吸着エレメン
ト126の直径の上限を5mmとした。 次にかさ密度について説明する。一般に焼結体
内部には第6図に示すように密閉された閉気孔
(closed pore)140および外気に連絡した開気
孔(open pore)141が形成されており、焼成
体の正味容積をv0、開気孔140の容積をv1、開
気孔141の容積をv2とし、質量をWとするとか
さ密度は次のように定義される。 かさ密度=W/v0+v1+v2 ………() さらに真密度および見かけ密度は次のように定
義される。 真密度=W/v0 ………() みかけ密度=W/v0+v1 ………() 本実施例による吸着エレメント126の場合に
は焼結温度が融点の70%程度であるので閉気孔1
40が生ずることはなく、したがつてみかけ密度
は真密度にほぼ一致することになる。炉水103
が吸着エレメント126の内部にまで入り込み炉
水103中のコバルトイオンが一次粒子の表面に
十分に吸着する為には、十分な大きさの開気孔1
41が焼結体内部に多数形成されている必要があ
る。その為にはかさ密度をおさえなければなら
ず、真密度の35〜60%が望ましい。かさ密度が60
%を超えると内部に水が入らず逆に35%未満であ
ると強度的に弱くなり粒子が欠け易くなる。60%
を超えた場合の状態を第7図に、35〜60%におさ
えた場合の状態を第8図にそれぞれ示す。 次に比表面積について説明する。比表面積とは
粉体表面の大きさを表わす尺度であり、単位体積
当りに含まれる全粒子の表面積の総和(cm2/cm3
であらわされる。すなわち化学的な方法(沈殿反
応、固相反応等)によつて製造された粒子は一般
に規則的な形態を有している。この粒子相互は焼
結等によつて強い凝集粒子(アグリケート)をつ
くつたり、粉砕工程や大気中の湿度にもとづく水
膜付着力によつて比較的弱い凝集粒子(アグロメ
レート)を形成する。これらアグリケートおよび
アグロメレート等の凝集粒子と区別する為にもと
の粒子単位を一次粒子と称する。粒子が凝集して
いようとも、一部焼結していようともイオン吸着
性は一次粒子の表面積の総和に比例する。吸着エ
レメントの直径および内部のかさ密度が等しくて
も吸着エレメントを構成する1次粒子の粒度が異
なれば吸着性能は異なる。すなわち1次粒子の粒
子径が大きくなれば比表面積は粒子径に反比例し
て小さくなる。例えば第9図に示す吸着エレメン
トを構成する一次粒子の粒子径は第10図に示す
吸着エレメントを構成する一次粒子の粒子径のお
よそ5倍である。この場合単位体積に含まれる全
粒子表面積はおよそ1/5となり吸着エレメントを
収容する容器の容積は5倍の大きさを必要とす
る。 一般に容器の直径、基数、線速度から流量が決
まり単位体積当りの吸着性能から層高が決まる。
例えば内径が4.3cm、高さ150cm、容積2.1の容
器に比表面積45×103cm2/cm3のマンガンフエライ
トの吸着エレメントを容積比で4%充填し(層高
充填率でも4%)60pptのコバルトを含む280℃、
70Kg/cm2の高温・高圧の熱水を線速度50m/hで
通したところ処理時間7400時間にわたりコバルト
除去率70%を保持した。また比表面積10×103
cm2/cm3のマンガンフエライトの吸着エレメントを
容積比で20%充填し同様の熱水を通したところや
はり処理時間7400時間にわたりコバルト除去率70
%を保持した。すなわち吸着エレメントの比表面
積が小さくなつた場合、充填容積比を大きくする
ことにより同様の除去効率を得ることができる。
吸着エレメントを100%充填した場合吸着エレメ
ントに許される比表面積の下限は2300cm2/cm3であ
り、さらに支持具の占める容積を考慮すると下限
は5000cm2/cm3である。また機械的強度等を考慮す
るとその上限は300000cm2/cm3である。 なお吸着エレメントは吸着エレメント相互ある
いは容器の内壁と衝突したとき欠けを生ずること
がないように、表面に突起がなく平滑である必要
がある。したがつて吸着エレメントの形状は球体
を基本とすることが望しく円柱、回転楕円体、多
面体等、またこれらに近似した形状であつてもよ
い。 以上吸着エレメントの直径、かさ密度および比
表面積について述べたが、つぎにいくつかの実験
例を記載する。 まず第1の実験例として炭酸マンガン
(MnCO3)と平均粒子径0.2μmの酸化鉄(Fe2O3
とをモル比で1:1に混合し、これに適量の水を
加えてボールミルで約20時間混合した後、内容物
を乾燥しこれを窒素(N2)ガス雰囲気中で1050
℃で3時間焼成した。そして常温まで冷却して焼
成体を粉砕し200メツシユのふるいを通して粉体
の結晶相を調べたところX線回析図形はマンガン
フエライト(MnFe2O4)に一致した。この粉体
をN2ガスを用い簡易1点式BET法で比表面積を
測定したところ50000cm2/cm3が得られた。そして
この粉体をバインダーを加えることなしに直径60
mm、高さ30mmの円板状に形成し、これを硬質炭素
の電極中に納め通電加熱しながら上下方向から30
Kg/cm2の圧力を加えて約900℃でホツトプレスし
た。これを破砕機により平均粒子径7mm、5mmお
よび2mmまで破砕した。これら各径の破砕粒につ
き前記1点式BET法で比表面積を測定したとこ
ろいずれも40000cm2/cm3であり、またかさ密度は
いずれも真密度の56〜58%であつた。このように
して得られた直径が7mm、5mmおよび2mmの破砕
粒をそれぞれ0.8gとり、60pptのコバルトイオン
を含む純水8中に浸し、100℃で1時間煮沸し
た後試験液中の残留コバルト濃度を測定した。そ
の結果、直径が2mmおよび5mmの破砕粒について
は10ppt以下の値が得られたが、直径が7mmの破
砕粒については34pptにとどまり十分なコバルト
除去性能を示すとこはできなかつた。これは前述
したように直径が5mm以上になると、コバルトイ
オンが1次粒子面に吸着した後の拡散によるコバ
ルトイオンの補給が奥深いところで十分に行なわ
れないからである。また直径が2mmおよび5mmの
破砕粒は60pptのコバルトを含む280℃、70Kg/cm2
の高温・高圧の熱水を線速度50m/hで通した連
続吸着試験において4000時間にわたつてコバルト
除去率70%を保持した。 そして前記200メツシユのふるいを通した比表
面積が50000cm2/cm3の粉末を圧力30Kg/cm2、1000
℃でホツトプレスして径が5mm、かさ密度が真密
度の72%、比表表面積が10000cm2/cm3の焼結エレ
メントを得た。この焼結エレメントを60pptのコ
バルトを含む純水中に浸し1時間煮沸したとこ
ろ、ほとんどコバルト吸着能を示さなかつた。こ
れはかさ密度が72%と大きく、破断面は金属光沢
を有し、顕微鏡視野においてかさ密度58%の焼結
エレメントに比して焼結反応が大いに進行してお
りその結果開気孔がきわめて少ないことによると
思われる。 次に第2の実験例として平均粒子径0.3μm、比
表面積200×103cm2/cm3のマンガンフエライト粉体
に有機バインダーと重量比で7:3の割合に配合
しボールミルで約20時間混錬した。その後乾燥し
32メツシユ以下に砕いた後金形を用いてプレスで
直径が7mm、高さが6mmの円柱状に成形した。そ
して有機バインダーをとばす為、400℃まで緩や
かに昇温し700℃で3時間N2ガス雰囲気中で焼結
した。その結果得られた焼結エレメントのかさ密
度は真密度の50%、比表面積は160×103cm2/cm3
あつた。この焼結エレメント0.8gを60pptのコバ
ルトイオンを含む純水8中に浸し、100℃で1
時間煮沸した後試験液中の残留コバルト濃度を測
定したところ10pptと、高いコバルト吸着性能を
示した。 また同様の円柱をN2ガス雰囲気中で800℃、3
時間焼成した場合にはかさ密度が真密度の54%、
比表面積が150×103cm2/cm3の焼結エレメントを得
ることができた。この焼結エレメント0.8gを同
様に60pptのコバルトイオンを含む純水8中に
浸し100℃で1時間煮沸した後、残留コバルト濃
度を測定したところ13pptとやはり高いコバルト
吸着性能を示した。前記焼結温度700℃の焼結エ
レメントおよび800℃の焼結エレメント共に焼結
上りサイズは径が5.5mm高さが5mmであり、いず
れもコバルト吸着性能の点では良好であつたが機
械的強度の点では800℃の場合の方が優れており
消耗し難い結果が得られた。これは比表面積の
大・小に関係すると思われる。 このようにしてかさ密度を真密度の35〜60%と
し、比表面積を5000〜300000cm2/cm3としかつ径を
0.5〜5mmに選ぶことにより、最適の吸着エレメ
ントを得ることができる。なお第4図および第5
図、第7図ないし第10図において符号126A
はマンガンフエライトの一次粒子を示す。 以上の構成をもとに第2図に示した本実施例の
作用を説明する。例えば原子炉運転時には入口弁
117を開弁し、開閉弁131を閉弁する。そし
て原子炉給水量の約8%の炉水103を導入して
高温浄化系114によりコバルトイオンを主とす
る各種金属イオンを除去する。高温浄化系114
の高温コバルト脱塩器118を通過した後炉水1
03を2分し、約2%に相当する方を低温浄化系
115に導入し主としてI、Cl等の塩基性イオン
を除去する。他方の残りつまり6%分は高温のま
ま配管132を介して給水管113になお、イオ
ン交換樹脂脱塩器121から出た炉水は再生熱交
換器119で高温浄化系114からの炉水と熱交
換して加熱された後、給水管113に供給され
る。 また原子炉停止時には、炉水103の圧力およ
び温度が低下する為低温浄化系115は再生熱交
換器119および熱交換器120なしで作動可能
となる。また原子炉停止時には燃料表面に付着し
ていた放射性コバルトを含む不溶性の金属酸化物
すなわちクラツドが燃料表面から離れ炉水103
中のクラツド濃度が通常運転時の約100倍に増大
する。これに対しマンガンフエライト等金属酸化
物の吸着エレメント126のクラツド除去効率は
低く、大量のクラツドを含む炉水103中で長時
間高温浄化系114を作動させると高温コバルト
脱塩器118の吸着エレメント126が損傷する
恐れがある。そこで開閉弁131を開弁し、入口
弁117を閉弁して低温の炉水103を直接イオ
ン交換樹脂脱塩器121に導く運転方法がとられ
る。 したがつて原子炉運転時炉水103を冷却する
ことなく高温のまま導入してコバルトイオンの除
去を行なうことができ熱交換ロスの増大、発電コ
ストの増加等の問題を解消することができ、また
コバルトイオンの吸着能力の高いマンガンフエラ
イトを使用しているのでコバルトイオンを効果的
に除去することができる。そしてマンガンフエラ
イトは粉体ではなく吸着エレメントとして使用し
ているので従来のように炉水配管系に流出するこ
とはなく、流出による2次的災害を未然に防止す
ることができる。さらに吸着エレメントはそのか
さ密度が真密度の35〜60%、比表面積が5000〜
300000cm2/cm3、径が0.5〜5mmと最適な条件で形
成されており、通水特性も良好で圧力損失も小さ
い。原子炉停止時には低温浄化系115のイオン
交換樹脂脱塩器121に直接炉水を導入すること
によりクラツドによる吸着エレメント126の破
損を防止することができる。 なお軽水炉用コバルト除去装置の適用場所とし
ては前記実施例に限つたことではなく例えば原子
炉圧力容器101の給水管113に介挿してもよ
い。 〔発明の効果〕 本発明による炉水浄化装置は、軽水冷却形原子
力発電プラントの炉水配管系に介挿された容器本
体と、この容器本体内に収容されたカートリツジ
タイプのフイルタとを具備し、上記フイルタは上
記容器本体内に設けられ炉水が流通する内側容器
と、この内側容器内に充填されマンガンフエライ
トの粉体を焼結してなる吸着エレメントとから構
成され、上記吸着エレメントのかさ密度をマンガ
ンフエライトの真密度の35〜60%、比表面積を
5000〜300000cm2/cm3、直径を0.5〜5mmにしたも
のである。 したがつて、炉水中のコバルトイオンを除去す
る吸着エレメントとしてマンガンフエライトを使
用しているので、炉水を冷却することなくそのま
ま導入でき、熱交換ロスの増大を防止できる。ま
た、マンガンフエライトを焼結体とし、そのかさ
密度を真密度の35〜60%、比表面積を5000〜
300000cm2/cm3、直径を0.5〜5mmにしているので、
炉水が吸着エレメントの内部まで流通して炉水中
のコバルトイオンを効果的に除去できると共に炉
水配管系への流出を防止でき、しかも通水特性が
良好なので圧力損失も少なくて済む。さらに、容
器本体内に収容されるフイルタをカートリツジタ
イプとしてあるので、コバルトイオン吸着後の処
理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例を示す図で、沸騰水形原子炉の
構成を示す系統図、第2図および第3図は本発明
の一実施例を示す図で、第2図は沸騰水形原子炉
の構成を示す系統図、第3図は第2図の一部詳細
図である。第4図および第5図は吸着エレメント
を示す図、第6図は一般的な焼結体の断面図、第
7図ないし第10図は吸着エレメントを示す図で
ある。 104B……浄化系配管、122……炉水浄化
装置、123……容器本体、124……フイル
タ、126……マンガンフエライトの吸着エレメ
ント。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 軽水冷却形原子力発電プラントの炉水配管系
    に介挿された容器本体と、この容器本体内に収容
    されたカートリツジタイプのフイルタとを具備
    し、上記フイルタは上記容器本体内に設けられ炉
    水が流通する内側容器と、この内側容器内に充填
    されマンガンフエライトの粉体を焼結してなる吸
    着エレメントとから構成され、上記吸着エレメン
    トのかさ密度をマンガンフエライトの真密度の35
    〜60%、比表面積を5000〜300000cm2/cm3、直径を
    0.5〜5mmにしたことを特徴とする原子炉の炉水
    浄化装置。
JP58237112A 1983-12-15 1983-12-15 原子炉の炉水浄化装置 Granted JPS60128395A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58237112A JPS60128395A (ja) 1983-12-15 1983-12-15 原子炉の炉水浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58237112A JPS60128395A (ja) 1983-12-15 1983-12-15 原子炉の炉水浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60128395A JPS60128395A (ja) 1985-07-09
JPH037916B2 true JPH037916B2 (ja) 1991-02-04

Family

ID=17010587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58237112A Granted JPS60128395A (ja) 1983-12-15 1983-12-15 原子炉の炉水浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60128395A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021032652A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社荏原製作所 放射性物質汚染水の除染装置及び除染方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53118696A (en) * 1977-03-24 1978-10-17 Hitachi Ltd Reactor coolant purification system
JPS5717899A (en) * 1980-07-09 1982-01-29 Hitachi Ltd Nuclear reactor decontaminating method
JPS58167997A (ja) * 1982-03-30 1983-10-04 株式会社東芝 磁気フイルタの運転方法
JPS58169093A (ja) * 1982-03-31 1983-10-05 株式会社東芝 粉末無機コバルト吸着材の充填方法及び粉末無機コバルト吸着材の回収方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53118696A (en) * 1977-03-24 1978-10-17 Hitachi Ltd Reactor coolant purification system
JPS5717899A (en) * 1980-07-09 1982-01-29 Hitachi Ltd Nuclear reactor decontaminating method
JPS58167997A (ja) * 1982-03-30 1983-10-04 株式会社東芝 磁気フイルタの運転方法
JPS58169093A (ja) * 1982-03-31 1983-10-05 株式会社東芝 粉末無機コバルト吸着材の充填方法及び粉末無機コバルト吸着材の回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60128395A (ja) 1985-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1300350C (en) Active metal bed
JPS58118984A (ja) 原子炉燃料集合体用焼結可燃性中性子吸収材ペレット
US20220277865A1 (en) Nuclear Reactor Assemblies, Nuclear Reactor Target Assemblies, and Nuclear Reactor Methods
EP0105498B1 (en) Inorganic adsorbent, production thereof and use thereof
US3278386A (en) Delay bed system for purification of nuclear fuel element purge stream
JPH037916B2 (ja)
Barney et al. The use of boron carbide for reactor control
Moon et al. Preparation of PAN-zeolite 4A composite ion exchanger and its uptake behavior for Sr and Cs ions in acid solution
CN114195486A (zh) 一种一步法制备MgO-Nd2Zr2O7型复相陶瓷惰性燃料基材的方法
US2996443A (en) Fissile material and fuel elements for neutronic reactors
NL193238C (nl) Pellet voor de sorptie van waterstofisotoop.
Lee et al. Performance test of 3D printed ceramic filters for capturing of radioisotopes from a nuclear reactor coolant
JPS60128393A (ja) 原子炉の炉水浄化装置
JPS61220785A (ja) 無機イオン吸着用焼結フイルタ材の製造方法
JP2679726B2 (ja) 原子炉冷却水用浄化剤及び浄化方法
Forberg et al. Synthetic rutile microencapsulation: a radioactive waste solidification system resulting in an extremely stable product
Roberts The Australian high temperature gas-cooled reactor feasibility study
JPS60128394A (ja) 原子炉の炉水浄化装置
CN117185390A (zh) 一种用于含氚废水处理的精馏填料及其制备方法
Mimura et al. Preparation of ceramic solid forms immobilizing cesium and/or strontium and evaluation of their physical and chemical properties
Freis et al. Overview of Post-Irradiation Examination results on Minor Actinide bearing fuels within the FUTURIX-FTA international collaboration
Bilewicz et al. Adsorption of radionuclides on oxide sorbents and impregnated porous membranes under high temperature conditions
CN116425135A (zh) 一种羟基氧化铁改性钠型磷酸锆及其制备方法和应用
JPS59166212A (ja) 軽水炉用高温フイルタ要素
JPS6166997A (ja) 原子炉の炉水浄化装置