JPH037903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、外部直流電源を電気機器に供給する
ときの電気接続器（DCプラグ・ジヤツク）に関
するものである。

従来技術とその問題点 テープレコーダ、ラジオ、ポータブルテレビな
ど電池を内蔵した電気機器は、非常に多い。これ
らの機器には一般に外部直流入力端子（通称DC
−IN端子）が設けられており、この外部直流入
力端子はジヤツク構造になつていて、この端子に
外部直流電源に接続されたDCプラグを差し込む
ことにより、内蔵電池の代わりに外部から直流を
供給できるようになつている。外部直流電源とし
ては、商用電源とAC／DCコンバーター（通称
ACアダプター）とを組合わせたもの、車のシガ
レツトライター・ソケツトにコードを接続したも
の等がある。上記の外部直流電源用DCプラグは、
第４図イに示すように、同軸状の電極すなわち外
側電極Ｅ及び内側電極Ｆを有する。また、上記外
部直流電源用ジヤツクは、第４図ロに示すように
ばね接触片Ａ、電極Ｂ及び中央電極Ｃを有する。
このような電気接続器においてプラグをジヤツク
に挿入すると、プラグの外側電極Ｅはジヤツクの
ばね接触片Ａを押し上げ接触片Ａと電極Ｂとを切
り離すが、その前にプラグの内側電極Ｆがジヤツ
クの中央電極Ｃと接触する。したがつて、内蔵電
池の回路が開放される前に外部直流電源が電気機
器に接続されることになる。

すなわち、従来の外部直流電源用電気接続器に
おいては、内蔵電池と外部直流電源との切換えの
タイミングについて全く考慮が払われていない。
したがつて、電気機器の内蔵電池にマンガン電池
やアルカリ電池が使用される場合は、これらの電
池が充電して使用される危険がある。特に、プラ
グとジヤツク部の接続が不充分であつたりする
と、これらの電池に充電電圧が供給され、温度が
上昇したり液の漏洩が生じたりする可能性が増
し、好ましくない状態となる。

問題点を解決するための手段及びその作用 本考案は、上述の問題点を解決するため、DC
プラグを電気機器のDC−IN端子に挿入する過程
において、内蔵電池の回路を開放した後に外部電
源が電気機器に接続されるようにしようとするも
のである。そのため、本考案においては、プラグ
をジヤツクに挿入すると、先にプラグの外側電極
がジヤツクのばね接触片を押し上げ、その後でプ
ラグの内側電極がジヤツク部の中央電極と接触す
る如き接触構造とする。即ち、プラグの内側電極
を外側電極に対し、その挿入方向とは逆方向に所
定の長さだけ引き込んだ位置に設け、プラグをジ
ヤツク部に挿入する際に、プラグの外側電極がジ
ヤツクのばね接触片を押し上げて、内蔵電池の電
圧が印加される電極とばね接触片とを切り離すこ
とにより、内蔵電池の電圧の内部回路への供給を
遮断した後、プラグの内側電極がジヤツク部の中
央電極に接触して電気機器と外部直流電源とが電
気的に接続されるように構成する。こうすれば、
内蔵電池が切り離された後に外部直流電圧が供給
されることが確実になる。

実施例 第１図は本考案の第１実施例を示す一部断面図
で、第１図イはジヤツク部、第１図ロはプラグ部
を示す。これらの図において、第４図と対応する
部分には同一の符号が付してある。図から分かる
ように、プラグの外側電極Ｅに対して内側電極Ｆ
を内部に長さＨだけ引つ込めてある。長さＨは、
ジヤツク部の構造に関連して適当な長さに選定す
る。プラグをジヤツク部に挿入すると、先に外側
電極Ｅがばね接触片Ａを押し上げて接触片Ａと電
極Ｂを切り離し、すなわち内蔵電池の回路を開放
し、その後プラグが更に挿入されると、内側電極
Ｆが中央電極Ｃに接触して電気的に接続され、外
部電源電圧が電気機器に供給される。

第２図は、このような電気接続器の使用例を示
す略式回路図である。かかるジヤツク・プラグを
使用すれば、内蔵電池に外部から直流電圧が印加
されることは生じなくなる。

第３図は本考案の第２実施例を示す一部断面図
で、第３図イはジヤツク部、第３図ロはプラグ部
を示す。

この図において、第１図と対応する部分には同
一の符号が付してある。なお、Ｄは絶縁層を示
す。本例は、第１図においてジヤツクの中央電極
Ｃとプラグの内側電極Ｆとを交換したような形の
ものである。本例においても、プラグの外側電極
Ｅに対して内側電極Ｆは内部に適当な長さＨだけ
引つ込めてある。したがつて、プラグをジヤツク
に挿入する過程で、プラグの外側電極Ｅがジヤツ
クのばね接触片Ａを押し上げて接触片Ａと電極Ｂ
とを切り離し、その後更にプラグが挿入される
と、ジヤツクの中央電極Ｃとプラグの内側電極Ｆ
とが接触し、外部電源が接続される。

上述の実施例では、プラグ部において外側電極
より内側電極を引つ込めた構造としたが、逆にジ
ヤツク部において中央電極Ｃを奥へ引つ込めた構
造としても、同様の効果が得られる。

考案の効果 本考案によれば、電気機器の内蔵電池の代わり
にDCプラグを用いて外部直流電源電圧を電気機
器に供給する場合、確実に電気機器の内蔵電池の
回路を開放した後に外部直流電圧が電気機器に供
給されるので、不完全なプラグとジヤツクの接続
でも、外部電源電圧が内蔵電池に印加され電池を
充電状態にするような危険を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す一部断面
図、第２図はその使用状況を示す略式回路図、第
３図は本考案の第２実施例を示す一部断面図、第
４図は従来例を示す一部断面図である。 Ａ……ジヤツク部のばね接触片、Ｃ……ジヤツ
ク部の中央電極、Ｅ……プラグ部の外側電極、Ｆ
……プラグ部の内側電極。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外部直流電源に接続され、同軸上に形成された
   外側電極及び内側電極を有するプラグ部を備え、 電気機器側に設けられ、上記電気機器の内部回
   路に接続された中央電極と、上記電気機器内に設
   けられた内蔵電池の電圧が印加される電極と、こ
   の電極に弾性的に接触して上記内蔵電池の電圧を
   上記内部回路に供給するばね接触片とから成るジ
   ヤツク部に上部プラグ部を挿入するようにした外
   部直流電源用電気接続器であり、 上記プラグ部の内側電極を外側電極に対し、挿
   入方向とは逆方向に所定の長さだけ引き込んだ位
   置に設け、上記プラグ部を上記ジヤツク部に挿入
   する際に、上記プラグ部の外側電極が上記ジヤツ
   ク部のばね接触片を押し上げて上記電極と上記ば
   ね接触片とを切り離すことにより、上記内蔵電池
   の電圧の上記内部回路への供給を遮断した後、上
   記プラグ部の内側電極が上記ジヤツクの中央電極
   に接触して上記電気機器と上記外部直流電源とが
   電気的に接続されるようにしたことを特徴とする
   外部直流電源用電気接続器。