JPH0373290B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は集塵室に装着した集塵袋に集塵する電
気掃除機に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の電気掃除機は、例えば、実開昭
55−79961号公報に記載されているように、掃除
機本体の集塵室の後部に電動送風機室の電動送風
機の吸気側に連通する吸気口を形成し、この集塵
室の前側に吸気口と水平方向に沿つて直線状に連
通する吸込口を開口した構造が採られていた。こ
の従来の構造の電気掃除機では、掃除によつて集
塵袋に捕捉された塵埃が底部に詰まつても集塵袋
の周面から濾過した空気流が吸気口を通して電動
送風機に吸込まれるように、集塵袋の外周面と集
塵室の内面との間に吸気口に連通する通気路を確
保するために、例えば、集塵室の内面に集塵袋の
外周面が密着されることを防止するリブなどを形
成する必要がある。このため、集塵室の内面に形
成する補強リブなども通気路が形成されるように
設けなくてはならず、リブなどの構造、形状に制
約を受ける問題があつた。

また、特開昭58−118726号公報に記載されてい
るように、掃除機本体の集塵室の前面に形成した
吸込口を斜め上方に向けて開口した構造が知られ
ている。

（発明が解決しようとする課題） 上記特開昭58−118726号公報に記載されている
構造の電気掃除機では、集塵室内の上部に電動送
風機の吸気側に連通される通気路をフイルタを介
して形成した構造のため、集塵袋の拡がりが悪
く、吸込口に装着した集塵袋の周面がフイルタ面
に吸着されて密着されるため、集塵袋の濾過面が
フイルタとの対向面に限られ、濾過面が減少し、
掃除効率が低下し、頻繁に集塵袋を交換する必要
があり、この掃除機でも、集塵袋とフイルタとの
間に通気路を形成するリブなどを設ける必要があ
つた。

本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、集
塵袋を集塵室に前側上部から後側下部に向う対角
線上に集塵袋を配設し、集塵袋の膨らみが良好と
なり、集塵袋の外周面と集塵室の内面との間に通
気路が必然的に形成され、集塵袋の濾過効率が高
められるとともに、集塵袋の底部から塵埃は順次
蓄積され、効率のよい集塵ができ、さらに、集塵
袋の装着、取外しが容易にできる電気掃除機を提
供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の電気掃除機は、電動送風機を配設した
電動送風機室とこの電動送風機室の吸気側に吸気
口によつて連通された集塵室とを形成しかつこの
集塵室に連通する吸込口を有しこの集塵室の開口
部を開閉する蓋体を設けた掃除機本体を備え、前
記集塵室と前記電動送風機室とを連通する前記吸
気口はこの集塵室の後側下部に形成し、前記集塵
室の開口部は上部から前部に亘つて開口し、前記
集塵室の開口部を開閉する前記蓋体には前記電動
送風機室と連通する前記吸気口から前側上部に向
う対角線方向に向けて前側上部位置に前記吸込口
を形成し、前記集塵室内には前記蓋体の吸込口の
内側に沿つて上記対角線と直交する方向に立設さ
れた集塵袋装着板の下部を回動自在に支持すると
ともにこの集塵袋装着板と前記吸込口の内側に向
つて付勢し、前記集塵袋装着板に装着された集塵
袋は前記吸込口から吸気口に向う断面形状が略矩
形形状で前記吸込口から後側部下部の吸気口に向
う対角線に沿つて配設したものである。

（作用） 本発明の電気掃除機は、掃除機本体の集塵室の
吸込口に装着した集塵袋はこの集塵室の後側下部
から前側上部へ向う対角線方向に向けて傾斜状に
配設され、集塵袋の外周面と集塵室の内面との間
には通気路が必然的に形成されるので、集塵室の
内面に密着されることがなく、集塵袋の上下部に
通気間〓が確実に保持され、集塵袋の外周面を有
効的に利用して濾過でき、集塵室の内面に集塵袋
の外周面が密着されないようにするためのリブな
どを形成することにより通気間〓を保持する必要
がなく、リブは単に集塵ケースの補強のみを図れ
ばよく、集塵袋の濾過効率を高め、掃除効率が向
上される。また、集塵袋は吸込口に折畳んだ状態
で装着しても電動送風機の吸込力により拡がると
きに、集塵袋は集塵室の内面に接触して抵抗を受
けることなく、円滑に拡がる。さらに、集塵室は
集塵袋が後側下部から前側上部へ向う対角線方向
に向けて傾斜状に配設されるようにするために、
集塵室の前部が上側が狭まるようになつても、蓋
体は上面から前面に亘つて集塵室を開口するた
め、集塵袋の装着、取出しが容易にできる。

（実施例） 次に本発明の電気掃除機の一実施例の構成を図
面について説明する。

２は電気掃除機本体で、電動送風機１を配設し
た電動送風機室２ａと、この電動送風機室２ａに
配設された電動送風機１の吸気側に連通された集
塵室３とを有し、この集塵室３内に集塵袋４が着
脱自在に装着されるようになつている。

前記掃除機本体２は略直方体状をなし、電動送
風機室２ａの後側に前記電動送風機１の排気側に
連通する排気口１１を形成するとともに、電動送
風機室２ａの前側下部、すなわち、前記集塵室３
の後側下部に前記電動送風機１の吸気側に連通す
る吸気口１２が形成されている。また、この掃除
機本体２の下部両側に後輪１３が設けられてい
る。さらに、前記電動送風機２ａの前側上部に係
止部１４が設けられている。

また、前記集塵室３は略直方体状をなし、この
集塵室３は上面から前面に亘つて開口部２９が形
成され、この開口部２９には開閉自在の蓋体２１
が設けられ、また、集塵室３底面には水平方向に
回動自在の前輪２２が設けられている。そして、
この蓋体２１の前面上部には前記集塵室３の後側
下部に前記電動送風機１の吸気側に連通された吸
気口１２から前側上部へ向う対角線方向に向いて
開口する吸込口２３が開口されている。

そして、この吸込口２３の外側から挿脱自在に
装挿される吸込管２４はこの吸込口２３が前側上
方に向つて形成されているため、斜め上方に向つ
て突出されるようになつている。また、前記蓋体
２１は集塵室３の後端部が前記係止部１４に係脱
自在に係合されるクランプ２５が回動自在に設け
られ、このクランプ２５は係合部１４に係合する
方向に付勢するばね２６が装着されている。

また、この蓋体２１の上面には前記クランプ２
５の前側近傍から縦断面が略彎曲するように後側
に向つて凹んで内面側に突出した把手部２７が形
成されている。

さらに、前記集塵室３の前側下部となる蓋体２
１の下側縁にこの集塵室３の前側下部に係脱自在
に係合する係合部２８が形成され、この蓋体２１
はこの係合部２８を支点として前側に回動して開
閉されるようになつている。そして、この蓋体２
１によつて開閉される集塵室３の開口部２９の縁
部にはシールパツキン３０が取付けられて蓋体２
１は気密性を保持して開口部２９を閉塞してい
る。また、前記吸込口２３の内側周囲にもシール
パツキン３１が設けられている。さらに、前記集
塵室３の前側下部は敷居などの乗越しに適する弧
状面のそり部３２が形成されている。また、この
そり部３２と前記吸込口２３との間に把手３３が
形成されている。さらに、前記集塵３における吸
込口２３の内側に沿つて矩形状の集塵袋装着板３
４が、この集塵室３の前側下部の内面に吸気口１
２から吸込口２３に向う対角線と直交するように
設けられ、この集塵袋装着板３４は下部がこの集
塵室３内の下部にヒンジ３５にて回動自在に取付
けられ、このヒンジ部３５にこの集塵袋装着板３
４を吸込口２３側に向けて付勢するねじりコイル
ばねが設けられている。また、この集塵袋装着板
３４には上側から前記集塵袋４を保持するための
切り欠き部３６が形成されている。

また、前記集塵袋４は前記集塵室３の吸込口２
３から吸気口１２に向う断面形状が略矩形形状
で、この集塵袋４の開口部には、中央部に集塵口
４１が開口された矩形状の口枠４２が取付けら
れ、この口枠４２を前記集塵袋装着板３４の切り
欠き部３６に着脱可能に装着することにより集塵
袋４は吸気口１２から吸込口２３に向う対角線上
に沿つて集塵室３内に斜め状に装着される。そし
て、このように吸気口１２から吸気口２３に向う
対角線上に沿つて装着された集塵袋４の底部は前
記吸気口１２に対向して臨ませられ、この集塵袋
４の上側後部と下側前部と集塵室３の内面との間
にはそれぞれ前記吸気口１２に連通される間〓が
形成される。

次にこの実施例の作用を説明する。

掃除に際して、電動送風機１を駆動すると、吸
込管２４から吸込まれた吸込み風は吸込口２３か
ら集塵袋４内に入り、濾過された空気は集塵袋４
と集塵室３の内面との間の空間に抜け、吸気口１
２から電動送風機１に吸込まれ、排気口１から排
気され、集塵袋４には吸気口１２に対向する底部
から順次蓄積されて集塵される。このとき、集塵
袋４の吸気口１２に対向する後部に塵埃が詰つて
も、周面上下部の空間は吸気口１２に連通され、
集塵袋４からの濾過空気の吹き抜けが効率よく行
われる。

また、集塵室３の後側下部の吸気口１２から前
側上部の吸込口２３に向う対角線方向に向つて吸
込口１２は形成されているため、装着された集塵
袋４は電動送風機１の駆動で集塵袋４は膨らみ易
く、折畳まれた状態で装着しても、集塵袋４が膨
むとき、集塵袋４の上下部には空間部が存在し、
集塵袋４が集塵室３の内面に接触することがない
ので、集塵袋４は抵抗を受けることなく、円滑に
膨み、集塵効果が損われることがない。

また、集塵袋４が対角線に沿つて集塵室３内に
装着されることによつて集塵室３内に形成される
空間は、蓋体２１の内面に突出した把手部２７に
よつて無駄な部分が少なく、また集塵室３の前側
下部にそり部３２を形成しても、集塵室３の前側
下部の空間部が狭められる程度で、集塵室３を大
きくする必要もない。

そして、吸込み風とともに吸引された風は、吸
込口２３から集塵袋４の底部へと対角線方向に向
かい、底部からも順次蓄積されて集塵される。

また、吸込管２４は挿入する吸込口２３が対角
線方向に開口しているため、斜め上方に突出さ
れ、吸込管２４を持つて掃除をし易く、また、第
３図に示すように、把手３３をもつて前方を浮上
らせて移動させることができ、この状態では、吸
込口２３の位置が高く、棚の上や、壁の上部など
を掃除する際に、吸込管２４の長さを補うことが
できる。

また、集塵袋４の交換に際しては、第２図に示
すように、蓋体２１を開いて、集塵室３の開口部
２９を開いて集塵袋装着板３４を回動させなが
ら、集塵袋４を取外し、新たな集塵袋４を集塵袋
装着板３４に取付ける。この集塵袋４の交換時
に、開口部２９は上面から前部に亘つて開口さ
れ、集塵袋４を装着する前部が、集塵袋４を後側
下部から前側上部へ向う対角線方向に向けて傾斜
状に配設されるようにするために、集塵室３の前
部が上側が狭まるよう傾斜されても、集塵袋４の
装着、取出しが容易にできる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、電動送風機の吸気側に連通す
る吸気口は集塵ケースの集塵室の後側下部に形成
し、吸込口は吸気口から集塵室の前側上部へ向う
対角線方向に向けて開口し、集塵室内に装着され
る集塵袋は吸込口の内側に集塵口を連通装着され
てこの吸込口から前記後部の吸気口に向う対角線
に沿つて配設されるため、集塵袋が集塵室の内面
に密着されることがなく、集塵袋の上下部に通気
間〓が保持され、集塵袋の全面から濾過でき、集
塵室の内面に集塵袋の外周面が密着されないよう
にするためにリブなどを形成して通気間〓を保持
する必要もなく、集塵袋の濾過効率を高め、さら
に、吸込み風とともに吸引された塵埃は吸込口か
ら集塵袋の底部へと対角線方向に向かい、この集
塵袋の底部から順次蓄積されるので効率のよい集
塵ができ、掃除効率が向上でき、また、吸込み風
は集塵室の前側上部の吸込口から後側下部に位置
した吸気口に向かう対角線方向に流れるため、こ
の対角線に沿つて配置されている集塵袋は膨らみ
易く、集塵袋は吸込口に折畳んだ状態で装着して
も電動送風機の吸込み力により拡がるときに、集
塵袋は集塵室の内面に接触して抵抗を受けること
なく、円滑に拡げることができる。また、集塵袋
の交換時に際しては、開口部は上面から前部に亘
つて広く開口されており、集塵袋を装着する前部
が、集塵袋を後側下部から前側上部へ向う対角線
方向に向けて傾斜状に配設されるように、集塵室
の前部が上側が狭まるよう傾斜されても、集塵袋
の装着、取出しが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気掃除機の
縦断面図、第２図は同上蓋体を開いた状態の縦断
面図、第３図は同上電気掃除機の持ち運び時の状
態を示す側面図である。 １……電動送風機、２……掃除機本体、２ａ…
…電動送風機室、３……集塵室、４……集塵袋、
１２……吸気口、２１……蓋体、２３……吸込
口、３４……集塵袋装着板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電動送風機を配設した電動送風機室とこの電
   動送風機室の吸気側に吸気口によつて連通された
   集塵室とを形成しかつこの集塵室に連通する吸込
   口を有しこの集塵室の開口部を開閉する蓋体を設
   けた掃除機本体を備え、 前記集塵室と前記電動送風機室とを連通する前
   記吸気口はこの集塵室の後側下部に形成し、 前記集塵室の開口部は上部から前部に亘つて開
   口し、 前記集塵室の開口部を開閉する前記蓋体には前
   記電動送風機室と連通する前記吸気口から前側上
   部に向う対角線方向に向けて前側上部位置に前記
   吸込口を形成し、 前記集塵室内には前記蓋体の吸込口の内側に沿
   つて上記対角線と直交する方向に立設された集塵
   袋装着板の下部を回動自在に支持するとともにこ
   の集塵袋装着板を前記吸込口の内側に向つて付勢
   し、 前記集塵袋装着板に装着された集塵袋は前記吸
   込口から吸気口に向う断面形状が略矩形形状で前
   記吸込口から後側部下部の吸気口に向う対角線に
   沿つて配設したことを特徴とする電気掃除機。