JPH037562B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、商品、スーパーマーケツト、ハイ
パーマーケツト等のセルフサービス流通店舗にお
ける商品陳列棚等の販売展示用構造体に商品を供
給する装置に関する。すなわち、この発明は、買
物客が接近する少なくとも１個所の販売フロアを
有し、その上に互いに平行な何列かの販売陳列用
構造体を、買物客が移動するための通路間隔をお
いて配置する売り場に使用することができる。

〔従来の技術〕

従来のスーパーマーケツトやハイパーマーケツ
トにおいては、販売陳列棚に商品を陳列配置する
作業は、買物客が商品を手に取ると同じ側から行
なうのが普通である。そして販売陳列棚のすべて
の面に買物客が接近することができるのが常態で
ある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

かかる従来の陳列配置にはいくつかの欠点があ
る。例えば、開点営業時間中に陳列棚に商品を陳
列配置することは際めて困難であり、特に買物各
で混雑している時間帯には不可能でさえある。こ
のことは、一定の棚の商品が売り切れて空になつ
てもそのままにしておかざるを得ないため、店に
とつてはそれだけ販売機会を逸することを意味
し、また、買物客は購入したい商品が棚にないこ
とに失望したり、他方商品補給用運搬車を持ちこ
むと通路をふさいで邪魔になるという事態を招
き、店のイメージダウンにもつながる。さらに、
販売陳列している側と同じ側から陳列棚に商品を
補充すると、陳列棚に最後に置いた商品が最初に
売れることになり、古い商品が棚の奥の方に何か
月も置かれたまま売れ残ることになつて、特に生
鮮商品の場合に問題となる。後者の方の問題点
は、商品を補充する前にいつたんその棚を完全に
空にしてから、古い商品を新しい商品より前の位
置に再配置することによつて解消することが可能
であるが、この作業はかなり面倒であり、買物客
が居合わせるときは不可能であることが多い。

さらにまた、商品の補給は売り場からかなり遠
いところにある貯蔵庫から行なうことが普通であ
り、商品をかなり離れた貯蔵庫から売り場まで運
搬しなければならないこともひとつの欠点であ
る。特に複数の売り場を有する大型店舗の場合、
異なる売場との間を次々と往来する商品補給運搬
車によつて複数の区域がふさがれることになる。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、セルフサービス点舗におけ
る販売陳列用構造体に対する商品の補給を改良す
ることにある。

また、この発明の目的は、販売陳列棚が空であ
ること、または商品補給運搬車の往来によつて生
じる買物客に対する迷惑を少なくすることにあ
る。

さらに、この発明の目的は、販売商品を展示す
るための陳列用構造体と、陳列用構造体の周囲を
買物客が移動するための通路と、買物客用の通路
を使用せずに陳列用構造体に商品を補供する手段
とからなる売り場設備を提供することにある。

さらにまた、この発明の目的は、陳列用構造体
の商品補給におけるいわゆる先入れ先立し
（FIFO）を容易化することにある。

さらにまた、この発明の目的は、貯蔵庫区域と
それに対応する売り場との運搬距離を短縮するこ
とにある。

〔構成及び作用〕

上記の目的を達成するため、この発明に係るセ
ルフサービス店舗用装置は、買物客が立ち入るこ
とができる少なくとも１つの販売フロアと、この
販売フロアとは離間してその販売フロアの下方又
は上方に配置された少なくとも１つの貯蔵フロア
とを有し、前記販売フロアには複数の販売棚を並
列して配設し、その各販売棚の周囲を、買物客が
行き来する販売区域とするとともに、各販売棚の
背面部を、買物客が前記販売区域から接近するこ
とができない商品供給スペースとし、前記各販売
棚の背面側が、前記商品供給スペースに臨んでそ
の商品供給スペースを介し商品を補給することが
できる商品供給面となり、かつ、その商品供給面
の反対側の前面側が、前記販売区域における買物
客が溝入しようとする商品に接近することができ
る商品陳列面となり、さらに、前記販売フロア及
び貯蔵フロアのうちのいずれか一方に前記販売棚
の背面部の商品供給スペースに連絡した運搬用開
口を形成し、その運搬用開口を介して前記貯蔵フ
ロアから前記販売フロアの前記商品供給スペース
へ商品を運搬するための運搬手段を配設したこと
を要旨するものである。

例えば、貯蔵フロアを販売フロアの下方に配設
し、その販売フロアに販売棚の背面部の商品供給
スペースに連絡した運搬用開口を形成し、その運
搬用開口を介して前記貯蔵フロアから前記販売フ
ロアの前記商品供給スペースへ商品を運搬するた
めの運搬手段を、前記貯蔵フロア上を水平移動す
ることができるように配設するよう構成すること
ができる。

このように、この発明に係る装置においては、
販売棚の対向する両面を利用し、１面は商品補給
用に、他の１面は販売用に使用する。

なお、一対の販売棚を、それぞれの背面側を対
向させて並置し、両販売棚で画された各販売棚の
背面部を、買物客が販売区域から接近することが
できない商品供給スペースとし、その商品供給ス
ペースに連絡した運搬用開口を販売フロアに形成
して、買物客が販売区域の全周方向から接近する
ことができる孤立構造体を販売フロアに少なくと
も１つ形成すると好適である。

さらに、上記運搬手段としてリフトを内蔵さ
せ、そのリフトを、プラツトホームと、上記運搬
用開口を介してそのプラツトホームを往復動させ
る手段とから構成し、さらに、前記リフトを他の
販売棚まで水平移動させることができるようにす
ると好適である。

販売棚は、その一方の側のみを売り場とし、他
方の側は壁に面するようにしてもよく、例えば、
販売棚の背面部は、貯蔵フロアと運搬用開口を介
し連通させて買物客が立ち入ることのできない商
品供給スペースとし、これに対して前面側は、販
売区域において買物客が接近できるようにしても
よい。

商品補給の方法は上記と同様である。

〔実施例〕

次に、添付図面に基づいてこの発明に係る実施
例を説明する。

第１図は、大形店舗の全体的配置を模式的に示
したものであり、商品を陳列するための孤立構造
体１０は棚S₁，S₂等と列をなして互いに平行に延
びる。

１列の支払いカウンターを公知の態様で設置
し、中央カウンターと側棚は壁に向つて配置する
（例えば、生鮮品などは側棚になる）。

この実施例では、各孤立構造体１０は、孤立構
造体の内側から棚に商品を補給することができる
十分な商品供給スペース１を中間に設けて延びる
２列の平行した棚１１，１２からなる。また、各
孤立構造体の両端は閉止して、中央の商品供給ス
ペース１に買物客が立ち入ることのできないよう
にする。従つて、棚１１，１２の各列において、
買物客が接近できるのは外側の陳列面１１ａ，１
２ａだけである。買物客は内側の商品供給面１１
ｂ，１２ｂから商品を手に取ることはできない。

各孤立構造体１０の両端部１４，１５は簡単な
閉鎖用仕切り壁で形成することができ、これに
棚、篭等の販売商品陳列手段を設けてもよい。

第２図は、本発明の実施例に係る装置をより詳
細に示す模式図であり、商品供給スペース１の使
用状態を示すものである。

この実施例に係る装置は、第１図に示すフロア
に対応する、少なくとも１層の上部販売フロアＡ
と、販売用に展示しない商品を貯蔵する、少なく
とも１層の下部貯蔵フロアＢとからなる。

前記貯蔵フロアＢは、前記販売フロアＡの販売
用孤立構造体１０の棚１１，１２に対して垂直に
配置する貯蔵棚３を備える。従つて、これらの貯
蔵棚３は孤立構造体１０と実質上同一の中央商品
供給スペース１をその中間に有する。従つて各商
品供給スペース１は限定される容積として次の３
つの次元の方向に延びる： ・ 貯蔵棚３の列と販売棚１１，１２の列とを加
えた高さによつて画される垂直方向。

・ 販売棚１１，１２の長さによつて画される縦
方向。

・ 下部貯蔵フロアＢと上部販売フロアＡとの間
に商品を搬入することができる可動昇降商品供
給手段４の幅によつて画される横方向。

運転室５を備えた運搬リフト（可動昇降手段）
４は、運転室５内のオペレータが貯蔵棚３から商
品をピツクアツプすることを可能にし、さらに運
転室５が上昇してオペレータが両側の販売棚１
１，１２に商品を置くことを可能にする。また、
商品は反対方向において取り出すこともできる。
これらの作業において、運搬リフト４の運転室５
は、単なる上昇によつて、中央商品供給スペース
１の内部を貯蔵フロアＢから販売フロアＡまで移
動し、２列の販売棚１１，１２の間を商品供給ス
ペース１の全長に沿つて上昇した状態で前後に移
動することができる。

一方、運搬リフト４の運転室５が下降位置にあ
るときは、貯蔵フロアＢの所望の場所に移動する
ことができる。

なお、可動昇降手段で構成することもでき、貯
蔵棚３も第２図に示す位置とは異なる位置に配置
することができ、特に販売棚とは別異の棚にして
もよい。

簡単な実施例として、販売棚１６を商品供給ス
ペース１の一方の側のみに設け、他方の側は建物
の壁であつてもよい。すなわち、販売棚１６の列
は、買物客が接近できる陳列面１６ａと買物客が
接近できない商品供給スペース１に面した商品供
給面１６ｂとなる。なお、買物客が商品供給スペ
ース１に接近することを防止するため、防護棚１
７、その他の障害物を配置して買物客の危検防止
を図る。この防護棚１７に代えて商品を展示する
棚や篭にしてもよい。

この発明に係る設備には、次の安全手段を設け
ることができる： ・ 販売フロアＡにおける中央部の商品供給スペ
ース１の運搬用開口を閉じるため、防火パネル
２０を設けることができる。これらの防火パネ
ル２０は、床面と貯蔵棚３との中間に、販売フ
ロアＡに平行に摺動自在に装着することができ
る。

・ 棚１１，１２は、限定されたスペースの商品
開口部１を保護することも投立つ。

・ パレツト運搬する容器を置くべき場所におい
ては、商品供給スペース１に子供が近付くこと
を防止するため、バルコニーの欄干のように、
容器位置の前に欄干を配設することができる。

運搬リフト４のプラツトホーム５の動きに対す
る障害物を感知するため、触覚および／または光
学装置を商品供給スペース１の内部または運搬リ
フト４の運転室５の上部に設けることによつて、
商品が棚から突き出した状態にあるような場合
に、移動または昇降を停止することができる。か
かる感知装置はあらゆる注意を払つたにも拘ら
ず、中央部の商品供給スペース１に手などを入れ
てしまつた場合にも役立てることができる。

この発明の好適な実施例として、停止スイツチ
を設けることによつて、商品供給スペース１の上
限を越えて持ち上げられた状態で運転室５が前後
移動されることを防止するようにすることができ
る。

さらに、ガイドレール２２は、これを運搬用開
口２１と並行するように貯蔵フロアＢ上に設ける
ことによつて、前記運搬用開口２１内における運
搬リフト４の位置が中心に位置するようにする。

上記の装置を使用して販売棚に商品を供給する
方法は次のように行なう： ・ 運搬リフト４の下降状態にあるプラツトホー
ム５において、オペレータは、販売フロアＡの
真下に位置する貯蔵フロアＢの貯蔵棚３に貯蔵
された商品をピツクアツプする。

・ 運搬リフト４を、貯蔵フロアＢの天井部分に
形成した運搬用開口２１、すなわち所望の販売
棚１１，１２，１６の背後に形成する商品供給
スペース１における開口の下方において垂直方
向に直立させる。

・ 商品を積載したプラツトホーム５を前記運搬
用開口２１を介して販売フロアＡの販売棚の商
品供給面１１ｂ，１２ｂ，１６ｂの高さに位置
するまで上昇させる。

・ 商品を、先入れ先出し（FIFO）方式に従つ
て、プラツトホーム５から販売棚１１、１２，
１６に配置する。

・ プラツトホーム５を下降させ、運搬リフト４
が他の運搬用開口２１に移動できるようにす
る。

次に孤立構造体１０が２列の平行する棚１１，
１２である場合のやり方は次のようにする： ・ 商品をピツクアツプして下降状態にあるプラ
ツトホーム５に積載する。

・ 運搬リフト４を移動させていずれかの商品供
給スペース１の下に位置させる。

・ プラツトホーム５を運搬用開口２１を通つて
棚１１，１２間の商品供給スペース１まで上昇
させ、商品供給面１１ｂ，１２ｂを介して棚の
一方の列または両列に商品を配置する。

・ プラツトホーム５を下降させて、運搬リフト
４が他の位置に移動できるようにする。

上記の実施例においては、販売フロアおよび貯
蔵フロアが各１層の場合について説明したが、こ
の発明に係る２層以上の販売フロアおよび貯蔵フ
ロアによつて構成できることは言うまでもない。

さらに、上記の実施例においては、第２図に示
したように、貯蔵フロアを販売フロアの下方に配
置する場合について説明したが、単一または複数
の貯蔵フロアを販売フロアの上に配置してもよ
い。

〔効果〕

上記のような構成は生産性の向上をもたらし、
商品の取扱い上極めて望ましい状態をもたらす。
すなわち、販売棚に対する商品の補充は必要に応
じていつでも行なうことができ、また販売棚の背
面から商品を補充することになるので、最初に陳
列した商品が最初に売れる、いわゆる先入れ先立
し（FIFO）が達成できる。

従つて、古くなつた商品を片付けるために先ず
棚も空に必要がなく、棚の奥の方の再配置はオペ
レータによつて逐次先行して行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る販売区域を示す平面
図であり、第２図は、この発明に係る商品供給装
置を示す部分断面斜視図である。 １…商品供給スペース、３…貯蔵棚、４…運搬
リフト、５…プラツトホーム、１０…孤立構造
体、１１，１２…販売棚、１１ａ，１２ａ…陳列
面、１１ｂ，１２ｂ…商品供給面、１４，１５…
端部、１６…販売棚、１６ａ…陳列面、１６ｂ…
商品供給面、１７…防護柵、２０…防火パネル、
２１…運搬用開口、２２…ガイドレール、Ａ…販
売フロア、Ｂ…貯蔵フロア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 買物客が立ち入ることができる少なくとも１
   つの販売フロアと、この販売フロアとは離間して
   その販売フロアの下方又は上方に配置された少な
   くとも１つの貯蔵フロアとを有し、前記販売フロ
   アには複数の販売棚を並列して配設し、その各販
   売棚の周囲を、買物客が行き来する販売区域とす
   るとともに、各販売棚の背面部を、買物客が前記
   販売区域から接近することができない商品供給ス
   ペースとし、前記各販売棚の背面側が、前記商品
   供給スペースに臨んでその商品供給スペースを介
   し商品を補給することができる商品供給面とな
   り、かつ、その商品供給面の反対側の前面側が、
   前記販売区域における買物客が溝入しようとする
   商品に接近することができる商品陳列面となり、
   さらに、前記販売フロア及び貯蔵フロアのうちの
   いずれか一方に前記販売棚の背面部の商品供給ス
   ペースに連絡した運搬用開口を形成し、その運搬
   用開口を介して前記貯蔵フロアから前記販売フロ
   アの前記商品供給スペースへ商品を運搬するため
   の運搬手段を配設してなるセルフサービス店舗の
   販売フロアにおける販売陳列用構造体に供給する
   装置。 ２ 貯蔵フロアを販売フロアの下方に配置し、そ
   の販売フロアに販売棚の背面部の商品供給スペー
   スに連絡した運搬用開口を形成し、その運搬用開
   口を介して前記貯蔵フロアから前記販売フロアの
   前記商品供給スペースへ商品を運搬するための運
   搬手段を、前記貯蔵フロア上を水平移動すること
   ができるように配設した特許請求の範囲第１項記
   載の販売陳列用構造体に商品を供給する装置。 ３ 一対の販売棚を、それぞれの背面側を対向さ
   せて並置し、両販売棚で画された各販売棚の背面
   部を、買物客が販売区域から接近することができ
   ない商品供給スペースとし、その商品供給スペー
   スに連絡した運搬用開口を販売フロアに形成し
   て、買物客が販売区域の全周方向から接近するこ
   とができる孤立構造体を販売フロアに少なくとも
   １つ形成した特許請求の範囲第２項記載の販売陳
   列用構造体に商品を供給する装置。 ４ 運搬手段はリフトを内蔵し、そのリフトは、
   プラツトホームと、運搬用開口を介して前記プラ
   ツトホームを往復動させる手段とからなり、さら
   に、前記リフトを他の販売棚まで水平移動させる
   ことができる手段を備えた特許請求の範囲第１項
   ないし第３項のいずれかに記載の販売陳列用構造
   体に商品を供給する装置。 ５ プラツトホームの移動に対する障害を検知す
   るための検知手段を内蔵する特許請求の範囲第４
   項記載の販売陳列用構造体に商品を供給する装
   置。 ６ リフトを運搬用開口と平行して移動させるた
   めのガイドレールを内蔵する特許請求の範囲第４
   項記載の販売陳列用構造体に商品を供給する装
   置。 ７ 販売フロアにおける販売棚と実質上一列に並
   ぶ貯蔵棚を貯蔵フロアに設けた特許請求の範囲第
   １項ないし第３項のいずれかに記載の販売陳列用
   構造体に商品を供給する装置。 ８ 火災の場合に運搬用開口を閉鎖する、摺動自
   在に装置した防火パネルを有する特許請求の範囲
   第１項ないし第３項のいずれかに記載の販売陳列
   用構造体に商品を供給する装置。