JPH0375336B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、木目込み模様現出方法に関するもの
である。

(ロ) 従来の技術 従来、例えば、人形においては、木目込み手法
により模様を形成しており、これは立体とした人
形の原型に溝部を形成し、同溝部中に布等を木目
込んで取り付けて行くことにより、人形の原型表
面に模様を構成するものである。

ところが、立体とした人形の原型ではなく、箱
上面あるいは平板上に溝部を形成して、同溝部中
に布等を木目込んで布等を取り付け、平板表面に
模様を構成する木目込み手法が最近おこなわれて
いる。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、かかる木目込み手法によつて、
平板上に布等を木目込み、模様を現出させる際
に、形成する模様の細かい部分に布等を木目込む
ことは、技術的熟練が必要である為、かかる木目
込み手法において、細かい模様部分には、平板に
手書きで模様を書く方法をとらざるをえず、かか
る作業工程には多大の手間を要すると共に、製作
作業が煩雑であつた。

また、平板上の溝部は、直接に平板上に小刀等
をあてて形成する為に、全体的な模様の輪郭が画
一的でなく、一品製作となることにより、同一の
模様の製品を多量に生産できない欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明では、平板上に予めスクリーン印刷法等
によつて現出模様の一部に色彩を施すと同時に木
目込み線を印刷し、次いで、木目込み線に沿つて
木目込み溝を形成し、色彩以外の現出模様部分に
木目込み溝を利用して布等を木目込むことを特徴
とした木目込み模様現出方法を提供するものであ
る。

(ホ) 作用・効果 本発明では、例えば、平板とした箱の蓋表面等
に予めスクリーン印刷法等により、木目込み線等
を印刷すると同時に、現出模様の一部に色彩を施
すものであり、例えば、細かい模様部あるいは微
妙な色合いを現出する部分、すなわち、木目込み
手法が利用できない部分には、色彩を印刷する。

次いで、印刷された木目込み線に沿つて小刀等
にて木目込み溝を形成し、印刷模様部分以外の箇
所にこの木目込み溝を利用して布等を木目込み、
模様を構成する。

従つて、平板上に構成された細かい模様部分
は、印刷により色彩を施している為に、木目込み
模様部分に布等を木目込むことにより、全体の模
様を容易にかつ迅速に形成でき、また布等と印刷
した色彩の組合わせにより、全体の模様の多種多
様なバリエーシヨンを生起できる。

特に、平板上に木目込み溝を彫る為の木目込み
線をスクリーン印刷法等にて印刷することによ
り、画一的に一模様を容易に現出できると共に、
一品製作とした木目込み模様を多量生産すること
ができる効果を奏する。

なお、木目込み手法により、模様に立体感を生
起させることができ、木目込み手法を人形以外の
ものにおいて、その応用範囲を拡大することがで
きる。

(ヘ) 実施例 本発明の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
図中、Ａは箱体であり、Ｂは同箱体Ａの蓋体を示
しており、同蓋体Ｂの表面は、平板１により形成
されている。

また、かかる平板１上には、第１図に示すよう
に、スクリーン印刷法等Ｃにより、色彩模様２と
木目込み線３が印刷される。

例えば、平板１上に人形模様ａを形成するに
は、色彩模様２とした人形の頭部、足部、手部、
また手にする手拭い部分に予め色彩を印刷する。

かかるスクリーン印刷Ｃ等は、第２図Ｉに示す
ように、平板１上に人形模様ａを有した印刷原版
Ｄを載置し、その印刷原版Ｄの上にインクＥ等を
すりこむことによつて、第２図にすように、平
板１上に人形模様ａの色彩模様２と木目込み線３
を印刷する。

そして、木目込み線３により人形模様ａ等の外
観を構成している。

次いで、第２図に示すように木目込み線３に
沿つて小刀４等を利用して木目込み溝５を形成す
る。

かかる木目込み溝５は、第３図に示すように平
板１上に幅狭状としている。

また、第２図に示すように、木目込み溝５に
は、模様を形成する布６等の端縁を木目込み、布
６等を同溝５に固着する。

なお、布６等と平板１との間及び木目込み溝５
中には、接着剤を介在している。

このようにして、木目込み溝５，５との間に布
６等を取り付けて、各木目込み溝５，５間に布６
等が覆つた状態となり、かかる手法により、人形
模様ａに立体感を生起させることができる。

なお、木目込み作業に際して、スクリーン印刷
等による色彩模様２部分には、布６等の木目込み
は行わず、印刷の色彩模様２をそのまま現出させ
るものである。

以上のように、本発明は、平板１上に全体の模
様の一部を形成する色彩模様２及び木目込み線３
が印刷により形成される為に、多量に同一模様を
現わすことができ、また、木目込み手法が利用で
きない細かい部分を色彩によつてその現出が容易
に行えることができる。

さらに、本発明は、平板１上に木目込んだ模様
と色彩模様２により、人形その他の模様等を微妙
な色彩等によつて美的効果を向上させて、多大な
商品価値を有することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の木目込み模様現出方法にお
ける箱体の斜視図。第２図は、本発明の方法を示
す説明図。第３図は、木目込み手法の断面説明
図。 １：平板、３：木目込み線、５：木目込み溝、
６：布。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平板１上に予めスクリーン印刷法等によつて
   現出模様の一部に色彩を施すと同時に木目込み線
   ３を印刷し、次いで、木目込み線３に沿つて木目
   込み溝５を形成し、色彩以外の現出模様部分に木
   目込み溝５を利用して布６等を木目込むことを特
   徴とした木目込み模様現出方法。